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作成日: 2020.07.01

テクノロジーの進化が可能にした投資、ソーシャルレンディングとクラウドファンディングの違いとは

テクノロジーの進化が可能にした投資、ソーシャルレンディングとクラウドファンディングの違いとは

こんにちは。商社業界に勤務する都内在住のLePenseurです。以前の記事で少し触れたソーシャルレンディングについて、混同されがちなクラウドファンディングと比較しながら、それぞれ概要がイメージできるように解説します。実際に興味をもったときに目にするであろう有名な事業会社もご紹介したいと思います。

ソーシャルレンディングとクラウドファンディング

みなさんは「ソーシャルレンディング」をご存知でしょうか。

「クラウドファンディング」は聞いたことがある、やったことがあるという方でも、ソーシャルレンディングはあまり馴染みがない方が多いかもしれません。

ソーシャルレンディングは、一言で言うと、クラウドファンディングに内包されています。

どちらもテクノロジーの進化が可能にした新しい仕組みで、つまりソーシャルレンディングは新しい投資の形です。

ソーシャルレンディングを理解するために、まずクラウドファンディングのおさらいから入りたいと思います。

クラウドファンディングとは

そもそもクラウドファンディングとは何でしょうか。その意味は、文字を分解することで見えてきます。

「クラウド=Crowd」は、一般的に群れ・群衆(大衆)の意味です。また、「ファンディング=Funding」は、資金という意味です。

新しい資金の集め方

つまり、クラウドファンディングとは「大衆から資金を集める」という意味で、これを可能にしたのが昨今のテクノロジーの発展とインターネットの普及といえます。

今では、年齢を問わず広く多くの方々がインターネットを通じてオンラインショッピングやSNSを楽しむようになったのに加え、ネット銀行への預金、ネット証券を通じての株式投資を行うようになりました。

この流れが、インターネットを通じてお金をやり取りすることのハードルを下げ、クラウドファンディング、つまりオンラインへ接続した人々(大衆)から資金を調達することを可能にしました。

ソーシャルレンディングとは

それではソーシャルレンディングとは何でしょうか。こちらも文字を分解するところから入っていきます。

「ソーシャル=Social」は、一般的に社会や世界そのもの、また、その社会で生活する人々を指す意味で使用されます。

また、「レンディング=Lending」は、資金の融資や貸付けという意味を指します。

融資・貸付けの新しいスタイル

ソーシャルレンディングは「大衆から資金を集める」意味では、クラウドファンディングと同義です。

ただし、資金の動きについては「貸付け」や「融資」であり、限定された動きを意味する言葉であることが伺えます。

繰り返しになりますが、ソーシャルレンディングはあくまでクラウドファンディングの一部に内包されるものです。その中で、資金を貸付けることでリターンを期待する金融商品であるのが、ソーシャルレンディングです。

クラウドファンディングの中にも、資金の貸付けという要素はあります。ただクラウドファンディングは貸付けのみならず、取り組みを「応援したい」という意味から寄付という側面のある商品などもあります。

クラウドファンディング

一方で、ソーシャルレンディングとは、「融資・貸付け」に限定されます。

ソーシャルレンディング

より明確にリターンを期待するイメージですね。

そんなソーシャルレンディングの概要については、「キャッシュポイントをたくさん持とう!働き方を再考して収入源の多角化戦略」にて説明しておりますので、そちらをご参照いただくとして、ここからは、投資にカテゴライズされるクラウドファンディング「投資型クラウドファンディング」と、ソーシャルレンディングの主要な事業者に触れていきます。

クラウドファンディングの分類

さきほどクラウドファンディングとソーシャルレンディングのイメージの違いをお伝えしましたが、金銭のリターンを期待しないクラウドファンディングもあるのか?と問われたら、答えはYESです。

ひとつは「寄付型」と呼ばれるものです。金銭でのリターンはないがお礼のメールや手紙、もしくはそのファンディングを構成するプロジェクトへの何らかの参加が可能といったものとなります。

また、「購入型」と呼ばれるクラウドファンディングもあります。こちらも金銭のリターンはありませんが、割引券や商品などを受け取れるものとなります。

投資型クラウドファンディング

ここでは、投資型クラウドファンディングにはどんな事業者がいるのか見ていきます。またまた私の大好きなカオスマップを引用させていただきます。

投資型クラウドファンディング業界マップ(リターン別)2020年版出所: https://note.com/masaya_gotou/n/n4fc0d08cdcab

「投資型」と呼ばれるクラウドファンディングは、

  • 「融資型」
  • 「不特法型」
  • 「ファンド型」
  • 「株式型」

の4つに分類されます。いずれも金銭のリターンを期待するクラウドファンディングとご理解ください。

私が定義するソーシャルレンディングは、この投資型クラウドファンディングの一部と言えます。

なぜならば、融資・貸付けは一般的に金銭的リターンを求めるものだからです。したがって、改めてここで関係をまとめると、

クラウドファンディング ⊃ 投資型クラウドファンディング ⊃ ソーシャルレンディング 

といった関係が成り立つと思います(「⊃」は包含関係を示す数学記号です。 例えば 「A ⊃ B」は「AはBを含む」となります)。

ソーシャルレンディング事業者

クラウドファンディングとソーシャルレンディングの関係を理解していただいたところで、ソーシャルレンディングの事業者を紹介していきたいと思います。

改めて先ほどのカオスマップに目を移していただきたいのですが、ここまできてみなさんは、どれがソーシャルレンディングの事業者と言えるか、判断はできますでしょうか。

正直なところを申し上げると、人によって解釈は異なりますし、他の記事では異なったことをおっしゃる方もいらっしゃいますが……

私の考えるソーシャルレンディング事業者は原点回帰で、

事業者を通じて

お金を融資(お金を必要とする者に貸し、資金を融通すること。借金なので返済の義務があり、返済の際には金利・利子を上乗せして返さなければならない)するもの

と定義しています。

ですので、カオスマップの一番左、「融資型」がソーシャルレンディング事業者と言えます。

少々専門的になりますが、事業者の特徴としては、お金の貸付けを行う必要があるので、第二種金融商品取引業免許および貸金業者としての登録が必要な点が挙げられます。

ソーシャルレンディングサービスの一例

有名なソーシャルレンディングサービスは次の通りです。

参考までに、その普及率の指標となり得る投資家登録数をカッコ内で付記して紹介させていただきます。

  • SBI ソーシャルレンディング(50,000名以上、2020年4月6日時点)
  • オーナーズブック(22,895名、2019年末時点)
  • クラウドバンク(非公表)
  • クラウドクレジット(45,000名以上、2020年2月24日時点)

いずれも既にある程度実績があり、期待利回りとしては2〜10%程度を想定した商品を展開している事業者となります。

もちろん、元本保証はありませんし、実際に元本割れした商品も知っているため、既に実績があるとはいっても分散投資を行っておくことをお勧めします。

[2022/1/28追記]
SBIソーシャルレンディングは2021年5月24日、廃業および事業撤退を発表しています

事業者の信頼性は重要

上記では、有名なソーシャルレンディング事業者を紹介させていただきました。なんだか聞いたことがあるようなないような会社の名前が並んでいるかと思います。

やはりお金を預けることになるので、預け先の事業者の信頼性は気になることと思います。ですので、投資前にはその事業者がどんな会社なのか?を押さえておくようにしましょう。

まだまだ新しい金融商品のため、実は今まで数々のソーシャルレンディング事業者が設立されては、詐欺まがい(ポンジスキームと呼ばれる詐欺を働いた事業者もありました)の商品を高利回りで販売し投資家を引きつけ、結果として破綻した事業者、現在でも抗争中の事業者があるのが事実です。

したがって、ソーシャルレンディングを開始する際にはソーシャルレンディングの運営主体や信頼性をよく調べて、ご自身で納得した上で投資を開始することが重要となります。

ちなみに、SBIソーシャルレンディングは名前の通り、SBIグループの事業者です。

オーナーズブックはロードスターキャピタル株式会社というマザーズ上場企業を親会社に持つ事業者で、クラウドクレジットは伊藤忠商事やマネックスベンチャーズ、第一生命保険が出資企業です。

クラウドバンクは非上場企業で、過去には業務改善命令を受けてはおりますが、他方では融資元本回収率が100%・実績平均利回り7%(2020年6月現在)を維持しているとんでもない実績を達成しています。

事前に信頼性チェックを

本記事では「クラウドファンディング」と「ソーシャルレンディング」の違い、投資を考える上で対象となる投資型クラウドファンディング、なかでもソーシャルレンディングを中心に紹介させていただきました。

繰り返しになりますが、投資である以上、元本が必ず保証されているものではありませんので、それぞれの商品の特徴を理解し、またその運営企業の信頼性をお調べいただくことで、少しでもリスクを減らして取り組んでいただければと考えております。

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この記事を書いた人

LePenseur

商社勤務1桁年目のコモディティトレーダー(要は営業)を経てのDX企画屋さん。商社マン×英語学習コンサルタント×元プログラマー×キャリコン見習い×なんちゃってアスリート×田舎者×副業推奨派×不動産とBAR共同オーナー。趣味はSaaS研究。G検定合格(2020#3) Twitter:@LePense51792658

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