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2021.02.22

先進国株式比率70%?! お客様にはおすすめできない、現役FPの資産運用内訳

先進国株式比率70%?! お客様にはおすすめできない、現役FPの資産運用内訳

私はファイナンシャルプランナーとして、長期視点での資産運用について多くの方々にアドバイスを送ってきました。そしてわが家は夫婦ともに50代後半になりますが、自分自身の投資スタンスも長期積立が中心で、それは今も変わりません。

今までは60歳くらいまでの積み立てのことしか考えていませんでしたが、最近はいつからお金を取り崩すのかを考えています。今回は、私なりに人生100年を見据えた資産運用についてお伝えします。

わが家の現状

家族の状況

わが家はサラリーマンの夫とフリーランスの私、大学生と高校生の子ども2人の4人家族です。私たち夫婦はともに50代後半で、比較的遅くに子どもが生まれました。そのため、下の子が大学を卒業すると夫は60歳を超えることになります。

今後の人生設計

高校生と大学生の子どもがいると、毎月の家計を赤字にしないだけで精一杯というのが正直なところです。ですから、本格的な老後資金準備は下の子が独立してから一気に進めていこうと思っています。

上の子の大学入学で一気に資産を取り崩したときは、自分たちの年齢を考えて不安になりました。けれども寿命が延びたということは、働く期間も長くなったと考えています。最低でも公的年金の受け取れる65歳までは現役と考え、あとは健康状態ややる気と相談して仕事を続けるつもりです。

現在のポートフォリオ

現在のポートフォリオ

わが家は結婚当初から共働きのため、夫婦のお財布は別々でした。よって、夫の金融資産についてはよくわからないため、すべて私の分のみの話です。現在の資産の約70%を投資信託で保有しています。

投資信託は積み立て中心で、積み立てを始めてから15年くらい経ちました。NISAが始まる2014年までは、特定口座で投資信託の積み立てをし、2014年から5年間は一般NISAでの積み立て。NISAの買い付け終了後は再び特定口座で積み立てています。

投資信託の内訳

投資信託の内訳

その投資信託の中身ですが、ご覧のとおり先進国株式が70%とかなりのリスクテイカーです。

以前は、NISAでバランスファンドを買っていました。先進国株式以外の資産(REIT、債券、日本株)は、主にそのときに購入したファンドに含まれていたアセットクラス(資産)です。

積み立ての金額が少額ということもあり、現在は先進国株式100%の積み立てをしています。はっきり言ってお客様にはおすすめできない、教科書通りでないポートフォリオです。

私の運用のスタンス

ドルコスト平均法との出会い

私はファイナンシャルプランナーになる前から個別株の現物取引などをしていたため、リスクを取ることに慣れていました。

ただ、本格的な運用の知識があるわけではありませんでした。投信積立を始めるきっかけになったのが、あるセミナーで「ドルコスト平均法」を学んだことです。

「ドルコスト平均法」とは、価格が変動する金融商品を、一定の金額で、定期的に買い続ける運用のやり方です。投資信託の積み立てなどは、まさにドルコスト平均法を実践していることになります。

次の図は、ある金融商品を毎月1万円ずつ、10回に分けて購入した場合の値動きと、購入できる口数のグラフです。

ある金融商品を毎月1万円ずつ、10回に分けて購入した場合の値動きと、購入できる口数

この例では、当初1,000円だった価格が、2回目の購入時に一気に500円に下がり、その後も下がり続けた後、少しずつ上がっています。

仮にこの商品を当初の1,000円だったときに10万円で一括購入していれば、最後は5万円の評価額ということです。

ところが、次の表の評価額の10回目をご覧ください。

回数 価格 購入口数 累計口数
1 1,000 10 10
2 500 20 30
3 400 25 55
4 300 33 88
5 200 50 138
6 300 33 171
7 400 25 196
8 400 25 221
9 500 20 241
10 500 20 261
回数 評価額 投資金額
1 10,000 10,000
2 15,000 20,000
3 22,000 30,000
4 26,400 40,000
5 27,600 50,000
6 51,300 60,000
7 78,400 70,000
8 88,400 80,000
9 120,500 90,000
10 130,500 100,000

※価格・評価額・投資金額の単位は「円」

10回目の評価額は13万500円です。

値下がりしたにもかかわらず資産が増えた理由は、大きく値下がりしたときにたくさんの口数を買えているからです(グラフ参照)。表の途中経過を見ていただくと、6回目までは口数は増えたものの元本割れしています。

ドルコスト平均法では、値動きの激しい金融商品の値下がりを、バーゲンのように考えることができます。そのため、値上がり時でも値下がり時でも機械的に買い付けを続けるだけでよく、長期で運用すれば誰でも資産形成をすることができるのです。

投資対象は元本保証でない投資信託などのため、絶対安全とはいえませんが、運用のリスクを減らす効果的な方法の一つです。

私はドルコスト平均法を知って「これだ」と思い、投資信託の積み立てを始めました。

分散投資について

資産運用のリスクを減らす基本は「長期」「積立(時間分散)」「分散」といわれています。「長期」「積立」は今後も変わらず続けていこうと思っています。しかし、「分散」については最近、考えが変わりつつあります。

NISAを始めた当初は、上記の円グラフにある6資産に投資していました。配分は先進国株式が50%程度と、やはり一般的なセオリーよりは多かったのですが、債券は上の図の15%よりもっと比率が高かったのです。そして、基本的な資産配分を決めて、1年に1回くらいリバランスをしていました。リバランスとは、株式や債券などの資産の配分割合が、価格の変動によって崩れてしまった状態を元に戻すことです。

例えば、株式と債券の割合を1:1と決めていたとします。

株式:債券=1:1の場合

株式:債券=1:1の場合のリバランス株式も債券も10万円ずつ購入し、その後株式が値上がりして20万円になったとします。この場合、値上がりした株式を5万円分売却し、債券を5万円買い増しします。こうすることで、株式と債券の割合は元の1:1に戻ります。このようにリバランスをすることで、途中で株式が大暴落したときに資産の大幅な目減りを防ぐことができます。

金利低下で分散投資の効果が薄れる

各国政策金利
日本銀行「金融経済月報」より作成

ところが、ここ数年各国の債券の金利が軒並み下がり続け、今までと同じ考えで運用していくことに疑問を感じるようになりました。バランスファンドの運用成績も債券が足を引っ張っているように思います。そこで、新規の積み立てはあえて分散をせずに、先進国株式だけを購入するようにしました。

現在、私の運用におけるコアな資産は、先進国株式です。本当は100%先進国株式で運用したいくらいなのですが、それではブレーキのないクルマに乗っているようなものということで、70%にとどめています。現に株式は値動きが激しく、私もリーマンショックのときなどは資産を大きく減らす経験をしています。

長期の場合、一時的に資産が減ることも織り込んで私は運用していますが、それでも一定割合のローリスクな資産は入れておくべきだと思っています。

このやり方はとてもほかの方におすすめできるものではありません。けれども、外国債券の金利が下がったことは確かです。債券で運用するタイプの外貨建て商品は、当分は手を出さない方がいいと思います。

資産の取り崩しについて考える

積み立てを始めた当初は「老後資金の準備は60歳まで」のようなことを勝手にイメージしていました。しかし、現実に60歳が近づいてきた今、積み立て取り崩し60歳が節目にはならなそうです。公的年金の受け取りが65歳からなのに、それ以前に取り崩しを始めることは考えられません。65歳まではフルに働き、生活費は働いたお金で賄います。

65歳になって公的年金を受け取るようになっても、ペースは落としても仕事をして収入を得ようと思います。老後資金の取り崩しは、仕事の収入がゼロに近くなったら始める予定です。先のことはわかりませんが、幸い今のところ健康なので70歳まで取り崩しせずにいるのが目標です。

資産寿命を延ばす

老後資金の運用では、取り崩しの時期が近づくと、ハイリスクな運用をしていた人も安定的な運用に切り替えるべきといわれています。取り崩しの最中にリーマンショックのような大暴落が来て、大きな損失を被ることがあっては困るからです。しかし、これは資産をすべて安全資産の預貯金に逃がしなさいということではありません。

例えば、取り崩しの時期が近づいているので、ローリスクな運用商品(金利0.1%)で資金を保有しているとします。2,000万円を0.1%の金利で毎月7万円ずつ取り崩した場合、受け取れる期間は23年9カ月です。老後2,000万円問題で想定されている老後の年数は30年ですので、7万円も取り崩せないことがわかります。

これに対し、2.5%で運用できたとすると、毎月7万円を32年4カ月受け取れることになります。なんと、10年近く資産寿命が延びることになるのです。

2.5%程度の運用であれば、それほど無理なくできるので、多くの方に取り組んでいただきたいと思います。

「インデックスファンド」と「アクティブファンド」

投資信託には「インデックスファンド」と「アクティブファンド」という分類があります。

「インデックスファンド」とは、TOPIXなどの指数(ベンチマーク)に連動するように運用する投資信託です。「平均点を目指す」ファンドといわれています。

これに対し、「アクティブファンド」とは、運用の専門家(ファンドマネージャー)が独自のリサーチによって銘柄を選び、ベンチマークを上回ることを目指すファンドです。

実際の商品を比較した場合、インデックスファンドの成績を上回っているアクティブファンドは少ないのが現状です。その原因の一つに、アクティブファンドのコストが高いことがあります。コストが高く運用成績もインデックスファンドの方が優秀なら、インデックスファンドを買った方がいいと考えるのが自然です。

ところが、私は長期でインデックスファンドより成績の良いアクティブファンドを見つけて、運用しています。アクティブファンドは商品ごとの成績のばらつきが激しく、中には優秀な商品もあります。市場が上昇局面のときはコストの安いインデックスファンドが有利です。反対に下降局面では、インデックスファンドは市場全体とほぼ同じ値動きをします。優秀なファンドマネージャーのいるアクティブファンドなら優良銘柄を選んで投資してくれるため、利益を出せる可能性が高くなります。

しかし、私が長年運用しているファンドは信託報酬が年間2%近くかかります。元本が100万円なら5年で10万円もの信託報酬の負担です。コスト以上の運用成績を出さなければ運用益は出ないので、ここは考えどころだと思います。

また、優良なアクティブファンドを探すのも簡単ではありません。よって、一般的には投資信託の運用はインデックスファンドの方がおすすめです。

【関連リンク】
 資産を堅実に増やす“副業投資法”としての、インデックス投資

2021年以降の展望

2020年のコロナ禍で、3月4月くらいは急激に株価が下がるなどの影響がありました。その後の回復からのバブルともいえる上昇で、私の積み立ても絵に描いたような好成績で推移しています。

私は一応専門家ですし長年積み立てをしているので、いわゆる「コロナショック」時はチャンスとばかりにワクワクとした気持ちでいられました。今の株価の上昇は異常ともいえるので、どこかで値下がりするのではないかと考えています。

市場は値上がりと値下がりの繰り返しなので、短期的な値動きに一喜一憂せず、淡々と続けていきます。

今後取り入れたいこと

以前から運用が好きで、株式の現物取引、FXなども私は経験があります。今後、株式の現物取引を再開したいと思います。今は証券会社のサービスも進化していて、単位株未満の取引もできるためです。

また、何かオルタナティブ投資をしたいとも考えています。オルタナティブとは、株式や債券以外の投資対象のことです。以前は金がいいと思いましたが、今は仮想通貨に興味があります。私は仕組みが理解できないものには投資すべきではないと考えていますが、最近やっと仮想通貨の基本的なことが理解できて、将来性に魅力を感じるようになりました。仮想通貨も少額からの投資ができるので、実践しつつ覚えていきたいと思います。

チャートの見方がわかる方がよい

仮想通貨のチャートを見て思ったのですが、運用をするにあたって、できればチャートの見方の基本的なことが理解できた方がいいのではないでしょうか。

私はFXでチャートの見方をしっかりマスターしましたが、それが今でも役立っています。長期保有を前提としていても、売買のタイミングの判断に役立つ知識です。

インフレと低金利に対応するために長期で資産を育てる

以上、私の運用と運用方針や今後の計画についてお伝えしました。

比較的ハイリスクな運用ですが、将来のインフレリスクを想定すると、株式への投資は資産の目減りに対する「保険」のような役割もあると思います。積立投資は基本的に「ほったらかし」でいいやり方です。ただ、今は変化の激しい時代ですので、必要に応じて見直しをして資産を育てていきたいと考えています。

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※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

松田聡子 ファイナンシャルプランナー(CFP®)

群馬FP事務所代表。明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAを有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングで人生100年時代をマネーの面からサポート。 経営体質改善のヒント

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