不動産投資の情報収集方法は? 信頼できる情報源やポイントを解説
「不動産投資を始めたいけれど、どこから情報を集めればいいの?」「インターネットやSNSに溢れる情報のなかで、本当に信頼できる情報はどれ?」このような悩みを抱えていませんか?
不動産投資の成功には、情報収集が欠かせません。信頼できる情報源を見極め、効率的に必要な知識を収集することが、賢明な投資判断の基盤となります。
本記事では、不動産投資初心者が適切な情報を集める方法を解説します。
不動産投資を始める前に収集すべき情報
不動産投資を始める前に最低限収集しておくべき情報は、以下の8つです。
- 不動産投資の基礎知識
- 市場の動向
- 物件の選び方
- エリアの特性
- 融資(ローン)
- 不動産投資関連の法律
- 税金や確定申告
- 成功事例・失敗事例
詳しく解説します。
1. 不動産投資の基礎知識
不動産投資の基本的な仕組みやメリット・デメリット、種類の把握は、投資判断を行ううえでの重要な土台となります。知識がないまま不動産投資を始めてしまうと、リスクを正しく評価できなかったり、ご自身に合わない物件を選んでしまう可能性があります。
不動産投資の収益化方法は、毎月の家賃収入による安定したインカムゲインと、物件価値の上昇による売却益であるキャピタルゲインの2つです。インフレに強いなどのメリットがある一方、空室が発生する可能性などのリスクがあります。
投資の種類も一つではありません。アパートやマンションを建物ごと購入する一棟投資や、マンションの一室のみを購入する区分マンション投資などがあります。それぞれ必要な資金額や運営の手間、リスクとリターンのバランスなどが異なるので、信頼できる情報から基礎・基本を理解することが大切です。
2. 市場の動向
初心者にはややハードルが高いかもしれませんが、不動産投資は、市場の動向を把握したうえで行うことが成功の鍵です。不動産の価格や賃料は、景気や金利、人口の動きなどさまざまな要因によって変動しています。市場の流れや傾向を読まずに投資を始めると、不利な条件で物件を購入してしまい失敗につながりかねません。
市場の動向を調べるには、国土交通省が発表している「不動産価格指数」や「地価公示」などで、全国や地域ごとの価格トレンドを確認するのが効果的です。価値が上昇しているのか、下落しているのか、その傾向を知ることから始めましょう。
また、日本銀行の金融政策はローンの金利に直接影響し、投資の採算性を左右します。ニュースや金融機関のレポートなどで最新情報をチェックし、動向を確認する姿勢も大切です。
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3. 物件の選び方
不動産投資において、安定した家賃収入を得て、将来的に資産価値を維持・向上させるためには、物件を吟味する必要があります。物件選びで見落としがあると、空室が続いたり予想外の出費がかさんだり、最悪の場合、売却したくても買い手がつかないといった事態に陥りかねません。
よい物件を見極めるためのポイントは、主に以下の4つです。
- 立地
- 建物の状態
- 管理状況
- 収益性
駅からの距離や路線の利便性、スーパーや病院などの生活利便施設の充実度は、入居者の募集に大きく影響します。建物の状態も重要で、特に中古物件の場合は築年数だけではなく、建物の構造や耐震基準などを確認する必要があります。
建物がきれいに保たれているか、定期的なメンテナンスが行われているかなど、管理状況も大切なポイントです。広告に表示される表面利回りだけではなく、管理費や税金などの経費を考慮した実質利回りや、月々のローン返済後に手元にいくら残るかを示すキャッシュフローの確認も忘れずに行いましょう。
4. エリアの特性
魅力的な物件を見つけたとしても、物件が建っているエリアの特性を理解していなければ、投資が成功するとは限りません。地域ごとに人口構成や産業、将来性は大きく異なります。そのエリアならではの特徴を掴み、それに合わせた投資戦略を立てることが重要です。
エリア特性を調査するうえで確認したいのは、人口動態です。総務省統計局や各自治体が公表しているデータをもとに、人口の増減や年齢層、世帯構成を把握します。また、賃貸需要の理解も重要で、地域の主要な産業や大学、病院などがあることは、安定した物件の需要につながる可能性があります。
これらを調べるには、賃貸情報サイトで周辺の募集状況を調査したり、時に物件所在地の地元の不動産会社にヒアリングしたりするのもおすすめです。街の利便性向上や活性化につながる計画があれば、将来的な資産価値の上昇も期待できます。
5. 融資(ローン)
融資(ローン)は、少ない自己資金でも大きな投資を可能にするレバレッジ効果が期待できます。借入れの仕組みやリスクを十分に理解し、慎重に計画を立てることが大切です。
ローンの条件のなかでも金利や返済期間は、投資の収支に直接影響します。計画に無理があると、空室や金利上昇といった事態に対応できず、返済が困難になるリスクがあります。
不動産投資用のローンは、住宅ローンよりも金利が高めに設定され、審査も事業性を問われるため厳しくなりがちです。融資を受ける金融機関もメガバンクや地方銀行、ネット銀行までさまざまで、それぞれ金利水準や審査基準が異なります。
6. 不動産投資関連の法律
不動産投資は、お金だけではなく、法律とも深く関わる事業です。関連する法律の基本的な知識を持たずに投資を進めてしまうと、意図せず法律違反を犯してしまったり、不利な契約を結んでしまったりするおそれがあります。安心して投資を行い、健全な賃貸経営を続けるためには、最低限の法律知識を身につけておくことが大切です。
不動産投資において重要な法律は、以下の2つです。
- 借地借家法
- 建築基準法
借地借家法とは、建物の所有を目的とする土地の賃貸借(借地)と、建物の賃貸借(借家)に関するルールを定めた法律です。たとえば賃貸アパートなど借家においては大家さんと入居者との間のルールを定めており、期間や更新のルール、家賃の増減などが定められています。
建築基準法では、建物の安全性や利用に関するルールである耐震基準や建物の用途制限などが定められています。中古物件購入時には、これらの基準が現行の基準に適合しているか確認が必要です。
このほかにも、不動産の売買には民法、マンション(区分所有建物)の取り扱いには区分所有法、入居者情報の管理には個人情報保護法、不動産会社との媒介契約には宅地建物取引業法が関係します。
すべての法律を暗記する必要はありませんが、自身の投資スタイルや物件取得に関連する法律については、基本的な考え方や注意点を把握しておくことが重要です。
7. 税金や確定申告
不動産投資と税金は、切っても切り離せない関係にあります。どの税金が、どのタイミングで、どのくらいかかるのかを理解しておくことは、正確な収支を計算し、最終的な手取り収益を把握するためにも重要です。
また、適切な知識があれば、合法的な範囲で税負担を軽減する節税も可能になります。税金の知識がないと、申告を忘れてペナルティを受けたり、利用できる控除を見逃したりするかもしれません。
不動産投資に関わる主な税金は、以下のように課税されるタイミングで分類できます。
タイミング | 税金 |
---|---|
物件を取得する際 | 不動産取得税、登録免許税、印紙税、消費税(家屋の取得時で売主が課税事業者の場合)など |
物件を保有・賃貸している間 | 固定資産税、都市計画税、所得税、住民税など |
物件を売却して利益が出た場合 | 譲渡所得税(所得税・ 復興特別所得税・住民税)、印紙税など |
さらに、一定以上の不動産所得(年間20万円以上)がある場合、会社員の方でも原則として確定申告が必要です。毎年2月16日から3月15日の間にご自身で申告書を作成し、税務署に提出・納税します。国税庁のWebサイトや税務署で情報を得られますが、計算が複雑な場合や節税相談は税理士に依頼すると安心です。
8. 成功事例・失敗事例
不動産投資の情報収集を進めるうえで、実際に投資を経験した人たちの成功事例や失敗事例に触れることは、何かしらのヒントを得られます。理論やデータだけではわからないリアルな体験談のなかには、成功への道筋や失敗を避けるための教訓が詰まっているためです。
そこから得られる教訓を自分の投資にどう活かせるかを考える姿勢が大切です。
不動産投資における情報収集の方法
不動産投資における主な情報収集方法は、以下の7つです。
- 書籍の購読
- オウンドメディアの閲覧
- ポータルサイトの閲覧
- セミナーへの参加
- YouTubeの視聴
- 不動産投資会社への相談
- 不動産投資経験者への相談
各情報収集方法の特徴を解説します。
1. 書籍の購読
多くの書籍は、その分野で実績のある専門家や経験豊富な投資家によって、時間と労力をかけて執筆されています。不動産投資の全体像や背景にある理論、著者の考え方まで含めて、一貫した知識をじっくりと学べます。
不動産投資関連の書籍には、以下のように多くの種類があります。
- 投資の基本的な仕組みや用語を解説する初心者向けの入門書
- 特定のテーマを深く掘り下げた専門書
- マインドや成功哲学を学べる書籍
ただし、出版までに時間がかかるため、最新の市場動向などは反映されていない可能性があります。情報の鮮度は、他の方法に劣る場合があるため、不動産投資の全体像を体系的に学びたいときにおすすめです。
2. オウンドメディアの閲覧
近年、多くの不動産投資会社や関連サービス企業が、自社Web内でブログやコラム記事といったオウンドメディアを運営しています。メディア内では、その企業が持つ専門知識やノウハウ、最新のサービス情報などが発信されており、投資家にとっても有用な情報源となります。
オウンドメディアのメリットは、企業独自の深い情報や最新情報に触れられる点、その企業のサービス内容や考え方、得意分野などを把握できる点です。一方、あくまで企業自身が発信する情報であるため、内容は自社のサービスや商品にとって有利な情報に偏る可能性があります。
そのため、オウンドメディアの情報を参考にする際は、その情報が客観的な事実に基づいているか、他の情報源と比較して正しいかどうか、といった視点で吟味することが重要です。
弊社では、不動産関連等の情報を発信するメディア「RENOSY マガジン」を運営し、不動産投資初心者の方に役立つ内容をまとめています。
3. ポータルサイトの閲覧
不動産投資専門のポータルサイトには、全国各地の膨大な数の投資用物件情報が集約されており、エリアや価格、築年数など、さまざまな条件で物件を検索できます。物件探しにおいて便利であり、希望するエリアの物件相場を把握したり、どのような物件が売りに出されているのかを比較検討したりするのに役立ちます。
また、多くのポータルサイトでは、不動産投資に関するニュースや専門家・現役大家さんによるコラム記事も提供されており、物件探しと並行して知識を深めることも可能です。
しかし、掲載されている物件情報の正確性は、最終的にはご自身で不動産会社に問い合わせるなどして確認する必要があります。また、魅力的な物件はすぐに買い手が見つかってしまうことも多く、常に最新情報をチェックすることが大切です。
4. セミナーへの参加
不動産投資に関する知識やノウハウを専門家や経験者から直接学びたい方には、セミナーや勉強会への参加がおすすめです。書籍やインターネットだけでは得られない講師の生の体験談や具体的なアドバイス、最新の市場の雰囲気などを肌で感じられる貴重な機会となります。
セミナーでは、わからないことや疑問に思ったことをその場で講師に直接質問でき、すぐに回答を得られる点がメリットです。また、他の参加者との交流を通じて、情報交換をしたり、投資仲間との人脈を築いたりもできます。
セミナーにはいろいろな種類があり、初心者向けの基礎講座から、特定のテーマを深く掘り下げるものまで多岐にわたります。
無料セミナーは参加しやすい反面、集客を目的としており、後半で高額な物件やコンサルティング契約などを勧められるケースも少なくありません。もちろん、無料でも有益なセミナーは多数存在しますが、見極めが重要です。
5. YouTubeの視聴
YouTubeは近年、情報収集の手段として急速に普及している媒体です。不動産投資の分野でも、多くの投資家や専門家、不動産投資会社などがチャンネルを開設し、有益な情報を動画で発信しています。
YouTubeはスマートフォン一つあれば、通勤時間や休憩時間などの隙間時間を利用して、いつでもどこでも学習可能です。しかし手軽さの裏返しとして、情報の信頼性には注意が必要です。誰でもチャンネルを開設し情報を発信できるため、なかには専門知識が不十分なまま解説していたり、誤った情報を伝えていたりする動画も存在します。
YouTubeで情報収集する際は、発信者のプロフィールや実績などをチェックし、情報の取捨選択をする姿勢が欠かせません。
リノシー チャンネル【不動産投資のことをカジュアルに発信】」
6. 不動産投資会社への相談
不動産投資は物件探しから始まり、融資付け、契約、購入後の管理、最終的な売却まで、多くのプロセスと専門知識が必要です。これらのプロセスをすべて自分1人で行うのは、初心者の方や本業で忙しい方にとっては大変な負担となるでしょう。そこで有効なのが、不動産投資会社への相談です。
不動産投資会社は、それぞれの専門分野において、豊富な知識と経験、ネットワークを持っています。一般には出回っていない未公開物件の情報を提供してもらえたり、ご自身の状況に合わせた資金計画やローンのアドバイスを受けたりすることも可能です。
しかし、不動産投資会社と一口にいっても、その種類や質はさまざまです。相談する際は、担当者の知識レベルや経験、対応の丁寧さなどを見極める必要があります。複数の会社に相談し、比較検討したうえで最も信頼できると感じるパートナーを選びましょう。
7. 不動産投資経験者への相談
身近な友人や知人に不動産投資経験者がいれば、直接話を聞いてみるのが一番です。もし身近にいなくても、セミナーや勉強会、インターネット上の投資家コミュニティを通じて、経験者とつながる機会はあります。
経験者に相談するメリットは、理論や一般論ではない、リアルな体験談や現場の感覚を教えてもらえる点です。成功した話だけではなく、失敗談や苦労した話、日々の賃貸経営で工夫している点など、書籍等には載っていない具体的な情報を得られる可能性があります。
ただし、経験者の話はあくまで個別の事例であり、必ずしもご自身の状況に当てはまるとは限りません。投資した時期やエリア、物件の種類、その人の資金力やリスク許容度などによって、結果は大きく異なります。経験者の話を参考にする際は意見を鵜呑みにせず、客観的に分析することが重要です。
不動産投資における最適な情報収集源の選び方
ここまで解説したとおり、不動産投資における情報収集には多くの手段があります。各手段の特徴や用途を以下の表にまとめました。
手段 | メリット | デメリット |
---|---|---|
書籍の購読 |
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オウンドメディアの閲覧 |
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ポータルサイトの閲覧 |
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セミナーへの参加 |
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YouTubeの視聴 |
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不動産投資会社への相談 |
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不動産投資経験者への相談 |
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たとえば、基礎から学びたいときは書籍が適していますし、基礎への理解があり、トレンドを捉えたいならYouTubeの活用が向いています。不動産投資への理解度によって最適な手段は異なるので、ご自身の状況に合わせて情報収集源を選ぶことが大切です。
不動産投資における情報収集のポイント
不動産投資における情報収集のポイントは、以下の3つです。
- 自分が知りたい情報を明確化する
- メリットだけでなくリスクも把握しておく
- 相談先の口コミや実績などを確認する
それぞれ解説します。
1. 自分が知りたい情報を明確化する
不動産投資に関する情報は膨大に存在します。目的が曖昧なまま情報収集を始めてしまうと、関係のない情報に時間を費やしてしまったり、集めた情報が多すぎて整理できなくなったりするなど、情報過多や目的の迷子状態に陥りがちです。そうならないためにも、情報収集の目的を具体的に設定しましょう。
たとえば、「不動産投資の基本的な仕組みとメリット・デメリットを知りたい」「特定のエリアにおける、中古区分マンションの価格相場を把握したい」といった目的です。このように目的を具体化するだけでなく、収集したい情報の種類や必要な情報の深さ、情報収集にかけられる時間や予算なども合わせて考えておくと、より効率的に作業を進められます。
本格的な情報収集を始める前に、達成したいゴールを時間を取って自問自答し、書き出してみることをおすすめします。目的が明確になれば、どの情報源にアクセスし、どの情報に注目すべきかが見えやすくなり、情報収集の効率と質が向上するでしょう。
2. メリットだけでなくリスクも把握しておく
不動産投資には、安定した家賃収入や節税効果など、多くのメリットがあります。情報収集をしていると、どうしてもよい面にばかり目が行きがちです。しかし、健全な投資判断を下し、長期的に成功するためには、リスクに関する情報もセットで収集する必要があります。
投資の世界においてメリットとリスクは表裏一体であり、リスクを軽視した投資は大きな失敗につながる可能性が高いです。「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、事前にリスクを把握し、対策を検討する姿勢が欠かせません。
3. 相談先の口コミや実績などを確認する
不動産投資を進めるうえで、不動産投資会社や税理士、ファイナンシャルプランナー(FP)といった専門家に相談する場面が出てくるでしょう。その際、相談相手が本当に信頼できるパートナーとなり得るかを見極めるために、事前に口コミ・評判や過去の実績などを確認することが不可欠です。
不動産投資は扱う金額が大きく、相談相手の知識レベルや経験、誠実さが、ご自身の投資判断やその後の結果に直接的な影響を与える可能性があります。もし信頼できない相手に相談してしまうと、不利益な契約を結ばされたり、不適切なアドバイスを受けて損失を被ったりするリスクも考えられます。
そのため、相談先を選ぶ際は実績や保有資格、料金体系などの確認が必須です。相談したい会社や専門家が見つかったら、すぐに契約や依頼をするのではなく、まずはWebサイトなどでこれらの情報を確認します。複数の候補を比較検討することが、最良のパートナーを見つけるための重要なステップです。
情報収集を通して不動産投資の知識を蓄えよう
不動産投資を成功させるうえで、質の高い情報を継続的に集めることは不可欠です。情報収集の具体的な方法には、書籍やWebサイト、セミナー、不動産会社や経験者への相談などがあります。
大切なのは、これらの情報源それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の目的や知識レベル、ライフスタイルに合わせて最適なものを組み合わせることです。一つの情報源に偏らず、多角的に情報を集めることで、より客観的で正確な判断が可能になります。
※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
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