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作成日: 2020.12.25

気軽に不動産に投資できる、REIT(リート)を買う3つの方法

気軽に不動産に投資できる、REIT(リート)を買う3つの方法

「不動産投資には興味があるけど、いきなり不動産を買うのは資金的にちょっと……」という方でも、気軽に不動産に投資できる方法があります。それは、REITを利用することです。REITは株式や投資信託などとよく似た特徴を持つ金融商品。手軽に購入できます。とはいえ、REITには、REITだけでなく、「REITファンド」や「REITのETF」といった商品もあって、少々複雑なのも事実です。そこで今回は、REITを買う3つの方法をまとめてご紹介します。

そもそもREIT(リート)とは?

REITは「Real Estate Investment Trust」の略。「不動産投資信託」などと訳されます。投資信託は、投資家から集めたお金をプロがまとめてさまざまな資産に投資し運用する商品です。投資すると、運用の結果得られた売却益や分配金を受け取ることができます。

REITはこの投資信託の不動産バージョン。多くの投資家から集めた資金でオフィスビル・商業施設・マンション・物流施設・ホテルといった不動産を購入・運用する商品です。REITに投資をすると、そこから得られた賃貸収入や売買益を受け取ることができます。間接的ながら「大家さん」になれるというわけです。

もっとも、大家さんになるといっても「建物の管理やメンテナンスをしないと」「空室になったらどうしよう」などといった心配は不要。不動産の運用・管理はすべてプロがやってくれます。しかも、自分で何千万円もかけて不動産を買う必要もなく、数万円程度の少額から投資できますので、気軽に始められます。

【関連リンク】
不動産投資の代表的な6種類。始める前にメリット・リスクを理解しよう

REIT(リート)を買う3つの方法

REITを買う方法は、大きく3つあります。それぞれの特徴を見てみましょう。

●REITの種類と購入方法

REIT(リート)の種類と購入方法

1. 個別REIT(リート)を買う

上で紹介した個別のREITを購入する方法です。REITは、証券取引所に上場しています。したがって、証券会社を通じて、株式投資と同じ要領で売買することができます。不動産証券化協会のデータによると、REITは2020年11月時点で62銘柄上場しています。本稿執筆時点(2020年12月)で、一番安いREITは1万円強、一番高いREITは66万円ほど。半数以上は20万円以下となっています。

REITの価格はウェブサイトや新聞などで確認できます。「株価と比べてずいぶん高い」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。株式は通常、100株単位(単元株)で売買されるので、記載の金額の100倍の資金が必要です(単元未満株の売買を除く)。しかし、REITは1口単位で売買されるので、記載の金額程度の資金で売買できます。売買にあたっては、証券会社が定める売買手数料がかかります。

2. REITファンド(投資信託)を買う

REITファンドは、複数のREITに投資する投資信託です。投資信託のなかには、1本買うだけで複数の投資信託にまとめて投資できる「ファンド・オブ・ファンズ」とよばれる商品があります。REITファンドはその不動産版。1本買うだけで複数のREITにまとめて投資したのと同じような効果が得られます。また、REITファンドのなかには、海外のREITも組み入れているものもあります。個別REITを自分で選ぶのは難しいという場合に便利ですし、資産の分散の面からみても効果的です。

REITファンドは、証券会社だけでなく、銀行など他の金融機関でも購入できます。金融機関によって、取り扱いのあるREITファンドが異なります。価格は、個別REITよりも安い場合がほとんど。金融機関によっては100円単位で購入することも可能です。ただし、REITファンドの保有中には信託報酬という手数料が日々資産から差し引かれていきます。

3. REIT ETFを買う

REITには、ETF(上場投資信託)を買うことでも投資できます。ETFは、証券会社を通じて、株式投資と同じ要領で売買できる投資信託です。というと、個別REITと同じように感じられるかもしれませんが、投資対象が少し違います。個別のREITはオフィスビル・商業施設・マンションといった実際の不動産に投資しています。それに対してREIT ETFは、REITの値動きをまとめて作った指数(インデックス)に合わせて値動きします。

代表的なREITの指数に、東証REIT指数があります。東証REIT指数は、東京証券取引所に上場しているすべてのREITの値動きをもとにして作られた指数です。つまり、東証REIT指数に連動するETFを買うと、東証REIT指数が上昇したときに利益が得られる、というわけです。

ETFを売買するときには、証券会社が定める売買手数料がかかります。加えて、保有中の信託報酬もかかるのですが、一般的にはREITファンドの信託報酬よりは控えめになっています。

【関連リンク】
不動産投資とREIT ETFは何が違う? それぞれの特徴や投資先の選び方を解説

おすすめの購入方法は人によって異なる

REITの3つの購入方法を見てきましたが、どの方法がいいかは、人によって異なります。豊富な投資先のなかから「ここに投資したい」というはっきりした希望があるのであれば、個別のREITに投資するのがもっともわかりやすいでしょう。資金に余裕があれば、複数のREITに自分で分散すればいいですし、手数料も抑えることができます。

どのREITがいいか絞れない場合には、REITファンドやREIT ETFで、複数のREITの値動きの力をまとめて借りるのがいいでしょう。

REITファンドは、特に海外のREITに投資できるのが強みです。海外には、日本よりも経済発展の著しい国がありますし、資産分散の観点からもおすすめです。3つの方法のなかで唯一、証券会社以外の金融機関(銀行・信用金庫など)でも扱っていますので、新たに口座開設などをしなくても購入できるかもしれません。手間がかからないという点では便利です。

REIT ETFでも、REIT市場全体に分散投資したのと同様の効果が得られます。REITが投資している投資先は、いずれもプロが選んだ、有望な投資先ばかりのはずです。もちろん、細かく見れば値上がりするREIT、値下がりするREITがあるでしょう。しかし、全体としては値上がりしていくことが期待できます。

2021年の不動産市場はどうなる?

2020年は、新型コロナウイルスの影響によって経済が大きく停滞した1年でした。不動産市場ももちろん、例外ではありません。先に紹介した東証REIT指数も、2020年2月ごろから新型コロナウイルスの影響を受けて大きく下落しました。

●東証REIT指数(2018年1月〜2020年12月)

東証REIT指数(2018年1月〜2020年12月)

しかし、その後は持ち直しつつあるのも事実です。さすがに下落前の水準とまではいきませんが、2018年の水準までは回復してきています。新型コロナウイルスの感染拡大の状況は懸念すべき材料ではありますが、今後ワクチンが開発・実用化されたり、あるいは治療法が確立したりするなどして、人はきっと新型コロナウイルスを克服していくでしょう。とはいえ、しばらく時間がかかることは容易に想像できます。

また、withコロナの時代に合わせて、不動産需要も変化しています。リモートワークの拡大はオフィスビルの需要には逆風かもしれません。そのかわりリモートワークに対応した設備を完備したマンションや、玄関に手洗い場所や消毒設備などを備えた住居などが人気を集めているといいます。そのような、新型コロナウイルスに合わせた新たな需要も、きっと生まれてくるでしょう。

よって、住宅REITは堅調に推移することが予想されるものの、オフィスREITは厳しいでしょう。商業施設REITとホテルREITも同様にコロナの影響が続きそうです。一方で、物流施設REITは、EC市場の成長が続いていることに伴い、配送拠点となる物流施設への需要が旺盛であることから、堅調に推移していくことが予想されます。

REIT(リート)に投資するなら、非課税制度である「NISA」を活用しよう

これから投資を始めるなら、一般NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)といった制度は必ず利用したいところです。

一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間にわたって投資の利益(運用益)が非課税にできる制度です。また、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は老後資金を自分で作りつつ、運用益を非課税にできるほか、毎年の所得税や住民税まで安くできる制度です。

これらの非課税制度を利用することで、普通に投資するよりも効率よくお金を増やせる可能性があります。今回は、REITを使った不動産投資をご紹介しましたが、一般NISAを活用することでお得にREITへの投資が可能です。

より詳しくNISAiDeCoを知りたい方は、2020年12月4日に出版しました拙著『はじめてのNISAiDeCo』(成美堂)をご確認いただければと思います。NISAiDeCoの仕組みから商品選びまでオールカラー、豊富な図版・漫画で解説する1冊となっています。

REITファンドを活用すれば100円から投資できます。少額でも、本格的な投資ですから、投資の感覚を養えます。慣れてきたら、徐々に投資金額を増やしていけばいいのです。ぜひ、スタートしましょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

頼藤太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)、『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)など著書累計140万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。 Money&You TV

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