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作成日: 2024.04.22

【不動産投資体験レポ】5年弱で物件売却。トータルでプラスになったか?

【不動産投資体験レポ】5年弱で物件売却。トータルでプラスになったか?

投資用物件を2件購入後、1件を売却しました。不動産投資の入り口から出口までを一通り経験し、さてやってみてどうだったか。「もうかったのか、もうからなかったのか」を振り返ろうと、ざっくりではありますが計算しました。

そもそもなぜ売却しようと思った?

「老後の安心」のために購入したのに、購入後数年で売却を考え出したのは、所有物件(売却した方を物件Bとします)の収益悪化がやってくると思ったから。毎年1回の開催が義務となっている、マンション管理組合の総会資料で気づきました。

マンション管理組合の修繕積立金値上げ計画

資料の中にあった、壮大で細かな長期修繕計画(写真)。その資料の下のほうに、修繕積立金が2段階で上がるとわかる数字が並んでいました。

現行の額、3年後・10年後の改定額が記載されていた
現行の額と、3年後・10年後の改定額が部屋タイプごとに記載されていた

数年後に迫った値上がり幅は2倍、10年後には3倍と、なかなかな上げ幅の提案……。短期的視点で、この値上げは投資効果の減少を意味します。

ただ、値上げ幅の大胆さに衝撃を受けつつもこの時点で即「売却だ!」とは思いませんでした。まずは自分でなんとかできないものかという思いが浮かびました。

もう1つの物件(物件Aとします)で、一組合員という立場から突っ込んで理事長業務をするようになり、関係者の力を借りて、大規模修繕の工事費用を値下げする取り組みを実施していたからです。

【関連リンク】
投資用マンションの管理組合理事長になって実感!プロに委託できる仕組みは偉大です
【不動産投資をやってみた】体験レポート(第1−2話)
【理事長体験レポ】修繕積立金と管理費の値上げ・ショートバージョン

理事長業務そのものが委託されていたマンションだった

物件Bの総会出席前後に、管理組合規約を確認しました。すると理事長業務は管理会社に委託となっている。物件Aの理事長に加えて、物件Bでも理事長になったらキャパオーバーじゃない?と心配する余地なく、この物件への関与はできないことがわかりました。

このマンションの組合員自身が理事長になるためには、規約の変更がマスト。でも、管理はお任せしたい派が多数を占める投資用マンションで、3/4の組合員の賛成が必要となるこの変更は、ハードルが高いと思ったからです。

もちろん総会に出た際に、お金のかからない方法での修繕方法を提案&議論はしました。しかし一組合員の立場で、方向性を変えることまではほぼ無理そうでした。

長い目で見たら大規模修繕工事は必ずやったほうがいい。それは間違いないです。でも、自分が働きかけることで物件Aの建物管理が良い方向に動いた体験をしてしまった以上、物件Bで、値上げされるのをただ受け入れるのは耐えられなくなっていました。

個人的には思い入れの薄い物件だったこともある

物件Bは、戸数や立地などから、「リスクは低め」と評価されている物件です。地図づくりに関わるまちに詳しい友人も「え、いい場所じゃん」という反応でしたし、賃貸仲介に関わる同僚に話しても「いい物件ですね」と口を揃えてポジティブな反応です。賃貸仲介目線だと、建物名から安定のブランドなのかもしれません。

個人的には、もうひとつの物件(物件A)より、親しみのない土地だったという前提もあったからなのか、思い入れの少ない方でした。

それで、所有期間が5年過ぎたら売却しようとうっすら思うようになりました。

投資用に買う物件は、自分の家の選び方とは違う。

頭ではなるほどと思うのですが、投資初心者の心情としては、部屋のサイズ感が好きかどうかなど、感情面が思い入れ度に関わっていたかもしれません。

所有期間5年を超えていないのに売ったのはなぜ?

所有期間によって変わる税率

不動産は「持ち始めたら5年⁨⁩は持つもの」と思っていました。なぜなら、売却した際の利益に対してかかる税率が2倍ほど異なるからです。

所有期間が5年以内までか、5年を超えるかで、

短期譲渡所得の税率 39.63%
長期譲渡所得の税率 20.315%

とかなり変わります。

なので5年を超えるまでは、値上げに歯ぎしりしながら耐えてでも所有しようと思っていました。

売却事業のテック化に関わっていた同僚との会話

そんな折、売却事業の企画をしている同僚から開発中の売却シミュレーションの存在を聞き、何気なく試してみたところ、譲渡所得税はかからず少し手残りが出る状態になることがわかりました。

そうか!税金を算出する計算式に当てはめて、そこでプラスになった分には税金がかかるけれど、そうではない部分でおつり的なものが出るのか!とそこで初めて知りました。

それで5年経っていないけれどいま売ろうと、売却することにしました。

売却はパートナーズに相談

売却は、その頃勤務先のグループ会社になった「パートナーズ」という売却に強い(業界からみたら物件の仕入れに強い)会社に相談しました。RENOSYのメンバーには売却額なども決まってから「実は売却することになりました」と事後報告しました。

オンラインで面談をして、その後は電話で進捗状況をお知らせいただきました。売却活動は4カ月ほどかかり、仲介手数料*もかかりました。仲介と直での買取では売却金額もかなり変わってくるなど、初めてのことばかりでした。
*現在、RENOSYのオーナーさまがご自身の物件をRENOSY(パートナーズ)で売却する際にはお客様側の仲介手数料は発生しません。

売却は簡単だったか?

私の場合は投資用不動産の購入時より、売却の方が時間はかかりました。ただハンコを押す回数は購入時よりも少なく、契約書の枚数も購入時より少なかったと思います。

売却の当日、つまり所有権移転の日、司法書士さんが同席される場に行きました。現場に出向く方は少ないようですが、私はしっかり見届けたいと思い行きました。売却前後に何があったかはまた改めてレポートしたいと思います。

売却後の変化は?

手放した後、生活は変わったかというと、年1の郵便物が減ったくらいで特に変わりません。物件Bのことを思い悩む時間はなくなったので、気持ちは軽くなったようには感じました。

ちなみに、他社からの「売りませんか?」のDMは売却後数年たった今でもたまに届きます。

【関連リンク】
不動産投資で変わったこと:知らない人から手紙が来るようになった!

不動産投資をして、もうかったのか

不動産投資をしたことによる変化を計算したい。支出と収入、それに関わる税金を1つのシートにまとめたい。

そう思いつつ、足かけ6年分の所得税や住民税の郵便物など過去の資料を探して振り返るのに手間取りました。

家賃収入の額・ローン返済額・かかった経費については一枚のスプレッドシートにまとめていましたが、所得税をどれだけ上乗せして払ったか、住民税がどれだけ増えたかは、毎年まとめていなかったからです。

なぜかというと、不動産投資の利益に対してかかる税金は、会社からのお給料とまとめて「所得税」となり、その所得から住民税も割り出されるので、不動産投資をやった場合とやらなかった場合とでの変化を確認するのはなかなか大変です。

また2物件を同時期に持っていたので、どちらの物件がどれだけ税金に影響するか、正確に割り出すのももっと大変です。

面倒だったからやってなかった、というわけでした。

かかった&戻ってきた税金

計算結果の前に、物件Bを所有していた間に発生した税金の種類は、次の通りでした。

【戻ってきた税金】

  • 初年度の所得税の還付金
  • 所得が減ったことによる住民税の減り

【納めた税金】

  • 購入時の不動産取得税
  • 不動産を持っていると毎年かかる固定資産税都市計画
  • 不動産所得による所得税とそれに伴う住民税

【発生せず】

売却による譲渡所得税がかかるほどには利益が出ず、短期譲渡所得税は納めずにすみました。

所得を割り出すには、減価償却費をどれだけ支払ったかも振り返ります(取得費として計算)。

 

【関連リンク】
【不動産投資のギモン】売却時にかかる税金はいくら?

保有期間に発生した臨時支出

振り返りついでに、予期せぬタイミングで発生した臨時支出についてです。

物件Bの購入直後、1度だけ退去がありました。その際、次の入居者が決まるまでの間、ローン返済にあてるお金がほんの少しかかりました(1万円少々)。

予想外の支出は、これのみでした(当時契約した管理プランによってほぼかからず)。

給湯器やエアコンなどの設備の交換は発生しませんでした。

家賃の値上げもしていた

この退去のタイミングで、家賃を少し上げることもできました。当時は「月々数百円ね」とそれほどテンションは上がっていなかったのですが、売却時の査定額に関わると後から知り、値上げを提案してもらえてよかったです。

トータルで利益はどうだった?

家賃収入から諸々の税金*も含めてかかった経費をマイナスした結果、

“二桁”万円のプラスになりました。
*不動産投資をやったことで変動した住民税については、計算スキルの問題により計算に含めていません。

初めての投資で、数十万円のプラスで着地できたのはよかったと思います。

不動産投資、やってよかったか

間違いなく「やってよかった」です。

不動産投資をするまでは、お金に関する話に全く興味が持てず、企業型確定拠出年金の商品選びもできなかったほどです。

学ぼうとする方向に食指が1ミリも動かず、社会人になって数年たち同僚が1,000万円貯めたよと話しているのを聞いても、自分には関係ないと思っていました。

それが、口座にお金が出たり入ったりするのを目で見ることによって、グっと投資(お金)に興味が湧くようになりました。

不動産投資を始めてから、お金を増やす目的で、ロボアドバイザー(THEO)、投資信託やETF(株式・ゴールド)、米ドル建て保険、個別株の売買などができるようになり、個人的には成長できたと思っています。

投資の世界へ踏み込むきっかけを作ってくれた不動産投資については、本当に「やってよかった!」と思っています。

※今回の運用結果は1事例としてのご紹介です。購入価格や売却価格、所有期間等によって運用内容は異なる可能性があります。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

清水まゆみ 宅地建物取引士

RENOSY マガジンスタッフです。 2017年から区分の不動産投資を始めました。現在は1物件の管理組合理事長を経験中。体験談を語っています。 【不動産投資をやってみた】体験レポート

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