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作成日: 2022.04.20

投資用マンションの管理組合理事長になって実感!プロに委託できる仕組みは偉大です

投資用マンションの管理組合理事長になって実感!プロに委託できる仕組みは偉大です

不動産投資をきっかけに、知らない人から手紙が届くようになったり、法律や税金を意識するようになったりと、いくつかの変化が起きました。なかでも、所有するマンションの管理組合の理事長になったのは大きな変化で、建物管理の世界を垣間見ることができました。体験したことをレポートします。

存在自体を知らず、最初は関心がなかった

不動産投資のスタート地点で不動産の知識はゼロだったため(詳しくはこちら)、驚きの多くは、郵便ポストに届く手紙から始まります。マンションの「総会」もその一つでした。

以前、親が自宅マンションの管理組合に参加していたことは知っていましたが、不動産投資でも組合があって総会もあるとは、まったく認識していませんでした。

総会の書類が届いたとき、読んで「回答を求められている」ことは理解できました。ただ資料に馴染みがないため難しく、理解することを即断念。値上げと書かれていたら反射的に「反対かな……」などと、根拠なく○か×かに印をつけていました。

開催日時も平日の明るい時間だったので会場には行かず、「議決権行使書」を返信して意思表明だけをしていました。

総会の書類は面倒くさい未知の対象とみなして、「関わらないようにしよう」という意識で対応していました。

【関連リンク】
不動産投資で変わったこと:知らない人から手紙が来るようになった!

自分の将来の資産形成に関わることだと知る

それがGA technologiesに入社して不動産業に従事する同僚(不動産のプロフェッショナル)と話をするなかで、投資マンションに対してもマンションの管理は非常に重要だと教わるようになります。「マンションは管理を買え」というフレーズは本当だということでした。なぜ重要かというと、それは自分の投資結果に跳ね返ってくることだから、ということです。

建物管理のプロからの教え

同僚から聞いたのは次のような内容でした。

  • 世の中には建物管理を専門とする会社があり、管理組合の運営を丸ごとお任せできるサービスも存在する。ただ管理を任せきっていると、何に対してどんな工事やメンテナンスが行われているのか、所有者の誰一人として把握していないということも起こり得る
  • 建物を所有する人は、管理会社ではなくずっと持ち続ける所有者自身。物理的に経年劣化していく「モノ」に対して、予算を確保しながら状態を維持して守っていき、数十年後に影響を受けるのは、所有者。長期間にわたる維持管理の結果は、所有者に返ってくる
  • 所有者が、当事者の意識なく建物管理を「任せっきり」にしていると、たとえ問題が起きていたとしても誰も気づかず、長年放置されるということも起こり得る。問題発生の結果、困るのは所有者自身
  • 適切に管理されることで、建物全体の価値を維持でき、入居者の確保・家賃減少の予防につながる

所有者自身が、当事者なのに自分の持ち物に関心を持たず理解しようとせず、大切なことを人任せにしておいていいのかと、プロ(同僚)から何回かレクチャーを受けました。

建物管理を専門とする小海川さん
建物管理を専門とするプロフェッショナルの一人、小海川さん

緊張しつつも動いてみる

レクチャーを聞いて、頭では「将来の賃料収入に影響する建物管理は大事」と理解できました。ただわかったところで、不動産管理の素人にどんなアクションが取れるのか。

不動産管理のプロ(同僚)いわく、不動産の現状を知るための第一歩は、総会への参加からということでした。そこで年に1度開催される総会に出席してみること。

総会に初参加

総会の案内
初めて現地へ出向いた時の総会のお誘い案内

総会資料の中身は、

  • 年間の業務内容
  • 収支報告
  • 給水ポンプの交換
  • エレベーター部品の交換

この物件の総会資料を見るのは2回目ですが、理解しようとしても馴染みのない内容ばかりです。金額感も未知の世界で、全体像がまったくつかめません。

そこで不動産管理のプロ(同僚)に総会資料の見方やポイントを教えてもらい、要点だけを頭に入れて、最小限の準備で会場に行きました。人生初のことで、なかなかに緊張して行きました。

総会出席者の少なさに驚く

初の総会参加で驚いたのは、参加者が1名(私だけ)だったこと。50戸以上100戸未満のマンションです。投資用マンションの管理状態を気にかける人が、いかに少ないかを肌で感じました。

1回の参加では全体像は理解できなかった

新築なら、組合の規則も長期修繕計画もゼロ地点からのスタートなので、資料もバージョン1かそれに近いものと思われます。

私は中古で物件を購入したので、10年と少しの間、どのような管理がされてきたのかキャッチアップのないまま総会に臨みました。不動産投資のプロであれば、管理状態を当然チェックしたうえで買うのでしょう。しかし素人の私は「管理状態がチェックポイント」と知らずに買っています。

総会に出てみた感想&手応えは、「直近の出来事と数年先の計画が話し合われている」ことがぼんやりわかった程度でした。「給水ポンプ」はそこで生活している人になくてはならないので、全部壊れてから直すのでは遅いということも学びました。

1回目の参加で副理事長になった

所有する2物件の、どちらの総会にも参加しました。管理会社は別の会社で、どちらも管理会社の会議室での開催でした。オフィスの雰囲気も異なっていて、それぞれきちんとされているという印象を持ちました。

もう一つの物件(人生2度目の総会出席)では、総会の場に理事長の方がいらっしゃいました!

清水清水

(関心を持たれている人がいる……!!)

もう一つの総会より安心感。というか、当事者感が強まりました。戸数が少ない物件だからというのも理由かもしれません。

清水清水

(理事長はそのマンションに住まれているのか、投資用で持たれているのか、何年くらい運営に関わっているのか……)

いろいろ気になるけれど、初回は観察モードで即興での会話は慎みました。総会出席にあたって事前準備していた疑問についてのみ質問しました。修繕積立金の値上げについてです。

そしてその総会で次の理事会のメンバーを誰にする?という議案もあり、「副理事長、清水さんいかがですか?」と尋ねられて、「はい」と返事しました。1回目の総会参加にしてドキドキな出来事でした。

無知&未経験のまま勢いで理事長に立候補

総会に出てわかったことは、年に1度の会議なので、突然総会に出て何か質問をしても「あ、これは去年に決まったことを実施した結果です」のような回答だったりして、質問や疑問や提案のタイミングは過ぎていたんだ、ということです。

修繕積立金の値上げについても、新築時の価格から何回かの改訂があって、そのうえで今がどういう状況なのかを把握しないと、それが適正なのかどうかを判断できません。

「もっとこうした方がいいのでは?」という意見があったところで、総会は「賛成」「反対」を確認するだけの場なんだということもわかりました。

もっと手前の段階から、「こうしたい」と意思表明をするにはどうしたらいいか。答えは、管理組合の中心部「理事会」に入る、そして理事長になるということでした。同僚(建物管理のプロ)の教えもあり、決心して次の年には理事長に立候補しました(長年理事長を勤められていた方も納得のうえです)。そして1つの物件で理事長をすることになりました。

重みを感じる管理組合のハンコ
前理事長から預かった管理組合のハンコ。重みを感じました

まさか不動産投資開始当初は、所有物件の「理事長になる」とは思っていませんでした。RENOSYを提供するGA technologiesに入社し、身近に不動産のプロフェッショナルがいたからこそ、この機会に建物管理がどのように行われるのかを確かめるのもアリだと思い、決心しました。

理事長になって変わったこと:確認作業が発生

理事長になってからは、所有するマンションの運営を決める一つひとつに、判断を求められるようになりました。それは副理事長を務めた1年間とは違う景色でした。

定期的に封筒が届くようになり、名前を書いてハンコを押して返信、の作業も発生するようになりました。

電話もよくかかってくるようになりました。

突発的な緊急連絡もやって来た

ある日、何度も携帯電話に着信や留守電がありました。最初の着信から約1時間後に気づいてかけ直すと、管理会社の方がマンションの現場に到着していました。

玄関扉が開かなくなって、住民の方たちは非常口から出入りされているとのこと。人の出入りを感知する開閉のセンサーが弱くなって開かないのだろうとのことで、緊急を要するので取り換えますがいいですか?と金額も提示されました。

開かなくなったエントランスイメージ
開かなくなったエントランス(イメージです)
清水清水

(えええぇ、金額が適正なのかどうか、まったくわからない……!!!)

焦りつつ、話を聞くと同時に「センサー 修理」などで検索。偶然、現場に来ている修理業者さんも検索でヒットした会社と同じとわかり、「お願いします!」とお伝えしました。緊急事態では、複数社から相見積もりを取って検討、と悠長なことはやっていられないことも経験できました。

整理整頓が必要になる

組合に関する書類はどんどん溜まるようになります。月1で届く報告書に加えて、故障など不具合が発生したらその見積書と発注書・報告書なども届きます。

届いた書類は大きめの紙袋に入れてそのままにしているので、そのうち管理組合の管理人室に保管場所を移したいと思っているところです。

どんどん溜まる、組合に関する書類
同時期に続けて3通届いたことも。ポイントに付箋が貼られていて親切です

15年に1度の大規模修繕工事に関わることができた

理事長になって最大の山場は、約15年に1度の大規模修繕工事に関わったことでした。

理事長になったことで収支報告書も細かくチェックするようになるので、修繕積立金の合計金額も把握することができました。

組合が持っている金額と見積金額がわかると、「工事をしたくなくなる」ほどでした。大規模修繕工事は借金が前提になっていました。

戸数の少ない建物なので、もう1件の所有物件より一人あたりが負担する修繕積立金は高いのですが、それでも足りないことがわかりました。

工事費を削減することができた!

私が理事長になった時、大規模修繕工事の工事案Aと見積案Aが提出されたタイミングでもありました。

わかったことは次の通りで、

  • いろいろ盛り込まれた工事プランAを実施すると、かなりの額を借入れることになる
  • 修繕積立金がマイナスになり足りなくなるので、所有者が毎月支払う修繕積立金が大幅アップする……。

支出が増えるのは、投資収益に関わる超重要ポイントです。修繕積立金アップはなんとしても避けたい。100%避けるのは無理だとしても、借入れを最小限にする方法を模索できないか……。

現地調査をして、工事の範囲を細かく設定し、プランAとは異なる工事の進め方プランBを提案しました。臨時の理事会を開催し、関係者間でメールのやりとりを重ね、最終的には工事プランBになり、工事費の削減(数百万円規模)をすることができました。

もし理事長になっていなかったら、交渉する機会も少なかったでしょうし、運営を主導することは難しかったと思います。

もちろん、私一人では決して実現できなかったことです。建物管理のプロたちの知恵が集まって、初めて実現できたことです。管理会社の方(いつも担当してくださる方はもちろん、それ以外の関係する部署の方も)、もちろん同僚(建物管理のプロ)のアドバイスとサポートがあって、実現できました。

自分の目で確かめることができた!

工事の内容が適正かどうか、エントランスから外壁、屋上のコンクリートの亀裂などを確認しました。

不動産投資で変化したことの個人的ピークは、10階ほどある建物の屋上に上ったことでした。理事長になっていなかったら、怖さが先立って絶対に上れなかっただろうと想像できます。

屋上に上り、亀裂などをチェック
亀裂などをチェック中(屋上から外壁を見下ろす勇気はありませんでした)

自分の目で、工事前と工事後の建物を見ることができて、紙の書類上のやりとりだけではわからなかった部分を、体感することができました。

今まで知らなかった世界が、また少し広がった気がしました。

収益悪化を避けられたので、やってよかったです

理事長に立候補してすぐ、一大イベントの大規模修繕工事に対応したので、「理事長、けっこう大変だな」とは思いました。しかし、大規模修繕工事の工事費を大幅に値下げできましたし(当初計画の半額近く)、収支の悪化を防げたことは何よりよかったと思っています。

1年に1度の総会案内だけで大規模修繕工事の実施を知り、その後大幅な値上げをせざるを得なくなったとしたら、泣く泣く値上げを受け入れるか、その物件を手放そうと思うか、どちらかになっていたと思います。

工事のあとは平和な日々が戻ってきます

工事をする会社を決めるための見積もり検討から、工事完了後の現地調査まで、半年〜1年くらいは時間を使いました。時間というより、そこに意識を集中する労力を使ったという方が正確かもしれません。

最終のチェックが終わって、工事を実施した会社への支払い処理を済ませたら、再び穏やかな日常が戻ってきました。

管理会社がなかったら絶対回らないことがわかった

理事長になって、自分の時間を理事長業務に少し使いながらも、基本は管理会社さんに動いていただいているから、滞りなく管理された状態がキープできていることも想像できるようになりました。

日々の清掃や点検等の基本に加えて、住民の方から「ポストが壊れた」「水漏れした」と連絡が入った時の即対応は、管理会社さんがいなかったら回りません。

ただ、建物に気持ちを持っていかれることは少し増えたかもしれません。地震が発生すると、「亀裂、増えてないかしら」と頭に建物が思い浮かぶようになりました。

少し関わったことで、管理会社への業務委託という仕組みは、めちゃくちゃ偉大だ!と理解できるようになりました。

RENOSYなら建物管理のサポートもできる

ここまで書いてきて、「理事長ってやっぱり大変なんだな……」と思われた方へ、RENOSYの大前提をお伝えしたいと思います。

RENOSYで不動産を購入すると、建物管理と入居者管理はRENOSYに基本的には任せることができます。ただ、将来の収支減少を食い止めたい、運営状況が気になって動きたい場合、管理組合の理事長になることは、オーナーご自身しか選択できないことです。

そこでRENOSYは「タテカンさぽーと」というサービスを提供しています。

  • 管理会社から送られてくる紙の資料をデータ化
  • 管理組合への意思表示を円滑にするアドバイス

管理状態を把握しやすくして、今後の組合の運用についてRENOSYに相談できるという内容です。興味のある方は、OWNR by RENOSYアプリを通してサービスのご案内ができます。

紙の資料が送られて来なくなるという点だけでもすごくいいなと思います(私が物件を購入し理事長になった時は「タテカンさぽーと」リリース前)。

ちなみにいま、紙の書類はこのくらい溜まっています。

溜まっていく紙の書類
整理しなければ!(「売りませんか?」のDMより面積を取るようになってます)

まだ理事長を始めて短い期間ですが、1回ではレポートしきれなかった部分がまだまだあります。機会をみてまたレポートしたいと思います。

【関連リンク】
RENOSY建物管理セミナー初開催!レポート
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※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

清水まゆみ 宅地建物取引士

RENOSY マガジンスタッフです。 2017年から区分の不動産投資を始めました。現在は1物件の管理組合理事長を経験中。体験談を語っています。 【不動産投資をやってみた】体験レポート

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