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更新日: 2021.07.07

不動産投資に必要な自己資金の目安、頭金との違い

 不動産投資に必要な自己資金の目安、頭金との違い

「不動産投資を始めたいけれども自己資金はいくら必要なのだろうか」と悩んでいる方もいるかもしれません。不動産投資をしている人の中には、自己資金がほぼゼロの状態で始めた方もいれば、1,000万円貯めてから始めた人もいます。一体いくら用意すべきなのか悩んでしまうのも無理はありません。今回は、不動産投資を始める際に準備すべき自己資金の目安を紹介します。

自己資金とは?

自己資金は、投資対象の不動産を購入する際にかかる「諸費用」と、物件購入代金の一部に充当する「頭金」を含めたもののことをいいます。

自己資金=購入諸費用+頭金

例えば、物件購入時に不動産投資ローンを利用する場合は、ローンの事務手数料および保証料、物件を仲介している会社に対して払う仲介手数料、物件の所有権を移転する際にかかる登録免許税等が諸費用としてかかります。また、諸費用にプラスして、物件の売買契約後のローン決済時には頭金を売主に支払うのが一般的です。この頭金も自己資金としてあらかじめ準備しておく必要があります。

自己資金は不動産投資ローンを利用しようとする際に、金融機関からチェックされる項目の一つです。不動産投資ローンを扱う各金融機関には、融資の基準の一つとなる「返済比率」が設けられています。ローンを利用した不動産投資を計画している場合は、融資がおりなければ物件を買うことができなくなるため、自己資金と購入代金とのバランスを投資前から意識しておくことは大切です。

なお、金融機関および借入れを希望する人の勤務先によっては、頭金を入れなくても審査が通ることもあります。

不動産投資における自己資金の目安は?

自己資金として準備すべき金額を決めるには、不動産投資の場合はどのくらいレバレッジをかけるかが関わってきます。不動産投資は多くの場合、金融機関で不動産投資ローンを組んで始めます。そのため条件が整った人であれば、自己資金10万円でも始められるからです。

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【初心者向け】不動産投資に最低限必要な元手はいくら?

不動産投資における初期費用はどのくらい?

物件を購入する際は、頭金を入れる場合には頭金、そして以下のような諸費用を支払います。

  • 不動産会社に支払う仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記費用(登録免許税・司法書士への報酬)
  • 不動産取得税
  • 不動産投資ローンの保証料・事務手数料など

諸費用の目安としては、一般的には物件価格の8%程度といわれています。仮に3,000万円の投資物件を購入する場合、諸費用の金額の目安は240万円です。

これは物件の種類や購入先にもよります。直接売主となるRENOSYで中古ワンルームマンションに投資する場合は、仲介手数料はかからず、諸費用は部屋の広さにもよりますが50万〜70万円となります。月々の返済額を抑えるためには、自己資金として諸費用分のほかに、物件価格に対する頭金がいくらかあると安心です。

【関連リンク】
不動産投資にかかる費用とは〜初期費用・運用費用・手数料など

自己資金があると金融機関からの評価が高まる

不動産投資を始めるときに、頭金や諸費用を支払えるほどの自己資金を準備していると金融機関からの信用が高まって、融資の審査に通過しやすくなります。

職業や勤務形態によってはローン審査が厳しい場合でも、頭金を入れることでローン審査が通ることがあるのはこのためです。

上場企業に勤める会社員公務員、また勤務医は信用が高いため、自己資金額が少なくても金融機関の審査に通過することが多いです。しかし自営業者や転職して間もない方が不動産投資を始める場合は、十分な金額の自己資金を準備しましょう。

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頭金とは?自己資金との違いは?

多くの場合、頭金とは、ローンの借入金額に含めない、物件購入代金の一部として支払うお金のことをいいます。不動産売買契約時に手付金として代金の一部を売主へ支払い、売買代金の決済時までに頭金を支払う、という流れが一般的です。

頭金と自己資金を混同しがちですが、頭金はあくまでも手付金のように、「代金の一部」として考えられるため、頭金イコール自己資金というわけではなく、代金の一部である手付金・頭金と諸費用を合わせたものが自己資金です。

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不動産投資を始めるなら自己資金はいくら必要?

不動産投資に必要な頭金の目安

頭金は、物件価格の2割ほど用意できたら理想だといわれています。頭金を入れることで借入期間を短縮したり、月々の返済に余裕が生まれるので余剰分をほかの投資や不動産投資ローンの繰上返済にまわしたりすることができるようになるからです。以下は、物件価格ごとの準備すべき頭金の目安です。

物件価格 頭金の金額
(物件価格の2割)
1,500万円 300万円
2,000万円 400万円
2,500万円 500万円
3,000万円 600万円
3,500万円 700万円

頭金は物件価格の中で借入れしないで準備するお金

頭金とは、ローンを組む際にある程度まとまった金額のお金を支払うことです。物件価格から頭金を引いた金額が借入額になります。

頭金を入れて借入額を少なくすることで支払う利子も減るため、支払総額を減らしたり金融機関によっては金利を下げたりできます。月々の返済金額も減るので、無理なく返済できるようになります。

たとえば、2,000万円の物件を購入する際に金利2%、借入期間30年(元利均等方式)の不動産投資ローンを組んだとしましょう。頭金が100万円で、残りの1,900万円を借入れる場合、毎月の返済額は70,228円です。一方で頭金を500万円入れて1,500万円を借入れた場合、毎月の返済負担は55,433円まで減らせます。 

投資物件を購入して家賃収入を得られても、ローンの返済額が高いと経費と合わせて差し引いた場合に赤字となることもあります。頭金を多く入れられると、月々の返済負担が減ります。

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不動産投資の融資を受けたい。頭金はどのくらい用意すべき?

預貯金の全額を自己資金に注ぎ込むのはおすすめできない

預貯金の全額を自己資金として利用するのはおすすめできません。

不動産投資は、物件に空室が発生したり家賃を滞納されたりした場合、手持ち資金で補う必要があります。エアコンや給湯器のような設備が破損したときにも、急いで手持ち資金で費用を支払う必要があります。

また手持ち資金がなくなると、自分自身や家族が病気やけがで入院した場合の医療費を支払えなくなるかもしれません。手持ち資金の全額を不動産投資の自己資金として使うのではなく、「不動産投資の資金」とは別に「いざというときの生活費」を手元に残しておきましょう。

自己資金が少なくても大きな投資は可能

不動産投資は、金融機関が借入希望者の信用力と投資先の物件を「収益性が高い」と評価することでお金を貸してくれます。ローンを組む人の勤務先や勤続年数、その他借入れ状況などにより評価されれば、物件価格全額の借入れができるフルローンや、諸費用までも含めたオーバーローンも可能です。

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不動産投資でフルローンを組める? 事前に知りたいメリット・デメリットとは

投資といえば、普通はかける金額に対してリターンが決まります。不動産投資ローンを使った不動産投資では、元手をそれほどかけずに大きな金額の投資が可能となります。これがレバレッジが効かせられる不動産投資の特徴です。

自己資金が1,000万円あったとしても、その資金は別の投資にあて、不動産投資は金融機関からの借入れを可能な限りマックスで使うという選択ができます。

このようにあえて自己資金額を少なくし、借入れで投資効果を高めるのもひとつの方法です。

頭金と諸費用を含めた自己資金の準備を

不動産投資を始める際は、物件価格の2割ほどの頭金と諸費用を支払えるだけの自己資金を準備すれば、かなり安心して始められるでしょう。収益性が高い物件で借入れ希望者の職業なども条件をクリアすれば自己資金は10万円でも始められるでしょう。

ただしその場合は、空室や家賃滞納、建物の修繕などに対処するための資金は別途用意しておく必要があります。これから不動産投資を始めようと考えている方は、投資物件の頭金や諸費用を支払ったあとも手元に資金が残るようにしたうえで、始めることが大切です。

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不動産投資ローンを組むときに必要な年収と、最大の融資額はいくら?
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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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