お金のプロが選ぶ、おすすめの投資信託はズバリこの3本!
資産を増やす上で重要な位置を占める投資信託。今回は、お金のプロ、マネーコンサルタントを長年務める立場から、本当におすすめの投資信託商品をご紹介します。
CONTENTS目次
投資信託は重要な投資資産
私たちのまわりには、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(積立NISA)といった、長期の資産形成をサポートする優遇制度がありますが、これらの制度に共通しているのは、投資商品の選択が「投資信託」だという点です。
「毎月5万円からはじめる資産運用。おすすめの資産配分とは?」の記事でも紹介しましたが、投資信託はコアサテライト戦略のコア資産に当たる重要な投資資産です。
ところが、この投資信託は個人で購入できるもので約6,000本あります。そして、その6,000本のほとんどが、じつは「売る側にとって都合のよい金融商品」だということをご存じでしょうか?
つまり、私たちにとっては損をしかねない商品ばかりということです。正しいマネー知識がなければ、本当に儲かる商品を選ぶのは至難のワザなのです。
今回は、投資信託を選ぶ5つの基準+αと、おすすめ投資信託を3本ご紹介します。
・投資信託とは? 基本的な仕組みや初心者が気をつけるべきリスクとは?
・iDeCo(イデコ)とは? 基本的な特徴と6つのメリット、事前に知っておきたい注意点
・楽天証券で人気の投資信託商品を解説! ネット証券はなぜ好調?
本当に儲かる商品を選ぶ「5つの基準+α」
売る側にとって都合のよい金融商品でなく、損をしない商品を選ぶための基準をご紹介します。
基準1:指標は広く投資するものがいい
指標でよく目や耳にするのは、日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)。
日経平均株価は東証1部の225銘柄の値動きをもとに算出していますが、TOPIXは東証1部の全銘柄、2,000銘柄以上の値動きをもとに算出しています。
どちらを選ぶべきかですが、TOPIXの方がより広く、市場全体に投資するもののほうが市場の姿を反映しますし、分散効果も高まると考えられます。
基準2:購入時手数料なし・信託報酬は安いほどいい
投資信託で注意しないといけない手数料は、買うときにかかる購入時手数料(販売手数料)、持っている間にかかる信託報酬の2つです。
販売手数料は無料のものがいいですし、信託報酬は持っている間ずっとかかるわけですから当然低いほうがいいのです。
投資期間が長くなればなるほど、少しの差でもやがて大きな差になっていきます。ですから、できるだけ安いものを選びたいところです。
基準3:インデックス型・バランス型なら純資産総額は大きいほうがいい
純資産総額は、投資信託が組み入れている株式や債券などの資産の合計金額(時価総額)です。
一般的に、投資をする人(ファンドマネージャー)の考える運用をきちんと実現するには、純資産総額はある程度大きくなければならないといわれています。
インデックス型・バランス型なら、純資産総額は大きいほうがいいでしょう。アクティブ型の場合は、純資産総額は大きければいいわけではなく、適切なサイズであるかがポイントです。例えば中小型の株式が投資対象であるアクティブ型ならば、純資産総額は200億円〜500億円が適正サイズと言えます。
とはいえ、どの投資信託にも共通しますが、純資産総額があまりにも低いままだと、途中で運用を中止する「繰上償還」が行われてしまう可能性もあります。
基準4:運用成績は中長期で順調に伸びているものがいい
投資信託の値段を表すのが「基準価額」です。これが純資産総額とともに、順調に右肩あがりになっている投資信託をチェックしましょう。
運用成績が伸びれば純粋に利益も増えますし、資産の流入が多くなって投資信託の規模が大きくなれば、投資信託はさらに運用をしやすくなって利益を出しやすくなる……という好循環が生まれます。
投資信託は、短期で運用益を目指すものではありませんので、運用成績は5年、10年と中長期で堅調な成績を出している投資信託を選びましょう。
基準5: インデックス型を選ぶ際、トラッキングエラーは小さいほどいい
トラッキングエラーは、ベンチマークと投資信託の値動きの差を数値で表したものです。
この数字が小さいほど、ベンチマークとする指標と連動している、ということを表します。インデックス型の投資信託はそもそもベンチマークとの連動が目標なので、小さいほどいいということになります。
基準α:ネット証券で取り扱いのある投資信託かどうか
5つの条件をクリアする商品は、さまざまな証券会社で取り扱いがあります。商品自体は全く同じですので、最後はどこで買うのかという金融機関選びになります。
筆者としては、有益なサービスを提供するネット証券で取り扱いがあるのかを大切にすべきと考えます。
例えば、楽天証券であれば、楽天カードでの積立も可能でポイントを貯めながら投資ができ、また貯まったポイントを投資に回すこともできます。
日本経済新聞や日経速報ニュースなどが閲覧できる「日経テレコン」や「会社四季報」などを無料で見ることができるのも、メリットの一つでしょう。
SBI証券では、「投信マイレージサービス」が利用できます。これは、SBI証券での投資信託の月間平均保有金額に応じてTポイントを貯めることができるサービスです。
また、楽天証券と同様、会社四季報が無料で読めます。
有利に投資活動を続けるなら、ネット証券がおすすめです。
お金のプロが買うならこの3本!
以上を踏まえて、買うべきおすすめ投資信託を選びました。なお、以下金額・手数料率などはすべて2020年5月22日時点のものです。
【先進国株式型】eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
基準価額:11,598円
信託報酬(税込):年0.1023%
MSCIコクサイ・インデックスという、日本を除く22カ国の株式の値動きで算出される指標と連動する投資信託です。
米国株が約6割なので、米国の動向に影響を受けやすいのが特徴です。純資産総額も順調に成長しています。信託報酬は同種ファンドで最低水準です。「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド」と謳っており、実際に他に安いものが出てきたときは、積極的に引き下げをしてきたファンドです。
【全世界株式型】楽天・全世界株式インデックス・ファンド
基準価額:9,881円
信託報酬(税込):年0.212%
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという指標と連動する投資信託。日本を含む世界の大中小型株約7800銘柄をこれ1本でカバーできるようになっていますので、分散投資の効率性は高いでしょう。組み入れている銘柄は米国が50%と先進国株が中心です。それでいて信託報酬も低水準です。
【バランス型】eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
基準価額:10,245円
信託報酬(税込):年0.154%
国内・先進国・新興国の株式と債券、国内外の不動産(リート)に均等に投資する「バランス型」と呼ばれる投資信託。1本で8つの資産にまとめて投資できる手軽さ、わかりやすさからか、資産も堅調に増加しています。多くの金融機関で取り扱われていて、iDeCoやつみたてNISAでも選べるので重宝できます。信託報酬が圧倒的に低いのも選定理由の一つです。
番外編:「野村スリーゼロ先進国株式投信」は買うべきか
野村證券から2020年3月16日に、購入時手数料ゼロ、信託報酬がゼロ、信託財産留保額がゼロと3つの手数料がゼロとなる「野村スリーゼロ先進国株式投信」が登場しました。
信託報酬は問答無用で最安です。ベンチマークはMSCIコクサイで、日本を除く先進国株式に投資するファンドです。
投資信託選びの基準で「手数料が低いもの」を入れておりますので、この基準を最優先するならば、この投資信託は買うべきでしょう。
ただ、私は今回の3本には入れませんでした。その理由は2つあります。
一つは、野村證券で購入する必要がある点です。野村證券のオンラインサービスからの申し込み限定となるため、野村證券に口座を開く必要があります。つまり、他の証券会社では購入できません。
株式手数料などの手数料面やUI・UXでは、ネット専属でやってきたネット証券に軍配が上がります。日経新聞や四季報などが無料で閲覧できる投資家特典がある点も、ネット証券の方が有利でしょう。
商品に投資するという機能だけでなく、サービス全体を含めて評価される時代の中で、信託報酬が安い商品が投資できるというメリットだけではなかなか厳しい状況です。
二つ目は、当ファンドの純資産残高が増えていない点です。5月22日時点で0.22億円とあり、投資資金が集まっていません。すでに2ヶ月経っている中、厳しい状況と言えるでしょう。
手数料をゼロにしている以上、この商品をいくら売っても野村證券は儲かりません。野村證券で口座を開いてもらう狙いがあるからこの商品を販売するわけなので、他の証券会社で今後取扱いする可能性は低いでしょう。
となると、今後大きく純資産残高が増えていくというイメージはつきづらいのではないでしょうか。純資産総額があまりにも低いままだと、効率的な分散投資が難しい上、途中で運用を中止する「繰上償還」が行われてしまう可能性もあります。
さて、野村スリーゼロ先進国株式投信には注意点があります。
それは、信託報酬0%は2030年12月31日までの限定措置であるという点です。その後の信託報酬は0.1%以内となる予定です。
まとめ
おすすめ投資商品と選ぶ基準をお伝えしましたが、今回ご紹介した商品は必ず値上がりすることを約束するものではありません。投資のご判断は皆様自身でお願いいたします。
値上がりも値下がりすることもある投資信託のもっとも賢い買い方は、長期積立で購入して、淡々と続けることです。
今回紹介した商品選びのポイント・おすすめ商品を参考にしていただき、資産形成に取り組んでいただければ幸いです。
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