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いくらあれば安心? 老後資金の目安を教えます

2020.10.09

いくらあれば安心? 老後資金の目安を教えます

この記事を書いた人 RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。
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金融庁による「老後資金2,000万円」の報告書や、「退職後30年を生きるのに、月30万円の生活費で1億円必要」などの声を耳にします。国税庁の調査によると、平成30年時点の日本の平均収入(給与)は441万円。日々の生活費に子どもの教育費、家や車のローンなどを支払う世代のうちどれだけの人が、数千万円〜1億円もの老後資金を貯められるのでしょうか。

本当にその金額が必要なのか、必要であれば実際に貯められる額なのか、貯めるとするならどのように行えばいいのか解説します。

国民の多くが老後資金に不安を抱いている

現在の日本の平均寿命は女性で87.45歳、男性で81.41歳(令和元年簡易生命表)。1960年の平均寿命が女性70.19歳、男性65.32歳だったことを考えると、それぞれ15歳以上も平均寿命を延ばし、驚くほど老後が長くなっていることがわかります。

ちょうどそのころに始まったのが、国民年金です(1961年)。それまで自営業者や農業従事者などを対象とした公的年金はなかったため、全国民が強制的に加入する「国民皆年金」として画期的なものでしたが、平均寿命が延びると共に年金に対する信用が揺らいでいます。

国民の多くが老後資金に不安を抱いている

現時点では、現在年金を納めている世代ももちろん年金が受け取れるとされていますが、年々受給年齢が引き上げられており、物価が上がっても年金は上がらないなど、年金制度の破綻が指摘されることも少なくありません。

内閣府が行っている国民生活に関する世論調査(18歳以上)によると、老後の生活設計に悩みや不安を感じている人は56.7%、今後の収入や資産の見通しについて悩みや不安を感じている人は42.1%にのぼります。

また、35.2%の人が、現在の収入や資産についても悩みや不安を感じているという結果になりました。老後はもちろん、目の前の生活にすでに不安を感じているという差し迫った現状がうかがえます。

老後はもちろん、目の前の生活にすでに不安を感じている

老後の生活設計と公的年金に関する世論調査では、何歳まで仕事(何歳に退職したい)をしたいか(したか)を問うた際の年齢は、ボリュームゾーンが61歳〜65歳の30.7%。次いで66歳〜70歳が21.5%という結果になりました。

その理由は「定年退職の年齢だから」という方が29.2%、「体力的・精神的に難しいから」という方が29.0%という結果になっています。「資産が十分にあるから」と答えた方の割合は、たったの0.5%でした。資産が十分ではないと認識しつつも、仕事をし続けられる年齢には限りがあると、多くの人が感じているのです。

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実際、老後はいくら蓄えが必要?

多くの方が不安を抱いている老後資金ですが、実際はいくらの蓄えが必要なのでしょうか。夫婦世帯、独身世帯それぞれで解説します。

老後はいくら蓄えが必要?

夫婦世帯の目安

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、老後に夫婦2人が生活するために必要だと考えられている最低日常生活費は、平均額で月22.1万円。しかし、これはあくまで最低限の金額です。

ゆとりある暮らしをするために必要と考えられている金額の平均は月14.0万円。ゆとりのある暮らしをするなら、その合算値である36.1万円が必要という計算になります。

なお年金の受給額例は、国民年金※1が月65,141円、厚生年金※2が月220,724円となっています。

※1 満額の老齢基礎年金
※2 平均的な収入43.9万円で40年間就業した場合の、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額

老後資金(夫婦世帯の目安)

独身世帯の目安

総務省統計局の家計調査報告によると、高齢単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)の1カ月あたりの消費支出は平均139,739円でした。それに対する可処分所得は112,649円で、毎月の不足分は27,090円となります。ゆとりある生活を望むならば、夫婦世帯と同様、さらに不足分は増えるでしょう。

夫婦二人でゆとりある人生を送るための月14万円、単身でゆとりある生活を望むためにも3万円以上を確保するためにどうやって資産をつくっていけばいいか。厚生年金の支払いがあったかどうか、厚生年金加入者の遺族年金受給者に該当するかどうかなどで受給額は変わりますが、仮に国民年金だけの支払いであった場合、圧倒的に老後資金が足りないことがわかります。

老後資金を貯めるための方法は?

では改めて、私たちは老後どのような収入が見込めるでしょうか。まず収入のうち大きな割合を占めるのが、ある年齢に達したら受け取れる保険である年金です(老齢年金)。国が定めた制度で、国民年金など公的に用意されたものと、iDeCOなど私的な年金の2つに分けられます。

老後資金を貯めるための方法は?

公的年金

公的年金は、次の2つに分類されます。

国民年金

20歳以上の方が加入が義務付けられている年金制度です。学生か無職かを問わず20歳以上であれば必ず加入しなければならず、保険料は定額制となっています。

ただし、学生の場合は学生納付特例、若年層には納付猶予制度という納付期限を延ばせる制度、所得の低い方には保険料免除制度という制度があり、手続きを行うことでそれぞれ利用できます。

厚生年金

厚生年金は企業に勤めている人が対象となる年金制度です。こちらも、法人事業所や一部の業態を除いた常時5人以上の従業員を抱える個人事業所であれば、加入が義務付けられています。

平成27年10月1日に施行された「被用者年金一元化法」によって、公務員や私学教職員が加入していた共済年金は厚生年金に統一されています。

私的年金

加入は義務付けられておらず、個人が任意で加入できる年金です。確定給付型確定拠出型の2種類に大きく分けられます。あらかじめ給付額が定められている確定給付型と、拠出した掛金とその運用収益との合計額をもとに給付額が決まる確定拠出型があります。

確定給付型

・確定給付企業年金

加入した期間などに基づいて、将来の給付額があらかじめ決まっている年金制度です。DB(Defined Benefit Plan)ともよばれます。次の2種類があります。

規約型確定給付企業年金 企業が選定した保険会社や信託銀行に運用を一任し、企業が運用リスクを負い、万が一給付額に満たなかった場合は補填します。
基金型確定給付企業年金 企業が実施主体となります。企業の母体とは別の法人格を持った企業年金基金を設立して、資金の管理および運用をし、年金給付を行います。
・国民年金基金

自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者が加入できます。掛金の全額が社会保険料控除の対象となったり、将来受け取る年金が公的年金等控除の対象となるなど、税制上優遇されています。

確定拠出型

毎月決まった掛金を設定して、自ら運用をする年金です。DC(Defined Contribution Plan)ともよばれます。将来受け取る年金額は、運用結果次第のため定まっていません。個人で加入するものと企業が福利厚生の一環で用意するものがあります。

・iDeCo(イデコ)

iDeCo

個人型確定拠出年金、個人型DCともよばれます。国民年金基金連合会に申請することで、20歳〜60歳未満の国民の多くが加入できます。掛金は毎月5,000円から1,000円単位で設定可能で、投資信託や定期預金などから商品を選んで運用します。受け取り(受給)は、加入期間10年以上で60歳から受け取れます。

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・企業型確定拠出年金(企業型DC)

掛金を企業が拠出し、従業員が運用を行う年金です。拠出限度額の枠内かつ事業主の掛金を超えない範囲で、加入者自らも拠出することもできます(マッチング拠出を採用している企業の場合)。

年金以外の老後資金を貯める方法

老後の収入の大きな部分を占める年金のほかには、どのような選択肢があるでしょうか。

すぐに思い浮かぶのは預貯金でしょう。金利はほぼゼロですが口座から引き出してすぐに利用できるお金として、将来にわたっても蓄えておく欠かせないものです。

もうひとつの方法が投資です。私的年金の運用手段のひとつにもなっている投資ですが、iDeCoではすべての投資を扱っているわけではありません。株式投資やFXなどのハイリスク・ハイリターンの商品や、金(ゴールド)、現物の建物などに投資する不動産投資などのミドルリスク・ミドルリターンの商品などもあります。

【関連リンク】
投資初心者のための基礎知識〜株式投資、投資信託、ETF、FX、不動産投資、iDeCo〜

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投資の基本方針は、「長期・分散・積立」といわれています。税制面で優遇措置のあるNISAやつみたてNISAも活用できますし、分散の方法として、iDeCoやNISAには含まれていない商品への投資も選択肢のひとつとなります。

以下からダウンロードできる「図解で分かる!老後のためのあんしん投資 ガイドブック」でも基本的な知識をわかりやすく解説しています。こちらもぜひご覧になってみてください。

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まとめ

老後資金は、どのような暮らしをしたいかによって必要な額が異なります。まずは自分の現在の支出を確認するところから始めて、将来の支出予想を立てましょう。受け取れる公的年金の種類や額を確認することで、実際にいくらプラスアルファで必要かが試算できるでしょう。

暮らし方によって、年金だけでなんとかなりそうと不安が払拭される人もいれば、年金以外の方法を検討する必要がある人もいるでしょう。自分が貯めるべき額を把握したうえで、将来に備えましょう。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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