マンション売却を成功させる方法〜売却前後の費用や税金など基礎知識について
マンション売却にはさまざまな手間と費用がかかりますが、不動産会社に査定や売却を依頼すれば、取引に関することはほとんど行ってくれます。ただし、不動産業者に何もかも任せっぱなしにするのはよくありません。実際にマンションを売却するまでの流れを把握して、希望の価格に近づけられるよう、売却にかかる諸費用や注意点なども知っておく必要があります。 ここでは、マンション売却で知っておきたい「売却にかかる費用や税金について」と、「売却査定から引き渡しまでの流れ」などをポイントとしてまとめました。
いま住んでいるマンションや、相続したマンションを売却したいとき、売れるまでに要する時間や費用がどれくらいかかるのかご存知でしょうか?
初めてマンションを売却するという方は、以下のようなポイントが気になるのではないでしょうか。
- 何から始めればいいのか分からない
- いくらで売却できるのか
- すぐに売却できるのか
- 売却のための費用はどれくらいかかるのか
- 高く売れる方法を知りたい
これらに当てはまる方は、今回解説するマンション売却についての知識を身に着けておくと安心です。何も知らない状態で不動産会社に任せっきりにするのではなく、マンション売却前に知っておくべきポイントを自分でチェックしておきましょう。
マンション売却前にチェックすべき4つのポイント
今は売るタイミングとして最適か
不動産の価格相場は常に変動しています。例えば土地の場合は、毎年3月下旬ごろに国土交通省の土地鑑定委員会から地価公示が発表され、地価公示を基準として土地の価格相場が決まっていきます。
土地の形状や道路付けなどによっても価格は変動し、その土地の上にマンションを建てた場合は土地取得価額(土地を買った代金)を含んだ不動産相場が形成されていくのです。
不動産の中古市場では、土地・建物の評価額や周辺にある物件の不動産価格を基に相場が決められていきます。売却したいマンションのエリア内にある、似た条件の物件価格がいまいくらになっているのかを確認しておくとよいでしょう。
不動産相場や所有している期間などもマンション売却時には影響してくるため、売るタイミングはとても重要なポイントです。
買ってから5年以内ではないか
マンション売却には、税金が課税されることがあります。売却のタイミングによって税率が変わる「譲渡所得税」がその一つです。譲渡所得税とは、土地や建物を売ったときに課税される税金で、不動産を所有していた期間によって税率が変動します。
譲渡所得税の税率が変わるポイントは、マンションを買ってから5年以内かどうかです。譲渡所得税は、「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分けられており、それぞれ税率が異なります。
区分 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
長期譲渡所得 | 15% | 5% |
短期譲渡所得 | 30% | 9% |
マンションを売却した年の1月1日の時点で、マンションの所有期間が5年を超えている場合は「長期譲渡所得」、5年以内なら「短期譲渡所得」です。所得税と住民税の両方が課税されるため、合計すると19%も税率が違うことが分かります。そのため買ってから売却するまでのタイミングには注意しましょう。
譲渡所得税の計算式は以下の通りです。
1.課税譲渡所得金額 = 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額(一定の場合)
2.譲渡所得税 = 課税譲渡所得金額 × 税率
売却したいマンションが自己の居住用なのであれば、売却で利益がでた際の3,000万円特別控除や軽減税率の特例を受けられる場合があります。特別控除が受けられれば、譲渡所得(売却して得た利益)から3,000万円を控除することができるため、大幅な節税につながります。
また、マイホームとして使用していたマンションの所有期間が10年を超えているときは、以下のような軽減税率の特例も受けられる場合があります。
課税所得金額 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
6,000万円までの部分 | 10% | 4% |
6,000万円を超える部分 | 15% | 5% |
ローンの残債は残っていないか
不動産を購入するときは、金融機関のローンを利用している場合がほとんどです。もし、マンション売却時にローンの残債が残っているのであれば、売却金でローンが完済できるのかどうかを確認しておく必要があります。
ローン残債の確認方法はさまざまですが、借入れた金融機関から郵送されてくる返済予定表や、年末残高証明書などで確認する方法が一般的です。年末残高証明書は、借入れた時期や銀行によって送られてくるタイミングが異なりますが、毎年9月から翌年の1月ごろに郵送されてくる場合が多いです。
もし売却金がローン残債よりも少ない場合は、ローン返済に足りない分を持ち出しで補填しなければなりません。ローン残債額によって売却価格の最低ラインが決まることもあるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
買い替えローンを活用する場合もある
マンションの売却価格がローン残債を下回り、不足分を自己資産から用意できない場合でも、「買い替えローン」を利用することでマンションを売却できるケースがあります。買い替えローンは、売りに出したいマンションのローン残債を、新居の住宅ローンに含めて借入れするシステムです。
現在のローン残債が多く残っている場合にも買い替えできるケースは少なくないので、諦める前に一度金融機関に相談してみましょう。
ただし、一般的には買い替えローンを利用できる人は限られています。買い替える物件の担保価値にも影響を受けますが、ほとんどは収入にゆとりのある人や、現在のローンの借入時よりも収入が増えた人に限られます。
また、買い替えローンを利用できることになったとして、ローンの支払い額は今より増えることは確実です。現実的に払い続けられるかどうか、慎重に検討してから判断するようにしましょう。
マンション売却の方法は2種類
不動産売却に関わる不動産会社には以下の2種類が存在します。
- 不動産会社が売りたい人と買いたい人の間に入って個人同士で売買する
- 不動産会社が対象の不動産を直接買取る
マンションを売却するときは、1番目の不動産会社が仲介業者として売買契約を進めていく場合がほとんどです。売りたいマンションの査定を行い、所有者と相談して売却価格を決めていきます。売却に出した後は、不動産会社が物件の紹介や内見を行ってくれます。ただし、実際に売買契約が決まるまでは、いつ誰が買ってくれるのか分かりません。
「確実かつ早くマンションを売りたい」という場合は、不動産会社に直接買取ってもらうこともできるので、事前に売却方法を相談しておくとよ良いでしょう。不動産会社の経理上の締日にもよりますが、買取りの場合は早めに入金されることが多いです。
それぞれメリットとデメリットを以下にまとめました。
《仲介での売却メリット》
・不動産会社が物件の紹介や売買契約書の作成などを行ってくれる
・一般の不動産相場で売却できる
・売買代金の決済や引き渡し完了まで不動産会社がスケジュールを組んでくれる
《仲介での売却デメリット》
・仲介手数料がかかる
・いつ売れるか分からない(売却までに時間がかかる)
・希望価格で売れない可能性がある
・居住中の場合は内見の対応が必要
《直接買取りのメリット》
・即時売却が期待できる
・瑕疵担保責任の免除
・売却情報が一般公開されない
・仲介手数料がかからない
・内見対応が不要
《直接買取りのデメリット》
・一般の不動産相場よりも安くなる場合が多い
仲介での売却の場合と、直接買取りでは、それぞれメリット・デメリットが異なります。不動産会社によっては仲介と買取り両方の業務を行っているところもあるので、売却相談の際に確認してみましょう。
マンション売却の流れ
一般的なマンション売却の流れをご紹介します。不動産を売るときは、仲介であればどんな物件であってもほぼ同じ手順での売却になります。
手順1:売却相場を調べる
マンションがいくらで売れるのか相場を確認します。希望価格で売りに出しても、すぐに売れるとは限りません。また、不動産相場を無視した売却価格では、いつまで経っても売れない可能性があります。売りたいマンションの周辺にある物件がいくらで売買されているのか、きちんと調べておきましょう。
売却相場を調べる方法としては、不動産ポータルサイトで実際に売りに出ている不動産価格をチェックします。また、過去に成約した取引を調べたいときは、「REINS Market Information」から売買価格が確認できます。ただし、細かい詳細を見ることはできません。
手順2:売却査定を出す
不動産の売却査定は、ほとんどの不動産会社が無料でやってくれます。売却査定は、不動産会社のWebサイトや電話での依頼が可能です。査定依頼を出したあとは、不動産会社から電話やメールなどで連絡がきます。
不動産会社に支払う仲介手数料は成功報酬型なので、売買契約が決まらなければ報酬を払う必要はありません。そのため、売却査定をしてもらったからといって調査料などが請求されることもないので、まずは不動産のプロに査定してもらうのが確実な方法といえます。
手順3:不動産会社による調査
不動産会社が査定を行うときは、対象物件があるエリア内で周辺の不動産価格を調査し、さらに似た条件の物件が過去にいくらで売買されたのか、などもチェックします。
不動産の査定には机上査定と訪問査定の2つの方法があり、机上査定は、基本的に不動産会社の事務所内だけで完結する方法です。依頼者から得た売却希望マンションの情報と、レインズや不動産ポータルサイトなどで得た情報などを基に、簡易的に査定額を算出します。
訪問査定は、直接現地までいって物件の現況を確認し、より詳細に調査して査定額を導きだします。不動産会社の従業員が自宅まで訪問してきます。
手順4:売出し価格の決定
売却査定が完了したら、次は売り出し価格の決定です。不動産業者と相談しながら、いくらから売り出すのかを決めます。このとき、3つの売却価格を提案される場合があり、その中からいくらで売るか選ぶこともできます。
- 売れたらいいなという希望価格
- 実際の相場に近い、売れる価格
- 最低ラインの価格
早く売りたい場合は、初めから2の手堅い売り出し価格からのスタートになるでしょう。
手順5:媒介契約を結ぶ
売り出し価格が決まったら、売買を仲介してくれる不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約は、3つの種類に分かれており、どの媒介契約にするのか自由に選択可能です。
一般媒介契約
一般媒介契約は、複数の不動産会社に対して売却依頼が可能で、媒介契約後に自分自身で買主を見つけた場合もそのまま売買契約が締結できます。
専任媒介契約
専任媒介契約は、一般媒介契約とは異なり、1社の不動産会社にしか売却依頼をすることができません。その代わり、専任媒介契約を結んだ不動産会社には一定の義務が生じます。
不動産会社は、専任媒介契約を締結してから7日以内に売却情報を指定流通機構(レインズ)へ登録する義務があり、売却活動進捗を14日に1回以上は売主に報告しなければなりません。
一般媒介契約と同様に、自分自身で買主を見つけたときはそのまま売買契約が可能です。専任媒介契約の有効期限は3ヵ月。
専属専任媒介契約
不動産会社にとって、専属専任媒介契約は専任媒介よりも義務が重くなります。ただし、売主は専属専任媒介契約をした仲介業者が紹介する買主としか売買契約ができないので、不動産会社としては確実に仲介手数料が得られるようになります。
不動産会社は、専属専任売買契約を締結した日から5日以内にレインズに登録する義務があり、7日に1回以上は売却活動の進捗を売主に対して報告しなければなりません。
専任媒介や専属専任媒介契約を提案してくる不動産会社が多い傾向にありますが、どの媒介契約を結ぶかは売主の自由です。
手順6:売却活動
不動産会社と媒介契約を締結したら、実際に売却活動が始まります。基本的には不動産会社が物件紹介を行うので、売主が動くことはほとんどありません。不動産会社は、売主の同意を得て売却物件を広告します。広告の方法は、不動産ポータルサイトへの掲載や、不動産情報誌、新聞折込などさまざまです。
居住用の物件は戸建・マンション問わず、近隣の人が買うケースがよくあります。例えば親が子供のために家を買う場合や、高齢になった両親の近くに住むために子供が買う場合などがあります。そのため手配りチラシを作って売却物件の近隣にポスティングするのも効果があり、よく行われます。もし売却のことをご近所に知られたくない場合は、あらかじめ動産会社に伝えておきましょう。
手順7:売買契約を結ぶ
買主が決まったら、売買契約を締結します。契約書そのものは仲介業者が作成してくれます。マンションの売却に関する必要書類は仲介業者が用意してくれますが、売主が個人で用意しなければならないものもあります。
例えば、固定資産税評価証明書や印鑑証明書、本人確認書類などです。たいていの仲介業者に言えば必要書類を教えてもらえるので、事前に確認しておきましょう。
売買契約時には、買主から手付金を受け取るのが一般的です。手付金の額は売買代金の1割程度といわれています。手付金の額についてはあらかじめ仲介業者から相談をうける場合が多く、売買契約書にも手付金についての記載があります。
手順8:引き渡しをする
売買契約の締結をした後は、決済と引き渡しを行って完了です。決済とは、手付金を除いた売却金の残代金を受け取ることをいいます。引き渡しは、マンションの鍵を買主に渡して所有権移転登記を行い、物件を完全に相手方に引き渡すことです。
基本的に決済と引き渡しは同時に行うので、金銭のやり取りをする銀行の会議室や応接室などを借りて行います。決済日に、司法書士が所有権移転登記を行うので、登記識別情報(いわゆる権利書)を必ず持っていかなければなりません。
マンション売却する際の不動産会社の選び方
マンション売却を依頼するときに、「不動産会社をどうやって選べばいいのか分からない」、という方も多いのではないでしょうか。全国展開している大手の不動産会社や地元で長年やっている中小の不動産会社などさまざまな業者が存在しています。
大手と地場の不動産会社は、それぞれメリット・デメリットが異なるので、売却依頼をする前に確認しておきましょう。
《大手不動産会社に売却依頼をするメリット》
・全国展開のネットワークで顧客や自社サイトの会員が多い
・全国の物件情報を網羅しているため相場に詳しい
・広告宣伝費の予算枠が大きい
《大手不動産会社の売却依頼をするデメリット》
・担当者が転勤になる場合がある
・対応件数が多いと他の売買案件に注力することがある
・両手仲介を狙うことがある(買いたいという人を逃してしまうことがある)
大手不動産会社は、物件情報や顧客数が豊富で、広告に使える予算が大きいのがメリットです。逆に、広告にお金をかけているため両手仲介(売主・買主双方から仲介手数料がもらえる)を狙って少しでも多く売上を作ろうとする場合が、実態としてはあります。
《地場の不動産会社に売却依頼をするメリット》
・地元の不動産会社とのつながりが強い
・独自の地元情報を持っており地域の特性に強い
・無理に両手仲介を狙おうとしない
《地場の不動産会社に売却依頼をするデメリット》
・大手に比べると顧客数が少ない
・得意なエリアと苦手なエリアがある
地場の不動産会社は、近隣の不動産相場に詳しく、売れる価格の見極めが早いのが特徴です。また、他の不動産会社との横のつながりが強いため、企業同士で連絡を取り合って早く買主を紹介してもらえるよう促すことができるのもメリットといえます。
不動産会社の方針にもよりますが業者同士の関係性を重視しているところが多く、自社だけで儲けようとしないため、無理な両手仲介は狙いません。デメリットとしては、やはり大手に比べると顧客の母数が少なく、エリアによって得意・不得意が異なります。
マンション売却相場の調べ方
マンションの売却価格を決める有効な手段として、過去に取引された売買価格を参考にできる「土地総合情報システム」と「REINS Market Information」の2つのシステムがあります。
どちらも現在のマンションの想定売却価格が調べられるシステムなので、不動産会社に査定を頼む前に活用しましょう。
あらかじめ下調べを済ませておくことで、提示された査定価格についても安心して質問できるようになります。
土地総合情報システムで相場を知る
国土交通省の「土地総合情報システム」では、エリアごとの不動産の「取引価格情報」が提供されています。
取引価格情報とは、マンション・戸建て・土地などが過去に実際に売買された価格のことです。
築年数や広さ、駅からの距離といった細かい条件まで提示されるので、自分のマンションの売却価格を決めるのに非常に役に立ちます。
土地総合情報システムは、基本的には過去5年間に取引された物件の成約価格が提供されるものです。四半期ごとのデータから比較できるため、そのエリアの昨今の相場を簡単に把握できます。
REINS Market Informationで相場を知る
REINS Market Informationは、過去の成約価格を基にした取引情報の一部をインターネット上で公開し、消費者が適切な相場を把握できるようになっています。
もともと国土交通大臣から指定を受けた指定流通機構(東日本・中部圏・近畿圏・西日本の4法人)が不動産業者間で物件情報を交換しあうためのコンピュータ・ネットワーク・システムはレインズと呼ばれ、不動産業者が不動産情報をリアルタイムで情報交換できるシステムとなっています。しかしこのシステムは、一般の人はアクセスできないようになっています。
そこで「REINS Market Information」では、物件の所在地などは特定できませんが、不動産業界以外の一般の人が、エリアごとの成約価格を検索して相場を調べることができます。
マンションなのか、戸建てなのかで検索の入り口がわかれています。次のページで「追加検索条件」の欄から、沿線・最寄り駅・築年数・間取り・成約時期まで、細かい検索が可能です。自分のマンションの売却価格の相場を把握したいときに便利です。
査定で相場を知る
マンションの売却価格について下調べをした後は、いよいよ不動産会社に査定を依頼しましょう。
物件の査定は1社だけでなく、複数社に依頼するのをおすすめします。各不動産会社によって物件の得意分野が異なるため、1社のみの査定では正しい相場なのかどうか判断が難しいからです。
査定方法には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定は近隣の成約事例や公示価格などの基礎的なデータに基づき、おおよその売却価格を査定する方法です。現地確認がない分、スピード感ある回答が期待できます。
一方、訪問査定は、机上査定のもとになる基礎的なデータに加え、担当者が現地確認して得た「現地の状況」に基づいて売却価格を査定する方法です。建物の詳細な情報をもとに査定してくれるので、より信用度の高い売却価格が分かります。
まずは、机上査定で大まかな相場や担当者の対応を調べ、その上で信頼できそうな不動産会社に訪問査定を頼むのが一般的です。
マンション売却相場平均
東京都23区の場合
国土交通省 土地総合情報システム調査 2018年/60㎡
地区 | 取引価格 | ㎡単価 |
---|---|---|
千代田区 | 8,075万円 | 134万円 |
中央区 | 5,683万円 | 94万円 |
港区 | 7,295万円 | 121万円 |
新宿区 | 5,626万円 | 93万円 |
文京区 | 5,340万円 | 89万円 |
台東区 | 4,632万円 | 77万円 |
墨田区 | 3,788万円 | 63万円 |
江東区 | 3,704万円 | 61万円 |
品川区 | 5,327万円 | 88万円 |
目黒区 | 6,405万円 | 106万円 |
大田区 | 3,801万円 | 63万円 |
世田谷区 | 4,422万円 | 73万円 |
渋谷区 | 6,392万円 | 106万円 |
中野区 | 5,361万円 | 89万円 |
杉並区 | 4,508万円 | 75万円 |
豊島区 | 5,176万円 | 86万円 |
北区 | 3,394万円 | 56万円 |
荒川区 | 3,357万円 | 55万円 |
板橋区 | 3,327万円 | 55万円 |
練馬区 | 3,437万円 | 57万円 |
足立区 | 2,362万円 | 39万円 |
葛飾区 | 2,659万円 | 44万円 |
江戸川区 | 2,901万円 | 48万円 |
マンション売却に必要な費用の相場
売却仲介手数料
マンションにおける売却仲介手数料とは、売却活動を依頼した不動産仲介会社に対して、売却が成功した際に支払う成功報酬のことを指します。
マンション売却にかかる費用で比較的大きいのが特徴です。売買価格(税抜)によって上限が変動します。売却仲介手数料は自分でも計算できます。
なお、400万円以下の空き家等の物件には現地調査など18万円までの実費報酬も新たに加わりました(税別)
マンション価格別の売却仲介手数料
マンション価格 | 売却仲介手数料(税10%) |
---|---|
500万円 | 23.1万円 |
1000万円 | 39.6万円 |
1500万円 | 56.1万円 |
2000万円 | 72.6万円 |
3000万円 | 105.6万円 |
4000万円 | 138.6万円 |
5000万円 | 171.6万円 |
6000万円 | 204.6万円 |
7000万円 | 237.6万円 |
8000万円 | 270.6万円 |
抵当権抹消にかかる登記費用
現在のマンションの住宅ローンが残っている場合、抵当権抹消のための登記費用が発生します。費用はそこまで高額というわけではなく、抵当権1本につき1万5,000円程度が相場です。
なお、複数の土地の上にマンションが建設されている場合には、不動産の数×1,000円の登録免許税も必要になります。
住宅ローンの繰上返済にかかる手数料
売却代金をローン残債にあてる場合には、ローンを一括で返済するための「繰上返済手数料」も必要になります。
こちらは金融機関によって金額が異なりますが、5,000~1万円程度が一般的です。事前に金融機関に確認しておきましょう。
マンション売却の際に必要な費用・手数料
マンション売却にはさまざまな費用がかかります。どんな費用があるのか以下にまとめました。
-
仲介手数料:
売買仲介を行った不動産会社に支払います。 - 司法書士報酬:
所有権移転登記を行った司法書士への報酬として支払います。 - ローン完済時の手数料:
ローンの完済手続きをする際にかかる手数料です。借入をしていた金融機関に支払います。 -
抵当権抹消登記費用:
ローン完済のときに抵当権抹消登記を行いますが、その際にかかる費用です。 -
リフォーム費用:
不動産の中古売買は現況での引き渡しが原則ですが、内装が汚れていたり損傷が激しい場合は、買い手をつきやすくするためにリフォームやリノベーションなどを行うことがあります。
マンション売却にかかってくる税金
マンションを売却するときは、報酬や手数料といった費用だけではなく、税金の負担もあります。
-
印紙税:
売買契約書に貼る印紙代です。 -
登録免許税:
所有権を売主から買主へ移転するための登記にかかる税金。 - 譲渡所得税(+住民税):
先述したマンションを譲渡する際にかかる所得税と住民税。 -
固定資産税:
1月1日時点での不動産所有者に対して課税される税金ですが、たいていは決済日を起算日として買主と精算します。 - 復興特別所得税:
復興特別所得税は、所得税を納める義務がある個人に対して課税される税金です。平成23年12日2日に東日本大震災からの復興するための施策を実施するにあたり、必要な財源を確保するために創設されたものです。
譲渡所得税
譲渡所得にかかる税金を算出するために、まずは譲渡所得そのものを計算する必要があります。譲渡所得は以下の計算方法で導き出すことが可能です。
譲渡所得金額 = 売却金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額(3,000万円)
譲渡所得金額を算出したら、次はマンションの所有期間に応じて税額を導き出しましょう。
所有期間5年超のマンションを売った時
所有期間が5年を超えるマンションを売った時の税額は、「譲渡所得金額×15%+住民税5%」となります。
所有期間5年以下のマンションを売った時
所有期間が5年以下のマンションを売った時の税額は、「譲渡所得金額×30%+住民税9%」となります。
固定資産税
先述した通り、固定資産税は不動産所有者がすでに納税してしまっている場合が多いため、不動産を引き渡した日以降は買主にも負担してもらうのが一般的です。決済・引き渡し日を起算日として売主と買主の負担分を按分して計算します。
例えば、不動産の引き渡しが9月1日だった場合、
- 売主負担分=1月1日から8月31日までの分
- 買主負担分=9月1日から12月31日までの分
のように負担をわけます。
マンション売却に必要な書類
個人が売主として用意しておくべき必要書類は以下の通りです。必要書類がないと売買契約や決済などができなくなるので、早めに準備しておきましょう。
- 本人確認書類(免許証やパスポートなど)
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書(3ヵ月以内のもの)
- 住民票(3ヵ月以内のもの):
登記上の住所と現住所が異なる場合に必要です。 - 登記済権利証または登記識別情報:
買主に提示するために必要です。 - 固定資産税評価証明書、固定資産税納税通知書
- 印紙代
-
仲介手数料:
不動産会社によって、売買契約時に50%、決済時に50%とするところと、決済時に仲介手数料の全額を請求されるところがあります。 - マンション管理規約やマンション維持費関連の書類
- 銀行口座の通帳
- ローン残高証明書
売買契約書や重要事項説明書、公図、測量図、上下水道台帳など、不動産売買に関わるその他の資料は不動産会社が用意してくれます。
マンション売却に関係するよくある質問
ここまで解説してきましたが、「マンションの売却は初めて」という方はまだまだ疑問点があるのではないでしょうか。マンション売却時によくある質問をまとめてみました。
査定前に掃除はするべき?
不動産は現況渡しが原則なので、そのまま売却しても問題ありません。ただし、早く高く売るためには綺麗な状態のほうが望ましいです。内見に来た購入希望者は、物件の現況と売却価格の均衡が取れていないと納得しない場合が多く、内装が汚れているのに価格が高いと売れにくくなってしまいます。
また、売却査定で現地調査に来た不動産会社の営業員も人間ですので、やはり部屋や設備が汚れていると査定額にも影響してきます。掃除できる箇所はできるだけ綺麗にしておいたほうが良いでしょう。
ハウスクリーニングという方法も
マンションに住んでいる年数が長い人は、業者にハウスクリーニングを頼むことも検討してみるとよいでしょう。プロの手で家の汚れを落とすことで、マンションの売却価格が上がるケースも見受けられます。
特に、ハウスクリーニングをした方がいい場所は、浴室・洗面台・トイレ・キッチン・レンジフードです。全て依頼した場合には4~10万円ほどかかります。
相見積はすべき?
例えば保険料や引っ越し費用の見積もりを取るときは、複数の業者に依頼する方もいるのではないでしょうか。マンション売却の査定依頼も同様に、複数の不動産会社から相見積もりを取ってみるのも効果的です。
一度に複数の業者に査定依頼ができる、不動産一括査定サイトを利用することで、一回の操作でまとめて相見積もりを取ることができます。ただし、業者によっては媒介契約を獲得するために査定額だけ高く見積もってくるところもあるので注意しておきましょう。
複数の見積もりを比較してみて、実際に営業員と話してから判断すると安心できます。
鍵は預けるべき?
売却予定のマンションにまだ居住しているのであれば鍵を預ける必要はありません。すでによそへ引っ越しているのであれば、鍵を業者に預けておくことで内見対応の煩わしさから解放されます。ただし、購入希望者がどんな人か気になるのであれば、内見に立ち会うのもよいでしょう。
査定してもらったら必ず売却しなければならない?
不動産会社に査定をしてもらったからといって、必ずしもその業者にお願いしなければならないわけではありません。査定自体は無料ですので、査定額に納得できなければ断ることもできますし、売るのをやめたいときも断ってしまって問題ありません。
固定資産税は買主に請求できる?
マンション売却の際に気になるものの1つに、固定資産税の問題があります。固定資産を所有している人に必ず課税されますが、マンションを売却し終わった後には、売り手と買い手のどちらに課税の義務があるのでしょうか。
結論からいうと、その年の固定資産税は翌年の1月1日まではマンションの所有者(売り手)に納税の義務があります。
そのため、マンションの持ち主が変わったとしても、翌年の1月1日までは、売り手側が固定資産税を納め続けなければなりません。
対策法としては固定資産税を日割り計算し、売却金額に日割り分の固定資産税を含ませることがほとんどです。
ただし、法的な決まりはないので、実際にどのように負担しあうのかは契約書などでしっかり取り決めるようにしましょう。
修繕積立金は返してもらえる?
マンションを購入した際、毎月支払い続けるものの1つに、「修繕積立金」があります。
修繕積立金は、マンション共用部などの修繕や大規模な工事が必要になったときのために、管理組合に積立金としてキープしておく費用です。
マンション売却後には返してもらえるのかと考えがちですが、修繕積立金の返還が管理規約に記されている場合を除き、売却時に返還されることはほとんどありません。
マンションの売却価格を決めるときには、支払った修繕積立金も考慮するとよいでしょう。
まとめ
マンション売却にはさまざまな手続きがあり、売却までに時間もかかります。すぐに売却できたとしても、売買契約から決済・引き渡しまで早くて1ヵ月程度はかかることになります。
買主は金融機関のローンを利用する場合が多く、事前審査(仮審査)や本審査の手続きだけでも2週間から3週間程度はかかるためです。買主のローン申請の手続きが遅れれば、それだけ売却完了も遅くなってしまいます。
売却期間のイメージをつかんだ上で売却活動にのぞみましょう。また、売り出し価格ではなかなか売れない場合もあるので、仲介業者の売却活動報告を受けながら相談していきましょう。
※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
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