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作成日: 2022.07.11

【実体験】アパートの不動産投資にチャレンジ! その目的や狙いを紹介します

【実体験】アパートの不動産投資にチャレンジ! その目的や狙いを紹介します

最近、不動産投資を始めました。すでに保有していた株や投資信託などとは異なる資産で、新たな投資にチャレンジしてみようと考えたことがきっかけです。

さまざまなタイプの物件を検討しましたが、少しの自己資金でもしっかりとプラスのキャッシュフローを出せることが決め手となり、新築のアパート一棟を選択しました。

投資先の分散と将来の資産拡大のため、不動産投資を検討

以前より、私は株式や投資信託などの有価証券での運用は行っていました。積み立てや株式の累投(毎月定額で株式を購入する累積投資)も取り入れ、長期的に資産を増やしていける状態を構築しています。

また、ソーシャルレンディングや外貨預金も取り入れながら、ポートフォリオ全体のリスクをコントロールするとともに、投資先の分散を徹底していました。

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そのような中で、さらなる投資先の分散と資産の拡大を目的に、不動産投資にも興味を持つようになりました。まだ取り入れていない投資手法の中で考えると、不動産投資に対して銀行ローンを活用してレバレッジをかけられることに魅力を感じていました。

金融業で働いているという職業柄、信用取引やFXなどレバレッジをかけた投資手法はほとんど禁止されています。また通常のレバレッジをかけた運用は、極端にリスクが高くなるため投資できずにいたのです。

その点、家賃収入を主目的とした不動産投資は、家賃収入が安定して入ってくる限りにおいては、レバレッジをかけても実質的なリスクは大きく上がるわけではないと考えています。

また、ローンを返済しきれば最終的には大きな資産が自分のものになるので、資産規模の拡大を重視する私にとって適した選択肢であると考えました。

一方で、不動産投資には一定以上の頭金が必要であると考えていたため、これまでチャレンジできずにいました。「200万〜300万円前後なら用意できるが、それでは厳しいだろう」と考えていたのです。

そんな中、ほとんど頭金なしで購入できる、もしくは200万〜300万円程度でも検討余地があるという提案を不動産投資会社から受けたことをきっかけに、不動産投資の検討を本格化することにしました。

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複数の営業を受けて、投資物件を検討

不動産投資に関する営業については、これまでも複数の企業からたびたび受けていました。特に中古・新築の区分マンション投資の営業が多く、年金もしくは生命保険代わりという名目で話を伺うことが多かったです。

その他Webサイトなども見るなかで、現在の私のステータスで検討の余地があるのは次の4つのタイプだと考えました。

  • 中古マンション区分
  • 新築マンション区分
  • 中古アパート一棟
  • 新築アパート一棟

中古一棟アパートをまず除外

当初のイメージでは、「新築一棟アパートは正直手を出せるかどうかギリギリか、ちょっと足りないか」という印象でした。東京とその他大都市圏の価格差などを知らず、東京の物件を見ていたため、ことさらに難易度が高い印象を持っていたのです。

そのような漠然とした印象のまま、複数社の提案を聞きながら、イメージを明確化していきました。結果もっとも効率よく収益を得ながら資産を増やせるのは、不動産投資に精通している人なら「中古一棟アパート」であると感じましたが、一方で初心者には運営が難しいと考えました。

中古アパート一棟以外の場合、実質的に家賃の保証がついていたりと、物件管理まで一任できる不動産会社がありますが、中古一棟だけはそういう企業が見当たらず、自前で物件管理を考えなければならない様子でした(私の情報収集不足かもしれませんが、検討時点ではそのように判断しました)。

そのためまず中古アパートの一棟投資を最初に除外しました。

キャッシュフローを重視した結果

そのほかは、初心者がチャレンジするうえでどれも検討余地があるように感じました。区分マンション投資については、新築も中古も、ほとんど自己資金ゼロでも投資可能なスキームを複数提案いただきました。本当に数万円など、手付金程度の少額です。一方で新築アパートについては数百万円程度の頭金が必要とのことで、一時はアパートをあきらめかけました。

他方、キャッシュフローはマンション投資の場合は、いずれもローン返済期間はマイナスに。ローンを完済すればまとまった資産と家賃収入が入ってくるようになるというものでした。「生命保険や年金代わり」という広告はこれを意味していたのかと改めて気づきました。

不動産投資においては月々のキャッシュフローは絶対であると考えておりましたが、改めて情報を整理しました。

  1.  ローン払い中はマイナスでも、完済後は家賃収入をえられればよいか?
  2.  物件価格が上昇することでキャピタルゲインが得られればよいか?
  3.  修繕や災害時のリスクに備えが必要ではないか?

まず1.について、私の場合は「NO」でした。実は、私はあわよくば早期リタイアしたいと考えているので、老後まで収入が入ってこないスキームは選びづらい状況です。

続いて2.ですが、そもそも価格変動リスクから離れた運用を行いたいというのが不動産投資の動機の一つであったため、キャピタルゲインをうまく獲得しなければマイナスになる投資には抵抗がありました。

3.についても、被災すると保険がおりるなどの仕組みはあるものの、一定期間人が住めなくなる期間が発生し、家賃収入が途絶えてしまうリスクは消えないと認識。やはり家賃収入を積み上げてさまざまなリスクのバッファとする仕組みが必要だと感じました。

以上の考えを整理したうえで、新築・中古マンション区分と新築アパート一棟投資を提案してくださった各社に「税引き後でキャッシュフローをプラスに維持できるスキームでいけるか?」と確認しました。

新築アパートに決定

その結果、新築マンションはほぼ不可。東京23区はもとより、ほかの都市部でもキャッシュフローはマイナスになるからです。中古マンションは都内ではない都市圏であれば税引き前プラスは可能性ありでしたが、固定資産税考慮後でプラスに維持するのは、数百万円の頭金を積まなければ難しい様子でした。奇しくもこの時必要な頭金は新築アパートと同程度でしたが、キャッシュフローの規模は新築アパートに分がありました。

新築アパートの一棟投資については「運が良ければ23区内でも可能性あり、三大都市圏まで広げればチャンスは十分」とのこと。実際に試算でいただいた計画書は年間数十万円のキャッシュフローが年々積み上がるスキームでした。

そして最後にネックであった頭金は、さすがにゼロとはいかなかったものの、当初私が上限に据えていた300万円程度であれば物件によっては可能ということが判明。この時点で投資する物件タイプは新築アパートに決めました

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大阪圏のアパート購入を決定

そこからは具体的な物件の検討に入りました。新築のアパートを手頃な頭金で受け付けている企業は多くなく、早い段階でお付き合いする企業は絞られ、その時建築プロジェクトが進んでいるいくつかの物件を紹介してもらいました。

東京・名古屋・大阪の三大都市圏について物件の紹介がありましたが、いずれも土地勘はないし、素人では調べ込んで良し悪しを厳格に評価するのは不可能。ただ、ほとんどが駅数分以内、最寄り駅は各都市圏のターミナル駅まで数駅と、どう疑っても利便性は問題ないように見えたのです。

グーグルマップで町の状況も見てみましたが、初心者の目からは問題のある地域には見えませんでした。ほとんどの物件がワンルームだったので「近隣で働いていて、一人暮らしなら普通に住みたい」と思うくらいでした。

そのため、最後は基本的にキャッシュフローの出方で決めました。キャッシュフローが多いものを優先、同程度の場合は、物件価格が安く借入総額が小さくなると期待されるものを選びました。最終的には、大阪の都心部の物件購入を決定しました。

完成しないと物件の本体を見られないのは新築物件のネック

その後はローン審査・金消契約(​金銭消費貸借契約​)と進み、物件を確定してから3カ月程度で契約は完了しました。ここまで来て、物件をまだ見ていないことに気づきました。これは不動産会社が悪いのではなく、新築の場合、施工を進めながら契約を行うため、契約締結の時点ではそもそも物件ができていないのです。

実際に内見できるのは引き渡しの直前になるため、現実的には万が一物件に問題があっても、もう後戻りはできません。もしかしたら、なかには契約前に内見させてくれる会社もあるのかもしれませんが、この辺りの実情はわかりませんでした。

今回購入した物件は結果的に、少なくとも素人目にはとても良い建物で、駅近であることも加味すれば自分も住みたいと思うような物件だったので、この点で問題にはなりませんでした。しかし、物件を見られないまま最後まで決断しなければならないのは、やはり新築不動産投資のリスクだと感じました。

何はともあれ、無事引き渡しが終わり、家賃収入も発生し始めていて、ひとまずは滞りなく進み始めたのかなという印象です。

今後の展開について

さて、ひとまず初めての不動産投資が一巡したわけですが、最終的に私は新築のアパート一棟投資を選びましたが、正直どの選択肢も悪くないと思っています。そして今後をどうしようかと改めて考えているところです。

物件管理について

物件管理や入居者のコントロールはすべて購入した不動産会社のグループ企業である管理会社に一任できたので、ひとまず私がやることはありません。購入時点でその費用も含めてキャッシュフローのシミュレーションをもらっていて、とりあえずはその計画通り収入が入り始めています。

少し先を見据え修繕などの費用が発生すると考えられることから、キャッシュフローは少なくとも当面は消費せず、貯蓄もしくは投資信託など数日程度で換金できる投資に回そうと考えています。幸いにしてこのキャッシュを生活費に充てる必要は特にない状況です。

初年度の節税効果がすごい

購入してわかったのは、初年度は諸費用やローン利払い、減価償却もろもろでかなりの帳簿上の赤字が発生します。諸費用については実際に支払っているお金ですが、ほかはキャッシュフロー計算に含まれている、もしくは現金が出て行かない費用です。

私の場合、初年度については100万円単位で赤字が生じる見込みで、所得の圧縮効果は大きいようでした。ローンに占める利息の割合が徐々に縮小していくことで、徐々に赤字は縮小、いずれ黒字化が見込まれていますが、初年度の所得圧縮にはやや驚いています。

高所得者や富裕層の場合、節税効果を狙って不動産投資を行う方が少なくありませんが、ようやくその構造がわかった気がしました。

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繰上返済の是非が難しい

物件のローンは30年で、変動金利です。現在は歴史的な低金利局面なため、ローン金利もおそらく低水準。当面この環境が続くと想定されるものの、30年間維持されるかというと、ちょっと自信が持てません。

そこで検討されるのは繰上返済ですが、この判断がとても難しいなと感じています。

  1.  ローンを返せばキャッシュフローが改善する
  2.  支払利息より高いリターンを狙えるなら、繰上げせずに有価証券に回すべき
  3.  ローンを返すと将来の利払額が減るため、毎年費用計上できる金額も減る

この3つの要素を総合的に加味して返済の是非を検討する必要があります。市場環境やローン金利動向などの状況を見ながらですが、来年以降は一部を徐々に繰上げしながら、残りは投資に回すイメージを持っています。

【今後の計画1】出口について

私の場合、この物件を限界まで持ちきって家賃収入を得るのか、どこかのタイミングで売却して金銭に換えるのかは、現時点では答えが出ていません。一応どのタイミングで、購入価格の何%で売却すればどのくらい収益が出るのかは手元で試算しています。

感覚的には大きな修繕が課題となり始める10年前後、法定耐用年数切れ前後の17〜25年程度が売却検討の目安で、そこで難しいようなら保有継続というイメージを持っています。逆に5年以内に売却してしまうと譲渡益に対する税金が高額になるので、まずは5年間は絶対保有を継続することになると思います。

【今後の計画2】保有物件の拡大について

今後の収入状況にもよりますが、基本的には「これで打ち止め」とは考えておらず、次の物件を検討することになると考えています。引き続き、ビルを持つのは無理なので、新築/中古の区分マンション、新築/中古のアパートを検討することになると考えています。

節税効果の観点や現実的な資金手当の状況を鑑みると、少なくとも次は来年以降になると思っています。

新築アパートについては私の与信が持つかどうかの勝負になってきます(住宅ローンもあり、現時点で借入総額は億単位)。しかし、いくつかの会社は、同程度のフルローンに近いスキームで出せる可能性があるという話は伺っています。中古アパートについてはやっぱりまだ怖いな、と思っています。

一方で、数百万円頭金を出すなら、区分マンションでもキャッシュフローをプラスにする術はあるものと考えています。私の資産運用のポリシーとして投資先の分散はとても大事にしている点なので、不動産投資においても物件タイプの分散を考えるのも悪くないと思っています。

次は区分マンションの検討を進める可能性が高いかな、と今は感じています。今回は大阪に物件を持ったので、都内の区分マンションを持つと、地理的な投資分散の観点でも望ましいと思っています。

さすがにもう一つ、1億円に近い借入れを行うのは、たとえ審査が通るのだとしても怖いというのもあります。当面はキャッシュフローがプラスになるようにスキームを組めますが、例えば災害などで全損したときにはローンを自分で払う必要があります。

今回購入した物件だけなら、当面の間は最悪ローンを全額手出ししても家計が持つと考えていますが、アパート2つ分のローンはさすがに全額手出しできないので、今の自分の資産・収入状況から考えると、リスクが高すぎる気がするのです。

その点、区分マンションであれば、ローンのサイズも小さく済みますし、何より物件がRC造りで堅牢なので、さすがに全壊というリスクも相対的に小さくなるでしょう。

引き続き、下調べや各社の提案を聞きながら検討を進めますが、以上のような理由から、中古マンションの区分投資の優先順位が高いと感じています。

不動産投資の目的を明確にすることが大切

初心者の場合、まず不動産投資の目的を明確にしたうえで、どのタイプの物件で投資にチャレンジするかが重要であると感じました。

将来の年金や保険代わりなら区分のマンション投資が手頃で始めやすい一方で、私のように日々のキャッシュフローや資産の拡大を目指すなら一棟投資の可能性を探るのが有効です。

これから不動産投資にチャレンジしようと考えている人は、その目的を整理しておくと、スムーズに検討を進められるでしょう。

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RENOSY 不動産投資(アパート投資)

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この記事を書いた人

伊藤圭佑 証券アナリスト

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。

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