リフォームでキッチンをより便利に。素材や形の選び方を紹介
キッチンをリフォームするといっても、一体何に注意すればいいのでしょうか? どんなレイアウトのキッチンを選ぶのか、収納や床、換気扇はどうするのかなど、キッチンをリフォームする際のポイントを解説していきます。
キッチンリフォームの基礎知識
キッチンリフォームといっても「実際にどのような手順を踏めばいいのか? 」「自分の家のキッチンは、リフォームすることができるのか?」など、 色々な疑問が生まれてきます。
キッチンリフォームには、知っておきたいいくつかの基礎知識があります。リフォームする前に確認しておきたいポイントを紹介しますので、参考にしてください。
自由にリフォームできる構造とは
戸建ての場合は、水回りの変更を含めて、リフォームの自由度が高いと言われています。キッチンのレイアウト変更も、壁や窓を壊す大がかりなものでなければ、比較的簡単に行えるようです。
一方、マンションの場合、戸建てと大きく異なる点として挙げられるのが、「排水管の位置と作り」です。マンションでキッチンリフォームをする際には、この排水管の位置と作りによって、キッチンの位置を移動できないケースがあります。
また、マンションの場合、IHヒーターに変更ができないというケースもあります。
IHヒーターには、必要な電圧数(通常200V)があるため、電気容量を上げる必要があります。しかし、マンションによって送受電量の影響で各戸の電気供給量に制限があるため、IHに変更できないというケースも起こりうるのです。IH変更を検討する際には事前に確認をしましょう。
マンションの規約を要確認
マンションでキッチンをリフォームする際には、マンションの管理規約により、以下のような制約のある可能性があります。
- 電気の容量やガス給湯器のサイズに関する制約
- 騒音防止のための遮音等級による制約
- リフォームの工事時間に関する制約
- リフォーム機器の搬入経路などに関する制約
マンションによっては、リフォームする際に管理組合に承認が必要な場合もあるので、その点も事前に確認しておきましょう。
コンセントの位置をチェックしておこう
キッチンまわりで必ず必要なのがコンセントです。キッチンまわりにコンセントが少ないと、必要な家電が同時に使えず、利便性が下がってしまいます。
また、コンセントの位置が遠いと、キッチンまわりにコードが混在してしまいます。足を引っ掛けて転倒してしまう、などという事故を引き起こしてします可能性もあるので注意が必要です。
まずはどんなキッチンにしたいかを考えよう
キッチンのリフォーム費用は、キッチンの種類やグレードによって異なります。
キッチンレイアウトの種類や重要視するべきポイントについて紹介していくので、どんなキッチンにしたいか考える際の参考にしてください。
レイアウトは大きく分けて3種類
キッチンのレイアウトは、大きく分けて「I型」「L型」「II型」「対面型」の4種類があります。
I型は、コンロ、シンク、作業スペースが横一直線に並んでいるタイプのレイアウトです。対して、L字型はコンロ、シンク、作業スペースがL字型に並んでいます。
II型はコンロとシンクが分かれているタイプです。
対面型は、リビングを見渡せる位置にキッチンが設置されており、流行のアイランドキッチンやペニンシュラキッチンなどが対面型に当てはまります。
予算や広さ、重視するポイントで選ぶ
キッチンに活用できる広さと予算によってレイアウトを決めていくことがポイントです。
戸建て、マンション問わず、スペースや予算に限りがある場合に選ばれているのがI型キッチンです。壁側に設置できるためスペースをとりづらく、各メーカーが販売している商品も多いため、予算に合わせて選べます。
作業スペースを広くとりたい、収納量がほしいという人からは、L型、II型のキッチンが支持されています。シンクとコンロが両側に振り分けられているため、作業動線が短く使いやすいのも利点でしょう。
対面型のキッチンは、キッチンからリビングやダイニングが見渡せるので、一体感のある空間を演出することができます。目が離せない小さい子供がいる家庭や、テレビを見ながら料理したい人にぴったりです。
普段あまり料理をしない場合
「キッチンのリフォームをしたいけど、普段あまり料理をしない」「料理をしないのにキッチンが広くて無駄な気がする」そんな方にもぴったりのキッチンリフォームが「ミニキッチン」です。
ミニキッチンにはどのような特徴があるのでしょうか?
通常キッチン増設等に用いるミニキッチン
90cm~150cm程度の小さなキッチンのことを、ミニキッチンと呼びます。
単身者やシニア世代が、お湯を沸かしたり、簡単な調理をしたりするには十分なスペースです。また、コンパクトでおしゃれなデザインが多いため、シンプルでスタイリッシュなキッチンを実現できるのも魅力です。
しかし、機能や作業スペースに限りがあるため、本格的な料理を楽しみたい人や、家族が多い場合などには不向きと言えるでしょう。
キッチン収納棚を作る、増やすリフォーム
収納棚を作り、収納スペースを増やすというリフォームもあります。収納棚を作ることで、より便利で使いやすいキッチンの実現が可能です。
キッチン収納を増やすリフォームのアイディアを、2つご紹介します。
コーナーにパントリーを設ける
キッチンパントリーとは、「食用庫」と訳されることが多い、収納スペースのことを言います。元々は、常温でも保存が可能な食品や調味料を保存するスペースでしたが、最近は食器類をパントリーに収納する人も多いようです。
そんなパントリーを、デッドスペースになりがちなキッチンコーナーに設けることで、収納スペースを効率的に増やすことができます。
食品や食器を取りに行く際の動線が短く済む、収納しているものがどこにあるのか一目でわかるため、食品の買いすぎを防げるなど、多くのメリットがあります。
背面収納をインテリアの一部に
キッチンの背面収納はリビングやダイニングなどの居住空間から見えやすいため、インテリアの一部としておしゃれに演出するケースが増えています。
オープン収納にする場合は、棚をキッチンの雰囲気やリビングに合う色味のデザインで統一し、一体感を生み出すことがポイントです。一方、収納を隠したい場合は、引き戸や扉をつけるなどの方法があります。
背面収納も選択肢が増えているため、ライフスタイルにあったリフォームができるでしょう。
換気扇まわりのリフォーム
キッチンでどうしても目立ってしまう換気扇まわりを、おしゃれにリフォームすることで、キッチン全体のイメージを大きく変えることができます。
換気扇まわりのリフォームでポイントになるのが、レンジフードの交換と最新の換気扇です。それぞれの特徴や選び方をみていきましょう。
レイアウトによりフードの選択肢が異なる
レンジフードは、調理時に出る煙や臭気などを廃棄するために、コンロの上部に設置されている箱状の設備です。キッチンのレイアウトによって適切な形状が変わります。
取り付けのタイプは「壁面取り付けタイプ」「横壁面取り付けタイプ」「天井取り付けタイプ」の3つがあります。
壁面取り付けタイプ
壁面取り付けタイプは、I型やL型のキッチンに適したタイプです。天井にスペースができるため広々とした換気扇まわりを作り出すことができます。掃除がしやすいタイプが多いのも特徴です。
横壁面取り付けタイプ
横壁面取り付けタイプは、対面型のキッチンに適したタイプです。調理をしながらリビングダイニングにいる人と会話を楽しむことができます。
このタイプは、レンジまわりに吊戸棚がないため、レンジフードの存在が目立ってしまいがちです。しかし、おしゃれなレンジフードを選べば、スタイリッシュなキッチンに見せることもできるでしょう。
天井取り付けタイプ
天井取り付けタイプは、アイランドキッチンに適したタイプです。シンクや調理台、壁から離れて設置するため、開放感のあるキッチン空間を演出できます。
一方、他のタイプに比べ高額な商品が多く、ファンの音やキッチンまわりの音がリビングまで筒抜けになってしまうため、注意が必要です。
最新の換気扇をご紹介
換気扇の機能は年々進化していると言われています。キッチンまわりをリフォームする時は、機能性が高くお手入れのしやすい、最新の換気扇を検討してはいかがでしょうか?
例えば、ガスコンロ(IH)と連動している換気扇があります。ガスコンロのオン・オフと赤外線が連動し、換気扇のつけ忘れや消し忘れの防止に役立ちます。
また、ノンフィルターの換気扇も登場しています。換気扇の中で一番汚れが溜まるのがフィルターです。そのフィルターがないため、掃除の手間が格段に省けます。頻繁に料理をする家庭にはぴったりの換気扇と言えるでしょう。
システムキッチンを交換するリフォーム
システムキッチンのリフォームは、工事内容や設置する設備の内容によって価格が大きく変わるため、注意が必要です。
「リフォームの費用を削減したいのか」「見た目と機能性にこだわりたいのか」など、キッチンに求める内容によって選択肢が異なります。システムキッチンをリフォームする際のポイントを確認していきましょう。
値段を少しでも抑えたい場合
リフォームする際の値段を少しでも抑えたい場合には、いくつかの方法があります。
1つ目は、キッチンの位置を移動しないという方法です。キッチンの場所を移動してしまうと、その分の工事費用がかかってしまいます。そのため、費用を少しでも抑えたい場合は、キッチンの移動は控え、システムキッチンのみを交換した方がよいでしょう。
2つ目は、キッチンのグレードを下げるという方法です。材質やオプションが違うだけでキッチンの値段は大きく変わります。シンプルなモデルを選ぶ、不要なオプションをはずすだけでも、価格を抑えることが可能でしょう。
低価格でも機能性に優れた素材
低価格であっても機能性に優れた素材を使うのも、リフォーム費用を抑えるポイントです。
例えば、「ステンレス」の天板を選ぶだけで、人造大理石の天板を選ぶよりもコストダウンができることがあります。この2つは見た目が違うだけで機能面に大きな違いはほぼありません。
また、コンロを選ぶ際も表面を「ホーロー」にすると、価格を抑えやすいです。
ホーローは、硬いもので擦っても傷がつきにくいなど、耐久性に優れているのが特徴です。
見た目やスペックにこだわりたい場合
キッチンの見た目やスペックにこだわりたい場合は、素材や設備に着目する必要があります。 見た目と機能性が両立している素材と設備をご紹介します。
人造大理石クォーツストーンの天板
人造大理石の天板は、天然石のような高級感溢れる外見だけでなく、汚れが染み込みにくいという機能的な側面も兼ね備えています。
以前は、その入手の難しさから購入しにくい価格帯のものが多かったですが、近年ではクォーツストーン天板の普及に伴い、手の届く値段のものも増えてきています。
衛生的なタッチレスの水栓
衛生面と利便性を兼ね備えたキッチン器具として、タッチレスの水栓が話題になっています。
食材で手が汚れていたり、食器を持っていて手がふさがっていたりする時でも、センサーに手をかざすだけで水を流すことが可能です。蛇口に触れなくてよいので衛生面でも優れています。
オプションで人気の便利すぎるビルトイン家電
キッチンリフォームをする際のオプションとして、人気があるのが「ビルトイン家電」です。普段の調理が楽になる、便利なビルトイン家電をいくつか紹介していきます。
ビルトイン食洗機で広い調理スペースを確保
ビルトイン食洗機を設備することで得られるメリットとして、調理スペースを確保できるという点が挙げられます。
システムキッチンの一部に組み込むため、ごちゃごちゃした配線が見えずスタイリッシュな見た目を実現できます。据え置き型よりも大容量のものが多いのも、人気の理由の1つです。
大容量でスペースをとらないオーブンレンジ
調理の際にあると便利ですが、思ったよりもスペースが必要な家電がオーブンレンジです。そんなオーブンレンジもビルトインのものが販売されています。
据え置きのものと比べ、省スペースを実現することはもちろん、200Vの電源を選択できるため、調理できる料理の幅も広がります。
キッチンの床を変えるリフォーム
キッチンリフォームの際に床を変えることで、汚れのつきやすいキッチンの床をきれいに保つことができます。
キッチンの床をリフォームする際には、「油汚れがつきにくい素材」「インテリアやキッチンと合う素材」に着目するのがポイントです。
重ね張りと張り替えの2つの方法
床のリフォームの工事内容には、大きく分けて2つの方法があります。
1つは「重ね張り」という方法です。重ね張り(レイヤー工法)とは、既存の床材の上に新しい床材を重ねる方法で、リフォーム期間が短くなり価格も抑えられるというメリットがあります。
2つ目は「張り替え」という方法です。張り替えはその名の通り、既存の床を新しいものに張り替える方法で、下地や土台ごと張り替えを行います。既存の床が傷んでいる時などは、この方法でリフォームするのが適しているでしょう。
床材は清潔に保てるものがおすすめ
油跳ねなどで汚れる可能性の高いキッチンの床材には、清潔さを保てる素材を選ぶことが重要です。例えば、木質フローリングの1つである「複合フローリング」、塩化ビニールを用いた「クッションフロア」などが挙げられます。
リビングなどでも使われる複合フローリングは、汚れ防止加工や耐水性に優れたものが豊富です。クッションフロアも、汚れを簡単に落とせることからキッチンの床に向いています。防カビや消臭、抗菌加工が施されたものもあります。
おしゃれな木目調クッションフロアも存在
上述したクッションフロアは、価格が手ごろなうえ、色やデザインのバリエーションが豊富です。おしゃれな木目調のものから大理石やタイルを模したものなど、自分好みの床材を選ぶことができます。
最近は、アイランドキッチンの導入が増えたことから、リビングダイニングと同じ床材を使うケースも珍しくありません。同じ床材を使うことで、空間に統一感が生まれるでしょう。
また、リビングダイニングと異なる床材を使う場合は、素材や色味などのトーンをリビングダイニングと合わせることが大切です。
まとめ
キッチンリフォームは、キッチンの配置からオプションの有無、リビングとのコーディネートまで、こだわりたいポイントがいくつもあります。
選択肢が多いキッチンリフォームだからこそ、自分の住んでいる物件の間取りやライフスタイルに合わせて、キッチンをリフォームすることが大切です。
ライフスタイルをより快適にするキッチンリフォームが実現するよう、今回紹介したポイントを参考にしてみてください。
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