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公開日: 2019.08.20 更新日: 2025.10.01

不動産投資で住宅ローンは組めない! その理由や不動産投資ローンとの違いを比較

監修:
柴田充輝 (1級ファイナンシャルプランニング技能士、社会保険労務士)
不動産投資で住宅ローンは組めない! その理由や不動産投資ローンとの違いを比較

区分マンションやアパート一棟などの不動産投資をする場合、ほとんどの人が不動産投資ローンを利用するでしょう。そのとき、住宅ローンを組んだことのある人のなかには「なぜ住宅ローンの方が金利が低いのか」と思う人も少なくないのではないでしょうか。

住宅ローンと不動産投資ローンは根本的に異なる金融商品であり、目的や条件、リスクも大きく異なります。本記事では、不動産投資における住宅ローン利用の可否や両者の違い、不動産投資ローンのメリット・デメリット、年収別の不動産投資ローンの融資可能性などを詳しく解説します。

不動産投資で住宅ローンを利用できるのか?

 

住宅ローンで不動産投資を行うことは原則として禁止されています。住宅ローンは「自己居住用住宅の取得」を目的としたローンであり、投資目的での利用は契約違反となるからです。

もし投資目的で利用した場合、契約違反となり一括返済を求められるだけでなく、法的な問題に発展する可能性もあります。しかし、例外的に住宅ローンで不動産投資ができるケースも存在します。

もし住宅ローンで借りて、黙って賃貸したことが発覚したら

住宅ローンの契約違反が発覚した場合、残債の一括返済を要求される可能性があります。数千万円のローン残高を即座に返済する必要が生じ、返済できない場合は物件が競売にかけられ、売却価格がローン残高を下回れば多額の借金が残り、最悪の場合は自己破産に追い込まれてしまいます。

契約違反が発覚する主なケースは、郵便物の転送状況から本人の居住が確認できない場合や、近隣住民からの情報提供などです。不審な点があれば金融機関が調査を行うため、契約者本人が住んでいないと発覚してしまうのです。

また、契約違反による強制解約や一括返済請求が発生した場合、「異動情報」として信用情報に記録されます。この記録は一定期間残り、その後の住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードなどの金融サービスを利用する際に大きな制約となる可能性があります。

住宅ローンで不動産投資ができるケース

例外的に、住宅ローンで賃貸収入を得られるケースも存在します。代表的なのが賃貸併用住宅です。自宅と賃貸物件が一体となった構造の住宅では、「自己居住部分が全体の床面積の50%以上」であれば住宅ローンの利用が可能という金融機関があります。

たとえば、1階を自宅、2階を賃貸に出すような構造で、自宅部分が過半数を占める場合が該当します。この場合、金融機関は居住目的が主であると判断し、住宅ローンを適用します。

また、転勤や転職など、やむを得ない事情による一時的な賃貸の場合も例外の一つです。この場合は事前に金融機関へ相談し、転勤辞令などの証明書類を提出して承認を得る必要があります。通常、3~5年程度の期限付きで認められることが多いですが、金融機関の判断によって条件は異なります。

これらのケースに該当する場合でも、金融機関への事前相談は必要です。無断で行えば契約違反となるため、安易な自己判断は避け、必ず専門家や金融機関に相談しましょう。

不動産投資ローンと住宅ローンの5つの違い

 

不動産投資ローンと住宅ローンには、以下のような違いがあります。

比較項目 不動産投資ローン 住宅ローン
目的 収益を得るための投資 自己居住用住宅の取得
金利 高い傾向(1%後半〜3%後半) 低い傾向(0.5%程度〜)
審査内容 個人の返済能力、物件の収益性・事業性 個人の返済能力
返済原資 家賃収入(自己資金での補填も必要となる場合あり) 借主自身の給与収入・事業収入
融資金額 年収の7〜8倍程度(物件の収益性も考慮) 年収の5〜7倍程度(個人の返済能力を重視)

各項目に関して、それぞれ詳しく解説します。

1. 目的の違い

住宅ローンは「自分が住むための住宅購入」という居住目的に限定されており、購入した物件を第三者に貸し出すのは原則禁止されています。国が居住の安定を支援するために、税制優遇などの優遇措置を設けているためです。

一方、不動産投資ローンは「収益を得るための投資」が目的であり、購入した物件を賃貸に出して家賃収入を得ることが前提となっています。目的の違いが、金利や審査基準、税制上の扱いなど、すべての条件に影響を与える重要な要素といえるでしょう。

2. 金利の違い

不動産投資ローンは住宅ローンに比べて金利が高いです。

不動産投資ローンの変動金利は、金融機関によって違いもありますが、1%後半〜3%後半が相場です。一方、住宅ローンの変動金利は0.5%程度〜で、不動産投資ローンと比較すると低金利といえます。

不動産投資ローンの方がより高く設定される理由は、リスクの差にあります。住宅ローンは借主が居住するため物件の管理状態が良好に保たれやすく、住宅ローン控除などの優遇税制もあるため、貸し倒れリスクが比較的低めです。

一方、不動産投資ローンは、空室リスクや家賃下落リスク、災害リスク、大規模修繕による追加支出など、収益性に影響する多様なリスクを抱えています。また、経済情勢の変化により不動産価格が下落した場合、投資用物件は居住用物件よりも売却されやすい傾向があるため、担保価値の不安定性も金利に反映されます。

金融機関はこれらのリスクを考慮して、不動産投資ローンに住宅ローンより高い金利を設定しているのです。

3. 審査内容の違い

銀行などの金融機関が融資をする際の審査内容も異なります。

住宅ローンの審査では、借主の「個人的な返済能力」が重要です。具体的には、以下のような内容が審査されます。

  • 年収
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 家族構成
  • ほかの借入状況
  • 担保価値
  • 信用情報 など

物件については「居住に適しているか」という観点で評価されますが、収益性は考慮されません。

一方、不動産投資ローンの審査は、個人の返済能力に加えて事業性・収益性が重要な判断材料となります。具体的な審査項目は、以下のとおりです。

  • 物件の立地条件
  • 築年数
  • 想定家賃収入
  • 空室率
  • 修繕履歴
  • 周辺の賃貸需要
  • 担保価値
  • 競合物件の状況 など

また、借主の投資経験や事業計画の妥当性なども審査対象となり、これらの要素が総合的に評価されます。

【関連リンク】
不動産投資でフルローンは可能? メリット・デメリットや向いている人の特徴も解説

4. 返済原資の違い

住宅ローンは、借主自身の給与収入や事業収入から返済するのが基本です。そのため、借主の雇用が不安定になったり収入が減少したりすると、返済に直接的な影響が生じ、最悪の場合は返済が困難になるリスクがあります。

一方、不動産投資ローンの返済原資は家賃収入が基本です。つまり、入居者から得られる家賃収入をローンの返済に充てます(入居者がいない場合は、預貯金や給与収入から返済することもある)。

このように、住宅ローンと不動産投資ローンでは、「誰が返済するのか」という点が大きく異なります。

5. 融資金額の違い

住宅ローンの融資金額は、一般的に年収の5〜7倍程度が上限とされ、借主の返済能力を重要視します。個人の収入と信用力にもとづき、安定した返済が見込める範囲で融資が行われます。

これに対し、不動産投資ローンでは年収の7〜8倍程度まで借入れが可能で、借主の返済能力に加えて物件の収益性も融資判断の重要な要素の一つです。投資用物件の場合、家賃収入という追加の収入源があるため、住宅ローンよりも高額な融資を受けられる可能性があるわけです。

※融資上限はあくまでも一般的な目安であり、融資希望者や物件によって変動します。最終的な融資額は、金融機関の審査によって個別に決定されます。

【関連リンク】
不動産投資はリスクが高い? 空室や修繕など9つのリスクと5つの回避策

不動産投資ローンを利用する3つのメリット

 

不動産投資ローンを利用するメリットは、以下の3つです。

不動産投資ローンのメリット
  1. レバレッジを使うことで少ない資金で投資できる
  2. ローン返済に入居者の家賃支払いを充てられる
  3. 団体信用生命保険へ加入できる

それぞれ詳しく解説します。

1. レバレッジを使うことで少ない資金で投資できる

レバレッジとは、金融分野で「てこの原理」を意味し、少額の投資で多額の利益を目指すことを指します。不動産投資の代表的なメリットが、不動産投資ローンのレバレッジ効果です。

何か投資を始めようとするとき、一般的には自己資金の範囲内で投資を行い、リターンを得ます。

たとえば、利回り3%の金融商品に投資するケースで考えてみましょう。

A. 100万円の自己資金を投資する
B. 1,000万円の自己資金を投資する

Aの場合は年間3万円増え、Bの場合は30万円増えます。投資に使える手元の資金が多いほど、リターンも大きくなります。

不動産投資ローンを使うと手間と時間を一足飛びにできる

不動産投資ローンを利用すると、少しの手持ち資金で、数百万円数千万円、時には億単位の投資運用が可能となります。

金融機関の融資を利用して、自己資金の何倍もの大きな金額の取引ができることで投資効率を高められることを、レバレッジ効果レバレッジが効くなどといいます。

先ほどの例と比較すると、

C. 100万円の自己資金で、1,000万円のローンを組み投資する

利回り3%で賃貸経営(月々の家賃収入5万円)をするとき、年間30万円増えます(実際にはローンの返済等がありますので返済額等がマイナスされます)。

自己資金100万円を1,000万円まで貯めるのは至難の業です。手間と時間を、レバレッジ効果で一足飛びできるのが大きなメリットになります。

【関連リンク】
不動産投資のレバレッジ効果とは? リスクと目安、効果を高めるコツを解説

2. ローン返済に入居者の家賃支払いを充てられる

2つ目のメリットは、ローン返済に入居者からの家賃を使える点です。つまり、ローンの返済に自分のお金は使わなくてよいのです。

つまり、不動産投資は、レバレッジを効かせられ、自己資金は別の投資に生かすことが可能となります。

3. 団体信用生命保険へ加入できる

不動産投資ローンを組む際、多くの金融機関は団体信用生命保険への加入を融資の条件としています。

団体信用生命保険とは、死亡など、万が一のことがあった場合に、ローン残高が0円となる保険です。これにより、家族に不動産を残せるため、投資用物件として所有し続けたり、売却して当面の生活費にしたりすることが可能になります。

毎月手元にあるお金を使って保険料を支払う必要なく、不動産投資の開始と同時に生命保険に入ることになります。

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不動産投資ローン中にがんと診断。団信を使って残債0円にした20代オーナーの葛藤と安堵

不動産投資ローンを利用する2つのデメリット

 

不動産投資ローンにもデメリットは存在します。

不動産投資ローンのデメリット
  1. 返済利息があるので、現金一括より返済金額が増える
  2. 変動金利で利率が変わった場合、返済金額が増える

それぞれ詳しく解説します。

1. 返済利息があるので、現金一括より返済金額が増える

不動産投資ローンでは当然ながら金利がありますので、返済利息が発生します。
たとえば、

  • 2,200万円の物件取得
  • 金利1.9%
  • 元利均等返済
  • 35年のローン

を組んだ場合、返済利息は約800万円かかります。

800万円もかかれば、「やはり現金一括で買いたい」と思われるかもしれません。ただ不動産を購入するために貯蓄するとなると、長い時間が必要です。不動産投資ローンを使うことで貯める時間が必要なくなり、人生において資産形成のスタート時期を早められます。

2. 変動金利で利率が変わった場合、返済金額が増える

上記の試算は金利変動がない設定ですが、不動産投資ローンで変動金利を利用した場合には、金利変動の可能性があります。

金利が上昇すると、自己資金の持ち出しが増える可能性も考えられます。そのため、リスクなく受け入れられる利率は何%までかなど、シミュレーションが必要です。

不動産投資ローンの種類

 

不動産投資ローンは、主に「アパート・マンションローン(アパートローン)」と「プロパーローン」の2つに分類されます。

1. アパート・マンションローン

アパートローンとは、金利や融資期間など内容がパッケージ化されている融資商品で、審査期間も短い傾向です。

なお、一棟アパート等を対象にパッケージ化されたローンをアパートローンといい、区分投資マンションを対象にパッケージ化されたローンを「不動産投資ローン」という場合もあります。

2. プロパーローン

プロパーローンとは、都度作り上げられる金融商品です。融資希望者の資産背景や、事業の実績などを総合的に審査して判断します。審査期間も、アパートローンに比べてプロパーローンの方が長くかかります。

両者の特徴の違いは、以下のとおりです。

パッケージ化されたローン プロパーローン
融資条件・審査基準 定まっている 定まっていない
審査期間 短い 長い
借入れ金額 年収の7〜8倍まで 億を超える金額も対応
融通 効きにくい 効きやすい
イメージ 既製品・既製服 オーダーメイド・注文服

実際には、不動産会社が提携している金融機関、また自ら開拓しようとする金融機関と審査対象となる事業性によっても異なります。

【年収別】不動産投資ローンの融資可能性

 

不動産投資を始めようとして、「普通の会社員の自分が不動産投資ローンを組めるだろうか?」と疑問に思われることも多いでしょう。

アパートローンの場合には、ローン審査に一定の基準があるため、年収の基準を満たしていることが求められる傾向です。また勤続年数も関係します。

プロパーローンの場合は、年収という基準で見られるよりも、事業性を丁寧に時間をかけて審査される傾向です。

動画「リノシーチャンネル」でも解説しています。

1. 年収500万円以下の場合

年収500万円以下の場合、不動産投資ローンの融資は難しいといわれています。ただし、年齢が若く今後年収増加の見込みが予想されるなど、銀行が肯定的にとらえる条件が整っている場合には、融資が通る可能性があります。

2. 年収500万~1,000万円の場合

年収500万円を超えると、不動産投資ローンは利用しやすくなります。

従来の銀行ではなく、預金などを受け入れずに貸付業務を主とするノンバンクや、リアルな店舗を持たないネット銀行による融資が増えています。

【関連リンク】
年収500万円でも不動産投資はできる? 注意点をまとめてみた

3. 年収1,000万円を超える場合

年収が1,000万円以上ある場合、都市銀行も視野に入ってきます。ただし、都市銀行の場合、自己資金や事業実績の有無も重要なポイントです。

もし、年収は多いのに実績がないことで融資が受けられない場合は、まず地方銀行など他の金融機関の不動産投資ローンを利用して実績を作ることから始めましょう。

4. 信用情報も重要な審査対象

ローン審査では、年収のほかにも、過去のクレジットやローンの契約・申し込み履歴に関する内容もチェックされます。

たとえば、クレジットカードの引き落とし日に残高不足が生じ、カード会社への連絡や支払いを放置すると、信用情報機関に延滞の記録が残ります。たった数万円の遅延でも、将来的に大きな借り入れができなくなる可能性があるため、注意が必要です。

5. 審査期間を経て融資実行までの期間

プロパーローンの場合は、一つひとつ作り上げる商品のため、時間がかかります。

事前審査から本審査、契約を経て融資実行まで、さまざまな事情で前後する可能性はありますが、基本的には約1カ月をみておくとよいでしょう。必要な書類が整っている場合、最短1週間で審査が通るケースもあります。

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不動産投資ローンを組むときに必要な年収と、最大の融資額はいくら?

不動産投資ローンを扱う主な金融機関(銀行融資)の種類と特徴

アパートやマンション投資に対して不動産投資ローンを扱っているそれぞれの金融機関(銀行融資)の特徴を理解しておくと、借入先を選ぶ際の参考になります。

審査 金利 借入期間 融資金額の上限
都市銀行 厳しい 低い 〜35年 高い
地方銀行 ややゆるめ 高い 〜35年 高い
ノンバンク・
ネット銀行
基準を満たせば 低い 〜45年 中程度

1. 都市銀行・地方銀行

従来の銀行は、メガバンクとよばれる都市銀行や、地方銀行があります。

メガバンクは、融資を受けるための審査が厳しいのが特徴です。主に資産家や優良企業などを対象としており、過去の事業実績なども重要視されます。利用するための条件が厳しい分、金利は低めで、大きな融資金額でも対応が可能です。

全国のエリアで利用可能ですが、支店によって融資に積極的かどうかは異なります。

一方、地方銀行は、物件の所在地や融資を受ける人の居住地などにより、利用できる銀行が異なります。

融資条件は都市銀行に比べると緩めですが、金利は都市銀行に比べて若干高くなるのが一般的です。

2. 新しい金融機関:ノンバンク・ネット銀行

近年では、従来の銀行とは異なる形態の金融機関であるノンバンクやネット銀行も不動産投資ローンを提供しており、利用者の選択肢が広がっています。ノンバンクとネット銀行に関して詳しく解説します。

ノンバンク

ノンバンクとは、預金業務を行わず貸付業務を主とする金融機関のことです。従来の一般的な銀行よりも、融資が通りやすいといわれています。

代表的なノンバンク系金融機関としては、ジャックスなどがあります。

4. ネット銀行

ネット銀行とは、物理的な店舗を持たずに、主にインターネット上で取引を行う銀行です。一般的な銀行よりも、融資が通りやすいといわれています。

代表的な企業には、じぶん銀行やソニー銀行などがあります。ネット銀行は申し込みや手続きを主にインターネット上で行い、店舗運営コストを削減できるため、その分を金利優遇や手数料削減に還元している場合が多いのが特徴です。

なお融資が受けられる金融機関は、投資対象がアパート・マンション1棟・区分のマンションなのかによって変わります。

不動産投資ローンに関してよくある質問

 

続いて、不動産投資ローンに関して、みなさんが気にされているよくある疑問についてお答えします。

具体的には、以下のような質問がよく挙がります。

  1. 不動産投資に頭金は必要?
  2. ローン開始時に必要な初期費用は?
  3. 繰上返済はできる?
  4. 不動産投資ローンを組んでいると住宅ローンを組めない?
  5. 不動産投資ローンと住宅ローンはどちらを先に組むべき?

それぞれ詳しく解説します。

1. 不動産投資に頭金は必要?

不動産投資では多くの場合、頭金を求められませんフルローンで借入れが可能なことが多い傾向です。

フルローンとは、物件の購入価格を全額融資してくれるという意味です。それ以外にも、手付金や諸費用などもローンに組み込める場合もあります(オーバーローン)。

実際に近年では物件購入時の初期費用が10万円程度で済むケースも珍しくなく、手元資金を残しながら不動産投資を始めることが可能です。

ただし、職業によっては頭金を数十%ほど払わなければ融資を受けられない場合もあります。また投資方針によっては、頭金をいくらか払った方がお得と考える人もいます。

いくら用意すべきかは、それぞれの考え方や状況によって異なるため、不動産投資会社や金融機関にも相談してみるのがおすすめです。

【関連リンク】
不動産投資でフルローンを組める? 事前に知りたいメリット・デメリットとは

2. ローン開始時に必要な初期費用は?

購入の不動産が新築か中古か、一棟か区分かなどによって、また不動産会社から直接買うか、仲介して買うかによっても異なります。

中古区分マンションで、売主が不動産会社の場合、初期費用の目安は60〜80万円です(RENOSYの場合)。

仲介不動産会社を通して購入する場合や一棟アパートなどの購入の場合、物件価格の7〜8%を想定しておけばよいでしょう。

【関連リンク】
不動産投資にかかる費用とは〜初期費用・運用費用・手数料など

3. 繰上返済はできる?

不動産投資のローンで注意すべきポイントは、固定金利期間中の借り換え(一括返済)や繰上返済に対する違約金があるかどうかです。融資を受けるときは気にしない方が多いでしょう。しかし、予備知識として金融機関の担当者に確認しておくのがおすすめです。

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不動産投資のローン繰上返済はやるべき? メリットやデメリット、タイミングなど解説

4. 不動産投資ローンを組んでいると住宅ローンを組めない?

借りる金融機関や借りる順番、借りる金額によっては、不動産投資ローンと住宅ローンを両方組むことは可能です。

ただし、金融機関の審査において、既存の投資用ローンは「負債」として扱われるため、住宅ローンの借入可能額に影響を与えます。また、ほかの借入や年収によっては、返済負担率に悪影響が出てしまい、希望する住宅ローンの金額を借りられない可能性がある点に注意が必要です。

金融機関は、個人の総返済能力を重視するため、既に不動産投資ローンの返済をしている場合、そのぶんだけ住宅ローンとして借入れできる金額が減少します。そのため、両方のローンを検討する際は、自身の年収や既存の借入状況、希望する住宅ローンの金額を考慮し、事前に金融機関に相談してみましょう。

5. 不動産投資ローンと住宅ローンはどちらを先に組むべき?

各々の状況や希望によっても異なり、一概に正解はありませんが、どちらかというと不動産投資ローンを先に組むのがおすすめです。

不動産投資ローンを先に組むことで、家賃収入が発生し、それが年収に加算されるため、将来的に住宅ローンの融資上限額を引き上げられる可能性があります。また、借りやすさでいうと住宅ローンの方が借りやすいといわれており、借りられる可能性の高さを考慮すると不動産投資ローンを先に借りるのがよいでしょう。

しかし、これはあくまで一般的な考え方であり、各々の状況にもよります。もし直近で住宅購入希望があるのであれば、先に住宅ローンを組むことになるでしょう。ご自身のライフプランや資産形成の目標に合わせて、慎重に検討することが重要です。

あくまでも融資難易度の違いでみた際に「不動産投資ローン」の方が先と考えられる一つの目安として参考にしてみてください。

区分マンション投資における不動産投資ローンを扱う金融機関(銀行融資の一例)

中古の区分マンションに対して投資を行うRENOSY(リノシー)では、これまでに以下の金融機関との実績があります。

実際に不動産投資ローンを組む場合には、借入希望者の諸条件(希望者の属性や物件そのものの評価)によって、融資期間や借入金額そして金利などが異なります。

金融機関の融資期間は多くが35年で、金利はおおよそ1.5〜2.5%での実績がありました。

金融機関(銀行融資)
イオン銀行
ソニー銀行
じぶん銀行
ジャックス
オリックス銀行
SBJ銀行
東京スター銀行
ダイヤモンドアセットファイナンス
イオン住宅ローンサービス
きらぼし銀行
城北信用金庫

【注意】上記内容は、諸条件が整った場合に適用される内容です。借入希望者であっても上記条件に当てはまらない場合があります。

不動産投資では住宅ローンではなく投資用ローンを活用しよう

不動産投資ローンは、投資対象によって、利用する金融機関によって融資を受けるための条件は大きく異なります。

これまで述べてきた内容は、あくまでも一般論としての内容であり、参考として検討をする際の目安です。当然ながら、年収のほか資産背景など、個人の状況によって選べる金融機関、借入れの金額や金利、融資期間等の融資条件も異なります。

同じ銀行でも支店によって融資に関するスタンスが異なる場合もあるので、融資が受けられる金融機関を探しましょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

この記事を監修した人

柴田充輝 柴田充輝 1級ファイナンシャルプランニング技能士、社会保険労務士

厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級と社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。現在はWebライターとして金融・不動産系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。自身でも株式や不動産への投資を行っており、実体験を踏まえて記事制作・監修に携わっている。

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