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作成日: 2018.06.15

給料から引かれている税金のこと、きちんと知りたい!「給与所得控除」と「所得控除」の違いは?

給料から引かれている税金のこと、きちんと知りたい!「給与所得控除」と「所得控除」の違いは?

日本の財政が厳しくなるにつれ、気付かないうちに私たちの税金や社会保険の負担は増えています。ビジネスマンやOLの方々は、給与から天引きされるため実感が薄いですが、これからの時代、どんな仕組みで、どれくらいの額が差し引かれているか把握しておきたいものです。税金負担の大きさをリアルに知ることは、資産形成のきっかけになります。

「給与所得控除」はビジネスマンにとって経費計上にあたる

そもそも所得税は、何によって決まるのでしょうか?サラリーマンの場合、ベースとなるのは「給与所得」です。この給与所得にあらかじめ決まった率(割合)が掛けられ、支払う所得税の額が決まってきます。注意したいのは、給与やボーナスがそのまま「給与所得」になるわけではないという点です。給与所得は、次の公式から算出されます。

  • 給与所得=給与収入(給与・ボーナス・現物など)-給与所得控除

上記のうち「給与所得控除」とは、給与やボーナスなどの額に応じて一律で差し引かれるものです。差し引かれる額は、給与収入が高額になるほど高く、低額になるほど安くなります。例えば、2017年度の場合、年収180万円以下の方の「給与所得控除」は収入金額×40%(※)、年収1,000万円超の方は220万円(上限)です。詳しく知りたい方は、こちらの「国税庁:給与所得控除」をご参照ください。

「給与所得控除」は、自営業者やフリーランスでいうところの「経費計上」にあたります。サラリーマンではない方は、新聞図書費や交際費などの経費を年に1回の申告時に計上でき、それが認められれば所得税が安くなるのです。

しかし、ビジネスマンやOLに対しても、同様の手続きをとると企業や税務署の労力があまりにも大きくなります。そのため、経費としてかかったと思われる分を「給与所得控除」で差し引いて所得税を算出しているというわけです。

※年収65万円未満は、給与所得控除が自動的に65万円になります。

要注意!「給与所得控除」と「所得控除」は全くの別モノ

もうひとつ、所得税を算出するうえで忘れられないものに「所得控除」があります。所得控除にはいくつもの種類があり、あてはまる内容によって、前項で紹介した給与所得から差し引くことが可能です。まず、給与所得を出すための公式は「給与所得=給与収入-給与所得控除」になります。給与所得からさらに所得控除が引かれて、最終的な「課税所得」が割り出されるのです。公式にすると次のようになります。

  • 給与所得-所得控除(基礎控除、扶養控除、生命保険控除など)=課税所得

使われている用語が似ているため、一見するとややこしいように感じますが、この3ステップを押さえれば、所得税を算出する流れの基本はマスターしたといえるでしょう。

  1. 給与・ボーナス・現物などの給与収入から給与所得控除が引かれて「給与所得」が算出される
  2. 上記の給与所得から扶養控除などの所得控除が引かれて「課税所得」が出される
  3. 課税所得に所得税率が掛けられて「所得税額」が算出される

ちなみに、所得税率について詳しく知りたい方は、こちらの「国税庁:所得税の税率」をご参照ください。

所得控除のさまざまな種類も押さえておこう

最後に、所得控除にどんなものがあるかについて、主なものを紹介しておきます。

  • 基礎控除
    総所得金額から一律38万円差し引くことができます。

  • 配偶者控除
    合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合103万円以下)の配偶者がいる場合、差し引くことができます

  • 生命保険料控除
    生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料などを払った場合に該当します。

  • 地震保険料控除
    地震保険の保険料を払った場合に該当します。

このほかにも所得控除にはさまざまな種類があります。上記は2017年度時点の情報です。配偶者控除など2018年度以降は細かい内容が改正される可能性がありますので、しっかり内容をチェックしておきましょう。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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