不動産投資で地方を狙うなら? 大阪市と福岡市、どちらを選択?
不動産投資の対象エリアとしては、東京だけでなく地方の大都市も人気が高まっています。東京は人口動態が安定している一方、地方は「物件価格の安さ」と「利回りの良さ」が魅力です。ここでは、地方都市の中でも特に注目度の高い大阪市と福岡市を比較してみます。
大阪市、福岡市の人口動態を比較してみた
不動産投資の長期的なインカムゲイン(家賃収入)に大きな影響を与える指標は「人口動態」です。長期的に人口が安定したエリアのマンションを購入するのが不動産投資の鉄則といえます。はじめに、大阪市の人口ですが、1980~2010年は横ばい傾向です。1965年の315.6万人をピークにいったん落ち込み、2000年ごろには259.8万人まで減少しました。
そこからは上昇に転じ、2015年まで260万人台で上昇傾向を維持しています。ちなみに2015年は、大正9年に国勢調査が始まって以来、初めて全国また大阪府で人口が減少に転じた年でした。2040年ごろの人口予測は約1割減の232万人ですが、これは全国の減少割合(約2割減少)と比較すると、かなり緩やかなカーブです。
一方の福岡市の人口は、右肩上がりがしばらく続くとの予測になっています。2010年の140万人台半ばが、2016年には155万人まで増加。さらに、2030年ごろには約160万人まで伸びる予想です。20年後の2040年ごろも160万人前後を維持すると見られています。
人口動態で見ると、両市ともに日本全体の人口減少スピードとは一線を画すため、不動産投資の対象エリアとしては理想的です。特に福岡市は、数十年間、人口が減らないという日本ではまれなエリアとなっています。
不動産投資をするならどちらを選択? 大都市VS地方都市
大阪市:タワーマンション開発が進む中心部
次に、大阪市、福岡市のマンション市場の概況を見ていきます。まずは、大阪ですが生野区がコリアタウンとして有名なように、世界各地から人が集まっている多国籍な地域です。また、国際線の離着陸も多く、格安航空のLCCを利用したアジアからの訪日観光客が多い地域でもあります。
大阪市では、梅田・中之島周辺の北エリア、本町・心斎橋・難波の南エリアで老朽化した建築物を超高層タワーマンションや超高層オフィスビルへと建て替えるなどの再開発ラッシュが継続中です。また、訪日観光客が増えたことに合わせてホテルの建設ラッシュが進んでいます。ホテルだけでなく民泊の需要も高まってきており、不動産全体の需要が高まっている勢いのある地域といえるでしょう。
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福岡市:オフィスの増加によってビジネスパーソンの増加も
福岡市では、航空法の規制によってビルの高さ制限がありましたが、規制緩和によって中心部の博多・天神エリアで再開発が活発化してきています。また、郊外にもタワーマンションの開発などが広がってきており、アイランドシティ計画も進行中です。福岡市は、九州の中でも主要な大学が多いエリアで学生の賃貸ニーズが高い特性があります。
加えて、最近ではビジネスパーソンも増加している傾向です。なぜなら、2011年に九州新幹線が開通したことによって福岡市内にオフィスを構える企業が増加しているからです。
大阪市と福岡市の不動産投資の特色
どちらの地域も魅力的ですが、「物件の選択肢の多さ」では、人口の多い大阪市の方が優勢でしょう。特に築古の中古マンションの物件数が豊富です。福岡市は、築浅の中古マンションが多く、東京や大阪に比べて物件価格が割安なため、投資金額を抑えたいという方には向いているでしょう。また、すでに東京や関西圏に投資マンションを保有している方は、立地リスクを分散する効果も期待できます。
人口が安定的で訪日外国人が増加傾向の両市に対しては、東京エリアで不動産投資を行っていた人たちの視線が向かい始めており、地価、物件価格が上昇しています。大阪市、福岡市で不動産投資をしたいと考えている方は早めの検討が得策です。
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