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2021.03.19 / 2021.05.21 更新日

新型コロナで家賃はどうなった? 不動産賃貸市場の動向レポートPART2

新型コロナで家賃はどうなった? 不動産賃貸市場の動向レポートPART2

2020年は新型コロナウイルスが猛威をふるい、それを受けて一時は株式やREITの相場が大きく下落したりと、日本経済は荒れていました。

そして居住用マンションでは2020年1月と4月を比較すると、間取り区分ごとに1.8%〜5.1%程度の家賃下落があったことを前回の記事でお伝えしました。

その後、不動産投資(マンション投資)の収益源である「居住用マンションの家賃相場」はどのように動いていたのでしょうか。

RENOSYを運営している株式会社GA technologiesには研究開発の部署(AI Strategy Center)があり、AIエンジニアやデータサイエンティストが不動産のデータを日々分析しております。そこで、今回の記事では同部署に所属する三田が2021年1月末までの不動産賃貸市場の動向を簡単にご紹介します。

コロナ禍の家賃動向は?

以下のグラフは2020年1月から2021年1月までの家賃のデータを月ごと・間取り区分ごとに平均をとったものです。

東京23区のマンションにおける家賃の平均値の推移
「リアナビ:不動産市況」をもとに筆者作成

「2LDK~3DK」は2020年1月から11月まで上下しながら横ばいに推移し、12月以降に上昇していました。「1DK~2DK」は8月まで横ばいに推移し、9月から11月までは緩やかに下落し、11月に底をついて12月以降は上昇していきました。「1R・1K」は3月から11月まで緩やかに下落していき、12月以降は上昇していきました。

2020年における下落の幅の最大値は「2LDK~3DK」では約9,000円(1月と5月の差)、「1DK~2DK」は約7,000円(1月と11月の差)、「1R・1K」は約4,000円(3月と11月の差)でした。いずれの間取り区分でも5%程度の下落でした。

しかし、2021年1月にはすべての間取り区分において2020年1月と同程度かそれ以上の値になっています。

もう少し長期の様子を示したものが次のグラフです。これは前掲のグラフと同様に1カ月ごとに平均値をとったもので、期間を2017年1月から2021年1月までに広げたものになります。

東京23区のマンションにおける家賃の平均値の推移
「リアナビ:不動産市況」をもとに筆者作成
※2017年12月および2019年2月のデータは取得に不備があったため表示を省略しております。

こちらを見てみると、2017年頃から上昇トレンドがあり、2019年ごろにピークを迎え、2020年に緩やかな下落があり、2020年12月ごろから再び上昇しはじめた形になります。この先、ここ数年の上昇トレンドにまた戻るのか、それとも上昇が鈍化あるいは下落していくのか、今後も目が離せない状況です。

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不動産投資信託(REIT)との比較

ここまで見てきた家賃は不動産投資(マンション投資)に関するものでしたが、不動産投資信託(以下、REIT)という別のタイプの不動産投資も存在しますので、そちらも見てみましょう。

REITは多数の投資家から資金を集めた投資法人が複数の不動産(オフィスビルや商業施設、物流施設、住居用のマンションなど)に投資する金融商品で、株式投資や投資信託のような性質をもっています。1口数万円~数十万円と比較的少額で購入することができ、気軽に始めやすいのが特徴です。

株価指数ヒストリカルグラフ -東証REIT住宅指数- 週足チャート引用:株価指数ヒストリカルグラフ -東証REIT住宅指数- 週足チャート | 日本取引所グループ

上のグラフは2020年1月1日から2021年1月31日までの週次の東証REIT住宅指数(住宅のREITに絞って構成された指数)です。

こちらは2020年2月に約3,400あったものが3月に約1,900へと約44%下落しており、一時3,000を超えるまで回復したものの再び下落し、2021年1月末時点では2,800付近で推移しています。

2020年のREITは大きく荒れた相場になっていました。REITは気軽に売買ができる反面、変動が激しいようです。それに比べると家賃は変動が小さいため、一口に「不動産投資」と言ってもREITと実際のマンションの家賃では変動の仕方が大きく異なり、投資として別物であることがわかります。

過去の経済ショックと比較

経済的なショックが発生した場合であっても家賃が比較的安定して推移するケースは過去にも見られます。以下のグラフは東京圏の家賃の平均値を間取り別に表したもので、図中の灰色の破線はリーマンショックが発生した2008年9月を表しています。

東京圏の平均家賃の推移
不動産流通推進センター「不動産業統計集」をもとに筆者作成

この統計は半年ごとの調査である点に注意が必要なのですが、リーマンショックが起きた時であっても少なくとも約半年後にはショック発生前と同程度の値になっており、大きな下落は見られなかったことがわかります。

なぜ家賃はこれほど安定しているのでしょうか。

その一つの理由として、家賃が決定される構造が考えられます。まず、家賃が見直されるのは契約更新の時であり、契約期間は多くの場合2年間であるため、退去されない限り家賃の変化は基本的に2年ごとにしか発生しません。

また、家賃の査定を行う際は、査定対象と類似した物件の「過去の家賃」を参考にすることが多いため、査定額の短期的な変動が起きにくいという特徴があります。

2020年も新型コロナウイルスによる経済的ショックがありましたが、家賃はそれほど大きく変動することはありませんでした。過去にも経済的なショックに対する安定性が観測されていたことを鑑みると、2020年の家賃の推移も偶然というよりは、家賃の性質が作用して今回のような結果になったのだと考えることができそうです。

まとめ

2020年以降の経済は新型コロナウイルスによって大きな打撃を受け、REITも大きく変動するような状況になっていました。しかし、東京23区のマンションの家賃は短期的に大きく下落するようなことはなく、緩やかに下落したあとに元の水準に回復して上昇していました。

投資という観点では、実際にマンションを保有する不動産投資は家賃が主な収益源であるため、荒れた経済状況においても比較的安定していた家賃の性質を活用することができます。

ほかの多くの金融資産とは異なる値動きをすると思われますので、ポートフォリオに組み入れる資産の選択肢の一つとして考えてみるのもよいかもしれません。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

三田匡能

2019年4月に株式会社GA technologiesへ新卒入社。AI Strategy Center所属。データサイエンティストとして中古マンション価格予測AIの研究と開発に従事。

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