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公開日: 2022.02.09

【実例】不動産投資を家族に反対されたらどうすればいい? 相談事例をFPが紹介

【実例】不動産投資を家族に反対されたらどうすればいい? 相談事例をFPが紹介

「不動産投資をしたいけれど家族が反対する」とお困りの場合、最終的に周囲の理解を得るにはどうすればいいでしょうか。難しいテーマではありますが、FPである筆者が実際に受けた相談からの事例を紹介します。円満に不動産投資を始める参考にしていただけると幸いです。

不動産投資に関する相談事例

2007年の開業当初より、不動産投資、特にワンルームマンション投資に関する相談は、一定の割合でご相談をいただきます。本記事では、過去いただいた数々のご相談内容から、固有の相談内容はわからないようエッセンスを取り出してご紹介します。本記事中に登場する人物はすべて仮名です。

ケース1:家族に無断でワンルームマンションを定年直近に購入

50代後半男性 公務員

関口優一さんは50代後半の公務員で、専業主婦の妻・清子さんと地方都市で二人暮らしをしています。一人娘の晴香さんは都内で働いており、両親の老後を気にかけています。

優一さんは老後のための蓄えが少ないことが気になっていました。そんなとき、ワンルームマンション投資を知り、関心を持ちました。ただ、清子さんも晴香さんも投資には関心がなく、相談すればおそらく反対されることが予想されました。そこで、優一さんは家族に黙って不動産ローンを組んで、中古ワンルームマンションを購入したのです。

ご家族に知られ、反対される

しばらくして、優一さんのワンルームマンション投資がご家族の知るところとなりました。清子さんも晴香さんも驚き、物件を売却して不動産投資をやめてほしいと考えました。ご家族が反対するのは、主に以下のような理由からです。

  • 家族に相談なく勝手に物件の購入をした
  • 不動産投資をしなくても老後の生活に困らない
  • 不動産ローンの返済が定年後も続くのが不安

優一さんは定年時に約2,500万円の退職金を受け取る予定ですが、預貯金が少ないことを気にしていました。しかしご家族は、ワンルームマンション投資をしなくても生活に困らないと思っていたのです。優一さんの組んだ不動産投資ローンは、定年後も10年以上返済が続くものでした。

マンション投資の妥当性をFPに相談

優一さんはこのままマンションを持ち続けるつもりですが、ご家族はマンションを手放してほしいと考えています。ただ、ご家族はワンルームマンション投資の損得などわかりません。そこで、優一さんの購入したワンルームマンション投資の客観的な評価を聞かせてほしいというのが、相談内容でした。

FPの提案・解決策

老後資金の上乗せのための不動産投資は、間違った考えではありません。優一さんの取得したワンルームマンションには最初から入居者がいて、黒字経営が続いています。筆者は不動産投資についての一般論とともに、個別の案件として特に問題がないとお伝えしました。

しかし、資産運用未経験のご家族としては不安が拭いきれないようで、売却してほしいという希望は変わりませんでした。そこで、都内の不動産会社に売却査定の相談をすることにしました。

不動産会社から高評価が得られた

査定を依頼した不動産会社によると、優一さん所有のワンルームマンションは好立地なため、長期間空室になるリスクは低めだとのことでした。ローンの残っているマンションを売却するには、ローンを完済する必要があります。優一さんのワンルームマンションの査定額は、ローンの残債額を上回り、売却してもローンが残らない見込みとなりました。優一さんの物件は空室リスクや流動性リスクの低い好条件であることが、不動産会社の人の話でわかったのです。

売却検討から一転、所有継続へ

ご家族は、このまま所有し続けても大きな損失につながる可能性は低く、手放すのはむしろもったいないと感じたようです。物件を査定した不動産会社から「売却希望なら仲介します」と言われましたが、優一さんのご家族は売却を思いとどまりました。今後、ローンの支払いに困れば、余裕資金のある晴香さんが援助することになりました。今まで運用をしてこなかった晴香さんも投資の必要性を認識し、不動産投資のメリットに気づいたようです。

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ケース2:子どもの教育費対策にワンルームマンション投資を検討

30代前半男性 会社員

稲葉佳彦さんは30代前半の会社員で、奥様とお子様2人(長男5歳、次男3歳)の4人家族です。現在は賃貸住宅で生活しており、長男が小学校に入学するまでにマイホームを取得したいと夫婦で話し合っています。

マイホームの頭金準備とお子様たちの学資保険に貯蓄のほとんどを回している状況ですが、お子様の教育費が現状の学資保険では増えないため、関口さんは資産運用をしたいと考えました。何かいい方法はないかと検討していた折にワンルームマンション投資という投資方法を知り、興味を持たれたそうです。

家賃収入を学費に

稲葉さんが考えたプランは、長男が大学に入学するまでの13年間で不動産ローンを返済して、家賃収入を大学の学費に充てるというものです。学資保険は学費を支払えば終わりですが、収益不動産なら子どもが独立しても家賃収入を得られます。教育費と老後資金の準備ができて、一石二鳥ではないかと思ったのです。

住宅ローンを組む前に不動産投資ローンを組む

しかし、心配だったのは不動産ローンと住宅ローンの関係です。住宅ローンを組んでしまえば、もう不動産ローンの融資は受けられないかもしれません。そこで、稲葉さんは住宅取得より先にワンルームマンションを購入しようと考えました。

奥様は住宅取得を優先したいために反対

稲葉さんは不動産投資をしたいと奥様に相談し、協力してほしいと頼みました。しかし、奥様はマイホーム取得計画を変更してまで不動産投資をするというプランに驚き、次の理由で大反対しました。

  • 予定通りマイホームを取得したい
  • 不動産投資を考えたことがなく、失敗したときのダメージが心配

稲葉さんのプランでは、マイホーム取得資金を賃貸物件購入に充てるというもので、奥様がどうしても反対なら諦めざるを得ません。

第三者の意見を求め、FPに相談

ワンルームマンション投資をしたい稲葉さんと、マイホームを取得したい奥様の話し合いは平行線をたどりました。しかし、お互いにどこかで折り合いをつける必要性があると考え、第三者の意見を聞こうということになったのです。そこで、ご夫婦で相談にいらっしゃいました。

FPの提案・解決策

長男の大学入学までにローンを完済するのは難しい

このケースでは購入する物件が決まっていなかったので、稲葉さんの想定するプランで購入可能な物件価格などを試算しました。このシミュレーションで長男が大学入学までにローンを完済するには、返済が家賃収入を上回る可能性が高いことがわかりました。負担を軽くするには物件価格を下げる、自己資金を多くするなどの調整が必要です。また、当初の計画とは違いますが、返済期間を長くすることも選択肢の一つです。

不動産投資を優先するか、住宅取得を優先するか

マイホーム取得前に不動産ローンを組んでも、住宅ローンを利用するのは可能です。融資条件などは金融機関によってさまざまですので、一般的に賃貸経営が順調に行われて、返済に滞りがなければ住宅ローンの審査が通る可能性は高いといえます。ただし、不動産ローンがない場合に比べて、住宅ローンの融資限度額が低くなるなどの影響は考えておくべきでしょう。

反対に住宅ローンを組んでから不動産ローンの融資を受ける際も、融資を組んでいない場合と比較すると借り入れられる金額は少なくなるでしょう。不動産投資と住宅取得に優劣はなく、家庭でどちらを優先するかを慎重に検討する必要があります。

結論はご夫婦に決めてもらう

不動産投資と住宅取得の両立は、不可能ではありません。両方が希望通りにできれば理想的ですが、そのためには不動産ローンと住宅ローンの融資限度額を金融機関に確認する必要があります。ご夫婦でよく話し合って決めるということになりました。

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ケース3:社会人になりたてでワンルームマンション投資を希望

20代女性 医師

佐藤しおりさんは大学を卒業したばかりの20代の女性勤務医で、会社員のお母様と二人暮らしです。病院勤務はとてもハードなため、投資などを考える余裕はありませんでした。しかし、ワンルームマンション投資を知り、やってみたいと思ったのだそうです。

就職したてのしおりさんには結婚や自宅購入の予定は特になく、目的があって不動産投資をしようと思ったわけではありません。将来のために「年金代わりになる」「節税にもなる」などの不動産会社からの説明に、魅力を感じたのです。

お母様が心配するので、FPに相談

しおりさんはワンルームマンションをローンで購入することを決め、お母様にその旨を伝えました。不動産投資の知識のないお母様は大変心配し、今回は投資を見送ったほうがいいのではないかと意見しました。お母様の反対理由は、主に以下の点です。

  • お母様自身が不動産投資についてわからない
  • しおりさんは社会に出たばかりで、大金を伴う投資をするのが心配

しおりさんはご自身に十分な知識がないことを自覚しており、お母様の心配ももっともだと相談にいらっしゃいました。

FPの提案・解決策

賃貸経営の収支はマイナスに

しおりさんとお母様のご依頼により、まずは購入検討中の対象物件の収支計算をしました。すると、家賃からローン返済、修繕積立金などの費用を差し引いた残りがマイナスになることがわかりました。不動産会社からの計算書でも毎月の収支がマイナスになるとの記載があり、その点は無視できません。しおりさんは不動産会社の担当者から、毎月の収支はマイナスでも節税分で取り戻せると説明を受けていたのです。

不動産投資の節税とは?

不動産会社の言う節税とは、減価償却や損益通算を指しています。家賃収入から差し引く経費でありながら、実際にはお金が出ていかない点が減価償却のポイントです。

家賃収入から諸経費を差し引き、さらに減価償却費を差し引いた収支がマイナスになった場合、給与所得から不動産の赤字を差し引けます(損益通算)。その結果、所得全体を抑え、節税につながるというわけです。所得の高い人ほど節税メリットは大きくなります。しおりさんのケースでは一定の節税効果は期待できますが、購入希望物件の収益性があまり良くないことにも注意が必要です。

もう少し勉強してから

このケースでは物件価格が割高なため、毎月の手出しが発生する点は見逃せないとアドバイスしました。

金額にもよりますが、手出しを“保険料の支払い”などと考えて許容できるか、またリスクと利回りをほかの投資と比較してみるなど、あらためて検討するとよいでしょう。

しおりさんは問題点を理解し、この物件の取得を見送ることにしました。不動産投資をするなら、もう少し収益性の高い物件を探して取り組みたいとのことでした。

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不動産投資をするなら、家族と一緒に検討しましょう

筆者の知る範囲では、不動産投資を始めたい人が、家族に反対されるケースは少なくありません。不動産投資は適切なリスクコントロールができれば、比較的手堅い投資方法です。

家族の反対理由のほとんどは、「不動産投資についての知識の無さ」が原因といえます。よって、家族にメリットやリスクをきちんと説明すれば、理解を得られる可能性も高まるでしょう。できれば購入前に中立な立場のFPなどに家族で相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

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この記事を書いた人

松田聡子 ファイナンシャルプランナー(CFP®)

群馬FP事務所代表。明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAを有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングで人生100年時代をマネーの面からサポート。 経営体質改善のヒント

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