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2022.03.01

高所得者にとって不動産投資は節税になる? 税理士が注意点を解説!

高所得者にとって不動産投資は節税になる? 税理士が注意点を解説!

前回の記事では、高額な給与所得者が陥りがちなケースとして「活動が事業所得として認められない」事例を紹介しました。では、高額給与所得者には否認されるかもしれないこの選択肢しかないのかというと、そうではありません。より適した方法があるのです。

不動産投資が節税になる仕組み

結論から言いますと、より適した方法とは「不動産所得」を得られる不動産投資です。不動産所得とは、不動産事業にかかった経費をマイナスした後に残る利益です。

特に不動産投資を始めた年は、不動産投資の諸経費が多額になるため、家賃収入よりも経費が上回ります。不動産所得は、勤務先の給料(給与所得)から、不動産投資のマイナス(赤字)分を相殺できる「損益通算」ができます。これが不動産投資は節税になる、といわれる所以です。

【関連リンク】
実は大して効果がない!? 不動産投資が節税対策と言われる仕組みと注意点

損益通算できる主な所得は2種類のみ

給与所得を減らすことができる、つまり損益通算ができる所得の分類は、2種類しかありません。

  • 事業所得でマイナスになったとき
  • 不動産所得でマイナスになったとき

この2つの所得については、その所得が赤字になった場合、給与所得との相殺ができます。

※ 厳密には4つ(山林所得と譲渡所得)ありますが、ここでは2つとします。

事業所得での申告は、認められないケースが多々ある

しかしこの2つの選択肢のうち、事業所得を選択することは非常に危険といえます。なぜなら、税務署からその所得は「事業所得でなく雑所得」としか認められないことがあるからです。

納税者が「この副業は事業所得です」と申告しても、その取り組み内容が税務署に「事業」として判断されない限り、事業所得とは認められません。申告した通りの所得が認められなかった判例を紹介した記事は下記をご覧ください。

【関連リンク】
高額な給与所得者がしがちな「事業所得がマイナスで損益通算の適用」の落とし穴

そして雑所得としか認められなかったら、狙っていた「損益通算」も「損失の繰越」も適用にならず、節税にはなりません。

不動産所得は明確に定義されている

では、損益通算できるもう一つの所得「不動産所得」に、事業所得のような「認められない危険性」はあるのでしょうか。

国税庁のページで不動産所得の定義を確認します。

不動産所得とは、次の(1)から(3)までの所得(事業所得または譲渡所得に該当するものを除きます。)をいいます。

(1)土地や建物などの不動産の貸付け

(2)地上権など不動産の上に存する権利の設定および貸付け

(3)船舶や航空機の貸付け

引用:No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁

上記にある通り、不動産所得には、不動産(船舶・航空機)を貸付ける事業が該当するという、明確な定義があります。

この定義があるため、所有する不動産を第三者に貸し出すときに、その家賃収入から得られた不動産所得がほかの所得(事業所得や雑所得・一時所得)とみなされる危険性はゼロとなります。

よって、不動産所得をマイナスにして所得を減らす方法は、税務署から認められないという危険性がなく、所得を減らす有効な手段だといえます。

不動産所得で節税効果を狙うには?

所得を減らす有効な手段が不動産投資となれば、多くの人が利用したいと思うかもしれません。しかし不動産投資を行うと誰でも節税効果が狙えるかというと、そうではありません。

高所得者には効果がある

ポイントは、どれだけ税金を納めているかです。そもそも戻ってくる金額が、納税額より増えることはありません。そのため、所得税の税率が低く納税額が数万〜数十万円と少額の人よりも、税率が高い納税者の方が節税インパクトは大きくなります。

例えば、年収2,000万円(給与所得1,800万円)の都内在住の30代独身の所得税の税率は40%で、所得税額は約380万円です。この所得を少しでも減らせれば、税率は33%になり、納税額を減らすことが可能となります。

不動産所得がマイナスになるのは?

イメージしやすいのは賃料収入よりも不動産事業にかかる経費の方が上回ったときです。

購入年度は購入時の初期費が発生するため、不動産所得はマイナス(赤字)になります。しかし2年目以降で不動産所得がマイナスになることは、少なくとも入居者がいる限りにおいて、実はそれほど多くはありません。

しかし不動産購入にかかる経費というのは、実際にその年に現金を使ったものに限りません。建物購入にかかった費用は、「減価償却」といって、実際に現金を使った年ではないのに、毎年経費として計上するルールとなっています。

そこで、高額な給与所得者にとっては次のような不動産選びがポイントとなってくるわけです。

高額所得者の不動産選びのポイント

高額所得者が不動産を選ぶ際には、押さえるべきポイントがあります。これまで「税理士中井の課税ルール解説」シリーズでご紹介してきた内容から、ポイントとなる記事を紹介します。

不動産の建物割合が非常に重要

不動産所得を合法的にマイナスにもっていけるのは、多額の減価償却費が計上できる「建物割合が高い物件」です。不動産価格に占める建物の割合によって、結果は大きく異なります。

税理士中井の課税ルール解説

また、建物割合分を、償却年数が建物よりも短い「設備」に分けると、短期間ですが減価償却費が上がるケースもあります。

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法人化

法人化することで、個人に帰属する不動産収入を、ある一定程度、資産管理会社に移転することができます。ただし法人を設立するにもコストが発生しますので、高額所得者であり、年間賃貸料が700万円近くないとメリットはありません。

税理士中井の課税ルール解説

不動産事業による節税期間は永遠ではない

不動産投資事業は、開始年度が最も節税効果があります。その後、減価償却できる対象がなくなると、節税効果は弱まります。

継続して効果的な節税を行う場合には、個別の状況に応じて対策する必要があります。税理士など専門家に相談するとよいでしょう。

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※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

中井哲也 公認会計士・税理士

公認会計士・税理士。同志社大学経済学部を卒業。国内大手税理士法人に約12年勤務。富裕層、未上場会社、上場会社の対応案件を多数経験。メガバンク系証券会社、銀行にも出向、上場オーナー、未上場オーナーの事業承継、資産形成の業務に従事。 2021年7月に中井哲也公認会計士税理士事務所を開設。富裕層の手残りを増やすアドバイスには定評がある。 趣味は税金の勉強と筋トレです。

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