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2021.01.04

債券は株より低リスク? 初心者に適した安全重視な投資、債券を詳しく解説!

債券は株より低リスク? 初心者に適した安全重視な投資、債券を詳しく解説!

不動産、FX、株など資産運用の手段はさまざまですが、投資未経験者や初心者の場合、まずは証券会社で株を購入することを「投資」としてイメージする方も多いでしょう。

個人の投資先としては株よりややマイナーな印象がありますが、実は債券は株よりも一般的にリスクが低く、「投資を始めたいけど損が怖い」という方には適した投資先です。今回は、そんな債券の基本や、個人投資家が投資できる債券の種類について紹介します。

そもそも債券とはどのような商品なのか?

投資手法として知名度の高い株ですが、「損をしてしまうのが怖い」という理由で株への投資に踏み切れない投資未経験者もいるのではないでしょうか? 実は、証券会社で購入できる投資証券として、株以外にも債券という商品があります。

ただ債券は個人投資家にとってはややマイナーな存在。債券というもの自体初耳という方もいるでしょうし、聞いたことはあるが商品性まではわからないという方も少なくないでしょう。そこでまずは基本的な債券の商品性について簡単に紹介します。

債券の基礎

債券を一言で言うと、債券を発行している団体(これを発行体といいます)の「借金」を証券にしたものです。借金というと銀行や消費者金融などの金融機関から借りるローンがイメージされますが、債券を発行することで「多数の投資家(=債券を購入した人)からお金を借りる」ことが可能になります。

債券の発行時には一般的な借金と同じように「金利」と「返済期日」が決められます(期日が決まっていない「永久債」もありますが、商品性が複雑なのでここでは割愛します)。
     
発行体はあらかじめ決められたスケジュールに従って金利を払い、また返済期日に借りていた借金と同額を投資家に返済します。この返済を債券の場合は「償還」といいます。

債券発行時に購入

日本では個人投資家向けの債券は、ほとんどが発行時の購入金額と償還時に投資家が受け取る金額が等しくなっています。株は日々価格が上下するため購入時・売却時の価格差によって損益が発生しますが、債券の場合は、発行時に購入し償還まで持っていれば、株のような価格差による損益は発生しません。

一方で、先に紹介した通り債券を持っていると「金利」を定期的に受け取れるので、これが債券投資の収益源となります。発行時の債券のことを「新発債券」といいますが、新発債券を購入した場合は「償還までの金利収入の合計が債券投資の収益となる」と覚えておくと良いでしょう。

過去に発行された債券を、証券会社を通じて購入

過去に発行された債券を、証券会社を通じて購入する方法もあります。この場合は、購入価格が債券の償還時に受け取る金額と異なる場合が多いので、金利による収入のほかに価格差による損益が発生するのが一般的です。債券投資では、金利収入と価格差による損益トータルで、購入金額の何%の収益が出るかを計算したものを「利回り」とよびます。手慣れた投資家は「利回り」で収益性を判断します。

しかし、価格損益と金利収入の関係性のメカニズムは複雑なので、投資初心者は価格損益が一般的に発生しない新発債券を購入するやり方がおすすめです。

最後に支払われる金利ですが、住宅ローンなどと同じように借りた金額の◯%という風にあらかじめ定められる「固定金利」と、基準となる金利に従って変動する「変動金利」の2種類があります。基本的には年間で何%の金利が支払われるかで表現されます。

債券を発行しているのは国? 企業?

債券はさまざまな団体が発行しています。発行体によって債券の種類も異なるので、債券の種類と合わせて簡単に見てみましょう。

まず国が発行体となるものが「国債」です。日本で発行された現存債券の半分以上が、日本が発行体である「日本国債」になっています。都道府県と一部の政令指定都市も発行しており、これらは「地方債」です。

続いて、独立行政法人などの公的機関が発行するものが「財投機関債」となります。地方債・財投機関債の中には、発行体が償還時に資金を返済できないときに政府が肩代わりしてくれる制度になっている債券があり、「政府保証債」とよばれます。

このほかに一般企業が発行するのが「社債」です。日本では高い信用力を持つ有名企業が発行する社債がほとんどです。

なお、一部社債は「劣後債」とよばれるものがあります(そうでない社債をこれらと区別するために「普通社債」とよぶこともあります)。これらは普通社債と比較して金利が高くなる分、借金を返せなくなることを意味する「債務不履行(デフォルト)」の際に資金が返済されないリスクが普通社債より高い債券です。

また、これらより数は減りますが、外国の企業・公営企業・政府などが円建(=日本円で購入できる)債券を発行する場合があり、円建外債(サムライ債)とよびます。

ここまでが日本で発行される円建ての債券で、このほかに証券会社各社では外貨建て債券を販売しています。海外の発行体が主ですが、一部日本企業が外貨の資金を得るために発行する場合もあります。外貨建ての発行となるので、米ドル建て債なら米ドルといったように適合する外貨を準備して購入する必要がありますが、多くの証券会社では個人向けには外貨への為替交換を受け付けています。

債券投資が初心者におすすめな理由

さて以上のような債券の商品性が、実は投資初心者にマッチしたものとなっています。

次に、投資として一般的な株とも比較しながら、債券が初心者におすすめな理由を紹介します。

一般的に株より低リスク

債券投資が初心者に向いている1つ目の理由は、損をする可能性が株よりも低いということにあります。

債券は前章で紹介の通り、定期的に金利を受け取りながら、一定期間後の償還時にあらかじめ定められた金額が返ってきます。つまり発行体が借金を返せない「債務不履行」にさえならなければ、購入した時点で償還時点ではトータルで利益が発生することが実質的に確定します。

一方で株は「返済」という概念がなく、どのように購入したとしても株価の変動により損益が発生します。株の場合も金利に近い性質の「配当」がありますが、長期間投資し続けない限りは配当よりも株価変動による損益インパクトの方が大きくなります。

発行体の債券不履行

債券のリスクとしてあるのは発行体の債務不履行ですが、日本における債券の発行体は信用力が高い団体がほとんどです。リスクゼロではないものの、現状日本で個人が債券投資を行う場合、発行体が債務不履行に陥るリスクは、株の価格変動で損失を被るリスクと比較して低いといえます。

余談ですが、米国など外国では「ハイイールド」とよばれる信用力が低い発行体による金利の高い債券も流通しています。これらは日本の債券よりは頻繁に債務不履行を起こしています。日本国内からハイイールド債に投資する方法は限られていますので詳細な紹介は割愛しますが、こうした信用力の低い発行体の債券は「株よりリスクが低い」に必ずしも当てはまりません。

償還日が決まっているので「売却タイミング」を考える必要がない

株などに投資するときに、初心者とって悩みとなりがちなのが「売却タイミングがわからない」ことです。株式は償還というものがないので、企業が破綻や買収・非公開化など特殊な手続きを行わない限り永続します。

つまり、基本的には「自分の判断で売却タイミング」を決めて損益を確定させなければなりませんが、利益を無駄にしたり、上昇し始める直前の底値で売却してしまったりと、損益確定の失敗談は尽きません。株の売却タイミングの判断はプロでも難しく「購入タイミングより売却タイミングが重要」という投資家もいるほどです。

他方、債券は紹介した通りごく一部の例外を除いて「償還日」が決まっています。個人投資家の投資商品としてみた場合は、途中売却をする必要は基本的になく、いさぎよく償還日まで保有しておくのが無難です。

言い換えれば、投資するときに債券の商品性から勝手に換金タイミングを決めてくれる商品なので、プロでも難しい売却タイミングに頭を悩ませる必要がありません。これが初心者におすすめする理由の2つ目でした。

債券投資で初心者が注意すべきポイント

前章では初心者の投資に債券が適している理由を紹介しましたが、投資である以上リスクはゼロではありません。ここでは特に初心者が債券投資において注意すべきポイントを紹介します。

現状リスクは低いが、債務不履行に注意

債券特有かつ最大のリスクは発行体が借金である債券の償還に対応できなくなる「債務不履行」です。債務不履行を起こした場合は一般的には本来償還される金額の一部しか返ってきません。リスクが低いはずなのに途端に大きな損失になります。

先に紹介した通り、現在の日本では商品性と発行体の信用力の高さから、債務不履行の可能性は低くなってはいます。歴史的に見ても債務不履行を起こした企業は少ないですが、ゼロというわけではなく、過去には「マイカル」「JAL」など個人向け社債を発行していた企業も債務不履行となっています。

近年は大企業にとっては安定した経済環境が続いているので債務不履行リスクはあまり意識されなくなっています。しかしいずれ不景気が来た際には再び債務不履行が発生する可能性もあるので、社債投資を行う際は発行体を慎重に選ぶことが重要です。

なお、この債務不履行リスクを理由に「債券は株よりリスクが高い」と考えてしまう方がいますが、それは誤解です。

債券をはじめとした借金は株よりも発行体にとって返済の優先順位が高いので、債券の債務不履行が起きている=借金を返せないときには、株はすでに価値がゼロに等しいほど下落していると考えられます。

返済の優先順位が高いことにより「一部でも返済を受けられる可能性がある」債券の方が、株よりリスクが抑えられているのは債務不履行を踏まえても変わりません。

途中売却は極力避けて余裕資金で投資することが大事

そのほか初心者が注意したいのが途中売却を避けることです。債券は先に紹介した通り債務不履行がない限り満期まで保有し続ければ収益になる商品です。そこでリスクとして思い浮かぶのは、保有期間中に資金が必要になり、泣く泣く売却することです。

債券は株式のようには証券取引所が発達していないため、相対的に売買がしづらい証券です。従って売却時にはそのリスクやコストを踏まえて手数料を証券会社に払わなければなりません。この手数料によりせっかくの収益が減ってしまいます。

そのような事態にならないためには、債券の満期まで確実に保有していられるよう、余裕資金で行うのが鉄則です。資金状況から強制的な売却に迫られないよう、余裕資金で投資を行うのは投資初心者の鉄則ですが、債券では特にこの鉄則の堅守が重要です。

「仕組債」は普通の債券とは別物でリスクも高い

最後に注意すべきは「債券」とは似て非なる商品「仕組債」の存在です。仕組債は建てつけ上債券ではあるのですが、証券会社内のさまざまな工夫によって収益性が引き上げられたものです。そして収益性が引き上げられる代わりに、一般にリスクが高く商品性が複雑になっています。中には株価に連動して収益が変わるもの、突然に外貨で返済され高い為替リスクを負うものなどがあり、同じ債券でありながら先に紹介した普通の債券の特徴の多くが当てはまりません。

仕組債自体は一概に悪いものではないのですが、債券と比較して難易度の高い投資商品であることは間違いなく、少なくとも「初心者向け」とは言い難いものです。安全性重視で債券投資を検討する場合には、誤って仕組債を購入しないように注意しましょう。

個人投資家でも購入できる債券

さてここまで商品性を紹介してきた債券ですが、実は日本で発行される債券の大部分は「プロ向け」の商品となっています。なぜプロ向けかというと、最低投資金額が1億円など高額であることが主因です(「適格機関投資家向け」となっている一部商品を除けば法律として買えないわけではなく、富裕層などがプロ向け債券を個人で購入することも稀にあります)。

一方で、次に紹介するような商品は、個人の購入を想定した商品となっており、最低投資金額も1万円〜100万円程度となっています。順番に見てみましょう。

個人向け国債

国債とは世界各地の「国」が発行する債券を指します。一方で、日本で個人向け国債というと、「日本」が発行する個人投資家向け債券を意味します。発行体が日本ですので信用力は非常に高く(考え方によっては銀行破綻時には返ってこないリスクがある「預金」より高い)安全性も高い商品です。

1万円から購入可能で、原則毎月発行されます。固定金利の3年・5年債(償還までの年数を指す。以下同様)と、変動金利の10年債が発行されています。

固定の3年・5年は2020年12月時点で金利が0.05%です。低いですが預金と比較すると魅力的ではあります。また変動金利10年は、初月の金利は0.05%ですが、こちらは今後、国債金利が上昇すれば合わせて金利が増える仕組みです。また、現在の0.05%は個人向け国債に特別に設定されている「最低保証金利」なので、変動金利の国債でも現状より下がることは、制度変更がない限りありません。

今の日本は歴史的にみて非常に金利が低いので、10年間投資できる資金があるなら変動金利10年に投資するのがおすすめです。

参照: 個人向け国債窓口トップページ : 財務省

円建ての個人向け社債・財投機関債

国債よりは高い金利を獲得したいという方には個人向けに発行される社債・財投機関債への投資がおすすめです。先に紹介した通り、社債はいわゆる一般企業が発行するもので、財投機関債は独立行政法人など公的機関が主に発行する債券です。

これらは国債と異なり、発行体の信用力や商品性により金利水準もさまざまです。財投機関債であれば日本国と信用力は大差ないので金利は低く、社債のうち信用力が高くないもの、あるいは普通の債券より債務不履行時の優先順位が低い(ただし株よりは高い)劣後債は金利が高くなります。

例えば2020年に発行されたもので一例を挙げると、

  • 四国電力の3年債で0.13%
  • 楽天カードの4年債が0.49%

一方で劣後債では

  • 山口フィナンシャルグループの10年債(5年後に償還の可能性あり)が0.79%

といった水準です。

参照:個人向け社債 CAPITAL EYE

劣後債は商品としてのリスクが高いですが、比較的信用力の高い銀行・地銀などが主な発行体なので、過度に慎重になる必要はありません。

一方でこの山口フィナンシャルグループの例のように、ルールとして「償還日が変更できる」ものもある点は注意しましょう。このルールを理解したうえでは、金利が相対的に高い劣後債の投資もおすすめです。

外貨建ての個人向け公社債

ここまで紹介したものは日本円で投資する債券ですが、外貨建てで投資する債券も発行されます。発行体は国・公的機関・国内外の企業とさまざまです。発行体や商品により金利水準もさまざまですが、米国をはじめ外国の多くの金利が日本よりは高いことにより、債券の金利も日本の債券よりは高い傾向にあります。

あくまで一例ですが、2020年12月時点で世界銀行の米ドル建て5年債の金利が1.2%などです。また数・頻度は少なくなりますが、新興国通貨建ての債券もあり、例えばモルガン・スタンレーのトルコリラ建て債は金利が何と10%を超えます。

参照: 債券|SBI証券

ただし、外貨建て債券は普通の債券よりリスクの高い商品なので、初心者の投資にはおすすめしません。なぜなら、外貨建てで投資するということは、一般的には保有している資金(初心者なら円であることが多いでしょう)を為替で対象通貨に変えて投資する必要があるからです。

その際に、一定の為替手数料がかかるうえ、将来償還時に円高になっていると円に戻した実際の収益は減少します。最悪の場合は損失になることもあります。特に新興国通貨に関しては政治事情・経済ショックなどにより大きく変動することも珍しくないため、初心者の投資先としてはリスクが高いと言えるでしょう。

基本的には初心者の投資は日本円の債券で始めることをおすすめします。高い金利を確保するために外貨建て債券を検討する必要がある場合は、情報が得られやすく変動リスクも相対的に小さい米ドル建てなどを選択するとよいでしょう。

投資初心者は日本円の債券から

債券は一般的に株式投資よりリスクが低く、初心者の投資に適している商品です。一部リスクの高い商品を避け、債務不履行の心配が少ない発行体の債券を購入すれば、高い確率で収益を獲得することが可能です。

投資に興味はあるが株式のように大損するリスクがあるのは怖いという方は、一度債券投資を検討してみてはいかがでしょうか?

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

伊藤圭佑 証券アナリスト

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。

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