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不動産投資の利回りを理解しよう! 計算方法とExcelを活用した表面・実質利回りのシミュレーション【テンプレ有】

2019.07.02 更新日 2020.05.15

この記事を書いた人 RENOSYマガジン編集部

「すべての人に不動産投資という選択肢を」を掲げ、本当にためになる情報だけを提供しているRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で、「不動産投資」を解説し読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。
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不動産投資をしようとするとき、物件情報の一つとして目にする「利回り」は、物件選定の際にどう利用したらいいでしょうか。今回は、不動産物件購入の際に記載されている利回りの意味、そして購入前のシミュレーションにも役立つデータ管理や、実際に利回りを計算をするためのExcelの使い方について解説します。

不動産投資の利回りとは

不動産投資における利回りとは、物件への投資額に対する1年間の家賃収入の割合のことを指します。一般的な金融商品における利回りは、投資金額に対する利子を含めた年間収益の割合を意味します。同じように捉えられるようにもみえますが、不動産投資における「利回り」には以下2つの意味があり、まずはそれらを理解する必要があります。

  • 表面利回り(グロス利回り)
  • 実質利回り(ネット利回り)

それぞれの違いを見ていきましょう。

表面利回り(グロス利回り)

表面利回り(グロス利回り)は簡便に利回りを計算できる方法として重宝します。不動産会社が情報として出している利回りも、一般的には表面利回りとなります。

表面利回り(グロス利回り)の計算方法

想定する年間家賃収入 ÷ 不動産購入価格 × 100 = 表面利回り

たとえば、不動産購入価格が2,000万円の物件に対して、毎月の家賃が10万円、年間の家賃収入が120万円なら、

120万円 ÷ 2,000万円 × 100 = 6.00%

となります。とてもシンプルです。

不動産投資は、購入してからも修繕費や管理費などの複数の支出が発生します。本来利回りを算出する場合は、さまざまな費用を組み込んだ利回り、つまり実質利回りを使うべきです。しかし、実質利回りは不確定な要素が含まれているので、算出に時間がかかります。

不動産を検討する際には、多くの物件から物件を探し出す必要があるため、物件の状態を簡便に判断できる表面利回りを使って、物件比較の指標の一つとして用います。

実質利回り(ネット利回り)

実質利回り(ネット利回り)は、細かい収益性を把握したいときに使う指標です。

前出の表面利回りは、税金、管理組合費、修繕積立金などの運用にかかる諸々の費用を組み込んでいないため、最終的な収益性が確認できません。この費用を組み込んだのが実質利回りです。

実質利回りのほうが、表面利回りよりもさまざまな経費を組み込んで計算するため、実情に合った利回りが算出できます。しかしこの実質利回りでも実は不十分です。なぜなら空室のリスクが考慮されていません。年間を通して「満室だった想定での利回り」ということを認識しておく必要があります。

本来であれば、空室発生までシミュレーションしたいものです。後述しますが、空室リスクやローンの返済額なども含めてシミュレーションできるExcelのテンプレートがダウンロードできます。ぜひご活用ください。

実質利回り(ネット利回り)の計算方法

(年間家賃収入 - 年間経費)÷(不動産購入価格 + 購入時諸経費)× 100 = 実質利回り

年間の家賃収入は120万円ですが、管理費や修繕積立金など毎月かかる経費が年間で20万円だったとします。

家賃収入からその経費をマイナスします。

また物件購入価格2,000万円についても、購入時は物件の登記費用やローンの手続き手数料など諸々の費用がかかっています。ここでは50万円かかったとして、その50万円をプラスして計算します。

(120万円 - 20万円)÷(2,000万円 + 50万円)× 100 = 4.87%

表面利回りで計算したときよりも、実質利回りで計算したときの方が利回りが低くなりました。

表面利回りでは儲かっているようにみえても、実質利回りでみると利益がでていない可能性もあります。そのため、物件購入時は、実質利回りをシミュレーションしてみてから売買契約するべきでしょう。

不動産投資で守るべき最低ラインの利回りの目安

表面利回りは最低4〜5%は欲しい

不動産投資、特にサラリーマンや初心者に向いているのは、「堅実な利回りの物件」です。このような物件は、東京都内の好立地にある「中古の区分マンション」に多く見られます。

中古物件は新築に比べて、家賃が中長期で安定しており、かつ、物件価格は新築より安価なため、利回りが新築より高くなります。また、好立地なら入居ニーズが高いため、空室リスクも抑えられます。人口が増加している都心エリアでは、底堅い賃貸需要があります。

物件の購入目安としては、最低ラインとして表面利回りで4~5%は欲しいところです 。これくらいの利回りがあり、長期の融資を組むことができれば、実質利回りでも黒字化が可能でしょう。

月々の家賃収入では利益が限られていますが、東京都内の中古物件は売却価格も安定しているため、最終的な「家賃収入+売却の合算」で考えると、トータルのリターンが期待できるでしょう。

利回りだけで判断するのは危険

利回りが高いほど投資の回収スピードが速まるため、不動産投資家は「利回りが高い物件」を探したくなるでしょう。

ただし、利回りだけで投資する物件を判断することは危険です。利回りが高い物件が投資に適しているかというと、そうとも言えません。

利回りが高いとリスクも高くなる可能性

例えば、一般的に、地方の物件は都市の物件よりも安い傾向です。家賃はだいたい同じだとすると、利回りは地方の物件の方が高くなります。しかし入居率を考えた時、地方の物件にリスクがないかは、見極める必要があります。数十年間、入居者が絶えない周辺環境かどうかです。検討している物件のエリアの賃貸需要を把握し、入居率や家賃下落リスクをきちんと理解した上で、投資の判断をすることが重要です。

また、家賃設定を高めにすることでも、利回りは高くなります。ただ気をつけなければならないのは、家賃が高くて空室期間が増えると収入が減り、空室対策として家賃を下げると結果としてさらに収入が下がっていくという現象が起こります。

最初に家賃を高めに想定して、実際の入居率とかけ離れてしまうと、後になって想定していた利回りを大幅に下回ってしまったというリスクがあります。

ワンルームマンション投資の利回り推移

改めて、現金を銀行などの金融機関に預けていても利息は0.001%程度です。なので、ほとんど増えることはありません。そのことについてはご存知の方も多いはずです。

では、ワンルームマンション投資において、投資家がどのくらいの利回りを期待しているかをご存知でしょうか。

第 41 回 不動産投資家調査(2019 年10月現在) 引用: 第 41 回 不動産投資家調査(2019 年 10 月現在)

日本不動産研究所が2019年10月に行った不動産投資家調査によると、 ワンルームマンション投資の期待利回りは、東京は城南エリアで同調査実施で最も低い水準の4.2%、城東エリアで4.5%です。他の政令指定都市では5%の水準を維持、または3つの都市で0.1ポイントの低下となっています。

利回りが突出して高い物件は、地方に多い傾向があります。上記の資料を見ても、 東京は城南地区で4.2%・城東地区で4.5%、大阪4.9%であるのに対し、地方都市は札幌5.5%、仙台5.5%、広島は5.7%と非常に高い割合であることがわかります。

地方の物件は賃貸需要が低いため、リスクに見合う売出し価格を設定しないと購入希望者が現れません。そのため、物件価格が割安で、利回りが高いことがあります。人口が流出しているエリアでは、数百万円どころか、時には数十万円の物件も存在します。 こうした格安物件を購入して、10%台、20%台といった脅威の高利回りを実現している「大家」力の高い不動産投資家もいます 。

このように預貯金に比べ利回りが高い不動産投資ですが、利回りがいくらよくてもキャッシュフローが安定したものでないと結果的に損をする可能性もあります。

詳しくは「 ワンルームマンション投資の利回りについて注意点などを解説 」をご覧ください。

不動産投資の収益性をExcelでシミュレーションしよう

不動産投資の利回りの計算は、Excelを使ってシミュレーションすることが可能です。下記にダウンロードして使えるExcelを用意しました。無料ですのでぜひ使ってみてください。

RENOSYの不動産投資利回りシミュレーション(Excel)
RENOSYのローン返済シミュレーション(元利均等返済、元金均等返済)(Excel)

また、収支管理は利回りの計算はもちろんのこと、入力する項目を増やすことによって他のデータ管理にも活用できます。

例えば、滞納情報を入力すれば滞納者とその期間が明確になります。滞納家賃回収に向けた対策を練りやすくなるでしょう。

また、部屋の入退去情報を付けておくと、どの部屋の入退去が多いのか、どの部屋が空室になりやすいのかを把握することもできます。

複数物件を所有する場合には、1件目から収支管理をすることで、2件目以降のシミュレーションにも多いに役立ちます。

収支シミュレーションが大事な理由

不動産投資は、予測が立てやすい投資だと言われています。それは想定されるリスクがあらかじめ把握しやすい傾向にあるからです。そのため、安定した不動産投資を行うには、リスクを加味してどのくらいのランニングコストが発生するか、そして返済計画に問題はないのかを把握・管理することが重要です。

コストを可視化してリスクを把握

不動産投資においてリスクになりうる変動要素として、例えば、家賃・管理費・修繕積立金というものは、市場環境や建物の管理状況に応じて、変動します。数値の変動に伴い、利回り自体も変わるので、定量的な分析には不可欠となります。

また、入居者の有無により、収益は大きく左右されますので、全体の稼働率、空室期間、その際の募集条件などについても記録を残しておくことが不動産投資の成功には非常に重要な要素となります。

不動産投資をより複雑に感じさせるのは、入出金の経路が多数に分散するためです。管理会社からの家賃送金、銀行からの融資金引落、建物管理会社への管理費・修繕積立金の支払、自治体からの税金の徴収といったものを1つのシートで確認できるように努めましょう。

修繕積立金に注意

修繕積立金は、長期的に積立をして対応しなければならないものの、物件選定時には念頭から外れてしまいがちです。

多くのマンションでは、一般的に将来的に修繕積立金は値上がりすると言われています。大きな費用が発生するリスクがあることも考慮しておきましょう。

不動産投資が置かれている状況は好環境

第 41 回 不動産投資家調査(2019 年10 月現在) 引用: 第 41 回 不動産投資家調査(2019 年10 月現在)

日本不動産研究所の調査によると、新規投資を積極的に行う回答の割合が 95%で1999年以来過去最高の数値となっており、不動産投資における積極的な姿勢が続いています。

まとめ

数多くの物件から良い物件を見つけ出すためには、感覚ではなくしっかりとしたシミュレーションが不可欠です。今回紹介したシミュレーターを用いて、しっかりと物件の精査を行い少しでも成功の確率を上げていくことが大切です。

しかし、どれだけシミュレーションをしても、実際の投資はそう簡単ではなく、 利回りはあくまでも目安にすぎません。現時点では利回りが高い物件でも、空室や家賃下落が発生すれば一転、利回りは低下してしまいます 。

少しでもその確率を下げるためにも、周辺の賃貸マーケットの動向を把握した上で、リスク回避することが必要です。 空室リスクの低い物件や、家賃の下がる可能性が低い賃貸需要の高いエリアへの投資、又は、新築プレミアムから一定の範囲で家賃が下がった中古物件の購入などを検討しましょう。いずれにせよ 「利回りが高い、即買い!と飛びつくのは、不動産投資ビギナーがやってしまいがちな行動であるため、注意しましょう。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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