再開発中の渋谷や新宿から好アクセス。京王線(下高井戸、芦花公園)と京王井の頭線(永福町、高井戸)が学生らに人気の理由|まちの住みやすさ発見
見知らぬ土地に不動産を購入する際は、物件だけでなく周辺の環境を知っておきたいもの。現在の様子はもちろん、未来のまちを事前に把握できると、購入物件の将来の資産価値も予想しやすくなります。「まちの住みやすさ発見!」では、さまざまな角度からまちのよさに迫ります。
今回は、ビッグターミナル新宿駅につながる京王線(下高井戸、芦花公園)と、渋谷駅につながる京王井の頭線(永福町、高井戸)をご紹介します。
京王線は巨大ターミナル新宿駅に、京王井の頭線は渋谷駅に直結
京王線は新宿と京王八王子を、京王井の頭線は渋谷と吉祥寺をつなぐ路線です。沿線には大学が多く、学生の人気が非常に高い路線といえます。また、乗り換え駅となる明大前や下北沢を使えば、さらに都心へ移動しやすいでしょう。
新宿まで約7分、渋谷まで約8分
京王線の魅力は、なんといっても新宿と渋谷に出やすいことが挙げられます。明大前から新宿まで約7分、渋谷まで約8分でアクセスできるのは、他の路線にはないアクセス性です。新宿と渋谷の再開発が進行していることから、京王線の人気も高まることが予想されます。
京王線・京王井の頭線沿線の大規模再開発
京王線のターミナル駅となる新宿駅周辺は、「新宿グランドターミナル」という構想が掲げられており、新宿駅線路上空の「新宿セントラルプラザ」、新宿駅のデッキから地下までを結ぶ「新宿テラス」などの整備が予定されています。
今回は、京王井の頭線のターミナル駅である渋谷駅に着目し、さまざまな再開発情報を紹介していきます。
渋谷駅周辺開発プロジェクトが進行中
渋谷駅周辺開発プロジェクトは、東急グループが中心となって手掛けており、大きな変貌を遂げてきました。
2018年9月に「渋谷ストリーム」、2019年11月には高さ230mと渋谷では最も高い建物となった「渋谷スクランブルスクエア東棟」が開業。さらに2020年7月には宮下公園が「ミヤシタパーク」にリニューアルするなど、ここ数年で多くの商業施設が渋谷に誕生しました。
大きな開発プロジェクトは全部で9つあり、そのなかから現在進行中の3つを紹介します。
渋谷スクランブルスクエア第II期
渋谷駅の中で最大級の複合施設となる渋谷スクランブルスクエア(東棟)は2019年11月に開業しました。高さは約230mと、渋谷エリアの中では最も高いビルです。
渋谷スクランブルスクエアは東棟、中央棟、西棟の3つの棟で構成されており、第II期再開発では、中央棟と西棟が建設されます。中央棟(地上10階 高さ約61m)は現在のJR渋谷駅の直上に、西棟(地上13階 高さ76m)は東急百貨店東横店の跡地周辺に建設される計画で、2027年度の開業が予定されています。
渋谷駅桜丘口地区(Shibuya Sakura Stage)
渋谷駅桜丘口地区再開発は、渋谷駅周辺の都市基盤を構築するための重要な再開発です。
渋谷は地名に「谷」とつくように高低差が大きい地形で、国道246号やJR線により東西と南北のエリアも分断されています。それらの課題を、立体的な「縦軸」の動線で周辺地区とつなぐ「アーバンコア」の整備や、新たな改札口からの自由通路や歩道橋デッキで解消し、渋谷駅周辺エリアの利便性・回遊性の向上を目指します。
渋谷駅桜丘口地区は都心再開発の中でも非常に規模が大きく、開発面積は約2.6ha、延床面積は約26万m2です。
この渋谷桜丘エリアに、大型複合施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」が2023年11月に竣工。渋谷駅寄りの「SHIBUYAサイド」と桜丘方面の「SAKURAサイド」に分かれており、SHIBUYAサイドには地上39階 高さ約179mの「SHIBUYAタワー」と地上17階 高さ約90mの「セントラルビル」、SAKURAサイドには地上30階 高さ約127mの「SAKURAタワー」が建設されました。
商業施設・オフィス・住宅のほか、居住者や外国人ビジネスマンの生活を支援する施設や国際医療施設などが入り、店舗等がおおむね開業する2024年夏に“まちびらき”のイベントが行われる予定です。
渋谷二丁目17地区(渋谷アクシュ)
渋谷ヒカリエや青山通りに隣接する地区に、地上23階建ての複合施設「渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)」が誕生します。完成後はヒカリエとのデッキ接続も計画されており、ヒカリエやクロスタワーとの往来もスムーズに。今後ますます渋谷駅東口エリアの賑わいも増していくことでしょう。
建物竣工は2024年5月。ビルの1〜4階は商業店舗、5~23階はオフィスが入居予定です。
このほか、2023年1月に営業を終了した東急百貨店本店の跡地周辺では、“新たなランドマーク”として「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」が計画されています。地上36階 地下4階の予定で、2027年度の竣工を目指しています。
下高井戸、芦花公園、永福町、高井戸の基本情報
沿線の主な大学と学生数
青山学院大学 青山キャンパス | 19,214人(2020年5月時点) |
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明治大学 和泉キャンパス | 9,130人(2020年5月時点) |
日本大学文理学部 | 8,030人(2020年5月時点) |
成蹊大学 | 7,611人(2020年5月時点) |
高千穂大学 | 2,451人(2020年5月時点) |
日本経済大学 東京渋谷キャンパス | 2,035人(2020年5月時点) |
東京大学 駒場キャンパス | 1,866人(2020年11月時点) |
※RENOSY調べ 2021年
上記以外にも、京王線・京王井の頭線には多くの大学が点在しており、地方から上京してくる学生からのニーズが高いのもこの沿線の特徴です。
沿線の主な企業と従業員数
GMOインターネット株式会社 | 6,249人(2023年6月末日時点) |
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株式会社サイバーエージェント | 7,251人(連結、2023年9月30日現在) |
東急建設株式会社 | 2,628人(2023年3月31日現在) |
東急株式会社 | 1,482人(2023年3月31日現在) |
株式会社ミクシィ | 1,556人(連結、2023年3月末現在) |
渋谷駅周辺の再開発に伴って大手IT企業がオフィス移転・拡充が進むほか、渋谷区ではスタートアップ企業の誘致にも積極的に取り組んでいます。そのため、渋谷駅にアクセス良好な京王線・京王井の頭線沿いの居住ニーズは今後も高まっていくことでしょう。
人口推移
2005年から2020年にかけ、下高井戸、芦花公園、永福町、高井戸いずれの駅でも人口が増加しているのがわかります。
現在のまちの様子※2021年4月時点
下高井戸(新宿まで約10分、渋谷まで約11分)
下高井戸は、京王線「新宿」駅から9駅の場所にあります。
駅を出ると正面には日大通りが通っており、商店街が続いています。商店街を真っすぐ行くと日本大学文理学部があります。
右手には昭和から続くレトロな下高井戸駅前市場があり、昔懐かしい独自の魅力を持っています。商店街は平日でも常に人で賑わっていますが、ひとつ脇道を入れば閑静な住宅街となっていて、落ち着いた雰囲気も持ち合わせています。
日大通りの商店街は、チェーン店だけではなく昔ながらの個人店など、さまざまな業態のお店が存在します。通りの中には小学校などもあり、郊外のような表情を持っています。
駅から徒歩10分のところには、「下高井戸おおぞら公園」があります。広々とした芝生の広場があり、ピクニックにも最適です。園内にはアスレチックや滑り台など、子どもが遊べる遊具も豊富に揃っており、下高井戸は若いファミリー層からも支持を集める街でもあります。
芦花公園(新宿まで約18分、渋谷駅まで約26分)
芦花公園(ろかこうえん)は、京王線「新宿」駅から10駅の場所にあります。
世田谷文学館は駅から5分ほどの場所にあります。館内では世田谷区にゆかりのある人物の美術作品や原画など幅広く展示しています。定期的にイベントなども開かれており、区の文化交流施設として存在しています。
駅を出て徒歩1分のところにはスーパー「サミットストア」があり、周辺もコンビニが複数店舗を構えていて、駅周辺には生活に必要な商店が揃っています。
永福町(渋谷まで急行で約8分/各停約13分、新宿まで約11分)
永福町は、京王線「新宿」駅から10駅の場所にあります。吉祥寺と渋谷のほぼ中間に位置しており、どちらの駅にも10分以内でアクセスできます。
改札を出てすぐのところには、駅直結の商業施設「京王リトナード永福町」があります。建物は3階建てで、1階にはスーパー、2〜3階には薬局などの生活雑貨の店舗が並びます。
駅から北に10分ほど歩くと、武蔵国三大宮の1つとされる「大宮八満宮」があります。この神社は東京の重心にあることから、「東京のへそ」とよばれるパワースポットとして多くの人が訪れます。
高井戸(渋谷まで約16分、新宿まで約14分)
高井戸駅は渋谷から11駅の場所にあります。井の頭線での1日の乗降者数は渋谷や吉祥寺などに次いで6位※に位置しており、急行が止まらない駅ながら多くの人に利用されています。
※参照:2022年度。1日の駅別乗降人員|京王グループ
駅を出てすぐのところには高井戸地域区民センターがあります。中には図書館や高齢者活動支援センターなど住民に優しい施設から、温水プールなどの室内運動施設も入っています。
高井戸駅周辺には生活に必要なスーパーが数多く存在しています。駅前には「京王トリナード高井戸」に入っている「キッチンコート」、駅から3分のところには「オオゼキ」、そして駅から約9分のところにはフードコートも併設されている大型スーパー「オリンピック」があり、非常に便利な環境が整っています。
利便性と暮らしやすさを兼ね備えたまち
下高井戸、芦花公園、永福町、高井戸は新宿・渋谷に好アクセスなだけでなく、沿線には大学も多いことから、学生から社会人までさまざまな人たちにとって暮らしやすい街です。
各駅の周辺には生活に必要な環境が整っており、単身者に人気。新宿・渋谷の再開発は今後も進むことから、京王線・京王井の頭線はさらに利便性の高い路線として存在し続けるでしょう。
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