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2021.10.01

PropTech(不動産テック)特集【オーストラリア編】〜テックが可能にする不動産の透明性とユーザー主導型の物件売買〜

PropTech(不動産テック)特集【オーストラリア編】〜テックが可能にする不動産の透明性とユーザー主導型の物件売買〜

PropTech特集vol.9となる今回は、オーストラリアについて紹介します。「2020年版グローバル不動産透明度インデックス」の発表によるとオーストラリアの不動産業界は世界で3番目に透明性が高い国で、アジア太平洋地域では最も透明性が高い国となっています。

PropTech企業数は2021年時点で381社存在しており、2013年から2019年にかけて企業数は428%増加し、不動産業界のテック化が加速しています。

今回はそんなオーストラリアの大手不動産ポータルサイトや物件に紐づいた都市計画などの情報一括検索サイト、オフマーケット物件紹介プラットフォームなどのPropTech企業を紹介します。

参照:「2020年版グローバル不動産透明度インデックス」を発表|JLL

オーストラリア概要

オーストラリアは南半球のオセアニアに位置しているため、季節は日本と真逆で日本が夏の時期、オーストラリアは冬です。共通語は英語で、カンガルーやコアラが生息する自然豊かな国です。

首都はキャンベラですが、シドニーやメルボルンの方が都市として発展しており、人口もシドニー、メルボルンが1位、2位と続き、キャンベラは8位となっています。

移民国家ともよばれ、1788年にイギリスから700名弱の囚人・流刑者がシドニーに到着し、植民地化した歴史があります。この歴史的背景からオーストラリアでは、年間8万〜10万人の移民を受け入れており、2000年時点で約1,900万人だった人口は、2020年12月時点では約2,600万人となっており、現在もその数は増えています。

また、イギリスによる植民地化という名残からオーストラリアの国旗の左上にはイギリス国旗のユニオンジャックが今もなお、残されています。貨幣には、イギリスの女王クイーンエリザベスが描かれており、コインが古いほど描かれているクイーンエリザベスも若いので現地へ行かれた際はぜひ手にとって確認してみてください。

オーストラリア国旗と硬貨引用:The Australian Flag|Australian Government引用:One Dollar 2020, Coin from Australia - detailed information|Online Coin Club

​​オーストラリアPropTech市場

移民による人口増加に伴い、都市部を中心に住宅市場のニーズが拡大しています。オーストラリア統計局によると、国内の既存住宅の価格合計は2020年12月時点で、7兆7000億AUD(約61兆円)と2011年から76%上昇しました。

これに伴い、オーストラリアでは不動産関連のスタートアップ企業が多く誕生しており、その勢いは日本経済新聞でも取り上げられるほど注目が高まっています。

イギリスのPropTechデータベースunissuによると、オーストラリアのPropTech企業数は2021年時点で381社存在しており、半数以上が直近5年の間に設立されました。

オーストラリアのPropTech企業数は2021年時点で381社引用:PropTech in Australia|unissu

オーストラリアは6つの州(ニューサウスウェールズ、ビクトリア、クイーンズランド、南オーストラリア、西オーストラリア、タスマニア)に分かれており、“The Australian PropTech Industry Map 2021”によると、PropTech企業の40.2%が北東に位置するクイーンズランド州に本拠地を置いています。

また同レポートによると海外への進出先候補として1番多かったのは、アメリカが42.5%でトップ、2番目が23.6%のイギリスでした。

海外への進出先候補はアメリカがトップ、2番目がイギリス引用:The Australian PropTech Industry Map 2021(PDF)| PropTech BNE

オーストラリアPropTech企業のインサイト

気になるPropTech企業の内訳ですが、B2Bが約61%、B2Cが約29%、B2BとB2C両カテゴリーが約10%となっています。セクターはResidentialが約70%、Commercialが約50%、Retailが約10%となっています。

PropTech企業の内訳は、B2Bが約61%、B2Cが約29%、B2BとB2C両カテゴリーが約10%引用:PropTech in Australia|unissu
セクターはResidentialが約70%、Commercialが約50%、Retailが約10%引用:PropTech in Australia|unissu

現在さまざまなテクノロジーが不動産業界に浸透する一方で、オーストラリアの不動産市場で課題となっているのが借り手となる若い世代と、比較的年齢が高いオーナーの間のデジタル技術への順応度合いです。

あるPropTech起業家は、「物件検索やオンライン契約、スマートフォンからの電子契約書へのデジタル署名が進む一方で、貸し手となる物件オーナーは年齢層が高い人が多く、新しいサービス開始前にオーナーへの説明や教育へのコストが高かった」とコメントしています。

オーストラリアで注目のPropTech企業3社

realestate.com.au:オーストラリア大手の不動産ポータルサイト

realestate.com.au はREA Groupが提供する人口の約63%、毎月1,250万人が訪れるオーストラリアの大手不動産ポータルサイトです。

ポータルサイト上では、物件の検索機能に加え、物件トレンド、専門家による分析記事・調査記事も公開されており、不動産情報メディアとしても参考にできます。

realestate.com.au引用:Search propeerties for buy|realestate.com.au

オーストラリア全土における売買・賃貸の物件紹介を行っており、物件検索機能に加え、自身が所有している物件の住所から近辺物件の販売価格、家賃の中央値、また該当地区の販売物件数も確認することができます。

realestate.com.au
realestate.com.au引用:ESTIMATED VALUE 1 BATEMAN COURT |realestate.com.au

ポータルサイト上からは、現在売却の意思が確定していない場合でも、保有物件エリアの担当エージェントへの相談や、物件の想定価格の見積もりを依頼することが可能です。

また、nab(National Australian Bank)とパートナーを組み、ローンのシミュレーションやローン手続きサポートも展開しています。

サイト上で年収、毎月の生活費、初期費用などを入力することで毎月のローン支払額の予測を試算してくれるサービスです。シミュレーションをもとにnabに問い合わせし、ローンの相談を行うことも可能です。

realestate.com.au引用:Estimate your borrowing power |realestate.com.au

realestate.com.auの親会社、REA Groupは、オーストラリアの住宅ローン仲介フランチャイズグループであるSmartline Home Loans PtyLtd と MortgageChoice Pty Ltd、および 不動産データサービスの大手プロバイダーであるPropTrack PtyLtdを所有しています。

社外への投資にも積極的で、仲介および貸付業界向けの住宅ローン申請および電子住宅ローンソリューションの大手プロバイダーであるSimpology PtyLtdに投資を行っています。 

realestate.com.auの特徴

  • オーストラリアの大手不動産ポータルサイト
  • 銀行と連携した住宅ローンシミュレーションを提供
  • データをもとに物件の近辺

realestate.com.auの概要

Landchecker

2015年メルボルンを拠点とする不動産専門家のグループによって設立されたオールインワンソース不動産情報プラットフォームで、2017年にオーストラリアのGOOD DESIGN AWARDを受賞している注目企業です。

Landcheckerは、先ほど紹介したrealestate.com.auのようなメジャーな不動産検索ポータルサイトと異なり、プラットフォームから物件検索に関連した、物件近辺の過去・未来の開発情報、物件が位置する用途地域の種類、土地の面積、近辺の画像、航空写真、過去の売却価格などの細かいデータを提供しています。

Landcheckerは細かいデータを提供引用:Five Australian proptech companies changing the property market|ANZPJ

例えば、購入を検討している物件付近の道路拡大計画、都市化計画、もしくは購入検討物件の裏側に高層ビルの建築計画が行われているかを政府、地方自治体、パートナーなどから提供される何百ものデータをもとにプラットフォーム上で検索が可能です。

購入検討物件近辺の将来の街並みを予測引用:Landchecker

ブルーラインが将来の道路建設予定を表しているため、これを参考に購入検討物件近辺の将来の街並みを予測することができます。

将来の近辺情報、ビル建設情報をもとに将来の物件の外観を予測引用:Landchecker

このように購入検討物件の将来の近辺情報、ビル建設情報をもとに将来の物件の外観を予測できます。

提供している情報は常にLandchecker側で確認し更新を行っているため、ユーザーはいつでも最新情報を入手することが可能です。

不動産デベロッパー、エージェント、住宅オーナー、物件購入者など幅広いユーザーが同社が提供するデータをもとに物件取引、都市化計画、出店計画をしており、迅速な意思決定にも役立っています。

Landcheckerの特徴

  • 将来の都市計画や開発計画のデータを融合した不動産情報ポータルサイト
  • 過去の土地開発の歴史や航空写真の確認が可能
  • デベロッパー、エージェント、物件所有者、物件購入検討者など幅広いユーザー向けサービス
  • 政府、地方自治体、パートナーなどからデータを入手・提供

Landcheckerの概要

Listing Loop

2019年、Rhett Dallwitzによって設立されたListing Loopは、バイヤー(一般の物件購入者)が、通常は不動産サイトに掲載されない物件や、市場に出回る前の掲載前の物件にスピーディーかつ簡単にアクセスできる不動産プラットフォームです。別名、不動産売買における「VIP ACCESSポータルサイト」です。

Listing Loop引用:Buyer’s |Listing Loop

ビジネスモデルとして、不動産プラットフォームにてオフマーケット・プリマーケットの販売していない物件や、売り出し前物件をListing Loop会員限定で情報提供するものです。

会員は希望する物件情報(価格や場所など)を事前に登録しておくと、売却の契約が行われた際に希望物件とマッチした物件情報がリアルタイムで届きます。これにより他社の不動産プラットフォームに掲載されるより前に、Listing Loop会員は物件への問い合わせを行うことができます。

Listing Loop引用:Home|Listing Loop

 通常オーストラリアでは、売主とエージェントが媒介契約を結んだあとに、エージェントが物件図面や、看板、パンフレットや物件撮影など広告素材などを準備し、提携先の不動産ポータルサイトへ登録を行います。この登録を行うまでの広告準備期間が最大21日間と売却の意思決定から実際の売却活動を行うまで約1カ月の期間がかかっています。

しかしListing Loopは、この最大21日間かかる広告準備中の物件を即日ポータルサイト上に掲載することで、会員バイヤーとエージェントに優先的に物件の紹介ができます。

Listing Loop引用:Home|Listing Loop

近年オーストラリアでは、大手不動産ポータルサイトでの掲載や物件の広告を行わない物件販売手法が増加しています。この手法はオフマーケットとよばれ、例えば、著名人や有名人による物件販売や、離婚や別居など近隣の人に物件の売却を知られたくない場合に、一般の市場に物件は取引されず、限られたエージェントのみで販売されるマーケットを意味しています。

オーストラリアでは、オフマーケット物件の販売手法を採用する売主やエージェントが近年増加しており人気が高まってきています。これは売主が、物件売却の広告費用をできるだけ低コストに抑えたい意向や、水面下で物件を売却したいケースが増えてきたことなどが理由に挙げられます。

Listing Loop引用:Listing Loop

Listing Loopは、一般のバイヤー登録は無料で行えます。会員登録の際に希望物件タイプとエリアを設定しておくだけで該当物件が登録された際、ほかの不動産ポータルサイト掲載前に、いち早くリアルタイムで通知を受け取ることができます。

Listing Loop引用:How does Listing Loop works?|Listing Loop

これによりバイヤーは自分の希望にあった物件に即座に問い合わせができ交渉を行うことができます。エージェントサイドも希望条件に合っていない物件の提案や内見を行う必要がなくなり、効率よく売主と買主をマッチングすることが可能になっています。まさにユーザー主導型の不動産売買といえるのではないでしょうか。

Listing Loopの特徴

  • オフマーケット・プリマーケット物件へのVIPアクセス
  • 会員登録制の物件プラットフォーム
  • 会員登録は無料
  • 購入の際無料でエージェントへの相談が可能
  • 物件購入の際のローン比較サービス「Lending Loop」も運営

Listing Loopの概要

さらなる成長が期待される注目のPropTech企業

上記でご紹介した3社以外にも注目するPropTech企業があります。その中でも、2021年5月時点、オーストラリアのメディア“Mortgage Propfessional Australia”がビジネスデータベース“Crunchbase”の情報をもとに投資金額を調べた記事を参考にいくつかのPropTech企業を紹介します。

Archistar.ai 総資金:19.6million AUD(約15億円)投資家数:2 

2010年に設立されたArchistar.aiは、シドニーに拠点を置くPropTech企業です。建築設計とAIを組み合わせて、開発者の意思決定をサポートするプロパティインテリジェンスプラットフォームを提供しています。

不動産関係者が数分以内に収益性の高い開発用地を見つけ、開発の実現可能性を評価し、何十もの建築デザイン戦略を生成するのに役立ちます。

Archstar.ai 引用:Archistar Property Insights|Archstar.ai

BrickX  総資金:12.5million AUD(約9.9億円)投資家数:3 

2014年に設立されたBrickXは、少額の不動産投資を可能にするメルボルンに拠点を置くPropTech企業です。プラットフォームを通じて「Brick(意味:レンガ)」とよばれる少額の不動産投資を可能にします。ビジネスモデルとしては1つの物件を多数の投資家が保有し、投資金額によって投資リターンを獲得できるスタイルです。

ユーザーは毎月の投資金額を設定しておくことで、BrickXが条件に合った投資物件を運用してくれます。同社は2019年に、ベンチャーキャピタルおよびプライベートエクイティ投資会社のThundering Herdに買収されました。

BrickX引用:How it works|BrickX

:Different 総資金:10.4million USD(約8.2億円)投資家数:3

2017年に設立された:Different は、不動産オーナーと賃貸人をプラットフォームでつなぐ物件管理サービスのプラットフォーム提供を行っています。主に、家賃の支払い、テナント管理、メンテナンス依頼、住宅検査の自動化などを通じ、不動産業界の透明性に取り組んでいます。

不動産オーナーは定額30AUD/1週間(約2,300円)で物件管理サービスが利用でき、賃貸人は通常1週間以上かかる水漏れメンテナンスの時間や設備修理などの時間を待つ必要がなくなります。

:Different引用:Property Management |:Different

参照: Top Australian proptech firms disrupting the real estate market|Mortgage Propfessional Australia

加速するデジタル化とペーパーレス

オーストラリアに限らず世界的に今、新型コロナの影響でデジタル化が一気に加速しています。情報の不透明、非対称性が高いと世界的にいわれていた不動産業界が少しずつですがデジタル化することにより変わりつつあります。

特に、紙での契約書や書類の交付が法律上必須だったものが新型コロナの影響により法改正が行われ、デジタル化(ペーパーレス化)が促進されています。

日本でも、不動産売買契約において重要事項説明書と契約書の交付は、紙での交付が必須ですが、宅建業法の改正が2022年に予定されており、紙での交付は必須ではなくなり、電子のみでの契約書類などの交付が可能になる予定です。

弊社でも2020年4月からRENOSY不動産投資にて完全非対面化を実現しており、面談から物件のご提案、契約、IT重説まで完全非対面で行えます。

また、RENOSY不動産投資は中古マンション投資における販売実績で全国No.1を獲得しておりインターネット上のイメージ調査においては、「ネットで選ばれている不動産会社」「安心・信頼できる不動産会社」「友人に紹介したい不動産会社」の3部門で2年連続No.1を獲得しました。ご興味ある方はぜひこちらからお問い合わせください。

RENOSY不動産投資引用:RENOSY不動産投資|RENOSY

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

早田菜美

13歳から25歳まで海外へ。 タイのインターナショナル大学を卒業後、就職を機に帰国。その後ニューヨーク、バンコク、ヤンゴンにてイベント制作や広報を担当したのち、TravelTech事業のスタートアップ企業で広報室立ち上げを経験。現在は株式会社GA technologiesにて、海外向けPRやプロダクト・グループ会社のPRを担当。

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