1. TOP
  2. RENOSY マガジン
  3. 投資する
  4. 不動産投資のレバレッジ効果とは? リスクと目安、効果を高めるコツを解説

公開日: 2019.08.21 更新日: 2025.06.09

不動産投資のレバレッジ効果とは? リスクと目安、効果を高めるコツを解説

不動産投資のレバレッジ効果とは? リスクと目安、効果を高めるコツを解説

レバレッジとは「てこの原理」を意味します。投資の世界では「小さな投資で大きなリターンを生み出す」という意味です。

一方、不動産投資では、これとは少し違うニュアンスで「レバレッジ」というキーワードが用いられます。

本記事では、不動産投資におけるレバレッジ効果の意味とリスク、効果を高めるコツを解説します。

不動産投資におけるレバレッジ効果とは

 

レバレッジとは「てこの原理」という意味で、投資の世界では「少ない自己資金で大きなリターンを得ること」です。

不動産投資では、ローンを活用することで結果的に自己資金を小さく抑えつつ、大きな収益を得られる可能性があり、これをレバレッジ効果とよびます。

不動産投資におけるレバレッジ効果がわかる比較例

 

不動産投資では、次のようなレバレッジ効果を得られます。

  1. 少ない元手でも大きなリターンを得られる
  2. 同じ自己資金でも収益に大きな差が出る

レバレッジを効かせる場合と効かせない場合を比較して、どのような差が出るかを解説します。

1. 少ない元手でも大きなリターンを得られる

自己資金2,000万円の場合と、自己資金200万円+借入1,800万円の場合で、同額の物件を購入した例を比較します。

以下のように、家賃収入が同じでも自己資本利回り(自己資金に対する利回り)には、大きな差が出ていることがわかります。

パターン レバレッジ効かせない レバレッジ効かせる
自己資金 2,000万円 200万円
借入金 なし 1,800万円
家賃/月 10万円 10万円
表面利回り※1 6% 6%
自己資本利回り※2 6% 60%
レバレッジ倍率※3 1倍 10倍

※1 表面利回り=(家賃/月×12カ月)÷ 総投資額(自己資金+借入金)×100
※2 自己資本利回り=(家賃/月×12カ月)÷ 自己資金×100
※3 レバレッジ倍率=総投資額 ÷ 自己資金

レバレッジを効かせたケースでは、わずか10分の1の元手で2,000万円の物件を運用しており、自己資金に対するリターンは10倍です。この場合、10倍のレバレッジ効果がある状態といえます。

ただし、借入金に対してはローンを組む際の諸費用に加えて、利息が発生します。実際に得られる収益は、表のような単純計算よりもやや低くなる点に留意が必要です。

【関連リンク】
【初心者向け】不動産投資に最低限必要な元手はいくら?

2. 同じ自己資金でも収益に大きな差が出る

次の比較表は、自己資金1,000万円で異なる価格の物件を運用するケースを示しています。

パターン レバレッジ効かせない レバレッジ効かせる
自己資金 1,000万円 1,000万円
借入金 なし 3,000万円
物件価格 1,000万円 4,000万円
年間収入 100万円 400万円※
利息(年3%) 0円 90万円
実質年間収入 100万円 310万円

レバレッジ効果の理解を目的としたシミュレーションであり、実際に家賃収入が年間400万円になる物件(例:5戸×家賃約6.66万円=約33万円/月)が必ずしも実在するとは限りません。

レバレッジを効かせない場合は、1,000万円の物件を現金で購入し、年間収入は100万円の想定です。一方、レバレッジを効かせた場合は、借入金3,000万円を活用して4,000万円の物件を購入し、年間収入を400万円と試算できます。

同じ自己資金でも、レバレッジを効かせたパターンは、保有できる物件規模と年間収入がレバレッジを効かせない場合の4倍です。これが、同じ元手でも投資規模を広げて収益性を高められる、レバレッジ効果の仕組みです。

ただし、借入金には利息がかかります。年3%の利息がかかる場合、実質的な年間収入は310万円となります。そこから必要経費や維持・管理費が差し引かれると、最終的な手取りはさらに少なくなります。

不動産投資で高いレバレッジ効果を得られる理由

 

一般的に「投資がしたい」という理由だけで、長期で低金利の融資を受けるのは難しいものです。金融機関が不動産投資に対してだけ好条件で多額の融資をしてくれるのは、不動産が「現物資産」であり、担保として高い価値を持っているためです。

たとえばFXや先物取引などの金融商品は、元本を失うリスクが高く、担保としての評価は低くなります。一方、不動産は実物として残るため、万が一返済が滞っても、金融機関は物件を売却することで資金回収が可能です。

こうした特性から、不動産投資における融資では「借りる人の年収」だけではなく、「物件の評価額(資産価値)」も重視されます。評価額が高い物件であれば融資額も増え、逆に評価が低い場合は借入額も制限されます。

つまり、物件そのものが担保となることで、サラリーマンでもレバレッジを活かして大規模な投資を始めることが可能です。

不動産投資におけるレバレッジ効果の魅力

 

不動産投資では、家賃収入を得ながらローンを返済することで、最終的には実物資産が手に入ります。物件自体が資産になることはもちろん、売却してキャッシュにすることも可能です。このように、安定的な収入源を確保しつつ資産を形成できることが、不動産投資ならではの魅力といえるでしょう。

与信枠を上手に活用すれば、複数の物件にレバレッジをかけて投資することも可能です。一定のリスク管理は必要ですが、段階的に資産を積み上げていく手段として、不動産投資は長期的な資産形成に向いています。

不動産投資のレバレッジは何倍が目安?

 

レバレッジを最大何倍までかけられるかは、自己資金・借入金・物件価格のバランスによって異なるため、「〇倍が目安」とは明言できません。

たとえば、初期費用100万円で2,000万円の物件を購入する場合、レバレッジは約20倍となります。同じ物件でも自己資金を多く出せば、その分レバレッジ倍率は下がる仕組みです。

多額のローンを借りて自己資金を抑えられれば高いレバレッジをかけられますが、ローンをいくらまで借りられるかは、当人の信用力や物件の担保価値次第です。一般的には、不動産投資ローンの借入金額は年収の7〜8倍程度が目安とされています。

ご自身がかけられるレバレッジの目安を知りたい場合は、借入れできるローンを年収から逆算して購入可能な物件を見つけ、レバレッジ効果を計算しましょう。

不動産投資における「逆レバレッジ」のリスク

 

本来、レバレッジは「少ない自己資金で大きな収益を得る」ことを目的としています。しかし、物件の利回りが借入金の金利を下回り、想定よりも得られる収益が少なくなる「逆レバレッジ」に注意が必要です。

レバレッジは、以下のような状況で発生しやすくなります。

  • 金利が上昇するとき
  • 家賃収入の低下や空室の発生などで物件の利回りが低下するとき

とくに、レバレッジをかけすぎると返済額の負担が重くなり、金利上昇や利回りの低下による収支変動に対応しにくくなります。無理のない資金計画を立て、レバレッジをかけすぎないことが重要です。

【関連リンク】
不動産投資における金利の重要性は?相場やリスクへの対策を紹介
不動産投資の利回りとは?利回り計算方法と事前に知っておくべき注意点

不動産投資のレバレッジ効果はイールドギャップの確保で高められる

 

イールドギャップとは、物件の利回りから借入金利を差し引いた「収益の差分」のことです。イールドギャップが大きいほど、レバレッジ効果は高まります。

ローン金利が低ければ、同じ利回りの物件でも手元に残る利益が大きくなるため、資金効率が向上する仕組みです。たとえば、利回り5%で金利3%ならイールドギャップは2%となり、これが実質的な収益となります。

一見利回りが高く見える物件でも、借入金利が高いとイールドギャップは小さくなり、レバレッジ効果が限定されることがあります。以下は、その例です。

パターン A B
利回り 8% 5%
金利 5% 1.5%
イールドギャップ 3% 3.5%

この場合、パターンBのほうが「投資効率がよい」と判断できます。イールドギャップを確保するためには、「利回りの高さ」だけでなく「借入条件(=金利)」にも着目して、購入する物件を選ぶことが重要です。

低金利の環境では、イールドギャップを確保しやすく、レバレッジ効果を活かしやすい状況といえます。

ただし、将来的に金利が上昇すれば、イールドギャップが縮小して逆レバレッジのリスクが生じるおそれがあります。そのため、実際に不動産投資を始める際には、金利変動のリスクも考慮することが大切です。

不動産投資でイールドギャップを高めるポイント

 

不動産投資でイールドギャップを高めるには、なるべく低い金利でローンを借りることが重要です。金融機関によっては、自己資金を多めに入れることで金利が優遇され、イールドギャップの確保につながる場合もあります。

また、年収や信用情報などを整えることで、よりよい借入条件を引き出せる可能性も高まります。たとえば、「副業をして収入を増やす」「配偶者にも働いてもらって世帯合算する」などです。借入期間を長く設定すれば、月々の返済負担を抑えてキャッシュフローの安定につなげられるという考え方もあります。

これらの工夫を通じてイールドギャップの確保を図りつつ、無理のない資金計画でレバレッジ効果を高められると、安定した収入源の確保につながります。

不動産投資でイールドギャップを高めるときの注意点

 

イールドギャップを高める選択肢の一つが、物件価格に対して家賃収入の高い物件を狙う方法です。リフォームや管理改善によって家賃を上げられる物件であれば、実質利回りの向上を期待できます。そのほか、地方や築古などの安い物件を購入して相応の家賃で貸し出すという方法も考えられます。

また、空室率が低く、修繕費が抑えられる物件を選ぶと、実質利回りを高めることも可能です。ただし、初心者にとって高利回り物件を見極めるのは難しいため、利回りが「高すぎる」物件を見つけたときは慎重になりましょう。

【事例紹介】不動産投資におけるレバレッジ効果

 

RENOSYで不動産投資を始めた赤堀さんは、もともと株や投資信託、FXなどの投資経験があり、投資関係のさまざまなイベントに参加していました。そのなかで不動産投資の話も耳にしていましたが、「怪しい」というイメージを抱いていたそうです。

しかしその後、不動産投資に興味をもち、複数の投資会社を訪問。訪問先のひとつであるRENOSYの担当者から「なぜ不動産投資をするのか」と繰り返し問われるなかで、自分の目的や状況の整理につながりました。

このやりとりを通じて、不動産は「資産形成のための手段にすぎない」ことを理解したといいます。また、金融機関の融資枠を活用すれば、1億円を超える資産形成も可能だとわかり、赤堀さんは不動産投資の魅力は「レバレッジの高さ」にあると語ります。

少ない自己資金でも、最終的に得られる収益の大きさに驚いたそうです。FXとは違い、不動産は土地の価値がゼロになることはなく、適切に運用すれば黒字化が見込めると感じています。

【関連リンク】
ほかの投資や貯金では増えなかった資産が、あっさり目標達成できると思えたから

不動産投資のレバレッジ効果を利用して安定した資産形成を行おう

不動産投資では、ローンを活用して少ない自己資金で大きな資産を動かせる「レバレッジ効果」を得られます。レバレッジ効果を高めるには、物件の利回りと借入金利の差である「イールドギャップ」を確保することが重要です。

イールドギャップが大きいほど、手元に残る利益が増え、資金効率のよい資産形成につながります。一方で、レバレッジをかけすぎると、空室や金利上昇といった変動により、返済負担が重くなるリスクも生じやすくなります。

こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、利回りの高さや金利の低さだけではなく、借入条件やキャッシュフロー全体を確認することが大切です。レバレッジの効かせすぎに注意しつつ、物件選びや投資判断を慎重に行いましょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

LINE Instagram Youtube Facebook X