不動産投資の空室対策10選! 空室の原因や避けるべきことを解説
不動産投資で最も注意したいリスクは空室リスクです。空室期間が長引くと家賃収入が途絶え、ローン返済や維持費の負担だけが続くため、精神的にも経済的にも大きなストレスとなります。
そこで今回ご紹介するのは「空室対策」です。不動産投資を始めて空室が発生してしまった方、不動産投資を始めたいけれど空室リスクが心配......という方に、具体的な空室対策を解説します。
不動産投資で空室対策を行う前に確認すべきこと
空室対策を始める前には、現状を正確に把握することが重要です。原因を特定せずに対策を打っても、的外れな施策に終わってしまい、収支改善につながらない可能性があります。そこで、空室対策を行う前には、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 空室の原因特定
- 募集方法
- 物件の状態
1. 空室の原因特定
空室の原因は物件によって異なりますが、主に以下のような内容が考えられます。
- 賃料設定
- 物件の設備や状態
- 募集方法
- 管理体制
たとえば、賃料が周辺相場より高すぎる場合は、入居者が現れにくくなります。逆に、物件自体や設備には問題がなくても、募集方法が適切でなければ入居希望者の目に留まりません。原因の特定は、プロである管理会社や不動産投資会社にも相談して原因を探ってもらうことをおすすめします。
現場を熟知した専門家の意見を聞くことで、自分では気づかなかった問題点が明らかになることも多いです。原因が明確になれば、効果的な対策から実施でき、限られた予算を無駄なく活用できます。
2. 募集方法
どれだけ良い物件でも、適切な方法で情報が発信されていなければ入居希望者の目に留まりません。まず確認すべきは、掲載しているポータルサイト(物件情報を掲載するインターネットサイト)の数が十分かどうかです。主要なポータルサイトに掲載されていなければ、入居希望者に情報が届く機会を逃している可能性があります。ただし掲載には広告費がかかるため、費用対効果を考慮しながら進めることが大切です。
また、物件写真が魅力的に撮影されているかを確認しましょう。暗い写真や枚数が少ない場合、物件の良さが伝わらず、内見の機会を失ってしまいます。さらに、物件情報の文章が入居者目線で書かれているかも重要なポイントです。設備や立地の利便性を具体的に記載し、入居者が「ここに住みたい」と思えるような魅力的な説明になっているか見直しましょう。
3. 物件の状態
内見時の第一印象が成約率に直結するため、物件の状態を客観的に評価する視点も重要です。まず、室内の劣化具合や設備の古さなどを入居者目線でチェックしましょう。壁紙の汚れや床の傷、水回りの劣化などは、入居者が気にしやすいポイントです。
また、競合物件と比較して見劣りする設備がないかも確認が必要です。同じエリア・同じ家賃帯の物件がオートロック、宅配ボックス、温水洗浄便座などの人気設備を備えているのに、自分の物件が古い設備のままでは選ばれにくくなります。
現状を正確に把握することで、清掃だけで解決するのか、部分的なリフォームが必要なのか、新たな価値をプラスするリノベーションが必要なのかを判断できます。
不動産投資ですぐに実践できる空室対策10選
空室の原因を把握したら、次は具体的な対策を実施します。即効性のある対策から中長期的な改善策まで代表的な対策案をご紹介します。
- 募集写真の改善
- 募集条件の見直し(敷金・礼金)
- フリーレント期間の設定
- 入居者ターゲットの見直し・拡大
- 賃料の改善
- 人気設備の導入
- 部分的なリフォーム
- ホームステージング
- リノベーション
- 管理会社・仲介会社の変更
自分の物件の状況や予算に合わせて、最適な対策を検討・選択しましょう。
対策1:募集写真の改善
ポータルサイトに掲載されている物件写真や情報は、入居希望者が内見を決める重要な判断材料です。以下のような写真や掲載状況では、せっかくの物件も選ばれない理由になります。
- 写真が暗い
- 枚数が少ない
- 室内しか撮影していない
- 構図から物件の魅力が伝わらない
これらの問題を解決するには、プロのカメラマンに依頼して明るく広角で撮影するのがおすすめです。広角レンズを使用することで、室内が広く見え、開放感のある印象を与えられます。
また、新しいキッチンや浴室乾燥機など、アピールポイントとなる設備は、しっかりと写真で伝えましょう。さらに、公園、駅、スーパーなど周辺環境の写真も掲載することで、入居後の生活イメージを持ってもらいやすくなります。
対策2:募集条件の見直し(敷金・礼金)
以下のような入居者の初期費用負担を軽減することは、即効性のある空室対策です。
- 敷金:家賃滞納や退去時の原状回復費用など金銭債務の担保として預かるお金
- 礼金:契約時に貸主に支払うお金
特に近年は「敷金・礼金ゼロ」物件が増えており、条件面で競合に負けているケースも多く見られます。ただし、すべてをゼロにする必要はなく、エリアの相場を調査し、競合物件と比較して不利な条件があれば改善しましょう。たとえば、競合が「礼金1カ月」取っているエリアなら、無理にゼロにする必要はなく「礼金0.5カ月」で差別化するという方法も一つです。
ただし、敷金を完全にゼロにする場合は、家賃の滞納金や退去時の原状回復費用をどのように確保するかの検討が必要です。保証会社の利用や、退去時の清掃費用を別途設定するなど、リスク管理も同時に行いましょう。
対策3:フリーレント期間の設定
フリーレントとは、一定期間の家賃を無料にする募集手法です。「1カ月フリーレント」などの条件を付けることで、入居者の実質的な初期費用負担を軽減できます。家賃そのものを下げるわけではないため、物件の資産価値を下げずに空室対策ができる点がメリットです。
一度家賃を下げてしまうと、再び値上げしようとすると交渉が必要となります。フリーレントであれば一時的な措置として活用できます。ただし、フリーレント期間中は家賃収入がゼロになるため、資金繰りへの影響を考慮する必要があります。
対策4:入居者ターゲットの見直し・拡大
これまで想定していなかった層にもターゲットを広げることで、入居者候補を増やすことが可能です。たとえば、以下のようなターゲットが考えられます。
- ペット飼育者
- ルームシェア希望者
ただし、ターゲット拡大の際には、以下のような確認も必要です。
- ペット可の場合:管理規約上OKか。また退去時の原状回復条件の明確化
適切なリスク対策を講じたうえでターゲットを広げれば、空室解消の可能性が高まります。
対策5:賃料の改善
周辺相場と比較して家賃が高い場合には、家賃設定が空室の原因となっている可能性があります。ただし、設備が最新であるなど高い賃料が取れる条件が揃っていれば、入居が見込めるため安易に下げる必要はありません。そのため、まずは同じエリアで同じ間取り・築年数の物件が、どれくらいの家賃で募集されているか調査しましょう。管理会社や不動産投資会社に相談すれば、相場感を教えてもらえます。
対策6:人気設備の導入
入居者ニーズの高い設備を導入することで、物件の競争力を高められます。一例として、以下のような設備が挙げられます。
- 無料インターネット
- 宅配ボックス
- モニター付きインターホン
- 独立洗面台
- 浴室乾燥機
テレワークが普及した現在、安定したインターネット環境は物件選びの重要な要素であり、導入することで差別化につながるでしょう。また、ファミリー向け物件であれば追い焚き機能や浴室乾燥機、単身者向け物件であればセキュリティ設備など、ターゲットに合わせた設備投資が効果的です。
対策7:部分的なリフォーム
物件に新たな価値を付加するリノベーションではなく、ポイントに絞った部分リフォームも効果的です。水回り(キッチン・バス・洗面・トイレ)は入居者が重視しやすいポイントで、ここを新しくするだけで物件の印象が変わる可能性があります。
そのほか、壁紙の張り替えやフローリングの交換も印象は変わります。壁紙を明るい色に変えるだけで、室内が広く明るく見え、印象が大きく変わります。
対策8:ホームステージング
ホームステージングとは、家具や小物を配置して室内を演出し、入居後の生活をイメージしてもらいやすくする手法です。実際に家具を配置することで、部屋の広さや使い勝手が具体的に伝わり、入居者は「ここに住みたい」というイメージを持ちやすくなるでしょう。
また、実際の家具を配置しなくてもバーチャルでイメージを持ってもらうやり方もあります。バーチャルホームステージングは、写真に家具を合成して掲載する方法で、実物の家具を用意するより低コストで実施できます。
対策9:リノベーション
築年数が古く、部分的なリフォームでは競争力が回復しない場合は、以下のように本格的なリノベーションを検討しましょう。
- 間取り変更
- 設備の全面刷新
たとえば、築30年以上の物件では、間取りや設備が現代の入居者ニーズに合っていないことが多いため、部屋の仕切りを取って広い部屋にするなど、新しい価値を付加することによって生まれ変わらせることが有効です。投資額は数百万円以上と高額になる可能性が高いですが、家賃アップや長期的な資産価値向上も期待できます。
リノベーション後は、周辺相場より高い家賃設定が可能になることもあり、投資回収の見込みが立てば実施する価値があります。ただし、リノベーションを検討する際は、必ず費用対効果を計算し、投資回収に何年かかるか確認しましょう。
対策10:管理会社・仲介会社の変更
空室が長期化している原因が管理会社や仲介会社の募集力不足にある場合、会社の変更も有効な選択肢です。管理会社によって、募集ネットワークの広さや仲介店舗との連携力、営業の積極性に差があります。
変更する際は、契約解除の条件や引き継ぎ期間を確認し、入居者対応に空白期間が生じないよう注意が必要です。管理会社の変更は、既存の入居者にも影響を与えるため、スムーズな引き継ぎができるよう計画的に進めましょう。
不動産投資の空室対策で避けるべきこと
空室対策を行う際には、効果的な施策を実施するだけでなく、以下のような避けるべき失敗パターンも知っておくことが重要です。
- 安易な家賃値下げ
- 費用対効果を無視したリフォーム
- 無計画な入居条件の緩和
- プロに相談せずに自己判断
1. 安易な家賃値下げ
安易な値下げは長期的に見て収益性を大きく損なう危険があります。一度下げた家賃は簡単には戻せないため、結果として物件全体の収益力が低下してしまいます。
値下げを検討する前に、ほかの対策(募集方法の改善・設備導入・清掃強化など)を試すのが得策です。これらの対策で空室が解消されれば、収益性を維持したまま問題を解決できます。どうしても値下げが必要な場合でも、相場感を加味して、プロに判断してもらいましょう。
2. 費用対効果を無視したリフォーム
「リフォームすれば入居者が決まるだろう」と考えて、高額な改修工事を行うことはできますが、投資回収の見込みがなければ無駄な出費になりかねません。リフォームを検討する際は、「投資額÷(賃料アップ額×12カ月)」で回収年数などを計算し、自身の想定する物件の保有期間と照らし合わせて判断する必要があります。
なお賃料アップの割合を決めるためにはエリアの賃料相場と比較することも重要です。費用対効果の高い部分リフォームから小さく始めて、反応を見ながら段階的に進めるのもおすすめです。
3. 無計画な入居条件の緩和
空室を早く埋めたいあまり、入居審査を甘くしたり、条件を無計画に緩和したりするのは危険です。家賃滞納リスクの高い入居者やトラブルを起こしやすい入居者を受け入れると、後々より大きな問題に発展します。
家賃滞納が発生すれば収入が途絶えるだけでなく、退去させるための法的手続きに時間と費用がかかります。また、トラブルでほかの入居者が退去してしまえば、空室がさらに増える悪循環に陥ってしまうでしょう。
入居条件を緩和する場合は、保証会社の利用を必須にする、緊急連絡先を複数確保するなど、リスク管理策を同時に講じることが不可欠です。空室を埋めることと、安心して賃貸経営を続けることのバランスを考えた判断が重要です。
4. プロに相談せずに自己判断
空室対策の知識をネットや書籍で得て、すべて自己判断で進めてしまうのは大きなリスクと言えます。不動産市場はエリアや物件タイプによって特性が異なり、一般論が必ずしも自分の物件に当てはまるとは限りません。
たとえば、エリアごとの入居者ニーズを把握せずにリフォーム対策などを実施しても、費用ばかりかかって効果が得られない可能性もあります。管理会社や不動産投資会社など、現場を熟知したプロに相談することで、エリア特性に合った最適な対策を選択できます。
不動産投資で空室対策を行う際は不動産投資会社に相談しながら進めよう
不動産投資における空室対策は、まず原因を正確に把握することから始めましょう。原因を把握したあとに、募集方法の改善や条件の見直しなど、低コストで即効性のある対策から試し、必要に応じて設備導入やリフォームを検討することが大切です。
ただし、安易な家賃値下げや費用対効果を無視したリフォームは避けるべきです。空室対策は不動産投資の成否を左右する重要な要素であるため、管理会社や不動産投資会社などのプロに相談しながら、エリア特性に合った効果的な対策を実施することをおすすめします。
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