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不動産投資

不動産投資におけるデッドクロスが発生する仕組みと5つの回避策

2018.02.23 更新日 2019.07.17

通常「デッドクロス」と言えば、株価や為替などの金融商品の相場を見る際の、とある状態を意味しますが、不動産投資におけるデッドクロス(dead cross)とは、どのようなものを指し、どのような場合に発生するのでしょうか。また、回避するための対策はあるのでしょうか。本記事では、そのような疑問をお持ちの方に、不動産投資におけるデッドクロスの意味や発生する仕組み、回避するための対策に至るまで解りやすく紹介します。

デッドクロスとは?

株価など一定期間の価格から平均値を算出して、それを線で結んだグラフを移動平均線といいます。これはテクニカル分析の手法の一つとして、相場の方向性を読む手がかりとなる指標です。相場を読む上で、期間の異なるグラフ、長期間の移動平均線と短期間の移動平均線を比べることをします。この時に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けて交差する状態となることを「デッドクロス」と呼び、売りのシグナルなどと判断されます。

では、「不動産投資におけるデッドクロス」とは何でしょうか?

不動産投資におけるデッドクロスとは?

不動産投資におけるデッドクロスとは、もともと金融商品の相場を読む際に使われているデッドクロスと同じくグラフが交差する状態、減価償却費と元本返済額が逆転する状態を意味します。つまり借入金の元本返済によるキャッシュアウト分は必要経費として計上できない一方、今まで計上できていた必要経費となる減価償却費が減少するため所得税が増加し、その納税により更にキャッシュアウトが発生する状態となります。

不動産は土地と建物・建物附属設備で構成されます。土地はなくならず価値が減らないため、減価償却の対象とならず経費の計上はできません。

一方で建物と建物附属設備は日々劣化が進みます。経年による価値の減少を減価償却費という費として計上します。例えば木骨モルタル造の居住用建物であれば、耐用年数20年間で減価償却を行います。

建物附属設備はその設備の種類によって耐用年数が異なり、例えば、給湯器の耐用年数は6年、給排水設備の耐用年数は15年です。

建物、附属設備ともにこの期間が終われば、減価償却費としての経費の計上がなくなり、結果的に節税効果がなくなります。

なお、減価償却費の元となる建物の価格を割り出すもっとも確実な確認方法は「譲渡対価証明書」の記載を確認することです。証明書がない、または見つからない場合には、建物価格にだけかかる「消費税」から、建物価格を割り出すことができます。また建物と建物の附属設備に分けるためには、税抜きの建物金額と附属設備金額を「証明できる書類」が必要です。書類がない場合には、全額を建物として相対的に長期間で減価償却することになります。

大半の人は不動産取得の際にローンを組みます。ローンには「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類があります。

元利均等返済は、毎月一定額を返済していくローンです。表面的な支払い額は一定額ですが、返済当初は利息部分が大半を占めています。返済が進むに連れ、利息部分が減り、元金の割合が増えていきます。不動産投資では利息部分も経費計上できるのですが、元利均等返済のローンの場合は、年数が経つと計上できる額が減っていくため、経費計上できる額が減る、つまり節税効果が徐々に小さくなるのです。

言い換えると、返済方式が元利均等返済の場合、1回の返済額に占める元本割合は徐々に増えていきます(ちなみに元金均等返済の場合は、文字通り元金の金額は一定で、返済当初は利息分が多く返済金額が大きいです)。返済をする度に、少しずつ元本の割合が増えていく、つまり毎回の返済額は同じでも費用計上できない部分が増えていく、という仕組みです。

不動産のデッドクロスが発生する仕組み

デッドクロスが発生する具体的な原因は、「住宅設備の減価償却費の減少」と「ローンの利息部分の減少(元本の増加)」です。

建物の減価償却費は2019年現在、「定額法」のみの適用となり、減価償却費は耐用年数まで一定です。中古不動産を取得すると、新築よりも耐用年数が少ないため、減価償却費を経費として計上できる年数は新築時よりも早く終了します。

そして元利均等返済の場合、返済金額に含まれる元本の割合は年を追うごとに増えていきます。

いずれ減価償却費と元本返済額が逆転する(デッドクロスになる)可能性が生じます。

減価償却費と元本の金額が逆転すると、何が問題となるのかというと、「実際にはお金は出ていかないのに『経費』として計上できていた減価償却費が少なくなる」、つまり経費計上できる金額が少なくなるため、元金の返済を減価償却費で相殺するような形だったがそれができなくなり、元金の返済を自らの現金で納める必要があり、また経費にできる金額が少なくなるということで利益も増えるので結果として納める所得税が増える、という点が問題となります。借入金返済とキャッシュアウトに見合う経費が計上できず所得税が増加し、納税によるキャッシュアウトが増え、不動産投資上不利になる状態となります。

不動産投資におけるデッドクロスの5つの回避策

デッドクロスを完全に回避するためには、不動産を全額自己資金で購入することが一番確実です。ただ現実的ではない場合が多いので、次のような対策を検討することが考えられます。

  1. 余剰の現金運用を遊ばせない
  2. 繰上返済する 
  3. 新規で物件を取得し、別の減価償却費を得る 
  4. 税金の支払いを予測し、その支払いに備えあらかじめ蓄えておく
  5. 長期譲渡所得となる保有期間5年後からの売却を検討する

余剰の現金運用を遊ばせない

減価償却費を計上できる期間は所得税が少なくなって手元に残る現金が多くなるので、その現金を遊ばせずしっかりと他の資産で運用して利益を出しておくようにしましょう。

また、金融機関によって投資用ローンの繰上返済の違約金(手数料)がかかる場合もあります。違約金があるのか、どれくらいの負担なのかを確認した上で繰上返済を選択すべきでしょう。

繰上返済する

繰上返済(期限前償還)は、毎月の決まった返済金額のほかに、借入金額の一部を返却しローンの借入金額(元金)を減らすものです。定期的に繰上返済をすることで、空室リスク・家賃下落リスク・金利上昇リスクを軽減するので、ライフステージなどと照らし合わせながら余剰分を繰上返済するという考え方があります。

このように繰上返済(期限前償還)をして減価償却額が大きく減る前に返済を終えることも考えられますが、可能な限り長期のローンにして1年あたりの返済負担を軽減することも考えられます。

新規で物件を取得し、別の減価償却費を得る

建物価格と築年数によりますが、新しく物件を所有することで減価償却費の割合が多い状態となります。また所有した年には諸費用も経費計上できます。

税金の支払いを予測し、その支払いに備えあらかじめ蓄えておく

シミュレーションをすることで、税金の支払いを予測します。納める税金の金額感を把握し、事前に準備をしておけばデッドクロス になっても冷静に受け入れられます。

長期譲渡所得となる保有期間5年後からの売却を検討する

一度手にいれた物件を手放すという選択肢もあります。不動産を売却する際には、税金がかかります。税率は、短期譲渡所得と長期譲渡所得に区分され、5年を境に異なる税率で課税されます。5年までに売却すると税率は所得税30%、住民税9%の合計39%で、かなり高額になります。そのため、所得税15%、住民税5%の税率20%になる時期から、売却という選択肢を考えてもいいと考えます。その売却代金で新規に不動産を再購入すれば従前と同様に減価償却費の計上が可能となります。

金利や税務上の知識が必要

実際の現金が出ていかないのに経費計上できる減価償却費とキャッシュアウトが必ずしも一致しないことを理解して、投資戦略を練ることが極めて重要です。

不動産投資を行う上で最も大事な視点は、節税ではなく「税引き後キャッシュの最大化」です。その一つの弊害としてデッドクロスという事象があるのですが、先に述べたような方法で、デッドクロスに対応しましょう。

まとめ

不動産投資のデッドクロスにおける仕組みや回避策について、おわかりいただけましたでしょうか。

例えば、30代のサラリーマンであれば、先行き20~30年程度の給与所得を見込めるため、ローン金利も固定と変動の割合を調整して、足元の利息負担額の抑制と先行きの金利上昇へのリスクヘッジのバランスを図ることが求められます。

不動産投資を考える上で、減価償却や借入金についても、自らの年齢、ポートフォリオ(貸借対照表)、所得(損益計算書)の全体像を把握した上で最適な組み合わせを検討し、シミュレーションいただくことが大切になってきます。

本記事も参考にしていただきながら、計画性のあるシミュレーションをしてみてください。

取材協力:佐野比呂之税理士事務所 代表税理士 佐野比呂之 

[公開日:2018/2/23 更新日:2019/06/04]  

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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