今回訪ねたのは、じつはまだ工事中のお部屋。「造作家具」の取り付け工事が行われると聞いて見学に伺ったのですが、そこは真剣勝負の世界でした。
お部屋は43平米の1LDK。人気の中央線沿線で駅近、オートロックのついた共用部も綺麗に管理の行き届いた印象で、なかなかの好物件。
なのですが、設計者を悩ませたのは、ちょっと不思議な形の間取り。全体に台形で、特にメインのダイニングキッチンの部分にまっすぐのカウンターキッチンをつけると、なかなかのデッドスペースが生まれてしまいます。
これなら、冷蔵庫もいい具合におさまって、よさそうですが、こんな複雑な形の家具、どこにも売っていないだろうし、一体どうやって作るのかしら……? そこで、今回の取材と相成ったわけです。
まだ工事中の状態ではありますが、寝室にはオープンなクローゼットがつけられていたり、トイレには動線を邪魔しない三角形の造作棚があったり、デッドスペースを生まないための工夫が随所に見られるお部屋です。
今回、造作家具の工事を引き受けてくださったのは、埼玉に工房を設ける家具職人さん。ふだんはオーダーメイドなどの家具製作をしていらっしゃいますが、今回は特別に、このキッチンに合わせた「斜めの食器棚」を作っていただけることに。
ホワイトオークの突板合板と無垢材で構成された今回の食器棚。伺ったときは、棚の最下部に突板を貼る作業の真っ最中でした。
完成してから納品する普通の家具なら、もちろんサイズはあらかじめ決まっているのですが、今回は、できあがった床や壁、キッチンカウンターなどに合わせて、現地で最終的な寸法を決める必要があります。
ずっと傍で見学させていただいたのですが、ミリ単位で少しずつ、少しずつ作業されていく、職人さんの根気強さに頭が下がる思いでした。こうして、現地での作業だけで丸一日をかけて「斜めの食器棚」は完成。
オークの床にあわせて作られた、オークの食器棚。取っ手や、上部の棚受けにはお部屋の他の部分にもところどころ使われている「黒」をあしらうため、アイアンの素材が。「このお部屋にあわせて作ってもらった」特別感を感じます。
長く賃貸のお部屋に住んでいると、部屋はできあがっていて、置きたい家具も別であって、それをどう合わせるか?というのがずっと悩みどころでしたが、リノベーションならこんなふうに、「部屋に合わせて家具を作る」ことができるんですね。
「ぴったりの家具の特別感と気持ち良さ」に、オーナーさんがとても羨ましくなってしまいました。
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エスカレーターマニアというちょっと変わった肩書きを持っていますが、インテリアやリノベーションが大好きです。たくさんの素敵なお部屋を取材させてもらうことがライフワークになりつつあります。 http://www.tokyo-esca.com/
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