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2021.01.18 / 2021.05.21 更新日

不動産投資でフルローンを組める? 事前に知りたいメリット・デメリットとは

不動産投資でフルローンを組める? 事前に知りたいメリット・デメリットとは

不動産投資を始める人は、ローンを組んで物件を購入するケースが多いですが、その際は頭金をいくらか用意するケースも多いでしょう。しかし頭金ゼロ円でもローンを組むことはでき、それを「フルローン」といいます。

フルローンにもメリットはあるものの、収支が悪化しやすいなどのデメリットもあるので注意が必要です。そこで本記事では、不動産投資でフルローンを組むメリット・デメリット、およびデメリットへの対策を解説していきます。フルローンを組んで不動産投資を始めようとしている人は、ぜひご確認ください。

不動産投資におけるフルローンとは?

不動産投資におけるフルローンとは「頭金ゼロ」でローンを組むことです。

例えば4,000万円の投資用不動産を購入するとします。そのとき頭金を1割(400万円)入れるなら、残りの3,600万円を銀行から借入れます。一方フルローンの場合は頭金ゼロなので、4,000万円すべてを銀行から借入れるというわけです。

詳しくは後述しますが、フルローンは銀行の審査に通りにくいです。また月々の返済額が高くなるため、空室時の返済負担も大きくなります。

とはいえフルローンにもメリットはあるので、次章から詳しく解説していきます。今回解説するメリット・デメリットを頭に入れつつ、フルローンを組むのか頭金を入れるのか判断しましょう。

フルローンで不動産投資を始めるメリット

フルローンで不動産投資を始めるメリットは以下の通りです。

  • ローンを組むことで手元資金を確保できる
  • フルローンを組めばレバレッジ効果が高まる
  • フルローンを組むと団体信用生命保険の効果が大きくなる

それぞれ詳しく解説していきます。

メリット1. フルローンを組むことで手元資金を確保できる

フルローンは頭金ゼロなので、手元資金を減らさずにローンを組めます。

手元資金を確保しておくことで、以下のような事態にも対応できる点がメリットです。

  • 別の投資案件に資金を投下するとき
  • 子どもの教育資金が必要なとき
  • 事故や病気によって突発的な支出が発生するとき
  • 所有不動産の修繕費などに対して手元資金で補填するとき

特に子どもの教育資金や、事故・病気による突発的な支出は、不動産投資ではなくプライベートな支出です。これらの支出は人によって異なるので、現在の家族構成や子どもの年齢などを加味して考えてみるとよいでしょう。

メリット2. フルローンを組めばレバレッジ効果が大きくなる

レバレッジ効果とは「てこの原理」のことです。不動産投資に置き換えると、小さい資金で大きな資産(不動産)を得るという意味になります。

フルローンを組むとなぜレバレッジ効果が大きくなるのか

フルローンを組むとレバレッジ効果が大きくなる理由は、自己資金額が少額に抑えられるからです。例えば4,000万円の不動産を購入するとき、頭金を1割入れたケースとフルローンで組むケースではレバレッジ効果が異なります。

頭金を1割(400万円)入れるということは、諸費用と合わせて600万円ほどの資金が必要です。つまり「4,000万円÷600万円=約6.6倍」のレバレッジ効果になります。

一方フルローンの場合は諸費用だけなので、「4,000万円÷200万円=20倍」がレバレッジ効果です。頭金を入れるかどうかで、これほどまでにレバレッジ効果が変わります。

レバレッジ効果と収益性の関係

レバレッジ効果が高いと収益性も高くなりやすいです。というのも不動産投資の収益は「資産額×利回り」で計算されるので、資産額が大きいほど収益性は高くなります。

ただし運用に失敗すると赤字になりやすいというリスクもあるので注意しましょう。その詳細と対策については後述します。

メリット3. フルローンを組むと団体信用生命保険を組んだときに得をする

団信は生命保険の一種であり、借入者が以下の状況になったときに、その時点の残債が保険金として振り込まれます。

  • 借入者が亡くなったとき
  • 借入者が高度障害になったとき

団信フルローンでなくても付保されることがあります。しかしフルローンの場合は借入額が大きいため、残債も高額になりやすく、支払われる保険金も高額になります。

また団信に加入すると金利が0.1〜0.3%上乗せされる銀行もありますが、団信の保険料を銀行が負担してくれる場合もあります。銀行負担のケースであれば、フルローンを組むことで自動的に「高額な保険金が支払われる保険」へ加入しているといえるでしょう。

【関連リンク】
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公務員に向いている不動産投資。規定違反しないための注意点とは

フルローンで不動産投資を始めるデメリット

次にフルローンで不動産投資を始める以下のデメリットを解説します。

  • フルローンを組む際の審査は厳しい
  • フルローンを組むと収支が悪化しやすい
  • フルローンを組むことでほかの借入れがしにくくなる
  • フルローンを組むと金利上昇リスクが大きくなる

結論から言うと、頭金を用意できないからフルローンを組むという考え方は避けた方がよいでしょう。

デメリット1. フルローンを組む際の審査は厳しい

不動産投資ローンを組む際に、銀行が借入者を審査する項目は以下の通りです。

  • 借入者の年収・自己資金率や年齢など
  • 借入者の勤務先や雇用形態・勤続年数
  • 借入者の信用情報(過去の延滞歴など)
  • 不動産の担保価値や収益性

大きく分けて「借入者の属性」と「不動産の収益性」の2軸から審査します。

フルローンを組むと「借入者の自己資金率」がゼロになります。その状態では借入者の年収や勤務先などの評価が高くないと、審査には通りにくいでしょう。

一般的には大企業の正社員や公務員は安定性が高いと評価されるため、ローン審査に通りやすいといわれています。しかし銀行によってどの項目を重視するかは異なるため、審査してみないと承認になるか否決になるかはわかりません。

デメリット2. フルローンを組むと収支が悪化しやすい

上述のように、フルローンを組むとレバレッジ効果が高くなるので、高い収益を望めます。しかしフルローンを組むことで月々のローン支払額は高額になるので、空室時の負担が大きくなります。

つまり満室稼働しているときは高い収益性を期待できるものの、空室になったときに赤字転落しやすいのです。空室時は家賃収入がない状態でローンの支払いが発生するので、数カ月程度の空室には耐えられるような資金を用意しておきましょう。

デメリット3. フルローンを組むことでほかの借入れがしにくくなる

これは銀行は既存借入を支出とみなすからです。例えばA銀行で4,000万円ローンを組んでおり、月々のローン支払額が17万円だとしましょう。

このとき投資物件をもう1件購入しようと、同じくA銀行に新たな借入れを申し出るとします。その場合、A銀行は既存の借入れ(月々支払い17万円)も加味して審査するため、新しく組むローンの審査に通りにくいのです。

今後物件を増やそうと考えている人は、この点も加味してフルローンを組むか判断しましょう。

デメリット4. フルローンを組むと金利上昇リスクが大きくなる

不動産投資ローンは住宅ローンに比べて金利が高く、3%を超える金利になることも少なくありません。

さらにフルローンを組むことで借入額が高額になるので、金利が上昇したときに返済額の上昇も大きくなります。フルローンを組むときは金利上昇時にも耐えられる資金計画を組みましょう。

不動産投資でフルローンを組むポイント

前項までで、不動産投資でフルローンを組むメリット・デメリットを解説しました。その点を踏まえたうえで、フルローンを組みたい人に向けて、この章ではフルローンを組むポイントを解説します。具体的には以下がポイントです。

  • 銀行との関係性を強化する
  • 自己資金がある状態で審査を受ける
  • 長期的に収支をシミュレーションする
  • 赤字リスクに備えておく
  • 信用できる不動産会社を選ぶ

ポイント1. 銀行との関係性を強化する

例えば定期預金を契約している銀行や、メインバンクとして利用している銀行でローン審査をした方が承認されやすくなります。もちろんどのくらい有利になるかは、定期預金額や預金残高によります。

ただし、特に地方銀行や信用金庫は、このような点を重視する傾向がある点は覚えておきましょう。

ポイント2. 自己資金がある状態で審査を受ける

銀行によっては預金残高の通帳を添付資料にすることで、借入者の与信を確認します。

例えば預金残高が500万円あれば、預金残高が100万円の借入者よりも、銀行は返済不能になるリスクは小さいと判断するでしょう。そうなるとローン審査に通りやすいのです。

ポイント3. 長期的に収支をシミュレーションする

不動産投資では以下のようなランニングコストが発生します。

  • 原状回復費用
  • 室内の設備入れ替え費用
  • リフォーム

これらの費用は現状だけでシミュレーションすると漏れてしまう支出です。また長期的に見ると、空室で家賃収入がゼロになる可能性もありますし、家賃が下落することもありえます。

そのためこれらの費用を加味するためには、少なくとも10年以上の長期間で収支をシミュレーションしておきましょう。

ポイント4. 赤字リスクに備えておく

上述のようにフルローンを組むと手持ち資金を捻出せずに済みます。しかし月々の返済額が高額になるので、空室時に返済が大変です。

万が一手元に資金がなければ、ローン返済を延滞してしまうことになります。最低でも数カ月の空室には耐えられる余剰金を、手元に残しておいた方がよいでしょう。

ポイント5. 信用できる不動産会社を選ぶ

上述した長期的なシミュレーションは、不動産会社に策定してもらうからです。実績が豊富で、精度の高いシミュレーションをしてくれる不動産会社を選びましょう。

また不動産会社によっては銀行を斡旋してくれます。銀行ごとに重視する審査項目が異なるので、自分のプロフィールと相性が良い銀行の方がフルローンを組みやすいです。

斡旋できる銀行が多いほど自分と相性の良い銀行が見つけやすいので、実績があり信用できる不動産会社選びが重要といえます。

頼りになる不動産会社を見つけることから始めよう

このように不動産投資でフルローンを組むと、手元資金を確保できたりレバレッジ効果が高まったりというメリットがあります。一方、審査が厳しかったり収支が悪化しやすかったりというデメリットには注意が必要です。

これらのデメリットを解消するためには、やはり頼りになる不動産会社を見つけることが重要です。不動産会社を選ぶときは、実績や担当者の対応などを確認し、信用できる不動産会社かどうか見極めることをおすすめします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

中村昌弘

都内の私立大学を卒業後、新卒採用で不動産ディベロッパー勤務。不動産の用地仕入れや、分譲マンションの販売・仲介などを手掛ける。2016年に独立して以降、不動産関係のライティングも業務の1つに。

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