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公開日: 2025.04.25

ワンルームマンション投資の収支って実際どうなの? 利益を得るタイミングやプラスにするポイントを解説

監修:
柴田充輝 (1級ファイナンシャルプランニング技能士、社会保険労務士)
ワンルームマンション投資の収支って実際どうなの? 利益を得るタイミングやプラスにするポイントを解説

都市部のワンルームマンション投資の収支は、不動産投資ローンを活用する場合、家賃収入とローンの支払い、さらに経費のバランスによって決まります。

プラスになるとは限らない収支の仕組みやリスクもあるので、まずは基本的な考え方を知ることが大切です。利益を得るためのポイントも解説します。

ワンルームマンション投資の収支とは? 基本的な考え方を紹介

 

ワンルームマンション投資を検討する際、利益を得るためにも、収支の仕組みの理解が重要です。

ワンルームマンション投資では、一般的な投資と同様に、収入から支出を差し引いた結果がプラスになれば利益が出ていることになります。家賃収入だけでなく、将来の売却益も含めたトータルの収支を考えることが大切です。

そもそも収支とは

収支とは、一定期間における収入から支出を引いた金額のことです。ワンルームマンション投資においては、毎月の家賃収入から諸経費を差し引いた収支と、購入から売却までの全期間における総収支で考えます。

毎月の収支がマイナスでも、将来的な資産価値の上昇や税金対策などのメリットも考慮し、中長期的な視点を持つ必要があります。収支計算は投資判断の基準となるだけでなく、資金計画を立てるうえでも欠かせない指標となります。

ワンルームマンション投資の収支

不動産投資ローンを活用してワンルームマンション投資をする場合のコストは、ローンの返済費用と、マンションの修繕積立金管理費、税金や賃貸管理の運営費用などが挙げられます。

物件によって、家賃収入から返済費用と運営費用を差し引いてもプラス収支で運用できる場合と、不足する金額を自己資金から支払っていく場合があります。自己資金を投下する場合でも、家賃収入と合わせて自己資金以上の金額でローンの返済は進むため、効率的に純資産を増やすことが可能です。完済後は返済費用がなくなり手元に残る家賃収入金額が増え、不動産という実物資産が残ります。

【関連リンク】
【リノシー】2020年購入の物件を査定!収支マイナスでも問題ない理由【オーナーインタビュー】

資産運用しながら生命保険の効果が得られる

不動産投資ローンを活用してワンルームマンション投資をする場合、資産運用としての側面だけでなく、生命保険としての効果もあります。ローン契約時に加入する団体信用生命保険により、投資家が万が一の事態(死亡や高度障害など)に見舞われた場合には、残りのローン返済が免除されるためです。

この仕組みにより、家族に無借金のマンションを残すことができ、資産運用と同時に家族の将来に対する備えにもなります。通常の生命保険と異なり、保険料を別途支払う必要がないという点も魅力です。

【関連リンク】
​​不動産投資が生命保険の代わりになるって本当? 理由や死亡保険との違いについて解説

節税効果が見込めるケースもある

不動産投資のメリットの一つに節税効果があります。不動産の土地と建物のうち、建物は減価償却によって、実際にはキャッシュアウト(現金の流出)が発生していないにもかかわらず、経費として計上可能です。

減価償却とは、建物などの資産の価値が時間の経過とともに減少していくことを費用として計上する方法です。収入よりも経費のほうが多いと収支がマイナスになりますが、この場合は給与所得と不動産所得で損益通算して、節税効果を得られるケースもあります。

このような税制上の仕組みを活用することで、表面上の収支だけでは見えない経済的なメリットを享受できます。

【関連リンク】
不動産投資をするなら必ず理解したい、減価償却費とは?【基礎編】

結論:ワンルームマンション投資はトータルで考える

ワンルームマンション投資の収支を正確に把握するためには、「累計の家賃収支-運用中にかかった経費(税金)+(購入価格-売却価格)-売却時にかかった経費(税金)=トータル収支」という式で考える必要があります。つまり、家賃収入と売却価格の両方が揃わないと、ワンルームマンション投資の収支は確定しません。

月々の収支がマイナスであっても、最終的に物件が適切な価格で売却できれば、トータルでプラスになる可能性があります。このため、入口だけでなく出口戦略も含めた中長期的な視点で投資計画を立てることが重要です。

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不動産投資の損益分岐点とは? 仕組みから計算方法まで理解しよう

ワンルームマンション投資で得られる収入

 

ワンルームマンション投資では、主に以下の2種類の収入が期待できます。

  1. インカムゲイン:定期的に得られる家賃収入
  2. キャピタルゲイン:物件売却時に得られる利益

それぞれの特徴を詳しく解説します。

1. インカムゲイン

インカムゲインとは、物件を所有することで定期的に得られる利益のことです。ワンルームマンション投資における主なインカムゲインには、以下のようなものがあります。

  • 家賃(毎月)
  • 更新料(更新時)

もっとも基本的なのが、毎月の家賃収入です。また、契約更新時には更新料を得られることもあります。ただし、物件の立地や市場状況によっては、更新料を設定できない・しない場合もあるため、物件購入時に何がインカムゲインになるかの確認が必要です。

また、将来的に人口減少や不動産市況の悪化によって家賃収入が減少する可能性があることや、空室が発生した場合は家賃収入が入ってこないことも念頭に置いておく必要があります。

2. キャピタルゲイン

キャピタルゲインとは、不動産の価値上昇により得られる利益のことです。購入時より高い価格で物件を売却できた場合に発生します。

ワンルームマンションの場合、立地条件のよい都心部では将来的な価値上昇が期待できる場合があります。特に交通の利便性が高く、商業施設や教育機関が充実している地域では需要が安定しており、資産価値を維持しやすいでしょう。

もちろん、経済状況や人口動態などの影響を受けるため必ず価値が維持されるとは限りません。不動産市況に注意を払い続けることも重要です。

ワンルームマンション投資で必要な支出

 

ワンルームマンション投資では、収入だけでなく以下のようなさまざまな支出も発生します。収支計画を立てる際には、これらの支出を漏れなく考慮することが重要です。

項目 内容
建物管理費 共用部分の清掃や設備の点検などに使われる費用
修繕積立金 将来の大規模修繕に備えるための積立金(入居者の有無にかかわらず発生する固定費)
ローン返済額 金融機関への返済額。返済額は元金と利息を含み、金利タイプや返済期間によって変動
管理業務費用 賃貸管理会社に支払う費用(委託内容によって家賃の5%〜10%程度)
税金 固定資産税や都市計画税など
保険料 火災保険料や地震保険料など(建物の保護と入居者の安全を確保するための費用)
リフォーム費用 物件の価値維持や入居者満足度向上のための費用
設備交換費用 給湯器やエアコンなどの設備の故障・経年劣化に伴う交換費用
広告費 不動産会社を通して入居者を募集する際の費用

これらの支出を適切に見積もり、収支計画に組み込むことで、安定した運用が可能になります。

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不動産投資のランニングコスト、いくらかかる?

ワンルームマンション投資の収支を考える際に欠かせない4つのリスク

 

ワンルームマンション投資の収支を考える際に欠かせないリスクは、主に以下の4つです。

  1. 空室リスク
  2. 金利上昇リスク
  3. 家賃滞納リスク
  4. 老朽化リスク

それぞれ詳しく解説します。

1. 空室リスク

空室リスクとは、物件が空室になっている期間中、家賃収入を得られないリスクのことです。この期間中もローン返済や管理費などの固定費は発生するため、収支に大きな影響を与えます。立地条件が悪い物件や築年数が古い物件ほど、入居者がなかなか決まらずに空室リスクの可能性は高まる傾向にあります。

都心部では、地方から若年層が流入しており、今後も就職や進学に伴う単身世帯の需要が安定すると考えられます。退去者が出たあと新しい入居者がすぐに見つかる可能性は高いでしょう。

ただし立地に関わらず、不動産投資をする以上、空室リスクは避けて通れません。長期的にワンルームマンション投資をするためにも、空室期間に対応できる資金的な余裕を持っておく必要があります。

2. 金利上昇リスク

変動金利でローンを組んでいる場合、市場金利の上昇により返済額が増加するリスクがあります。金利が上昇すると毎月の返済負担が増え、収支バランスが崩れる可能性があります。

実際に、日本銀行は2024年3月にゼロ金利政策を解除、2025年1月の金融政策決定会合によっても短期金利は0.5%まで引き上げられました。特に長期の投資計画においては、政策金利の動向は注視すべきです。将来的な金利変動の影響も十分に考慮することが大切です。

参考:日本銀行|2025年1月金融政策決定会合での決定内容

3. 家賃滞納リスク

ワンルームマンション投資において、入居者が家賃を滞納するリスクも考慮すべき要素です。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の調査によると、2023年度における全国の月末での1カ月滞納率は1.2%、2カ月以上滞納率は0.5%となっています(※)。2カ月滞納率まで見ると0.5%まで低下するため、実態としては単に支払いを忘れているケースも多いと考えられるでしょう。

家賃滞納リスクに対しては、賃貸管理会社や不動産投資会社との契約によって保証システムを利用することで対策できます。家賃保証会社を活用したり、入居者の審査を厳格に行ったりすることで、滞納リスクを最小限に抑えることが可能です。

※参考:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 日管協総合研究所|第28回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』賃貸住宅市場景況感調査

4. 老朽化リスク

建物は時間の経過とともに老朽化します。新築物件であっても、ある程度の年数が経過すれば設備を修繕する必要性が生じます。たとえば、以下のような修繕・工事が考えられるでしょう。

  • 配管の交換
  • 外壁や屋根の塗装
  • 室内のリフォーム
  • エアコンや給湯器の交換

マンションの管理組合では毎月修繕積立金として修繕費を積み立てていますが、修繕積立金で補えない不測の事態が発生した場合は、一度に大きな金額が必要となる可能性があります。また個人の占有部分である室内のエアコンや給湯器の交換費用は、管理組合とは別に発生します。

発生時期が予測できないこれらの出費が発生した場合に、資金不足とならないよう、修繕のための費用を収支計画に盛り込むことが大切です。

【関連リンク】
不動産投資はリスクが高い? 空室や修繕など9つのリスクと5つの回避策
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ワンルームマンション投資で最終的にプラス収支を実現させる3つのポイント

 

ワンルームマンション投資で最終的にプラス収支を実現させるポイントは、以下の3つです。

  1. 空室になりやすい物件を避ける
  2. 出口戦略までを考える
  3. 立地を吟味する

それぞれ詳しく解説します。

1. ワンルームマンションのなかでも空室になりやすい物件を避ける

空室になりやすい物件には、いくつかの共通する特徴があります。たとえば、以下のような物件は空室になりやすい傾向にあります。

  • エレベーターがない
  • エアコンなどの必須設備がない
  • 和室のみ
  • 物件に対して賃料設定が高い

このような特徴を持つ物件は快適に生活できず、コストパフォーマンスが低いと判断されやすく、家を探している人から敬遠されます。人気がないと賃料が安めに設定されるため、収益を得にくいでしょう。投資物件を選ぶ際には、これらの特徴を持つ物件を避け、需要の高い物件を選ぶことが重要です。

2. 出口戦略までを考えてくれる不動産投資会社に相談する

ワンルームマンション投資で欠かせないのは、毎月の収支がマイナスにならないように考えることではなく、出口戦略までトータルで考えて最終的に利益を上げることです。物件の購入から売却まで、投資期間全体を見据えた計画が必要になります。

ただし、出口戦略を不動産投資の初心者が考えるのは難しいかもしれません。市場動向や将来の価格変動を予測するには、専門的な知識と経験が求められます。

そのため、物件の案内から運用中のサポート、出口戦略までを考えてくれる会社に相談するのがおすすめです。信頼できる不動産投資会社であれば、投資家の状況や目標に合わせた総合的なアドバイスを提供してくれるでしょう。

3. 立地を吟味する

ワンルームマンション投資で成功するためには、立地の十分な吟味が不可欠です。不動産投資会社の担当者とよく相談して、ワンルームマンションの立地やその特性を入念に確認します。

インターネットの情報だけに頼らず、自分で現地を見ることも大切です。実際に足を運ぶことで、立地や近隣エリアの情報なども自分の目で見て調査できます。最寄り駅からの距離や周辺の生活環境、競合物件の状況なども確認できるでしょう。

そのうえで、投資先を東京や大阪など、今後もワンルームマンションの需要が見込まれる地域に絞るのが賢明です。人口や企業が集中している都市部は、単身者の需要が安定しているため、空室リスクを軽減できる可能性が高くなります。

【関連リンク】
不動産投資の出口戦略。成功するための4つの手法

ワンルームマンション投資の収支に関してよくある質問

 

ワンルームマンション投資の収支に関してよくある質問は、以下のとおりです。

  1. ワンルームマンション投資はやめとけと言われる理由
  2. ワンルームマンション投資で収支がマイナスになる理由
  3. ワンルームマンション投資の収支に関しての相談先

それぞれ詳しく解説します。

1. 「ワンルームマンション投資はやめとけ」と言われるのはなぜですか?

「ワンルームマンション投資はやめとけ」と言われる背景には、以下のような理由が挙げられます。

  • 実態がわからないことへの不安
  • 高額なローンへの抵抗
  • 未来が予測できない不安
  • 投資金額と利回りへの不安
  • 損をするかもという不安

不動産投資は専門知識が必要な分野であり、初心者にとっては仕組みが複雑に感じられることも多いです。また、数千万円という大きな借入れに対する心理的負担は決して小さくありません。さらに、不動産市場の将来性や人口減少社会における需要など、未来が予測できない不安も指摘されます。

しかし、これらの不安は適切な知識と計画によって軽減できる部分も多いため、一概に否定的な意見だけを鵜呑みにするのではなく、多角的な視点で検討することが重要です。

【関連リンク】
不動産投資は「やめとけ」と言われる理由は?やめておいた方がいい人の特徴とやるべきメリット

2. ワンルームマンション投資で収支がマイナスになるケースとは?

ワンルームマンション投資では、毎月の収支がマイナスになることも珍しくありません。特に投資初期は、ローン返済額が家賃収入を上回ることがあります。

収支がマイナスになる主なケースには、空室期間が長く続く場合や、予想以上に修繕費がかかる場合が挙げられます。また、金利上昇により返済総額が増加した場合や、周辺に競合物件が増えて家賃を下げざるを得ない状況になった場合も収支が悪化する原因です。これらのリスクを最小限に抑えるためには、さまざまなコストを踏まえてシミュレーションすることが大切です。

3. ワンルームマンション投資の収支に関して誰に相談したらいいのでしょうか?

ワンルームマンション投資の収支について相談するなら、まずは実際に不動産投資をしている知人に相談するのがよいでしょう。または収益悪化にどこまで耐えられるか、投資対象不動産投資が適切かどうかを客観的に判断したいという場合なら、全体的な資産状況や将来設計を踏まえたうえで、不動産投資に詳しいファイナンシャル・プランナーに相談するという方法もあるかもしれません。

最終的には、信頼できる不動産投資会社への相談が最適です。よい不動産投資会社は単に物件を売るだけでなく、投資家の状況や目標に合わせた提案をしてくれます。物件の選定から出口戦略まで、トータルでサポートしてくれる会社を選ぶと安心でしょう。

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不動産投資のおすすめの相談先5選! 会社選びのポイントや相談事例も紹介

ワンルームマンション投資の収支は家賃収入と売却益のトータルで考えよう

ワンルームマンション投資の収支を考える際は、毎月の家賃収入だけでなく、将来の売却時に得られる利益も含めたトータルの視点が重要です。月々の収支がマイナスでも、適切な出口戦略を立てることで、最終的にプラスになる可能性があります。

ワンルームマンション投資を成功させるポイントは、空室リスクの低い物件選びや出口戦略、需要の高い立地の選択に関して、専門家のサポートを受けながら長期的な計画を立てることです。また、空室リスクや金利上昇リスク、家賃滞納リスク、老朽化リスクなどを事前に考慮し、対策を講じておくことも大切です。短期的な収支だけにとらわれず、長期的な視点で投資判断を行うことが、ワンルームマンション投資で成功するための鍵となります。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

この記事を監修した人

柴田充輝 柴田充輝 1級ファイナンシャルプランニング技能士、社会保険労務士

厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級と社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。現在はWebライターとして金融・不動産系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。自身でも株式や不動産への投資を行っており、実体験を踏まえて記事制作・監修に携わっている。

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