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2021.02.22

ETFと投資信託の手数料の違いはどれくらい? S&P500・ダウ平均株価・日経平均を直近1年で比較してみた

ETFと投資信託の手数料の違いはどれくらい? S&P500・ダウ平均株価・日経平均を直近1年で比較してみた

前回の記事でS&P500という米国の株式指数の基本と、日本から投資する方法についてまとめました。その中で日本からS&P500へ手軽に投資する方法としてETFと投資信託を紹介しました。

今回はその続編として、ETF・投資信託の手数料の違いや、S&P500とそれ以外の株式指数に投資した場合との比較結果を紹介します。

ETF・投資信託への投資には手数料が発生する

ETF・投資信託に投資する際は、大まかに分けて「購入時」「運用期間中」「売却時」にそれぞれ手数料が発生します。

購入時の手数料

購入時の手数料は、ETFと投資信託で呼び名が異なります。

投資信託の場合は販売手数料とよばれます。商品や投資信託の販売会社によって手数料水準やスキームが異なる場合もありますが、一般的には購入金額の一定割合が手数料として販売会社に徴収されます。

ETFの場合は取引手数料とよばれます。ETFの取引手数料の水準やルールは、証券会社によってさまざまです。一般的には、購入金額(約定金額ともよばれます)の規模によって段階的に手数料が上がる形態になっていることが多いです。

また、1日のすべての銘柄の総約定金額に応じて手数料を取るプランを用意している証券会社もあります。

参考:手数料|SBI証券

なお、ETF・投資信託とも購入時の手数料を無料としている銘柄・証券会社もあります。例えばSBI証券では100本以上のETFの手数料が無料です。

運用期間中の手数料

運用期間中の手数料は、ETF・投資信託とも「信託報酬」とよばれます。

信託報酬はほかの手数料と異なり、投資家の口座や売買代金などから直接手数料が引かれるわけではありません。

その代わり、運用されているETF・投資信託の「純資産総額」(そのETF・投資信託に投資されている金額の合計)の一定割合が、純資産総額から日々控除されています。

投資家サイドから見れば、自分の投資資産額から日々一定の割合で信託報酬が間接的に引かれているということになります。

投資家が運用レポートやホームページなどで見ることができるETF・投資信託の基準価額(それぞれの銘柄のその時点の価格で、株式でいう株価にあたる)やパフォーマンスは、既に信託報酬が引かれたあとの水準となっています。

売却時の手数料

売却時の手数料も、ETFと投資信託で呼び名が異なります。

投資信託の場合は信託財産留保額とよばれていて、やはり売却金額から一定割合が販売会社に徴収されます。

ETFの場合は、売却も購入同様に、購入金額とみなされます。つまり「約定(約定金額)」とみなされ、購入時同様のテーブルで手数料が発生します。

売却時の手数料も銘柄・販売会社により無料になる場合もあります。特に投資信託の信託財産留保額は、設定されず無料の場合も比較的多いです。

S&P500のETF・投資信託の手数料は?

ETF・投資信託の手数料を確認したところで、続いてはS&P500のETF・投資信託の手数料について見てみましょう。

ETF・投資信託の手数料水準は、販売会社と銘柄によって変わってきます。販売会社による手数料の違いまで考慮すると煩雑になってしまいますので、今回は「SBI証券」での売買を例にして、ETF・投資信託の銘柄間の手数料を比較しました。

購入時の手数料の比較

購入手数料は、ETFの場合はSBI証券では取引手数料が無料となっている銘柄が100銘柄以上あり、その中にはS&P500のインデックスETFもいくつか含まれています。

例えば、以下のETFは現在、取引手数料が無料です。

  • iシェアーズS&P500米国株ETF
  • MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信

※2021/2/7時点。上記は一例

また、投資信託についても一部例外を除きSBI証券では購入手数料が無料です。例えば以下のS&P500に連動するように運用する投資信託は、手数料が無料です。

  • SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

※2021/2/7時点。上記は一例

近年はネット証券会社が手数料の引き下げを積極的に実施しており、S&P500のようにメジャーな指数を参照するインデックスETF・投資信託では、購入時の手数料が発生しないケースも多いようです。

運用期間中の手数料の比較

運用期間中とは、購入時から始まり、売却するまでの期間を指します。ETF・投資信託ともに、信託報酬が日々それぞれの銘柄の純資産総額から差し引かれながら運用されています。

一般的に信託報酬は、商品の目論見書や商品を紹介するホームページに、年間で差し引かれる水準が記載されています。実際には1年間の信託報酬率に応じて、日割り計算されて日々信託報酬は引かれています。

先ほど一例として紹介したETF・投資信託の信託報酬水準は、それぞれ下記の通りです。

ETF

  • iシェアーズS&P500米国株ETF 0.075%程度
  • MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信 0.0858%以内

投資信託

  • SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド 0.0938%程度
  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)0.1144%以内

※2021/2/7時点

いずれも「以内」「程度」とついていますが、これは付帯的な運用コストが手数料として上乗せされる場合があるためです。

ただし、一般的にこうした運用コストによる手数料の変動は小さいので、信託報酬水準を考える場合は、上記の数値をもとに判断して問題ありません。これ以降の比較では「以内」「程度」とある場合でも、表示されている数値を参照して計算しています。

売却時の手数料の比較

先に例示したSBI証券のS&P500のETFは取引手数料がかからないので、売却時も手数料は発生しません。

また、投資信託についても、SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド、三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、いずれも信託財産留保額なしの銘柄なので、ここまでで紹介したS&P500のETF・投資信託はいずれも売却時の手数料が発生しないということになります。

以上がS&P500のETF・投資信託の手数料水準で、非常に手数料水準が低いことがわかります。また、差はわずかではありますが、ETFの方が手数料は低いということもいえます。

具体的にどれくらいの手数料がかかっているのか?

最後に、実際の金額として手数料がどのくらいかかるのか計算してみましょう。今回は購入・売却手数料は無料であるとして、信託報酬で比較します。

先に紹介した通り、基準価額は既に信託報酬が引かれたあとの水準で公表されるため、実は厳密にいくらの手数料が引かれているかを見ることは一般的にできません。

そこで、今回はiシェアーズS&P500米国株ETF(信託報酬は0.075%とする)、SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(同じく0.0938%とする)を例に、100万円を投資した場合に発生する手数料の金額を試算しました。

試算方法ですが、2019年12月の最終営業日~2020年12月の最終営業日の1年間投資したとして、信託報酬を日割り計算したうえで、1年間の合計額をそれぞれの手数料金額とします。

iシェアーズS&P500米国株ETFの信託報酬額

1年間100万円を投資した際の手数料額:約725円


<試算条件>

  • 口数 100万円÷2540.18(2019/12/30の基準価額)=約393.67口
  • (計算時は3位以下の小数点も加味して算出)
  • 日割り信託報酬の計算は前営業日の基準価額×0.075%(信託報酬率)÷243日(営業日数)
  • 日割りの信託報酬×393.67(口数)で1日あたり・100万円あたりの手数料が算出される。日によって異なるがおおむね1日あたり2円~3円台程度
  • すべての営業日の信託報酬を合計した数値を1年間の信託報酬額とする

バンガード・S&P500インデックス・ファンドの信託報酬額

1年間100万円を投資した際の手数料額:約914円

<試算条件>

  • 口数 100万円÷11,077(2019/12/30の基準価額)=約90.28口
  • 日割り信託報酬の計算は前営業日の基準価額×0.0938%(信託報酬率)÷243日(営業日数)
  • 日割りの信託報酬×90.28..(口数)で1日あたり・100万円あたりの手数料が算出される。日によって異なるがおおむね1日あたり2円台後半~4円台前半程度
  • すべての営業日の信託報酬を合計した数値を1年間の信託報酬額とする

上記のように、iシェアーズS&P500米国株ETF が約725円、バンガード・S&P500インデックス・ファンドは約914円という結果になりました。

今回のシミュレーションをもとにすると、ETFでS&P500に投資すると、投資信託に投資した場合と比較して手数料を200円弱節約できるということになります。

なお、いずれも営業日数・基準価額・信託報酬率をもとにしたシミュレーションです。実際には1口以下の単位の売買ができない可能性がありますが、小数点以下の口数を調整することで手数料総額に影響が出ることを避けるため、小数点以下の口数も含めて計算しています。

S&P500とダウ平均株価のインデックス投資の比較

株式指数はS&P500のほかにもたくさんあり、特にメジャーな株式指数は、S&P500同様にインデックスのETFや投資信託が設定されています。

ここではS&P500と同様に、米国で知名度の高い株式指数であるダウ平均株価とS&P500のETF・投資信託を比較します。

ダウ平均株価のETF・投資信託も複数の商品が販売されている

「ダウ平均株価」は、正式名称「ダウ工業株30種平均株価」といい、その名の通り米国の主要30社の株価を平均したものです。

平均の仕方は、株式の合併・分割などは加味されますが、時価総額などによる加重はないので、実質的には単純平均に近いといえます。

ダウ平均株価は、S&P500以上に、業界トップレベルの超大手企業のみで構成されています。30社しか指数に組み入れられていないので、特定企業の値動きが株価指数に大きな影響を与えやすいといった特徴があります。

さて、そんなダウ平均株価も複数のETF・投資信託があり、例えば以下のような商品があります。

ETF

  • NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信
  • Simple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信


投資信託

  • 三菱UFJ国際-eMAXIS NYダウインデックス
  • 三井住友TAM-SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン

ダウ平均株価・S&P500のETF・投資信託の比較

ダウ平均株価・S&P500のETF・投資信託の手数料やパフォーマンスについて比較します。

今回は購入手数料などの条件を揃えるため、SBI証券で購入可能なものから、それぞれの株価指数のETF・投資信託を1種類ずつ、計4種類を抽出して比較します。

具体的には、S&P500のETFから「iシェアーズS&P500米国株ETF(以下iシェアーズ)」、S&P500の投資信託から「バンガード・S&P500インデックス・ファンド(以下バンガード)」、ダウ平均のETFから「NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信(以下NEXT FUNDS)」、投資信託から「三井住友TAM-SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン(以下三井住友TAM-SMT)」を比較します。

まずは各手数料の一覧です。

購入手数料 信託報酬 信託財産留保額
iシェアーズ 0.0000% 0.0750% 0.0000%
バンガード 0.0000% 0.0938% 0.0000%
NEXT FUNDS 0.0000% 0.4950% 0.0000%
三井住友TAM-SMT 0.0000% 0.5500% 0.2000%

ダウ平均の方がETF・投資信託ともに信託報酬がやや高めに設定されています。また、三井住友TAM-SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープンは、信託財産留保額が設定されています。

続いて過去1年間の基準価額騰落率と1口あたりの分配金実績です。

1年間 分配金総額
iシェアーズ 12.3% 15円
バンガード 13.6% 0円
NEXT FUNDS 3.0% 295円
三井住友TAM-SMT 4.5% 0円

※基準価額で比較しているので、上記の騰落率は信託報酬が控除された値になっています。

過去1年間で見ると、S&P500のパフォーマンスの方が良好だったことがわかります。これは常にS&P500の方が良いということではなく、相場環境によって指数の優劣は変化するということを留意しておきましょう。

以上を踏まえて、もし過去1年間で100万円投資した場合の収益性は次の通りになります。

(1)
売却時の元本
(2)
分配金収入
(3)
売却時の手数料
収益
iシェアーズ 112.32万円 0.58万円 0.00万円 12.89万円
バンガード 113.62万円 0.00万円 0.00万円 13.62万円
NEXT FUNDS 102.97万円 0.95万円 0.00万円 3.92万円
三井住友TAM-SMT 104.50万円 0.00万円 0.21万円 4.29万円

※収益=(1)+(2)-(3)-元本

差は小さいものの、S&P500、ダウ平均いずれも、分配金が出ない投資信託の方がやや1年間の収益が高いという結果になりました。

※収益金額は下記データに基づき計算したシミュレーション値であり、実際の売買による実績とは異なる可能性があります。

データ参照先

S&P500と日経平均株価のインデックス投資の比較

続いて、日本の株価指数である日経平均株価とも比較してみましょう。

「日経平均株価」は、ご存知の方も多いと思いますが、日本で最もメジャーな株価指数の一つ。さまざまな業種の東証一部上場銘柄から流動性などを加味して225銘柄が組み入れられています。

こちらも株価の単純平均に近い計算方法がとられているので、株価が高い銘柄の値動きが指数全体にインパクトを与えやすいという特徴を持っています。こうした銘柄を値嵩株(ねがさかぶ)といいます。

日経平均も、ETF・投資信託が複数設定されています。例えば以下のようなETF・投資信託があります。

ETF

  • MAXIS 日経225上場投信
  • SMDAM 日経225上場投信


投資信託

  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim国内株式(日経平均)
  • ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド

日経平均株価・ダウ平均株価・S&P500のETF・投資信託の実績比較

日経平均株価とS&P500のETF・投資信託の手数料やパフォーマンスについても比較しました。先のダウ平均との比較同様に、SBI証券で購入可能なものから、それぞれの株価指数のETF・投資信託を1種類ずつ、計4種類を抽出して比較します。

具体的には、S&P500からは先ほど同様iシェアーズとバンガードの商品を参照、日経平均株価からETF「SMDAM 日経225上場投信(以下SMDAM)」、投資信託「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim国内株式(日経平均)(以下eMAXIS Slim)」を参照して比較します。

まずは各手数料の一覧です。

購入手数料 信託報酬 信託財産留保額
iシェアーズ 0.0000% 0.0750% 0.0000%
バンガード 0.0000% 0.0938% 0.0000%
SMDAM 0.0000% 0.1540% 0.0000%
eMAXIS Slim 0.0000% 0.1540% 0.0000%

差は小さいですが、日経平均株価の方がETF・投資信託ともに信託報酬が若干高めに設定されています。

続いて過去1年間の基準価額騰落率と1口あたりの分配金実績です。

1年間 分配金総額
iシェアーズ 12.3% 15円
バンガード 13.6% 0円
SMDAM 24.9% 352円
eMAXIS Slim 27.1% 0円

※基準価額で比較しているので、上記の騰落率は信託報酬が控除された値になっています。

過去1年間で見ると、日経平均株価のパフォーマンスが良好だったことがわかりますが、指数間の優劣は相場環境によって異なることは留意しておきましょう。

以上を踏まえて、もし過去1年間で100万円投資した場合の収益性は次の通りになります。

(1)
売却時の元本
(2)
分配金収入
(3)
売却時の手数料
収益
iシェアーズ 112.32万円 0.58万円 0.00万円 12.89万円
バンガード 113.62万円 0.00万円 0.00万円 13.62万円
SMDAM 124.92万円 1.48万円 0.00万円 26.40万円
eMAXIS Slim 127.07万円 0.00万円 0.00万円 27.07万円

※収益=(1)+(2)-(3)-元本

日経平均株価も分配金が出ない投資信託の方が、過去1年間で見るとやや収益が高いという結果になりました。

※収益金額は下記データに基づき計算したシミュレーション値であり、実際の売買による実績とは異なる可能性があります。

データ参照先

手数料の違いや指数の比較を踏まえて投資先を決めよう

今回紹介したように、同じS&P500に連動するETF・投資信託でも手数料の水準などは個別商品によって異なります。分配金の有無によっても、収益性に差が出ることを留意しておく必要があります。

また、「日経平均株価」「ダウ平均」などメジャーな株式指数であれば「S&P500」と同様に、ETF・投資信託が販売されています。比較したうえで自分に合った投資先を選択するとよいでしょう。

ETF・投資信託の手数料・分配金の違いや株式指数間のパフォーマンスの差異を理解したうえで、自分なりに納得した投資先を決めることをおすすめします。

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※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。

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