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作成日: 2021.01.27

【不動産投資】マネーコンサルタント頼藤太希が実践するエリア・物件の選び方

【不動産投資】マネーコンサルタント頼藤太希が実践するエリア・物件の選び方

人生100年時代といわれる中、家賃収入で将来の年金の足しにしたいと注目を集めている不動産投資。実は筆者も都内の中古ワンルーム物件を中心に投資をしている不動産オーナーです。

不動産投資で成功するための大きな要因は、「エリア・物件選び」といわれていますが、今回は、筆者が実際に不動産投資を行ううえで重視している物件やエリア選定におけるポイントをお話します。

不動産投資なら、「東京」

不動産投資は、株式やFXとは違い、基本的に長期で投資をしていくものです。ですから、投資用物件を購入する場合、長期的に借り手がつき、安定的に家賃収入が入ってくることがとても大切です。その際、重要になってくるのが「エリア」です。

そもそも投資用物件を購入するのであれば、賃貸や売買のニーズがあるエリアでなければ意味がありません。現在、日本では、少子高齢化が加速しており、2050年には、日本の総人口の約半数が高齢者になるといわれています。

ニュースなどで家が余る「空き家問題」が話題になっていますが、この傾向はますます顕著になっていきそうです。

とはいえ、全国で一律に人口が減っているのかというと、そうではありません。現在は、新型コロナウイルスの影響もあり以前ほどの勢いはありませんが、人口が増えている都市があります。それが「東京」です。

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人口減少が続く中、唯一賃貸ニーズが旺盛なエリア

総務局統計部人口統計課の調査を見ると、平成30年の東京の人口は1,385万人でしたが、平成31年には、10万人以上も増え、1,395万人となっています。

令和2年は、新型コロナウイルスの影響があり1万人増の1,396万人でしたが、それでも人口は増え続けています。なかでも単独世帯数は増え続けており、単独世帯数が占める割合も増加しています。

安定して長期的に賃貸需要があることを考えると、人口密度が高いということは大きなポイントになります。東京は世界の経済の中心地。人、モノ、情報、おカネが世界中から集中します。

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新型コロナウイルス収束後は、周辺地域からの東京への流入が加速し、周辺地域は、人口の流出と高齢化により、街の中心部しか機能しないようになるといわれています。とはいえ、今後の経済、社会状況がどのように変化し、それに伴って40年後、50年後はどうなっているのかはわかりませんが、少なくとも2025年までは東京都の人口は増加すると予測されています。

一般的には、春や秋など、入学や入社、転勤などのシーズンに合わせて賃貸需要は旺盛になる傾向にありますが、東京に限ってみると、コロナ禍の前までは年間を通して賃貸需要がありました。通常通りになれば、空室リスクを回避できる可能性は高くなるでしょう。

当たり前のことですが、不動産投資をするうえでは、長期間にわたって安定的に「借り手がつくか」、そして売却したいときに「買い手がつくか」はとても重要。ですから、人口の密集具合はとても大切です。

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今後の人口構成を考えると、ワンルームが圧倒的に有利

不動産投資といえば、ワンルームマンションというイメージがありますが、以前に比べてファミリータイプ物件も増えてきており、投資する物件を考えるにあたり、ワンルーム、ファミリータイプどちらがよいのかわからない......という声も多く聞かれます。

筆者は、東京のワンルームマンションに投資をしていますが、その理由は、東京の人口密度と今後の東京の人口構成を考えてのことです。

現在、東京では、約半数が単身世帯ですが、今後も高齢化で配偶者との死別による1人暮らしが増え、結婚しない人も増える傾向にあるといわれており、2035年には単身世帯が半数を上回ることが予測されています。

言い換えれば、約半数がファミリー世帯ともいえるのですが、ファミリー世帯は、持ち家率も高く、賃貸物件にしてもそれなりの広さが必要となるため家賃はかさみがちです。

また、ワンルームの共益費は月額1万円に収まるケースが多いですが、ファミリータイプの場合には月額2万円〜3万円程度になることが多いようです。このことから、単身世帯に比べてファミリー世帯は賃貸の需要は少ないといえます。

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ワンルームには幅広い需要がある

都心部のワンルームは、バリバリ働いている会社員、学生、外国人労働者などさまざまな需要があります。

例えば、誰もが憧れるブランドエリアでも、「駅近で設備も抜群で家賃も高め」という物件から、「風呂なしトイレ共同」という物件まで、幅広く需要があります。いざとなれば、家賃を安くすれば、誰かしら借り手はつく可能性が高いのもワンルームの特徴です。

実際、築40年以上経っている物件でも、立地がよく家賃が安ければ、安定的に満室になっている物件をいくつも見てきました。ですから、貸しやすい、売却しやすいということを考えると、ワンルーム物件への投資の方がよいといえるでしょう。

プレミアム価格が乗っていない分、中古物件に軍配!

「中古物件」と「新築物件」のどちらに投資した方がよいのか、こちらについても迷う人が多いことでしょう。不動産投資サイトなどで調べてみるとわかるのですが、中古と新築では、同じエリアにあり、条件もほぼ同じでも、価格が全く違います。

都内のワンルームの場合、新築だと2,500万円〜3,000万円程度。港区のブランドエリアになると、4,000万円を超える物件も珍しくありません。一方、中古は数百万円程度〜2,300万円程度の物件が中心です。

このような価格差が生じるのは、新築物件にはいわゆる「新築プレミアム価格」が乗っているからです。新築プレミアム価格とは、売り出すときに広告宣伝費や不動産業者、建築業者の利益を上乗せした価格のことを指します。

新築物件は一度でも誰かが住めば「中古」に

みなさんのご自宅にも新築物件の広告が入ってくると思いますが、あの広告には結構なコストがかかっています。

通常、新築物件は物件価格の2割〜3割がプレミアム価格として乗っているといわれています。例えば、3,000万円の物件であれば、600万円程度がプレミアム価格として乗っているということ。極端な話、新築物件を購入して次の日には、2,400万円に値下がりするというイメージです。

一方、中古物件は新築物件のような立派な広告を作る必要がないので、価格の価値は純粋に「物件の価値」による部分が大きいということになります。

また、最近は建築資材の高騰や職人の不足による職人の賃金上昇などもあり、新築物件を建設するためのコストが上昇している傾向にあります。中古の場合は、あくまでも売り手と買い手の需給関係で価格が決まるので、適正な価格に落ち着くことが一般的です。

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ほかにも、中古物件は、物件価格のうちに占める建物の価格の割合が小さくなり、土地の価格の割合が高くなります。建物の価格は年数を経るごとにだんだんと減っていきますが、土地の価格は大きく下がらないため、売却を考えるときには中古物件の方が大きな値下がりリスクはないといえるでしょう。

減価償却期間も新築に比べて短いため、減価償却費を短期間に多く計上することができるため、節税面でも大きなメリットがあります。

自分で住むとなれば、新しさにこだわる心理はわかりますが、不動産投資はあくまでも「投資」なので、収益性を重視することが大切です。将来の値崩れや収益性を考えると、中古物件を選択する方が賢明です。

東京は東京でも、エリア選定のポイントは?

では、東京の中古ワンルーム物件ならどこでもいいのかというと、そうではありません。不動産投資の成否を左右するのは、まさに「エリア」です。

エリア選定に関してはさまざまな方法がありますが、選定の一つの方法としてお伝えしておくと、筆者は、上場企業が集中しているエリアを中心に選定しています。

現在、上場企業約3,800社のうち、約半数が東京に本社を置いており、港区千代田区中央区の順で多く、次いで、渋谷区新宿区品川区となっています。

豊島区目黒区文京区も良いエリアです。上場企業が集中しているエリアでは、人も仕事も集中しているので賃貸需要は旺盛といえるでしょう。

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ただし、港区、千代田区、中央区はワンルームマンション自体が少なく、売りに出ていたとしても物件価格が割高になっている傾向にあるので注意が必要です。

上場企業に勤務している会社員は収入も高い傾向にあり、社会的な信用度も高い傾向にあります。仮にワンルーム物件に投資して、オーナーという立場で考えると、入居者とのトラブルは避けたいもの。

社会的信用が高く、毎月きちんと安定して家賃を支払ってくれる人に貸したいと考える人は多いのではないでしょうか。上場企業が集まるエリアにある物件に投資するメリットは、そんな会社員が入居者になる可能性が高いところです。

賃貸需要が絶えないことは重要

エリアが良いところの物件は、物件価格も高いことは否めませんが、人生100年時代を考えると、長きにわたって賃貸がつく物件を選ぶことが重要だと考えます。

実際、新型コロナウイルスの影響で賃貸の状況もどうなるかと思いましたが、幸いなことに安定した収入がある会社員の方たちに借りていただいているため、問題なく家賃を支払っていただいています。

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また、個人的には、賃貸市場で人気の高いエリアとしては、女性に人気の街も候補になるのではないかと考えます。というのも、物件選びや住む家を決める場合、一般的に男性よりも女性の方が「好き」「嫌い」というエモーショナルな部分で判断する傾向があるように思います。

ですから、女性が住めるのであれば、男性も住めるケースが多いので、女性に人気のエリアなのか、女性に支持されそうな物件なのかというのも侮れないでしょう。

リスクは最低限に

以上、今回は筆者の不動産投資の経験に基づいてお話しさせていただきました。

不動産投資初心者の方は、賃貸付けに困らないように、都内の立地の良い中古ワンルームへの投資から始めるとよいのではないかと思います。参考にしていただけたら幸いです。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

頼藤太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)、『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)など著書累計140万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。 Money&You TV

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