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更新日: 2024.05.24

不動産投資の損益分岐点とは? 仕組みから計算方法まで理解しよう

不動産投資の損益分岐点とは? 仕組みから計算方法まで理解しよう

不動産投資を行うにあたって重要なポイントは、しっかりと収益を上げること。そのためには「損益分岐点」を十分に理解することが大切です。損益分岐点を知っているかどうかで、投資の結果も大きく変わってきます。そこで今回は損益分岐点の仕組みから計算方法まで、幅広く解説します。

損益分岐点とは

損益分岐点とは、売上高と費用の額が等しくなる値のことです。言い換えると、黒字も赤字も出ない状態のこと。したがって、損益分岐点を上回ると黒字に、下回ると赤字になります。不動産投資の場合、売上高は「家賃収入」や「礼金」など、費用は「不動産投資ローンの支払い」や「管理委託費」などを指します。

損益分岐点を下げるほど利益は出しやすいです。そのために必要なことは、「売上アップ」か「費用削減」になります。売上をアップする最も簡単な方法は、家賃を引き上げることです。しかし空室率が上昇するので、家賃を上げることは現実的ではありません。したがって売上をアップさせるためには、空室率を下げるか、入居年数を長くするという工夫が必要です。

一方、費用を削減する方法としては、綿密な計画を策定して日々の出費を抑える方法などがあります。またローンを完済すれば費用が大幅に下がるため、損益分岐点が下がり利益を出しやすくなります。

不動産投資の損益分岐点の詳しい仕組み

不動産投資で損益分岐点を考えるときに注意すべき点が2つあります。

1つ目は、不動産投資はまず「不動産を購入すること」から始まるので、売上高がゼロの状態から費用を計上する必要があります。つまり必ずマイナスからのスタートになります。損益分岐点を計算する際には、このマイナス分を加味しなければいけません。

そしてもう1つは、将来的な売却価格や家賃収入、および支出は変動する点です。例えば予期せぬ修繕費用(支出)が発生すれば、損益分岐点は上がります。つまり利益を上げるハードルが高くなるということです。これらの変動要素を完全に読むことは難しいですが、精度の高いシミュレーションをすることで、ある程度は読めます。その辺りは信頼できる不動産会社を見つけて、二人三脚でシミュレーションする必要があるでしょう。

不動産投資の損益分岐点の計算方法

それでは実際に、不動産投資の損益分岐点を計算してみましょう。

不動産を購入するときは、現金で購入する場合と不動産投資ローンを使って購入する場合があります。今回は不動産投資ローンを使って購入したものとします。

【設定条件】

  • マンション価格:2,200万円
  • 借入金額:2,200万円
  • 借入期間:35年
  • 金利:2.2%(元利均等返済)
  • 毎月返済額:75,156円
  • 表面利回り:4.36%(家賃収入96万円/年、8万円/月)
  • 購入時の諸費用:50万円
  • 年間の経費(管理費修繕積立金・税金等):29万円 
  • 売却時の諸費用:売却金額×5%

※家賃の変動や空室、その他の出費はないものと仮定

15年後に売却、価格が10%下落した場合

まずはマンションの売却額を含めた15年間の収入を算出します。

家賃収入:年間96万円×15年=1,440万円

一般的に不動産投資における売却額は、家賃や管理費等経費をもとに売却額を計算する収益還元法を用います。入居者入れ替えのタイミング等で家賃が下がる・もしくは修繕積立金等が上がるなどして、15年後に売却価格が10%下落したと仮定すると、マンションの売却額は以下のようになります。

マンションの売却額:2,200万円-(2,200万円×10%)=1,980万円

したがって、15年間の総収入は以下の通りです。

15年間の総収入
家賃収入1,440万円売却額1,980万円3,420万円

次に、15年間の支出を求めます。
ローン返済額は以下の通りです。

15年間のローン返済額
毎月返済額75,156円×12カ月×15年=13,528,080円(以下1,353万円とする)

これに購入時の諸経費「50万円」と、売却時の諸経費「1,980万円×5%=99万円」および年間経費「年29万円×15年=435万円」を加えます。

15年間の経費を加算
ローン返済額1,353万円+購入時の諸経費50万円+売却時の諸経費99万円+年間経費435万円=1,937万円

ただし、ローンで購入しているため、残債を完済しなければなりません。

15年経過時点での残債:約1,458万円(14,581,750円)

よって、15年間の総支出は

15年間の総支出
15年間の支出1,937万円残債1,458万円3,395万円

となり、収支は、

15年間の総収入3,420万円15年間の総支出3,395万円25万円

 となります。

これにより、15年後に価格が10%下落しても損しないことがわかりました。黒字額が25万円なので、1,980万円-25万円=1,955万円で売却しても損しないということになります。これが15年後の損益分岐点です。

不動産投資において損益分岐点で考える良い物件の条件

それでは、損益分岐点から見た「良い物件」を考えてみましょう。つまり損益分岐点が低い位置にあり、利益を出しやすい物件です。不動産投資を成功させる秘訣は、不動産の資産価値を落とさず、継続的に家賃収入を得ることです。そうすれば、長期間にわたって安定した収入を得られます。

長い間、資産価値を保ち続けられるのは、「空室・家賃下落リスクが小さい物件」「災害に強い物件」「将来性の高い土地」といえるでしょう。

空室・家賃下落リスクが低い物件

まずは空室・家賃下落リスクが低い物件です。先ほどの「不動産投資の損益分岐点の計算方法」には、空室率や家賃下落率が含まれていません。そのため参考程度に認識してください。

空室・家賃下落のリスクが低い物件を見極める方法は、まずは過去の賃借人状況を確認することです。そうすれば、将来的な空室率・家賃下落率を予測できるでしょう。

もし新築なら過去のデータはないので、自分が長く住みたいと思う物件か?という視点で、物件をくまなくチェックしましょう。また周辺の競合物件の家賃を調べることも重要です。それにより適正家賃が見えてきます。

災害に強い物件

不動産投資を行う際、地震や火災など「災害が起こるリスク」を考えなければいけません。例えば、新耐震基準に沿って物件が建てられているか、もしくは新耐震基準をより強化した「2000年基準」に沿って建てられているか、などが挙げられます。また地盤の強度や水害への強さも、事前にチェックしたいところです。

将来性の高い土地

最後の条件はその土地の将来性が高いかどうか。言い換えると、将来的に価値が落ちにくい物件かどうかということです。不動産を長い間所有することを考えると、今現在の価値が高いことはいうまでもなく、将来の価値も見据えることが重要です。

そして、これらの物件や土地の運用に対して、真摯にアドバイスしてくれる不動産会社選びが何より重要です。不動産会社を選ぶ際は企業の規模に関係なく、不動産の管理について豊富なノウハウをもつ企業を選びましょう。

不動産投資は損益分岐点を意識して行うこと

不動産投資の成否は、損益分岐点への理解次第だといっても過言ではありません。損益分岐点を知ったうえで収益をきちんと上げられるような物件を選ぶことが重要です。信頼できる不動産会社を選び、損益分岐点を意識しながら二人三脚で不動産投資を進めていきましょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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