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更新日: 2021.12.08

【初心者向け】不動産投資に最低限必要な元手はいくら?

【初心者向け】不動産投資に最低限必要な元手はいくら?

副収入を得るための手段として、不動産投資は多くの層から注目を集めています。その一方で、不動産のオーナーになるということで、どちらかというと富裕層向けの投資というイメージを持っている方も多いかもしれません。

不動産投資を始めるには、実際どの程度の元手が必要かを見ていきます。

不動産投資の元手はいくら?

10万円から始められる金融機関も

不動産投資では物件購入の費用を捻出するため、不動産投資ローンを利用することが多いでしょう。例えば中古の区分のワンルームマンションに投資する場合、ローンを組む人の条件によっては、契約時に支払う手付金の10万円だけですむ場合もあります。この場合はほとんど元手がかからないことになります。

この場合は、初期にかかる諸費用までをローンに含めることになり、金融機関は物件価格プラス初期費用を含めた金額を貸し出すことになります。元手をかけない投資については後述します。

【関連リンク】
不動産投資ローンとは?住宅ローンとの違いやメリット、金利、金融機関(銀行融資)の特徴を解説

動画「リノシーチャンネル」でも解説しています。

物件価格の2割から3割の頭金が必要な場合も

しかしすべての金融機関で上記のようなローンを組めるわけではありません。金融機関によっては、借入れ状況や職業などによって頭金を要求されます。金額としては、物件価格の2割〜3割、時には5割に近い頭金を要求される場合もあります。

【関連リンク】
不動産投資の融資を受けたい。頭金はどのくらい用意すべき?

金融機関が頭金を要求するのは、貸付金を無事に回収してローンの焦げ付きを防ぐためです。物件価格の2割から3割ということは、購入価格が1,500万円の物件であれば、300万円から450万円程度の頭金の確保が必要です。頭金の有無によって、不動産投資を始めるにあたり必要な元手の金額は大きく変わってきます。

不動産投資の初期費用の主な内容

不動産を取得する際に必要となる初期費用は、物件価格に比べたら少額ですが、実際にどんな項目に対して費用がかかるのかあらかじめ確認しておきましょう。

【不動産投資の主な初期費用(一例)】

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 不動産登記費用(登録免許税・司法書士への報酬など)
  • 融資の手数料
  • 物件の保険料(火災保険・地震保険など)
  • 不動産取得税
  • 固定資産税

初期費用の金額がいくらになるかは、物件を誰から購入するか等によってケースバイケースです。一般的には物件価格の8%程度、1,000万円の物件を購入する場合なら80万円かかる計算、を想定しておくとよいでしょう。

不動産投資を始める際、初期費用の存在はつい忘れがちですが、決して小さくない金額なので予算に組み込んでおきましょう。

【関連リンク】
不動産投資にかかる費用とは〜初期費用・運用費用・手数料・諸費用など
不動産投資を始めるなら自己資金はいくら必要?

元手はなくても不動産投資はできる

先ほど、10万円から始められることもあると紹介しましたが、やり方を具体的に見ていきましょう。

購入金額を全額ローンで賄う「フルローン」

もし頭金ゼロで、初期費用のみの元手だけで不動産投資を始めるためには、物件の購入金額すべてをローンで賄う「フルローン」とよばれるローンを組みます。

近年はサラリーマンやOLなどを中心に、フルローンで投資用物件を購入する傾向もみられます。莫大な頭金がなくても不動産投資に挑戦できることから、手持ちの現金が少ない方の強い味方といえます。

とはいえ、頭金を入れた場合と比べて借入金額が大きくなるため、相応のリスクやデメリットも存在します。詳細は後述しますのでそちらも参考にしてください。

【関連リンク】
不動産投資でフルローンを組める? 事前に知りたいメリット・デメリットとは

物件価格以上の融資を受ける「オーバーローン」

金融機関によっては、物件価格以上の融資である「オーバーローン」にも対応しているところがあります。

オーバーローンのメリットは、物件の購入費用だけでなく初期費用もローンで賄うことができることです。不動産投資の初期費用は、物件の価格によっては100万円を超える大金になることもあります。手持ちの資金が少ない方には大きな負担となります。

貴重な資金を手元に置いておきたい方には、オーバーローンで初期費用まで工面できるのは大きな利点です。

「借主の属性」や「物件の収益性」で融資額は変わる

公務員や大手企業のサラリーマンなら安定した給与収入が見込めるため、金融機関からの信用力は高めです。手元にあるお金をほぼ使わず、ローンで購入資金を調達できることがあります。

【関連リンク】
公務員に向いている不動産投資。規定違反しないための注意点とは
医師が不動産投資をするべき理由とは? 節税対策の考え方や注意点も解説
サラリーマンが不動産投資をする8つのメリットと失敗しない5つのポイント

物件の入居状況が良い、または高い賃料(収益性)を維持しているケースも、返済不能に陥る可能性が低いことから、借入金額の増加や低金利での借入れが期待できます。

一方、収入が不安定とみなされる自営業や、収益性の低い物件への融資では、希望通りの融資を受けられない可能性も。頭金の投入を条件に指定される、もしくは金利を高く設定されるなど、希望とは異なる条件での融資になるかもしれません。

誰でもフルローンやオーバーローンを利用できるわけではない、という点には注意しておいてください。

フルローンのメリット

レバレッジを利用して大きな収益を得られる

フルローンを利用する最も大きなメリットは、レバレッジにより大きな収益を得られることです。レバレッジとは自己資金より大きな金額で投資をすること。不動産投資においてはローンを利用して大きな金額の不動産を取り扱うことを指します。

自己資金では到底購入できない高額の不動産を、ローンを組むことで自己資金の何十倍もの価格の物件を購入できます。ローンの返済は、第三者に貸し出すことによって毎月得られる家賃収入で支払うという仕組みです。

初期費以外の元手ゼロ円のフルローンであれば、頭金を投入した場合と比べてレバレッジはさらに大きくなります。フルローンの利点の一つといえるでしょう。

資金を手元に残しておける

物件の購入をフルローンで行えば、現金は手元に残しておくことが可能です。資金をとっておくことで、不動産を運用するうえで発生するさまざまなリスクに備えられます。

例えば、運用中に空室の発生や家賃相場の値下がりが起こった際、減収分を毎月の収入では賄いきれない可能性があります。収支がマイナスになってしまった際、支払いに利用するのは手持ちの事業用資金です。賃貸経営の体力は手持ちの現金の量に比例するため、手元に現金を残しておければ、よりリスクに強い状態で不動産投資を始めることができます。

手元の資金を別の投資で運用できる

不動産運用中のリスクに備えて現金を残す以外にも、手元資金の許容できる割合を、別の投資にまわして運用することも可能です。例えば、幅広い対象を組み入れた投資信託の商品などを購入して運用することで、現金で保管しておくよりも増える可能性があります。もちろん、現金が必要になったら、利益を確定させて現金として利用することもできます。

フルローンのデメリット

合計返済金額が大きくなる

フルローンのデメリットとして忘れてはいけないのが、頭金を投入したときと比較してローンの合計返済金額が大きくなることです。

「借入額が増えるのだから当たり前では?」と思うかもしれませんが、元金だけでなく金利の支払いも増えてしまう点に注意が必要です。具体例を見てみましょう。

【借入金額の増加による支払金利の変化】

支払期間20年のローンを金利2%で組んだ場合、借入金額の変化により、毎月の支払額と金利には以下のような差が出ます。

借入金額 毎月の支払額 合計支払額
(うち金利)
1,000万円 5万588円 1,214万1,120円
(214万1,120円)
1,500万円 7万5,882円 1,821万1,680円
(321万1,680円)

毎月の返済額で約2万5,000円、金利の総支払額には約107万円の差があります。フルローンを利用すると支払額の負担がかなり増えてしまうことがわかります。

たしかに、フルローンを利用するのは不動産投資の戦略の一つです。ただ、頭金を入れた場合と比較して、どの程度支払額が変化するのかチェックしてから借入額を決定するのが望ましいでしょう。

まとめ

手持ちの現金が少ない状態で不動産投資に挑戦する場合、物件購入資金はローンで賄うのが一般的です。しかし、ご紹介した通りローンの割合が増加することにはデメリットもあるため、安易に多額の借入れを行うことはおすすめしません。

また、不動産投資を始めたあとに手元に資金がない状況が続くのも、不動産投資をやるうえではリスクとなります。手持ちの資金がいくらあるかは、不動産投資の体力に大きく影響します。物件の収入と支出、各種リスクを整理して最適な借入額を決定してください。

【関連リンク】
不動産投資ローンの融資額と必要な年収は?年収別の金融機関も公開

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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