不動産やお金の疑問をわかりやすく解決 RENOSY マガジン
  1. RENOSY マガジン
  2. 投資する
  3. クラシックカー投資とは? メリット・デメリットと、始めるうえでのポイントを紹介
投資する
2021.12.03

クラシックカー投資とは? メリット・デメリットと、始めるうえでのポイントを紹介

クラシックカー投資とは? メリット・デメリットと、始めるうえでのポイントを紹介

資産運用というと、有価証券や為替取引、不動産などを主体に行う方が多い一方で、少し変わった投資にチャレンジしたい、分散投資の観点からオーソドックスな手法以外も取り入れていきたいという考えを持っている方も少なくありません。

そんな方におすすめしたい投資手法の一つが、今回紹介するクラシックカー投資。希少性の高い車を保有し、価格が上昇したタイミングで売却して収益を獲得する方法で、一部の富裕層や車好きの方が実践しています。

今回はクラシックカー投資の特徴やメリット・デメリット、始め方などを解説します。

クラシックカー投資とは?

クラシックカー投資はその名の通り、希少性の高い車を購入して、価格が魅力的な水準になった段階で売却することで収益を得る手法。欧米の富裕層の間ではワインやアート投資と同じように、実物資産への投資手法の一つとして定着しています。

一般的な自動車は年数が経てば市場価格は低下するため、収益を上げるのは困難です。しかし、希少性と人気が高い車種をうまく選別して保有すれば、購入価格が売却価格を上回るケースは決して少なくありません。

一例として特に高いリターンが実現した事例を挙げると、1959年製「250 GTベルリネッタ」LWB(ロング・ホイールベース)は、2003年時点では119万5,691ドルでしたが、2012年には同型車が671万ドルで売却されたとのこと。売却できる品質で保管しておけばリターンにして約400%、500万ドル以上も収益が発生した計算になります。

クラシックカー投資では、所有期間は趣味を兼ねて自分で乗る方もいますし、傷まないように保管して値上がりを待つ方もいます。自分の自動車に対する好みにあわせて適した方法で投資を実践するとよいでしょう。

参考:投資先で迷ったらクラシック・フェラーリはいかが?:旬ネタ|日刊カーセンサー

【関連リンク】
日本に定着する? 富裕層が注目するワイン投資は分散投資の一環として有効か
アート×◯◯市場比較<1>投資家が熱視線 アート市場とワイン・スピリッツ市場、価格の伸び率を比較する
飲むだけじゃない?投資商品として「ジャパニーズウイスキー」が注目される理由とは

クラシックカー投資のメリット・デメリット

クラシックカー投資にはさまざまなメリット・デメリットがあります。双方を比較して、自分に向いていると感じた方は、分散投資の一手法として取り入れてみるとよいでしょう。

クラシックカー投資のメリット

クラシック投資のメリットは大きく分けて次の3点になります。

  • インフレに強い
  • 有価証券や不動産より経済危機の影響を受けにくい
  • 趣味と兼ねることもできる

金やアート、不動産などと同様に実物資産への投資の一種であるクラシックカー投資は、インフレに強いという特徴を持っています。インフレ=モノの価格が上がることなので、インフレ率が高くなれば、それに合わせて自動車の価格も高くなりやすいためです。

また、有価証券など経済環境の影響を受ける投資手法は多いですが、クラシックカーの市場価格はこれらの投資と比較すると経済変動による影響が限定的。自身の資産の経済変化による影響を抑えるための投資手段として有効です。

特に自動車好きの方なら、趣味と兼ねることができる点もメリットでしょう。実際に運転して使用する方もいますし、コレクションとして保有する方もいます。普段の移動手段としても使用するならば、別で車を保有する場合のコストが実質的に削減でき、より低いリターンでもクラシックカー投資を行う意義が見いだせるでしょう。

クラシックカー投資のデメリット

どのような投資にもデメリットはありますが、それはクラシックカー投資も同じです。これらのデメリットを理解し、また可能な限り抑制する対策を施したうえで、投資にチャレンジすることをおすすめします。

  • 破損や劣化のリスクがある
  • 人気車種を選び出す難易度の高さ
  • 初期費用が高い

たとえ希少性の高い車種であっても、破損や劣化すると価格が下がってしまったり、最悪売却できなくなったりします。可能な限り品質を維持する努力が必要になりますが、どんなに気をつけても想定外の災害・事故などにより全損するリスクは完全には排除できません。

また、クラシックカーは中古市場やオークションなどで売却するわけですが、株などの有価証券のようには活発に売買されているわけではなく、適正な市場価格を把握するのも困難です。自動車の買い時・売り時を判断するのも有価証券への投資などよりは難しいでしょう。自動車自体の質を見極め、また人気などのトレンドを把握する必要があります。

初期費用が高いこともデメリットの一つです。一般的には安いものでも数百万円程度、高いものでは数千万円、時には億単位の資金が必要になります。不動産と異なりローンを活用する余地が限られていることもあり、特に高級車の場合は多くの自己資金を手当てしなければなりません。

クラシックカー市場の実情

クラシックカーで値上がり収益を上げるのは難しそうなイメージがありますが、実はしっかりと値上がり実績のある市場なので、車をうまく選別すれば高い収益が狙える市場です。クラシックカー市場の実情を少し見ていきましょう。

クラシックカー投資の収益性

実は2008年から算出されている高級クラシックカーの価格指数が存在します。イギリスのHistoric Automobile Group International という団体が集計しているもので、最も代表的なものは「HAGI TOP index」というものです。さらにポルシェ・フェラーリなどの個別インデックスも算出しています。

代表的な「HAGI TOP index」は2008年末の価格水準を100として計算されたもので、10月末は352.65という結果。つまり13年弱で高級クラシックカーの平均価格は3.5倍強になった計算で、1年あたりの収益率でいうと平均で10.3%となります。

不動産投資の利回りが平均的なもので4〜5%程度と考えると、比較的高い収益が期待できる投資であることがわかります。

参考:Historic Automobile Group International参考:不動産投資の利回りシミュレーション!実質利回りと表面利回り、ローン返済の計算Excel(エクセル)付き|RENOSY マガジン(リノシーマガジン)

クラシックカーの値上がり事例

過去には人気かつ希少なクラシックカーが、大幅な値上がりを記録した事例も多数あります。

まず紹介したいのは1960年代後半から70年代前半にかけて生産された「Ferrari Dino 246GT/GTS」。現在のピッコロフェラーリ(V8型気筒モデル)が生まれるきっかけとなったV6型気筒のモデルですが、こちらは2009年ごろには10万ドル前後だったものが、2014年には40万ドルに到達した型も。保存状態が良ければ4倍弱の価格で売却できた計算になります。

次にもう少しリーズナブルな事例として、「ポルシェ911T」の事例です。1960年代後半から生産されたこの車種は、生産数も多く、クラシックカーの世界では比較的手に入れやすい車の一つとされています。価格も2009年時点では1万2,000〜4万ドル程度と、高級車の中では手頃な価格でした。それが2015年ごろには3万〜11万ドル程度まで値上がり。最低でも2倍強、うまくいけば3倍程度の収益が発生した計算になります。

参考:【最新価格相場】フェラーリ ディーノ 206/246GT(Ferrari Dino 206/246GT)|クラシックカー・旧車情報 | Heritage Collections

手が出しやすい、とまではいえないかもしれませんが、二つ目のポルシェの例のように、百万円程度と、高級新車を購入するよりは、グッと手頃な価格でチャレンジする余地があります。

続いては、これからクラシックカー投資にチャレンジする場合の狙い目の車種について見てみましょう。

投資するうえで狙い目のクラシックカーとは?

クラシックカー投資における車種選びでは、人気と希少性があり今後値上がりが期待できる車種を選ぶことが大切です。

有名高級車メーカーの「世界に○台しかない」といった車は値上がりが実現する可能性が高いですが、価格は数億円〜などになりますし、オークションでしか手に入らないなど投資を始めるチャンスが限られています。

そこで、ここではもう少し手を伸ばしやすい車の中から、狙い目の車種をいくつか紹介します(ただし、ここに紹介する車種の値上がりを示唆・保証するわけではありませんのでご留意ください)。

海外車ではアルファロメオやフィアットなどイタリア製自動車の一部車種の注目が高まっています。アルファロメオでは1955年に発売された「ジュリエッタスパイダー」。もともと人気車種の一つではありましたが、近年ますます人気が高まっています。2010年代前半にかけて価格の高騰が見られたのちも価格を維持し続けており、状態のいい車種はさらに値上がりするのでは?との見方もあります。

もう一つフィアットでは、1974年の「フィアットX1/9(エックスワンナイン)」。量産ミッドシップスポーツカー(車体の中心にエンジンが搭載されたモデル)のさきがけのような車です。価格が安いのが特徴で、タイミングが良ければ数十万円程度での購入が可能。この手頃さに加え、低排気量であるため、税金面でも維持費が少なく済むことから、クラシックカー愛好家の中でも「エントリーモデル」として人気。そのため今後の価格の伸びも期待できます。

国産車のクラシックカーも見落としてはいけません。特に1960〜70年代に発売された自動車で絶版となった人気車種は、希少価値が高く、今後も価格の上昇が期待されます。近年その代表格とされるのは「日産スカイラインGT-R」。2,000台の限定生産であった同車は近年では3,000万円台の価格に高騰しています。またこれに釣られて通常のスカイラインでも、人気のバージョンでは1,000万円を超える車種も見られます。スカイラインの人気は高く、今後も値崩れリスクは低いでしょう。

また「クラシック」の響きからは意外かもしれませんが、「ネオクラシック」とよばれる1990年代のスポーツカーも狙い目です。この市場はこれまで希少性が十分に高くない印象を持たれていたようで、その分、数百万円程度と値段が相対的に手頃な車種も多数。今まさに愛好家が増えつつある市場なので、今後さらなる価格の上昇が期待されています。

例えば日産のS13系シルビア(1988~1993年)、トヨタではA80系スープラ(1993~2002年)、ホンダでは初代NSX(1990~2005年)などが愛好家の間では人気です。

Honda NSX

海外車の参考:【最新価格相場】フィアット X1/9(Fiat X1/9)|クラシックカー・旧車情報 | Heritage Collections国産車の参考:90年代スポーツカーが価格急騰でも狙い目な訳 | 中古車 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

クラシックカー投資を実践するには?

クラシックカー投資は実物の自動車を所有する観点から、チャレンジするうえではいくつか準備が必要です。最後にクラシックカー投資を実践するための準備や方法について簡単に紹介します。

クラシックカー投資における検討事項 

クラシックカーを投資目的で所有する場合、次のような準備が必要です。

  • 保管場所の確保
  • 投資する車種の調査
  • 輸送方法の確定
  • メンテナンスや保険の加入

まず、現物の自動車を所有する以上、保管場所を確保しなければならないのは通常の自動車と同様です。自宅の駐車スペースや月極駐車場などで車庫証明を取る必要があります。基本的に車庫証明は購入後速やかに手続きを進める必要があるため、あらかじめスペースは確保しておきましょう。

クラシックカーを投資目的で所有する場合、保管場所の確保が必要

続いて投資する車種の調査は当然必要です。自身が投資できる価格帯を踏まえて、精査していく必要があります。闇雲に「値上がりしそうなもの」を選ぶのは困難なので、中古車の販売業者の話を聞く、自分の好みのタイプの自動車を重点的に調査する、可能なら試乗してみるなどして購入車種を絞り込んでいくのがおすすめです。

近隣に現物があるなら問題ありませんが、日本の遠方や海外にある自動車を購入する場合には輸送方法を検討する必要があります。サービスの優れた業者であれば輸送まで考慮してくれる場合もありますが、その分余計なコストがかかる場合も。できるだけ効率的にあらかじめ取得した駐車スペースまで運んでもらえる方法を検討しましょう。

なお、輸送コストを踏まえて、近隣で入手できる自動車を優先的に検討するのも手です(購入場所から自分で駐車場まで運転して運べるのであれば最善といえます)。

最後に、メンテナンスや保険といった所有期間中の対応です。クラシックカーによっては通常の自動車工場では対応できない場合もありますので、あらかじめ購入車種の修理やメンテナンスに対応している業者を見つけておきましょう。また災害や事故などの際に損失を抑制できるよう、保険に加入しておくのも一案。「クラシックカー保険」を販売している保険会社もあります。

高級車信託というサービスの利用も一案

特に高価なクラシックカーで、メンテナンスや劣化リスクが怖い場合には「高級車信託」を活用するのも手です。これはSMBC信託銀行が近年開始したサービス。自分では乗らない、メンテナンス方法がわからない価値ある車のメンテナンスなどを同行が手配し、オークションや売却などの手続きまで対応してくれます。

手数料は個別相談となっているため、一定のコストがかかる点は留意が必要ですが、特に希少性の高い車を、メンテナンスの手間や劣化リスクを避けて保管しておきたい場合には、相談してみるとよいでしょう。

参考:SMBC信託銀が「高級車信託」 - 産経ニュース

クラシックカー投資は実物資産への投資手段一つとしておすすめ

有価証券などオーソドックスな資産への投資は便利ではありますが、経済変動などの際には大きな損失を受けてしまうリスクがあるのがネックです。その点、今回紹介したクラシックカー投資は、経済変動に左右されづらく、資産全体の価値下落のリスクを分散させられます。

ある程度まとまった規模の資産の運用方法に悩んでいる方で、すでに有価証券や不動産などの資産運用を行っている方においては、投資先を分散する手法として、今回紹介したクラシックカー投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

伊藤圭佑 証券アナリスト

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。

Facebook Twitter Instagram LINE