【理事長体験レポ】修繕積立金と管理費の値上げ・ショートバージョン
投資用に購入したマンションの、月々にかかる「修繕積立金」と「管理費」を値上げしました。理事長として総会へ議案を提出してから、マンション所有者の可決をいただくまで約2年。お金が足りないと知ってからの4年間をレポートします。
結論を先に知りたい方はこちら
4年という月日は長いので、出来事をかいつまんで書いても文字数が多めになります。「長いの読んでもいいよ」という方は、ロングバージョンの記事(こちら)をお読みいただき、この記事ではショート版をお届けします。
修繕積立金と管理費とは?
どちらもオーナーが貯めるお金です。
「修繕積立金」は、約15年に1度実施する、大がかりな修繕工事に使うための費用です。
その大規模工事以外に発生するあれこれには「管理費」を使います。日々の清掃や定期的な各種設備の点検、設備が故障したときの交換費用などが管理費に含まれます。
※ちなみに、この記事ではイメージしやすい順に「修繕積立金」と「管理費」と書きましたが、管理業界では「管理費と修繕積立金」の順で表現されることも多く、記事では順序が入り乱れています。
4年の間に何が起こった?
一言でいうと、マンションを維持するためのお金がないので値上げした、ということです。
(値上げ幅をすぐ知りたい方は次の章へお進みください)
修繕積立金と管理費の値上げまでの経緯を知りたいよという方に、出来事をざっくり時系列に並べました。
【値上げまでの道のり】
- 2019年 総会資料で値上げの予告をされる(管理費・修繕積立金ともに)
- 2020年 修繕積立金の大幅な値上げ案を知る👀
- 2020年 将来必要になるお金のシミュレーションを見る
- 2020年 組合のお金の貯まり具合を知る(マズイお金がない!)😳
- 2020年 建物管理のプロに相談する🥺
- 2020年 理事長に立候補する
- 2020年〜2021年 工事の代替案を理事会に提出する
- 2021年 大規模修繕工事費を値下げする
- 2021年 工事費の一部を借入れをする(ほんとにお金がない!)🥺
- 2021年 修繕積立金の値上げ幅縮小を試みる✏️
- 2021年 管理費と修繕積立金の値上げを総会の議案に提出する🙏
- 2021年 否決😢
- 2022年 否決😢
- 2023年 3回目の議案提出で可決!
- 2023年秋 管理費と修繕積立金の値上げへ😌
……箇条書きでも、長くなりました。
どれだけ値上げした?
管理費と修繕積立金、合わせて約11%くらいの値上げです。
管理費は、これまで一度も値上げされずに15年以上経過していたようです。長い間日本がデフレだったからなんとかなったのかもです。
ただ建物のどこかに不具合が起きるとその年の予算としては赤字になっていたようですし、次の更新で火災保険料も大幅に値上がりするしで、管理費は値上げせざるを得ない状態に。
修繕積立金もまた、値上げをせざるを得ない状況になりました。大規模修繕1回目の工事が終わり、数百万円の借金を抱えてしまったからです。このままいくと借金が膨らむばかりの事態になるので、必要に迫られての値上げでした。
値上げしてよかったか?
値上げして、入居者さんの生活環境が保たれる道筋が見えたので、もちろんよかったです。
ただ目の前の投資リターンは下がりました。売却時の査定にも影響してきます。それでもトータルして考えれば、入居者がいる状態を維持・賃料を維持できます。
「売却したい」と思うタイミングがいつ訪れるかは、不動産市況と自分の事情とのタイミングかと思います。次に購入する相手があって成り立つ面もあるので、自分の都合だけで売れない可能性もあります。
そのため入居率や管理を常にいい状態に維持しておくことが、売却時も満足のいく結果につながるのでは…と考えています。
RENOSYの管理プランなら、強力なサポートがついてます
RENOSYの管理プランには「タテカンさぽーと」という建物管理に関するサービスが備わっています(契約時期によって異なる場合あり)。
不動産投資を始めた多くの方は、資産を増やすために始めたのであって、建物管理を学ぶためでないと想像されます。
総会資料を読む時間も理解する時間もない、という方が多いだろうと思います。
理解したいと思っても、この1冊を読めば大丈夫!という教科書的な本もなかなか存在しないようです。ですので、不動産を購入して、1人の力でなんとかしようとしてもなかなか難しいと思います。
建物管理は、マンションの構造理解や法律の把握など、多岐にわたる知識が必要になります。
タテカンさぽーとに入っていれば、管理組合の総会手続きの代行などをはじめ、「建物を最適な状態に保つ」ためのサポートやアドバイスが受けられます。
建物管理に割く時間がない方は、ぜひタテカンさぽーとをご利用いただければと思います。
理事長業務は関係者との協力が必須
(理事長業務に関心のある方向けの章です)
ロングバージョンでは、なぜ建物管理の素人(私)が理事長に立候補したかの経緯を書いたのですが、建物管理素人にとっては、建物管理の全容が見えず、起こるすべての事柄が初めてのことばかりです。管理会社さんから連絡があって初めて知ることの連続です。
未経験では判断の一つもできず、プロの力がなければ、やっていけませんでした。それでも、ひとつひとつ体験をすることで、解像度や経験値も上がっていきます。関わって無駄なことはないと思います。
管理会社の方は質問するととても丁寧に教えてくださいます。私の所有していた(1件売却済)2つの物件の管理会社さんはどちらの担当の方も的確にいつも教えてくださいました。
もちろん、マンションは共用部を複数人で共有するものでもあり、マンションの運営は1名だけでは決められません。投資用のマンションではなかなか難しいかもしれませんが、オーナーさん同士のつながりもないよりあった方が、よりよい管理ができると思われます。
マンションの持ち主はオーナー。それは忘れずに
「管理をしたくて不動産投資を始めたわけじゃないし、管理は大変そうだし、管理会社さんがやってくれてるから全部お任せでいいや」と、一切関与しないで過ごせるかというと、そうでもないマンションが多いはずです。
管理会社は、管理組合の主体ではない(契約で異なる場合もある)ので、運営を管理会社さんに任せっきりにすると、ゆくゆく選択肢が狭まり、困るのはオーナー自身となってしまいます。
何か揉めごとが起きたとき、法律に「ここまでは管理会社の業務範疇だけれど、ここから先は所有者(オーナー)がなんとかするんだよ」と書かれたルールもあったりして、全部が全部任せられるわけじゃないんだ…ということもあります。
値上げに耐えきれなくなったら売却の道も
「値上げ幅が大きすぎて、これ以上は無理」となったら、その物件を手放すというのも一つの解決方法です。RENOSYのオーナー向けアプリ「OWNR by RENOSY」内で簡単に査定額が算出される機能があるので、査定額がいくらになるのか確認してみるのも一つの手です。
値上げまでの道のりを詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください
管理費と修繕積立金の値上げ経緯を詳しく知りたいという方は、上記の箇条書きよりもう少し詳しくレポートしたこちらの記事をお読みください。
※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
関連キーワード