マンションのフローリング張り替え、希望の床材を変えずに遮音性能を上げる方法は?
マンションでは遮音性能の規定があることが多い
マンションでは防音上の問題から、管理規約で床材に関する規定を設けていることが多くあります。
L値という、食器などの軽いものを落としたときの音である軽量床衝撃音への遮音性能で規定され、数値が小さいほど遮音性能が高く、多くの場合「LL-45」、あるいは「LL-40」以上の性能を求められます。遮音等級には新しい表示方法もあり、「LL-45」は新しい表示方法の「ΔLL(I)-4」に相当します。
マンションによっては床材の張り替えに、下階や隣接住戸の承諾が必要なケースもあります。例えばカーペット敷きの場合、フローリングへの張り替えが認められていないこともありますので注意しましょう。
フローリングの張り替えに管理組合の承認が必要な場合には、1カ月以上掛かることもありますので、工事までのスケジュールに余裕をみておくことが必要です。
マンションで無垢フローリングへの張り替えはできる?
フローリングは大きく分けると、複合フローリングと単層フローリングの2種類です。複合フローリングは基材となる合板の上に、突き板や化粧シートを張り合わせたものです。マンション用の遮音フローリングは、特殊なクッション材を裏面に張っていることで、遮音性能が確保されています。一方、単層フローリングは無垢フローリングとも呼ばれ、一枚板のものですので、遮音性能はつけられていません。
必ずしもマンションには無垢フローリングは張れないというわけではなく、無垢フローリングの下に遮音マットを敷いて、遮音性能を確保する方法があります。ただし、マンションによっては管理組合で認められないこともありますので、事前に確認することをお薦めします。
タイル張りは管理規約上難しいケースが多い
「キッチンなどの床にタイルを使いたい!」という人もリノベーション希望者の中にはいると思いますが、管理規約で遮音性能の規定がある場合には、タイルへの張り替えは難しいでしょう。
タイルは耐水性に優れ、耐久性があることから、水回りに向いた床材ですが、表面の仕上げによっては滑りやすく、目地の掃除の手間はかかります。安全面やお手入れの面から考えると、優しい土の色をした素焼きのテラコッタタイルなど滑りにくいものを選ぶ、大判のものを選んで目地を減らすといった工夫が必要です。
床材を変えずに遮音性能を上げる方法もある
これまで、遮音性能によっては使用できない床材があるとお伝えしてきましたが、希望する床材の遮音性能がマンションの管理規約に合致しないからと言って、諦めるしかないわけではありません。
床材はそのままに遮音性能だけ向上させる方法には、以下のようなものがあります。
- 置き床
- 上貼り
置き床とは?
置き床は、床を嵩上げして遮音性能を高める方法です。置き床をして遮音性能を調節することで、問題は解決されます。
置き床の場合、希望する床材の質や厚さにもほとんど左右されることなく希望の床材を安価に設置することができますが、嵩上げするため当然天井は低くなってしまいます。
上貼りとは?
上貼りは、文字通り既存の床の上に新たに床を貼ることを指します。既存の床はマンションの管理規約に合致した遮音性能を保有しているため、問題は解決されます。
上貼りの場合、一般的に3~4mmの床材を貼ることになるため、質や厚さによっては向いていない床材もあります。
置き床と上貼りは、希望する床材や目的によって向き不向きがあるので、必ずプロに相談をするようにしましょう。不可能だと思っていたことでも、思わぬ方法で解決される場合もありますよ!
マンションの床材の張り替えでは、管理規約の確認が大切です。管理規約はマンションによって異なります。トラブルにならないように管理規約を順守して、不明な点はあらかじめ管理組合に問い合わせておくようにしましょう。
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