この記事を書いた人 RENOSYマガジン編集部
「不動産投資は、生命保険の代わりになる」とよく言われます。これはマンション購入のために融資を受ける際に、団体信用生命保険(以下:団信)に加入するためです。融資を申し込む前にしっかり押さえておきたい団信の意味や種類、注意点などについて紹介します。
CONTENTS目次
はじめに団体信用生命保険(団信)の基本からみていきましょう。
不動産は、多くの方は金融機関から借入れをした上で購入をします。ローンを組む際に多くの金融機関で融資の条件にしているのが、団体信用生命保険(団信)への加入です。
一般的に「保険に入る」ときには、加入者自らが毎月保険料を支払うものですが、不動産投資ローンを組む際、金融機関が団体信用生命保険料を保険会社に支払う形をとなります。そのため多くの場合、ローンを組む本人は、保険料の支払いを特別に意識する必要はありません(金融機関によって、加入者が支払う場合もあります)。
なお、死亡時や高度障害状態になった時に住宅ローンが完済状態となる団体信用生命保険には、金融機関が保険料を負担する形で、つまり借入れ金額や金利に追加で保険料が上乗せされることなく、団体信用生命保険に加入することが可能な場合もあります。
また、「がん団信」など加入する団信の種類や、借入れを行う金融機関によっては、保険料をプラスで支払う場合が発生します(支払い方法として、ローンの返済金利に保険料分を金利として上乗せして支払うような団信もあります)。
団信に加入したあと、ローンを組んでいた不動産オーナーが亡くなったときには、対象物件におけるローンの残債(残りの借金)は、すべて保険会社が肩代わりしてくれます。これによりご家族には、ローンのない家賃収入を生み出し続けるマンションが残されます。
たとえば、2,000万円のワンルームマンションを購入して、 残債が1,500万円のときに不動産オーナーが亡くなった場合、団信の保障によって残債は0円になります。
死亡保険金1,500万円が保険会社から支払われて残債が0円になるため、この不動産オーナーは受取額1,500万円の生命保険に加入していたのと結果的に同じという見方もできるのです。
大黒柱がいなくなった後の一番の問題は、収入が激減することですが、団信付きの不動産があればご家族にとっても大きな助けになってくれます。
残されたマンションは、売却して現金化してもいいですし、そのまま家賃収入をもらい続けてもいいでしょう。こういった部分にフォーカスして、「不動産投資は、生命保険の代わりになる」と表現されるのです。
一般の生命保険と団信には決定的な違いもあります。生命保険に加入すると、当然、給与などの収入から生命保険の保険料を支払わなくてはなりません。
一方団信の払い込み保険料は、ローン返済の金利に含まれる形で支払っている場合には、毎月の「目に見える支払い」がありません。
そういった団信の性質上、不動産投資をはじめたことで「生命保険を解約する」という投資家も少なからずいます。
なお税制上、団信は所得控除の一つである生命保険控除の対象とはなりません。その点は確認が必要となります。
2018年12月に生命保険文化センターが発表した「平成30年度生活保障に関する調査」によると、生命保険加入世帯における生命保険(個人年金保険を含む)の年間の払込保険料は、38万2,000円です。
不動産投資をはじめることで、この払込保険料を(事実上)節約できるという考え方もできます。
同じく「平成30年度生活保障に関する調査」によると、生命保険加入世帯における生命保険(個人年金保険を含む)の普通死亡保険金(死亡保障金)の金額は、2,255万円でした。
関東圏の都心の中古ワンルームマンションと同じくらいの金額の保障を受けるために、毎年38万円の保険料を給与から支払う計算となります。
不動産投資ビギナーの中には、団信は1種類しかないと思われている方もいるようです。
団信には、不動産オーナーが亡くなったときに受取保険料が発生するものの他に、高度障害を負ったときにカバーしてくれるものもあります。さらに、特定の病気になったときに保障してくれる「3大疾病保障付き団信」や「7大疾病保障付き団信」などもあります。
たとえば、3大疾病保障付き団信であれば、「ガン・急性心筋梗塞・脳卒中」などに対応します。
こういったタイプの団信を希望であれば、金融機関の担当者に疾病保障付き団信の扱いの有無を確認してみましょう。ただし、約款に「皮膚ガンは含まれない」「規定の障害が認められないと支払えない」などの除外項目もあるため、必ず内容を細かく確認したうえで加入してください。
次々と所有物件を増やして家賃収入が多くなってくると、法人化する投資家もいるでしょう。このような、対象者の事業内容や資産状況に応じて都度つくられる事業用ローンであるプロパーローンが利用されます。プロパーローンの加入は任意であるケースが多く見受けられます。
また、団信の払込保険料は、ローン金利に組み込まれていたり、金融機関が負担する場合もあります。融資を組む場合は、利用する金融機関の団信が「どのような設定になっているか」を、あらかじめ確認しておきましょう。
なお、一般的に、不動産投資を始めたばかりの人が不動産投資用のローンを組む場合には、パッケージ化されたタイプの「アパートローン」「アパート・マンションローン」と呼ばれるローンを組むことが多く、中でも、アパートローンを利用する際は、団信の加入が義務付けられている傾向です。
「不動産投資は生命保険代わりになる」ということの意味は、不動産投資そのものが生命保険という意味ではなく、融資を受ける際に同時に団体信用生命保険(団信)に加入することが条件になることが多いため、団体信用生命保険によって、家賃収入を生み出し続けるマンションをご家族に残せる等、生命保険に加入していたのと同じような結果を得られる、という意味です。いざというときに、生命保険のように機能するということになります。
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