中古マンションのリフォーム・リノベ費用。ざっくり「どれくらいが相場か」知りたい
中古マンションを購入するときは「リフォーム費用も含めて資金計画を立てるべき」とよくいわれます。もちろん、リフォーム費用はケース・バイ・ケースですが、築年数ごとの大まかな傾向もあるのです。これを知っておくことで、どれくらいの築年数のマンションを選ぶといいかの判断材料にもなるでしょう。
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築年数ごとのリフォーム費用の傾向は?
早速ですが、築年数ごとのリフォーム費用を見ていきましょう。一般社団法人不動産流通経営協会が行った「第18回不動産流通業に関する消費者動向調査」によると、2013年度の築年数別のリフォーム費用は次の通りです。
- 「築5年以内の物件」100万円未満が63.2%を占める
築5年以内はリフォーム費用があまりかからない傾向ですが、物件価格の高い時期です。リフォーム費用「50万円未満」「50万~100万円未満」を合わせると63.2%を占めています。この段階では全体的に傷みが少なく住宅設備もそのまま使えるため、費用がそれほどかからない可能性が高いでしょう。「実際に住んでみたら使い勝手が悪かった」というような特殊な理由がなければ、大規模リフォームに発展することはまれです。
- 「築5~10年以内の物件」100万円未満が52.3%に減る
物件によっては、住宅設備の入れ替えなどが必要な時期です。このあたりからリフォーム費用が徐々にかかるようになってきます。リフォーム費用「50万円未満」「50万~100万円未満」を合わせると52.3%で、築5年以内と比較すると10.9ポイント減っています。その代わり、「100万~500万円未満」が40%と増加傾向です。
- 「10~15年以内の物件」300万~1,000万円未満が徐々に増える
物件によっては、まとまったリフォーム費用を視野に入れたマンション購入が必要な時期です。築5~10年以内では、7.7%だったリフォーム費用「300万~1,000万円未満」が21.4%を占めるようになっています。
- 「20年超の物件」300万円以上が39%になる
まとまったリフォーム費用を見込んだ資金計画を立ててマンション購入をする時期です。リフォームに「300万~1,000万円未満」をかける層が31.7%、「1,000万円以上」の人たちも7.3%います。ただし、これくらいの築年数の物件は、直近でリフォーム済みの場合もあるでしょう。「ほとんどリフォームをしていない」「リフォーム済み物件」といった状態で費用に大きな差が出ます。
なぜ、リフォームには費用がかかるのか?
上記のデータから単純に「築年数が経つほどリフォーム費用がかかる」ということがよく分かります。費用がかかる理由として、あちこちに傷みが出てきたことも原因ですが、キッチンカウンターやユニットバスを丸ごと入れ替えるような大がかりな施工も一因でしょう。まだ使えるアイテムでも、トレンドや機能が大きく変わったことによるアイテムの入れ替えも考えられます。
例えば、ガスレンジひとつとっても、最新のものと20年前のものでは安全性能が雲泥の差です。照明のデザインや壁紙のカラーや質感もひと昔前のものとは変わっているため、きれいな状態でも取り替えの必要があるかもしれません。
内見時のチェックポイント
大事なことは、中古マンションの内見時に「どのアイテムの交換が必要か」をこまめにチェックすることです。主にチェックが必要な箇所は以下となります。
- 床材
- 冷暖房設備
- 給湯器
- キッチン(ガスコンロ、カウンター、シンク等)
- ユニットバス
- 収納・洗面台
- トイレ
- 間取りそのものの変更
これらをチェックしたうえで不動産会社、設計会社、リフォーム会社などに見積もり依頼を出せば、リフォーム費用の概算はすぐに出せるでしょう。その費用が予想よりも多い場合、購入時は必要最低限のリフォームを行い、入居後、余力に合わせて少しずつ手を加えていくこともおすすめです。
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