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不動産投資が節税になる仕組みとは

c 2019.02.21

「不動産投資が節税になる」といわれているのは、「減価償却費」を経費に計上したり、その他「借入金利息」など計上できる費用が多く、結果として不動産投資をしなかった場合に比べて所得税の納税額を減少させることができることがあるためです。「不動産投資で節税」といわれるその仕組みをみてみましょう。

不動産投資にかかる税金、関係してくる税金の種類

まず、不動産投資を始めるとどのような種類の税金がかかるのかを理解します。以下にお話するのは、法人化していない個人の不動産投資家の場合のルールです。

所得税

不動産投資をはじめると、家賃収入が入り黒字になれば利益が発生します。これを「不動産所得」と言います。不動産所得を計算式にすると、以下の通りです。

不動産所得 = 不動産投資による家賃収入など総合収入金額 - 不動産投資に関わる諸経費

この不動産所得という利益に対して「所得税」という税金がかかります(不動産所得が赤字で、不動産所得以外の収入も全くない場合は、所得税はかかりません)。

所得税は、「総合課税」と「分離課税等」に大きく分かれます。

このうち、不動産所得は「総合課税」に分類されます。所得全体を足していき、その全体のかたまりに対して課税金額が決定します。税率は所得に応じて5%から45%まで、7段階に区分されてかかります。

所得税に関して詳しくは「 不動産に関わる所得税の理解を深めよう!家事費・家事関連費・事業経費 」の「 所得税、計算するのはけっこう複雑 」「 不動産所得の計算 」をご覧ください。

住民税

所得税は国に支払いますが、所得税とは別に、自分が居住する地方自治体に支払う住民税があります。住民税は納税者自身で計算せず、確定申告をする際に税務署から各市町村長に転送され、納税者に通知される仕組みになります。

住民税は「毎年6月から翌年5月」を一年度として考えます。住民税の金額は、所得に対して一定の割合課税される所得割と、例え所得がゼロでも必ず一定額を支払わなければならない均等割があります。この所得割と均等割を合わせた金額が毎年納める住民税となります。なお、所得割の税率は所得税率と違い、一律10%となっています。

相続税・贈与税

相続税については、いま現在不動産投資を行なっている方がお亡くなりになった場合、その不動産などを相続される方が支払う税金となります。贈与税については、生前に不動産を贈与した場合、その不動産を受贈された方が支払う税金となります。相続税・贈与税共に税率は財産評価基本通達による不動産評価額に対し、評価額の多寡に応じた10~55%の比例税率となっています。

不動産投資で節税になる仕組み

前提知識として必要な所得税、住民税、相続税・贈与税についての知識を頭に入れたところで、具体的な節税になる仕組みを紹介します。

所得税が節税になる仕組み

所得税のうち「総合課税」の対象となる所得は「ひとかたまり」として利益を扱います。「給与所得」「不動産所得」そのほかにも「利子所得」「事業所得」などがあります。

不動産投資は、特にはじめたばかりの頃は、初期費などが多くかかり、また建物の価格に対しての減価償却費が多額になるため、不動産の家賃収入よりも経費が上回ることがあります。

この場合、「ひとかたまり」として利益を扱える「総合課税」に分類された給与所得(勤務先の会社から貰える給料など)から不動産投資のマイナス分を相殺するができるのです。これを「損益通算」と言います。

サラリーマンの年収600万、不動産投資による利益50万、不動産投資にかかった経費150万の場合
サラリーマンの給与所得600万と不動産投資の利益50万合計650万から、不動産投資にかかった経費150万をマイナスする。サラリーマンだけをしているときから、100万円低い年収になったことになる

不動産投資の損失分をサラリーマンの給与所得からマイナスできるので、結果として収める税金の金額は減ります。この損益通算の仕組みがあるために、不動産投資をはじめると節税になる、と言われるのです。

住民税が節税になる仕組み

住民税も所得税で述べたのと同じ損益通算の働きによります。住民税は所得税の確定申告書を使って市区町村側で計算されます。基本的には所得税の計算ルールと連動した形で計算されます。

所得税がマイナスになるのであれば、住民税も結果的にマイナスになるのです。

不動産投資と住民税の関係について詳しくは、「 不動産投資と住民税の関係とは。計算の仕組みと納税のポイント 」をご覧ください。

相続税・贈与税が節税になる仕組み

現金を相続する場合は、相続する金額がそのまま評価額となります。例えば、相続人が1人で1,500万の現金を相続する場合、財産評価額は1,500万となります。

一方、不動産を相続・贈与する場合、土地は路線価、建物は固定資産税評価額から不動産評価額が評価されます。一般的に土地は8割程度、建物は7割程度の評価になるようです。販売価格1,500万円の不動産が、評価額では6割の900万くらいとなります。さらに建物を賃貸用に貸し出していると、借地権や借家権の影響でさらに評価額が低くなります。

【貸家建付地の評価の場合(借地権割合70%)】

(800万の土地×80%×(1-70%×30%)+(700万の建物×70%×(1-30%))=848万円

このために、不動産で相続・贈与することで節税効果があると言われています。

大幅な経費として計上できる減価償却費とは?

不動産投資では最初に建物を購入しますが、その高価な購入費用は一気に経費として計上することはできません。不動産は一度購入すると長く保有する高価なものなので、経年によって低下する不動産の資産価値を、定められた計算によって経費として計上します。その計算は「減価償却」と呼ばれる方法で算出します。建物の構造等によって耐久年数と償却率、償却期間は定められていて、償却期限が来るまで毎年経費として申告します。

新築の物件と中古の物件でも耐用年数は異なります(減価償却費について詳しくは「 不動産投資における減価償却費とは?きちんと理解しておこう! 」「 不動産投資と節税に関わる減価償却とは。計算方法と注意点 」を参照ください)。

購入直後は減価償却費に加え借入金利子や不動産所得費関連費用等、計上する経費額が多額になります。そのために結果として不動産収入より経費額が多くなり、損失が生ずるケースがあります。

経費となる費用を確認する

不動産投資では、不動産取得時にかかる不動産取得税や保有する間かかる固定資産税、減価償却費、管理費、融資を受けて不動産購入した場合の借入金利息といったさまざまな費用を「経費」として計上することができます。この経費が多くなると、他の給与所得など「ひとかたまり」ととらえた際に、所得(利益)が少なくなる(損益通算) のです。

不動産投資の主な経費

減価償却費以外の、不動産投資の主な経費をあげてみましょう。

  • 固定資産税・都市計画税 
  • 火災保険料・地震保険料 
  • 管理費
  • 修繕積立金(一定の要件あり) 
  • 借入金利息(一定の要件あり)

その他、不動産投資にかかる通信費、新聞図書費、消耗品購入費なども費用として計上できます。不動産投資事業に関わる経費に関してきちんと記録を残しておき、漏らさず経費として計上できるようにしておきましょう(経費計上の注意点等は「  不動産投資の経費として計上できる交通費とは?経費処理のポイントと注意点  」を参照ください)。

経費が減り節税効果が小さくなる「デッドクロス」に気をつける

不動産投資を長く続けていくと経費がだんだん減っていきます。その理由は、大きく次の2つ、「住宅設備の減価償却費」と「ローンの利息部分」が減るために起こります。

建物は数十年にわたって毎年計上できますが、住宅設備の給湯器、エアコンなら耐用年数は6年、給排水設備は耐用年数が15年となっています。そのためこれら設備の購入後この年数がすぎれば経費計上できなくなります。

そしてもう一つの「ローンの利息部分」についてです。

不動産の取得にあたり不動産投資ローンを利用する場合、ローンには「元金均等返済」と「元利均等返済」があります。この「元利均等返済」を利用する際は、最初の年が一番利息が多く、年々利息の割合が少なくなっていきます(詳しくは「 不動産投資のデッドクロス。売却よりも「繰り上げ返済」の選択もあり? 」をご覧ください)。

経費として計上できる利息が無くなくなると、節税効果は無くなくなることとなります。

「青色申告書」でさらに節税につながる?

確定申告は白色申告、青色申告とありますが、白色申告ではなく青色申告を選択するということもできます。青色申告は原則として白色申告時よりも複雑な「複式簿記」で行います。

青色申告は帳簿付けに手間がかかりますが、白色申告よりも控除額が増えるというメリットがあります。ただし事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出することも必要となります。事業開始年から青色申告をする場合には青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内に提出する必要があります。翌年から適用する場合にはその年の1月1日から3月15日までに提出する必要があります。

青色申告書について、詳しくは「 会社員でも税金が戻ってくる!?「確定申告」をした方がいいのはこんな人 」の「 青色申告をすればさらなる所得控除が可能 」をご覧ください。

損益通算上の注意点

損益通算にあたってはいくつか注意点があります。

まず一つ目ですが、借入金利息については損益通算に一定の制限があります。具体的には土地の取得のための借入金に係る利息は損益通算額計算上、除外して計算しなければなりません。詳しくは「 忘れてない?不動産投資で赤字…そんなときの損益通算には制限があります 」をご覧ください。

二つ目は、青色申告をした場合、青色申告特別控除として非事業的規模の場合は10万円もしくは事業的規模の場合は65万円を控除することができますが、青色申告特別控除はこの控除額計上前に既に不動産所得がマイナスの場合には、損益通算には使えないということです。また控除上限は控除額計上前の所得金額となります。例えば青色申告特別控除前の所得が1万円で10万円の控除が使えたとするとマイナス9万円になりますが、この9万円は切り捨てられることになります。

なお、事業的規模が大きくなってきた場合には次の記事もご覧ください。「 不動産投資で法人化するメリットは?タイミングや方法について 」「 不動産投資で法人化するデメリットとは。法人化を考える人必見

節税効果の高い不動産投資家の実例

年収600万円のサラリーマン不動産投資家Aさんが、具体的にはどのくらいの金額の節税効果を得られるのか、この記事をお読みの方と一緒にイメージしてみたいと思います。

ある年の10月から不動産投資を始めたサラリーマンAさん

サラリーマンAさんは、ある年の10月からワンルームの区分マンション1戸を購入し不動産投資を始めます。

この年の年末、Aさんの勤める会社は、Aさんの分ももちろん従業員の税金をまとめて国に納めます。

翌年にAさんは不動産投資の所得について確定申告をしますが、不動産投資の申告をすることで税金をおさめすぎていたという申告をし、税金の還付を受けることとなります。

以下の数字は、話をかなりシンプルにするため、保険に加入していない、住宅ローン控除なども受けていない、扶養家族のいない独身サラリーマンの想定です。

サラリーマンをしていると下記の所得税がかかります。

  • 年収(給与・賞与支払金額):600万円
  • 控除(給与所得控除174万円、基礎控除38万円のみで考えます):212万
  • 源泉徴収税額:36万円弱

不動産投資をはじめて、利益と経費が以下のようにかかりました。

  • 不動産投資による利益:24万円(3ヶ月分の家賃収入)
  • 不動産投資にかかった経費:65万円(不動産取得税等の初期費、ローン返済金額の建物分の利子、管理費・修繕積立金など)

Aさんは損益通算をして、Aさんの総所得金額は 559万円 となります。そこでサラリーマンの給与所得で計算された納めすぎた税金の還付申告をします。その結果 約7万円 の還付を受け取りました。

金額のイメージがつかめたところで、重要なポイントで注意すべき点があります。それは、区分マンションに対する投資の場合では、節税効果があるのは初めて数年と言われています。

この効果をキープする方法はないのか?その回答の一例は「複数物件」を所有することです。区分マンションAを購入し数年でAの節税効果が薄れてきたころ、自己の資産状況から別の物件購入も可能だと熟慮の上判断ができたら、次の物件、区分マンションBを購入します。B物件の購入時はかかる経費が大きいので、このタイミングで再び節税することができる場合があります。

ただ物件Aの利益の大きさによって不動産投資両物件(A、B)合わせて赤字にならなければ、サラリーマンの給与所得で納めた税金が戻ってくるということはなくなります。

また、B物件も当初はマイナスでも数年経過すれば黒字化し、税金をおさめることになります。それが不動産投資の本来あるべき姿、「不動産投資という事業で利益を出す」ということになります。

まとめ

不動産投資は、損失をしっかりとマネージメントし、トータルでは利益を出すようにプランを立てましょう。損益通算による節税も損失マネージメントという意味では大事な論点ですが、不動産投資である以上「税引き後所得の最大化」が最も大事です。損益通算狙いの過度な経費計上は税引き後所得を減少させるだけでなく、税務調査でのリスクを高めることになります。

取材協力:佐野比呂之税理士事務所 代表税理士 佐野比呂之


[公開日:2018/10/9 更新日:2019/2/21]


※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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