不動産やお金の疑問をわかりやすく解決 RENOSY マガジン
  1. RENOSY マガジン
  2. 投資する
  3. 不動産投資の経費どこまで落とせる? 計上できる経費とNGまとめ
投資する

不動産投資の経費どこまで落とせる? 計上できる経費とNGまとめ

2020.09.11 更新日 2020.09.14

不動産投資の経費どこまで落とせる? 計上できる経費とNGまとめ

この記事を書いた人 RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。
もっと読む
取材協力:
税理士法人 スバル合同会計

不動産投資では、建物の管理や退去者が出たあとの入居者募集の広告など、さまざまな費用が発生します。こういった費用は不動産事業上の経費として計上しますが、「そもそもどこまで経費にできるかわからない」といった悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。

不動産投資ではどのような項目を経費として申告できるのでしょうか。経費にできるかどうかの考え方と、具体的な項目を整理していきます。

不動産投資における経費の考え方

どこまでを経費にできるかは、それを判断するための基準が存在します。不動産投資ではどのように判断すれば良いのか見ていきましょう。

【関連リンク】
不動産投資で脱サラに成功するコツと注意点まとめ

家賃収入を得るために必要なものが経費となる

不動産投資で経費として計上できるのは、家賃収入を得るために支払った、不動産投資事業に関連する費用のみです。逆にいうと、家賃収入のための費用であれば、経費に計上でます。

たとえば、プライベートの旅行にかかった費用は単なる個人の支出です。しかし、旅費が物件の下見や契約のためにかかったものであれば、全額とまではいかなくとも、往復のための旅費と滞在日数のうち実際に物件の下見や契約等に要した日数については経費として落とすことができるでしょう。経費にできるかどうかは、お金を使った内容より「事業のための出費かどうか」を基準に判断するとわかりやすいでしょう。

オフィスと自宅が兼用の建物で過ごす個人事業主の場合など、事業とプライベートの境目についての考え方は後述します。

不動産投資で経費を計上する効果

個人事業主の経営を考える際に、しばしば話題となる経費ですが、そもそも何のために計上するものなのかご存知でしょうか。

不動産投資で得た所得に対しては所得税が課税されます。課税対象となるのは、収入そのものではなく、収入から経費を引いた残りの金額(所得)に対してです。

そのため事業にかかった費用を全く経費計上しないのと、くまなく経費に計上するのでは、所得金額が変わります。納める税金に関わってくるため、経費の計上は注目されるポイントとなるのです。

不動産投資の経費が節税と絡めて議論されるのは、このような税金の計算方法が存在するためです。

【関連リンク】
不動産投資が節税対策と言われる仕組みと注意点【税理士取材】

仕事とプライベート両方で使うものは家事按分が可能

支払った費用の中には、事業用とプライベート用の両方の側面を持つ項目もあるでしょう。これを家事関連費といいます。たとえば、住居とオフィスを兼ねてほぼ24時間過ごしている家の家賃や電気代などについてです。こういった場合、「経費として申告できるかわからない」という方もいるかもしれません。事業にもプライベートにも該当する支出の計上では按分を行います。

按分とは、ひとつの費用に対して事業用とプライベート用の割合を決め、事業用の分だけ経費に計上する方法です。車のガソリン代を計上する場合であれば、たとえば4割を事業で使用した分と定め、ガソリン代の4割だけを経費にするイメージです。

費用を按分する際は、使用した時間や頻度など、合理的な理由から適切な割合を考えます。万が一税務調査が入ってもきちんと説明できるようにしておきましょう。

家事費は全額算入不可、家事関連費は業務に私用する割合を按分して算入、事業経費は全額経費算入できます。判例を含め詳しくは「不動産に関わる所得税の理解を深めよう! 家事費・家事関連費・事業経費」を参考にしてください。

不動産投資で計上できる経費

では、具体的に不動産投資で経費にできる代表的な項目を見ていきましょう

事業用の不動産投資ローンの利息

不動産の取得にローンを利用した場合、返済金額のうち利息は経費にできます。

建物の管理費

居住スペースの設備の保守管理や共用設備の清掃などにかかった費用は、その分を経費にできます。

管理委託料

マンションやアパートの賃貸管理を管理会社に頼んでいるのであれば、管理委託料も経費のひとつです。

【関連リンク】
【ワンルームマンション投資】賃貸管理会社の選び方

入居者募集にかかる費用

賃貸経営で入居者を募集するときにかかる費用は経費として計上できます。不動産会社に支払う手数料や不動産広告の掲載料などが代表的です。

建物および部屋の修繕費

建物の修繕にかかる費用、修繕積立金も経費になります。また壁紙を張り替えたりといった部屋の修繕費も経費となります。

なお、最新型の給湯器への変更や非常用階段の取り付けなど、建物の資産価値を高める支出の場合、修繕費ではなく資本的支出と判断されれば耐用年数を計算した上で減価償却が必要です。この場合は修繕費として一括での処理はできません。修繕費として経費にできるのは「原状回復のための支出」「かかった費用が60万円未満」などの基準があります。詳しくは国税庁のページをご覧ください。

旅費や交通費

不動産投資に関連して、遠方にある物件の下見や調査、価格交渉のために交通費や宿泊費を支払った場合も経費に計上可能です。このとき発生した新幹線代・ガソリン代・宿泊費などは経費にできます。

司法書士や税理士の報酬

不動産の名義変更や確定申告の代行を専門家に依頼し報酬を支払った場合、この費用も経費として計上できます。

自動車にかかる費用

不動産投資事業で車を使うのであれば、購入や維持管理の費用を経費にできます。車本体の購入費やガソリン代、自動車保険料などが代表的です。

建物の減価償却費

建物の減価償却費も経費に計上できます。減価償却とは、建物の取得費用を耐用年数で割り、その金額を毎年経費に計上することです。実際の出費がない場合でも経費に計上できます。減価償却費が多く結果所得が少なくなるという文脈で「節税」という言葉で語られることもあります。

なお、建物の耐用年数は構造によって以下のように異なります。計算する際は留意しておきましょう。

【構造別物件の法定耐用年数】
 新築、住宅用

  • 木造の建物:22年
  • 鉄骨造の建物:構造材料により19年、27年、34年
  • RC造の建物:47年

建物にかかる保険料

火災保険や地震保険など、建物にかかる保険料も経費にできる費用のひとつです。

不動産投資にかかる税金

不動産投資に関連するさまざまな税金も経費にできます。

【不動産投資で支払う税金(一部)】

ただし、事業と直接関係のない個人の住民税などは経費に計上できません。

通信費

事業で使用しているインターネット代やスマホ代が発生していれば、そちらも経費に計上できます。プライベートと回線が共通している場合、使用時間などで割合を定め按分します。

交際費

交際費とされるのは、接待、供応、慰安、贈答その他これらに類するもの、と意義が定められており、事業の関係者との会食や接待にかかった費用は交際費として計上できます。不動産投資の場合、土地の取引相手や不動産会社の担当者との会食や慶弔費などが該当します。

間違えやすい! 経費にならないもの

経費にできる金額は非常に幅広く、一見するとどんな内容でも計上できると錯覚する場合があるかもしれません。しかし、費用の目的や発生理由によっては経費として認められないこともあります。具体例を見てみましょう。

スーツや時計などのファッションアイテム

仕事用のスーツや腕時計などは経費として認められないという見解が一般的です。不動産投資では取引相手とスーツを着て会うことは普通なので、経費として認められてもよさそうなものです。しかし、プライベートでも使用できることから、服やカバン、装飾品などは経費にできないと判断されています。

自分への福利厚生費

従業員がいない個人事業主は、福利厚生費の計上は認められていません。というのも、基本的に福利厚生費は従業員のための支出だからです。自分用の旅行費用や個人的なフィットネスジムの会費などは単なる個人消費と判断されるため、事業の経費にはできません。

プライベートでの飲食費

個人事業主の経費として誤解されやすいのが飲食費です。「個人事業主=外食費は経費にできる」と勘違いされることもありますが、経費にできるのはあくまで事業に関連した食事の場合のみ。事業相手との会食や打ち合わせは経費になりますが、プライベートでの食事代は認められません。

まとめ

発生した費用が経費にできるかどうか判断に迷うことがあるかもしれません。計上できるかどうかは「事業に必要な支出だったかどうか」を基準に考えてみてください。それでも判断できない場合は、税金の申告前に税理士に相談してみることをおすすめします。

取材協力

税理士法人スバル合同会計

税理士法人

スバル合同会計

【関連リンク】
不動産投資ローンを組むときに必要な年収と、最大の融資額はいくら?

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

facebook twitter