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作成日: 2018.03.16

【不動産投資】貸借対照表と損益計算書をきちんと理解しよう

【不動産投資】貸借対照表と損益計算書をきちんと理解しよう

不動産投資は会計的にみれば、資本と負債により資産を購入する行為です。資産を維持すれば収益と費用が発生し、その差額として利益(または損失)がうまれます。こうした会計の基礎を押さえることが、不動産投資の第一歩なのです。 今回は会計の基礎として、貸借対照表と損益計算書について確認していきましょう。

貸借対照表のポイント

貸借対照表とは簡単にいうと、資産と負債、そしてその差額の資本を一覧にした報告書のことです。貸借対照表では「資産=負債+資本」という式が成立します。例えば資産として1億円の不動産が計上されていれば、必ず負債と資本の合計額は1億円になります。

ただし、その内訳はさまざまです。負債9,000万円プラス資本1,000万円の場合や、負債3,000万円プラス資本7,000万円の場合など、いろいろなパターンがあります。

また、負債は他人資本とも呼ばれます。買掛金(未払いの商品・原材料仕入代金など)や借入金などが含まれますが、いずれも他人(債権者)へ返済する義務を負っています。一方で資本は自ら投入した資本金や蓄積された利益であり、第三者へ返すものではありません。

負債を減らして不動産投資を行えば経営の安定性は高まりますが、その一方で資産規模の拡大は困難になります。規模拡大のためには、ある程度のリスクを取って他人資本を導入することが不可欠となります。つまり、安定と成長のバランス(自己資本比率)を図ることが極めて重要なのです。

負債と資本の合計額が増えなければ、資産額も不変です。不動産投資を行えば、代わりに他の資産が減ります。1億円の不動産を買い付ければ、必ず1億円の現預金が減少するからです。

このような貸借対照表の基本的な仕組みを理解していれば、不動産投資により自らが負うリスク内容や投資規模の拡大余地を、具体的な金額として把握することができます。

損益計算書のポイント

貸借対照表は特定時点に存在する資産と負債・資本を表示していますが、損益計算書では年度、四半期など一定期間の収益、費用、利益(あるいは損失)を示しています。そして、損益計算書は「収益−費用=利益(損失)」という式が成立します。

収益の代表的なものは売上高です。そして、費用は売上高の源泉となる商品・原材料の仕入代金や加工費などが計上される売上原価、本社オフィスの賃料、営業・管理部門社員の人件費、広告宣伝費などの販売管理費に大別されます。預金・借入金利息などの金融収支は、営業外収益(費用)として計上されます。

不動産投資の場合、売上の大半は賃料収入が占めます。売上原価には投資不動産の不動産取得税、管理委託費、水道光熱費、清掃費、修繕費、固定資産税などが計上されます。投資不動産は資産として貸借対照表に計上され、費用には含まれません。その代わり建物・付属設備の減価償却費が売上原価に含まれます。個人事業の場合、販売管理費に計上される費用はほとんどありません。一般的に不動産事業では多額の借入を行うため、販売管理費より営業外費用(借入金利息)の管理が重要になります。

総収益から総費用を控除した利益(損失)は、最終的に当期利益(損失)として計上されます。まず税引前当期利益(損失)を算定します。そこから課税所得として法人税を計算し税引後の当期利益を算出します。

個人事業主の場合は、税引前当期利益(損失)を確定申告書の不動産所得に計上します。それを他の所得(事業、利子、配当、給与など)と合算した金額から社会保険料控除、医療費控除、生命保険控除、扶養控除などを差し引いた金額が課税所得となります。

不動産投資は事業であり、規模が小さくても資産を取得して損益が発生することには変わりがありません。このため、貸借対照表や損益計算書の見方など、会計の基礎知識を身につけ、数量的に経営実態を把握することが重要です。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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