不動産投資に役立つ勉強法は? 初心者が学ぶべきポイントや注意点を解説
不動産投資は学ぶべきことが多く、仕事をしながら勉強するのは大変なことです。
これから不動産投資を始めようとしている方や初心者の方にとって、忙しい毎日の中で効率よく勉強したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
不動産投資の勉強方法には、本の購読やセミナー参加のほか、さまざまな方法があります。
本記事では、不動産投資で勉強が必要な理由や勉強方法、メリット・デメリット、学ぶべきポイントや注意点を詳しく解説します。自分に合った勉強法を選ぶためのヒントになればと思います。
不動産投資に勉強が必要な理由
不動産投資には高額な資金が動くうえ、投資にはさまざまなリスクもあります。そのため、事前の学習が欠かせません。
不動産投資において、勉強が必要な理由は以下のとおりです。
- 詐欺や悪徳業者に騙されないため
- 大きな取引に冷静な判断を下すため
- 物件管理や空室、災害など特有のリスクに備えるため
専門知識がないと、「絶対に儲かる」などと巧みに誘導され、詐欺に遭う可能性があります。また、一棟アパートやマンションの購入は数千万円規模になるので、リスクを把握したうえで始める必要があるからです。
正しい知識を持つことで不要な失敗を避け、堅実に資産を形成できる可能性を高めます。
不動産投資の勉強方法
不動産投資の勉強方法は、以下の7つが一般的です。
- 書籍を読む
- インターネットで情報収集する
- セミナーに参加する
- 経験者に話を聞く
- 不動産投資会社から説明を聞く
- 実際の物件を見に行く
- 関連資格を取得する
各勉強方法の特徴を詳しく解説します。
1. 書籍を読む
書籍は、不動産投資の基礎知識や全体像を体系的に学ぶうえで、効果の高い勉強方法です。経験者や専門家によって整理された知識を、自分のペースで繰り返し学べます。
特に経験者の成功体験や失敗事例からは、執筆された時代背景も含め、不動産市況やその時代の経済状況と合わせて、複合的な知識を身につけることが可能です。
何冊かの書籍を読むことで、さまざまな投資対象や手法があることが理解できるようになります。
RENOSYで不動産投資を始めたオーナーの方が過去どのような書籍を読まれているかを紹介した記事をご紹介します。
2. インターネットで情報収集する
インターネットは、最新の市場動向や専門家のリアルな意見、個人の体験談を手軽に入手できるツールです。不動産会社が運営するオウンドメディアやYouTubeなどの動画サービス、SNSなど多様な情報源に無料でアクセスできるため、幅広い知識を吸収できます。
不動産投資をするなら知っておくべき9つのリスク|リノシーチャンネル
RENOSY(リノシー)では、不動産投資に関する基本的な内容を初心者の方にも理解していただけるよう、YouTubeチャンネルで不動産投資の仕組みやリスクなどを解説しています。
なおインターネットは誰でも気軽に発信できるため、信ぴょう性の低い情報が混在している可能性があります。情報の発信元を確認し、根拠が曖昧な内容は鵜呑みにしないことも大切です。
3. セミナーに参加する
不動産投資セミナーは、専門家の話を直接聞ける貴重な機会です。書籍やインターネットでは得られない最新の市場動向や具体的な投資事例、リスクへの向き合い方などを、体系的に学習できます。質疑応答が設けられているセミナーなら、自分の疑問をその場で解決できる点も大きなメリットです。
最近はオンライン形式の無料セミナーも多く、自宅から気軽に参加できます。ただし、中には契約を迫るような勧誘性の高いセミナーもあるため、主催企業の実績や口コミを事前に確認しておくと安心です。
4. 経験者に話を聞く
不動産投資の経験者から直接話を聞くことで、実践的かつ具体的な知識を得られます。物件選びのコツや空室対策、トラブル対応など、実体験に基づいたアドバイスは書籍やセミナーでは得られない貴重な情報源です。
身近に経験者がいない場合は、セミナーや投資家コミュニティ、SNSを通じてつながりを作れます。しかし、SNSでは信頼性の低い情報に注意し、相手の実績や発信内容を冷静に見極めることが不可欠です。
5. 不動産投資会社に相談する
不動産投資会社に相談することで、最新の市場動向や物件情報、融資の可能額などをプロから直接得られるのがメリットです。オンラインでの面談も増えており、場所を問わず気軽に相談できます。
自身の投資目的や年収・自己資金に応じて「どれくらいの投資が可能か」「どのエリアが狙い目か」といった具体的なアドバイスがもらえるため、投資プランの現実味が増します。
6. 実際の物件を見に行く
不動産投資を勉強するうえで、実際の物件を見学することは重要です。どのような物件が投資対象として存在しているのか、図面や写真だけではわからない現地の空気感や生活環境なども把握することができるようになります。
7. 関連資格を取得する
不動産投資の知識を体系的に深めたい人には、関連資格の取得という方法もあります。資格試験の勉強を通じて、法律・税金・物件評価などの実務に直結する知識が身につきます。
不動産投資に関連する代表的な資格の一例は以下の通りです。
- 宅地建物取引士
- 賃貸不動産経営管理士
- マンション管理士
- 不動産実務検定
- 投資不動産取引士
なおこれらの資格は不動産投資をするうえで必須ではありません。不動産業界と関わりを深めたい人や信頼性の向上につなげ本気で投資を続けていきたい人などにおすすめの勉強方法です。
不動産投資に資格は必要? 取得メリットや役立つ資格、注意点を紹介
不動産投資で勉強すべき内容
不動産投資で勉強すべき内容は以下のとおりです。
- 不動産投資の仕組み
- 不動産投資の種類
- 不動産投資に必要な資金やコスト
- 物件の運用・管理方法
- 不動産市場の動向やトレンド
順番に解説します。
1. 不動産投資の仕組み
不動産投資は、物件を購入し、家賃収入(インカムゲイン)や将来の売却益(キャピタルゲイン)を得る仕組みです。多くは金融機関から融資を受けて物件を取得し、毎月の家賃でローンを返済しながら利益を得ていきます。管理は不動産管理会社に委託する方法、そして自主管理があります。
不動産運用では、投資家・入居者・金融機関・不動産投資会社など、複数の関係者が関わるビジネスであるため、資金や業務の流れを理解することが成功のカギです。
仕組みやメリット・デメリットを正しく理解することが、不動産投資の第一歩です。
2. 不動産投資の種類
不動産投資には複数の種類があり、目的や資金力に応じて適した選択が必要です。主な種類は以下のとおりです。
種類 | 詳細 |
---|---|
区分マンション投資 | 1室から始められるため初心者向きで、少額で参入しやすい反面、空室時は収入ゼロになるリスクがある |
一棟アパート・マンション投資 | 複数戸から家賃収入が得られ、収益性が高いが、管理負担や初期費用は大きく上級者向け |
戸建て投資 | ファミリー向けで長期入居が期待できるが、空室になると収入が途絶える |
J-REIT | 1万円程の少額から投資できるが、自己資金での投資が一般的であり、投資法人の倒産リスクもある |
民泊 | 資金負担の少ないリノベーションで始められるのがメリットだが、個人で集客する場合は負担が大きい |
駐車場投資 | 投資コストが低く、建物が建てられない狭い土地にも設けられるが需要予測、市場調査が難しい |
それぞれメリット・デメリットが異なるため、自分の目的とリスク許容度を踏まえて選ぶことが重要です。
3. 不動産投資に必要な資金やコスト
不動産投資では、物件の購入費用だけでなく、各種の初期費用や運用コスト、売却時の費用も理解しておく必要があります。購入時には、物件価格の8〜10%ほどが初期費用としてかかり、頭金・仲介手数料・登記費用・火災保険・不動産取得税などが発生します。
また、運用期間中は管理手数料・修繕費・広告料・固定資産税などのランニングコストも必要です。さらに、売却時にはローン完済費用・仲介手数料・譲渡所得税などがかかります。
これらを踏まえたうえで資金計画を立て、ローン返済や空室リスクにも耐えうる資金繰りをシミュレーションすることが、不動産投資成功のカギとなります。
4. 物件の運用・管理方法
継続的な運用・管理は、収益を左右する重要な要素となります。主な管理業務には、入居者募集、契約手続き、家賃回収、修繕対応、設備点検、クレーム対応などが含まれます。
これらを自分で行う自主管理も可能ですが、手間や時間がかかるため、多くの投資家は管理会社への委託を選びます。委託費用は家賃の5〜10%が相場で、会社ごとに対応範囲や品質に差があるため、複数社を比較して選ぶのが賢明です。
適切な管理ができていないと、空室率の上昇や物件価値の下落につながる可能性もあるため、運用計画と管理体制の構築は事前に確認しておきましょう。
5. 不動産市場の動向やトレンド
不動産市場は常に変動しており、地価の推移や金融政策の変化を把握することは、的確な投資判断に欠かせません。たとえば、2024年には日銀がマイナス金利を解除するなど金融政策の転換があり、住宅ローンの金利に影響が出始めています。
今後の投資先を見極めるには、経済動向や地域別の成長性や需要の動きにも目を向けることが重要です。経済ニュースや公的な地価指標などをチェックし、最新のトレンドを常に把握する習慣をつけることで、素早く情報をキャッチできます。
不動産投資の勉強をする際の注意点
不動産投資の勉強をする際は、以下の3点に注意が必要です。
- 間違った情報や偏った情報を見極める
- 目標や期間を明確にする
- 勉強は常に継続する
順番に詳しく解説します。
1. 間違った情報や偏った情報を見極める
不動産投資の勉強では、インターネットやSNSを活用する機会が多くなりますが、誰でも発信できる環境だからこそ、誤情報や古い内容が紛れている点に注意が必要です。すでに使えない節税スキームを紹介するサイトや、特定の会社に都合の良い情報だけを掲載した記事も存在します。
そのため、情報の出典が明示されているか、税制や法律の説明が具体的かどうかといった点をチェックし、信頼性を見極めることが重要です。書籍・公的機関・複数の不動産会社など、情報源を分散させて総合的に判断する姿勢を持つことが欠かせません。
2. 目標や期間を明確にする
不動産投資を始める前に、「なぜ不動産投資をするのか」「いつまでに何を達成するのか」という目的や目標・スケジュールを明確にしておくことが大切です。
老後資金の確保、節税、短期売却による利益確保など、目的によって最適な物件や運用方針が変わるためです。
また、学習に終わりはなく、すべてを理解してから始めようとすると、いつまでも一歩が踏み出せません。「3カ月以内に融資の仕組みを理解する」「半年以内に初回購入候補を選ぶ」など、期限付きの学習目標を設定することで、効率的に知識を積み上げられます。
3. 勉強を継続する
不動産投資は、知識を得た時点がゴールではありません。市場や法制度は日々変化しており、金利動向・税制改正・賃貸ニーズなどの変化を見逃すと、思わぬ損失につながることもあります。
成功している投資家の多くは、継続的に情報をアップデートしています。不動産会社のセミナー参加や、信頼できる専門メディアのチェック、投資家コミュニティでの情報交換などを習慣化することで、変化に強い投資判断ができるようになるでしょう。
不動産投資を始める流れ
不動産投資は全体の手順を整理することで、スムーズに進められます。以下の6ステップが一般的な流れです。
手順 | 詳細 |
---|---|
目的・目標 の設定 |
「老後資金」「節税」「売却益」など目的を明確にし、目標金額と達成時期を逆算する |
基礎知識 の習得 |
インカムゲインやキャピタルゲイン、税制、ローンの仕組みなどを書籍やセミナーなどで学ぶ |
資金計画 を立てる |
自己資金、融資可能額、利回り・コストなどを想定し、無理のない予算を組む |
物件を 探す |
インターネットや不動産投資会社の情報を活用し、収益シミュレーションを実施する |
購入契約 と手続き |
申し込み、ローン審査、重要事項説明、契約、登記、火災保険加入などの段階を進める |
運用・ 管理開始 |
家賃回収や修繕、入居者対応などを管理会社に委託するか自主管理で運用する |
この流れを踏むと、初心者でも論理的かつ段階的に不動産投資をスタートできます。
不動産投資の始め方6ステップ! 物件購入までの具体的な手順を紹介
不動産投資の勉強で正しい知識を身につけよう
不動産投資の勉強は、複数の方法を組み合わせることで効果的に進められます。書籍で基礎知識を身につけ、インターネットで最新情報を収集、セミナーや勉強会への参加により、専門家から実践的なノウハウを学べます。
また勉強を通じて、不動産投資のリスクを正しく理解し、
投資への不安が解消された状態で不動産投資をスタートできる準備が整います知識を身につけることが、資産形成への近道となります。
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