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更新日: 2021.01.07

不動産投資は老後の年金代わりになるのか?

不動産投資は老後の年金代わりになるのか?

「老後2,000万円問題」が浮上し、老後の年金代わりとして不動産投資が注目を集めています。しかし、本当に不動産投資は年金代わりになるのか、イメージできないという人も中にはいるのではないでしょうか?そこで今回は、不動産投資は老後の年金代わりになるのかどうかを解説していきます。不動産投資に失敗しないためのポイントもあわせて紹介しますので参考にしてください。

老後に必要な生活費と年金受給額はどれくらい?

「老後2,000万円問題」とは、老後は年金だけでは生活費が足りず、その不足額が2,000万円にのぼるという金額が浮き彫りになり議論が巻き起こった問題です。

総務省の2019年「家計調査」によれば、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出(月平均)は239,947円でした。

一方、専業主婦(主夫)と会社員(公務員)の夫婦が受け取る年金額は月額202,000円(国民年金56,000円+厚生年金146,000円)です。詳細は次の通りです。

厚生労働省の「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、自営業や専業主婦などが受給する国民年金(国民年金受給者の老齢年金)は、1か月当たり平均で56,000円です。男女別では男性が58,775円、女性が 53,342円です。

会社員や公務員など(厚生年金保険第1号受給者)が受給する厚生年金は、1か月当たり146,000円です。厚生年金は現役時代に支払った額によって支給額も異なります。男性の方が一般的には給与が高いため、支給される金額は男性は163,840円、女性は102,558円と開きがあります。

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このように直近のデータをふりかえってみても、年金だけでは生活費が足りないのです。今後、年金の受給額が削減されたり、支給開始年齢が引き上げられたりする可能性もあるでしょう。ですから、金銭面で老後生活の不安を感じないようにするためにも、不足分を補えるだけの資産形成が大切なのです。

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老後の生活費の不足額は?

次に貯蓄額も含めてみていきます。再び総務省の2019年「家計調査」によれば、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯(高齢無職世帯のうち高齢夫婦無職世帯)の消費支出は239,947円、実収入は237,659円、可処分所得は206,678円でした。ひと月に33,300円ほど不足する計算となります。

高齢夫婦無職世帯の家計収支--2019年-引用:家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)II 総世帯及び単身世帯の家計収支|総務省

この月々の不足分を補うことになる貯蓄についてみてみると、世帯主が60歳以上の二人以上の高齢者世帯の貯蓄現在高の中央値(貯蓄額の低い世帯から高い世帯へ順番に並べたときに中央に位置する世帯の値)は、1,506万円です。

高齢者世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布-(二人以上の世帯)-2019年-引用:Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況|家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)|総務省

2人が何歳まで生きるかによって変わってきますが、月々の生活費返済を補うための老後資金としては、ギリギリといったところです。今後、若者の人口減少が進む日本において、年金制度がどう維持されていくかが問題となります。受給する金額が減るとしたら、不足する生活費を何で補うのかという点がますます重要となります。

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年金にプラスアルファ、私的年金ともいわれる不動産投資

年金と貯蓄だけで補えないのであれば、何かしらの収入が必要です。そこで、継続して安定した収入が期待できる不動産投資に注目が集まっています。不動産投資は、毎月決まった家賃収入が得られ、長期運用できるのが特徴です。

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株式投資やFX投資の場合は、連日のように相場をチェックし、売買を繰り返さなければなりません。さらに収入も予想がつかず安定はしません。一方、不動産投資は物件を購入すれば、その後は毎月家賃収入が得られます。管理会社に管理を委託すれば管理の手間もなく収入だけを得られます。

もちろん、不動産投資についての勉強は必要ですが、毎日相場をチェックするような作業はありません。それに万が一病気になったときでも、自らが労働しなくても定期的な収入が得られるので安心です。不動産投資ローンに疾病付きの特約をつけられる団体信用生命保険も、最近では登場しています。

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複数物件所有する理由

自ら労働しないで不動産に働いてもらって家賃収入を得る不動産投資ですが、都心にある区分のワンルームマンション1戸の家賃が6万円だとしたら、上記結果の2019年時点の月々のマイナス分(約3万円)は補える計算になります。

しかし上記のような金額の年金が支給されるかというと、人口も減少する中でどうなるかが不透明です。そこで、将来給付される年金額の不足に備えて、物件の所有戸数を増やすのです。複数物件を所有することで家賃収入も増加が見込めますし、空室リスクなどのリスク分散にもなります。

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失敗しないために気をつけたいポイント

前項までを読んで、不動産投資は老後の年金代わりとして十分な役割を果たせると思ったかもしれませんが、必ずしも成功するとは限りません。老後に備えて始めた不動産投資が失敗してしまっては本末転倒です。失敗しないためにはコツがあります。

では、不動産投資に失敗しないようにするコツとはどんなものがあるのでしょうか? 気をつけたいポイントは5つあります。

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不動産投資について勉強する

何の知識も情報もなく不動産投資を始めるのは非常に危険です。わからないからといって不動産会社の言いなりになって契約してしまい、失敗するケースは少なくありません。

不動産投資で利益を出すには、良い物件を見分けられる“目”が必要になります。不動産投資に失敗しないためには、投資についてよく勉強し、知識と情報を得ることが大切です。

信頼できる不動産会社を選ぶ

不動産投資が成功するかどうかは、不動産会社選びが重要な要素のひとつです。すぐに不動産会社を決めてしまわず、じっくりと選びましょう。

気になる不動産会社があればインターネットの口コミを調べたり、実際に不動産会社に足を運んで相性を確かめたりして、信頼できる不動産会社かどうか見極める必要があります。

きちんとリスクまで説明してくれるかどうかも不動産会社を選ぶときのポイントです。また、物件は購入したら終わりではありません。物件の管理やメンテナンスまでしっかりとフォローしてくれる不動産会社かどうかも確認しましょう。

物件の管理状態を見極める

不動産投資を失敗しないためには、良い物件を見つけることが大切です。そして、良い物件とは、長期にわたって建物の劣化を可能な限り食い止め、最善の状態が保たれることです。新築マンションでは管理状態の良さは未来のことなのでわかりませんが、中古マンションなら、それまでの状態をみることで、管理のよしあしを判断できます。

不動産会社が提示する利回りだけを見ない

物件を探しているとき、「この物件の利回りは○%です」と不動産会社から説明を受けることがあるかもしれません。これは「表面利回り」といって、物件が満室だった場合の数字です。

しかし、修繕やリフォームが多い物件の場合は、家賃収入から必要経費を支払わなければならない可能性があります。そうなると、たとえ表面利回りが良くても出費が多く、年金代わりとして使える金額が減ってしまうでしょう。

表面利回りから経費や税金などを差し引いたものを「実質利回り」といいます。物件を購入する際は、表面利回りでなく実質利回りで、どれだけの収入を得られるかを計算することがとても大切です。

また、利回りが高いということは物件価格が安いということで、人気がある立地の建物で安いというのは何か理由があるかもしれません。利回りのみに注目して判断することは避けましょう。

安い物件に飛びつかない

たとえ手頃な価格の物件があっても、即決しないことも大切です。物件そのものと周辺環境をよくチェックして、入居者がすぐに決まるような物件かどうかを判断しましょう。もし周辺に似たような条件でキレイな物件があれば、そちらの方が人気物件の可能性があります。

「安さ」が売りの物件には、何かしらの理由があります。その理由を見極めた上で判断しましょう。

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まとめ

不動産投資を老後の年金代わりにすることは十分可能だといえるでしょう。だからこそ、「老後2,000万円問題」を解決する手段のひとつとして、人生の早い段階から不動産投資をすることでリスクも抑えられます。

不動産投資も投資のひとつなので絶対に成功するわけではありません。失敗しないポイントをしっかりと押さえ、年金代わりになる優良物件を見つけましょう。

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RENOSYマガジン編集部

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