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公開日: 2025.12.12

不動産投資を年収2,000万円の人におすすめする3つの理由を解説

監修:
矢口美加子 (宅地建物取引士、整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級)
不動産投資を年収2,000万円の人におすすめする3つの理由を解説

年収2,000万円という高所得層は、税金の負担も大きく、資産を効率的に守り増やす仕組みづくりが欠かせません。不動産投資であれば、節税と資産形成を同時に進められます。

高い信用力をもとに有利な条件で融資を受けられ、複数物件への展開もしやすいのが大きな強みです。本記事では、年収2,000万円の人が不動産投資で得られる具体的なメリットや、成功するための戦略をわかりやすく解説します。

不動産投資が年収2,000万円の人におすすめの理由

 

年収2,000万円の方に不動産投資がおすすめの理由は、以下のとおりです。

  1. 節税対策の恩恵を受けやすい
  2. 有利な条件で融資を受けやすい
  3. 複数物件への展開がしやすい

それぞれ詳しく解説します。

1. 節税対策の恩恵を受けやすい

年収2,000万円の方は、所得税33%、住民税10%が適用されるため、合計で43%もの税負担を抱えている状況です。

不動産投資では、給与所得と不動産所得のマイナスを損益通算することで、所得税の還付と、住民税の軽減が可能となります。税率が高い高所得者層ほど、損益通算による節税メリットは大きくなります。

また、個人での投資だけでなく、法人を設立して不動産を保有するという選択肢も検討できます。法人化した場合の税率は所得が800万円以下の部分で約23%、800万円超の部分で約35%と、個人の所得税に比べて税率が低いです。そのため、個人の所得が高く、所得税率が高い人にとっては税率の低減につながり、節税効果が期待できます。

【関連リンク】
不動産投資で法人化するメリットは? デメリットや適切なタイミングも解説

損益通算の仕組み

損益通算とは、不動産所得で生じた赤字を給与所得などの黒字と相殺することができる税制上の仕組みです。これにより、課税対象となる所得金額を減らし、納める税金を抑えられます。

不動産投資においては、減価償却費という経費を計上することで、会計上の赤字を出すことが可能です。こうして生まれた赤字を給与所得から差し引くことで、課税所得が減少し、所得税や住民税の還付を受けられます。

【関連リンク】
【不動産投資と税】損益通算は土地と建物の割合によって変わる

所得制限のある制度が使える可能性

不動産所得による赤字で課税所得を減らすと、所得制限によって本来利用できなかった制度を活用できる可能性があります。たとえば住宅ローン控除です。そのほかの所得制限がある制度には配偶者控除、⾼等学校等就学⽀援⾦などがあります。

年収2,000万円のままでは対象外となるケースでも、不動産所得の赤字で課税所得を下げることで、制度の対象範囲内に入る可能性が出てきます。

【関連リンク】
高所得者必見! 不動産所得のマイナスで、諦めていた制度が使えるかも!? チェックしたい制度一覧

2. 有利な条件で融資を受けやすい

年収2,000万円という安定した高収入は、金融機関からの信用評価を高める要素となります。よりよい条件(低い金利)での借入れが可能になるほか、融資限度額も大きく設定される傾向にあります。

ただし、年収2,000万円という属性があっても、すべてのケースでよい条件での融資が受けられるとは限りません。現在の借入れが多額にある場合や、開業医などの職業によっては、借入額が制限される可能性もあります。

3. 複数物件への展開がしやすい

年収2,000万円の方は、1物件目の投資で終わらず、2物件目、3物件目へと投資規模を拡大しやすい立場にあります。手元資金に余裕がある状態で1物件目の繰上返済などを行うことで次の融資審査でプラス評価されるためです。

複数の物件を保有することで、リスクの軽減にもつながります。異なるエリアや物件タイプに分散投資することで、地域リスクや市場変動リスクにも対応できます。

ただし、複数物件への展開には、借入可能額の上限という制限に注意が必要です。一般的に年収の7〜8倍程度が融資の限度額とされます。空室率の低い状態を維持するなど安定的な運用が実現できれば、金融機関からの信頼はさらに高まる可能性があります。

不動産投資を年収2,000万円の人が行う場合の融資目安

 

年収2,000万円の方が不動産投資を始める際、どの程度の融資が受けられるのかを把握しておくことは重要です。融資可能額の目安と、金融機関が審査で重視するポイントについて解説します。

融資可能額の目安

不動産投資で利用できる融資額は、一般的な目安とされている年収の7〜8倍にあてはめると、年収2,000万円の場合、1億4,000万〜1億6,000万円程度となります。

ただし、この数字はあくまで目安であり、実際の融資額は金融機関によって異なります。上限が1億円と決まっている金融機関もあります。

そして個別の状況によっても変わります。融資審査は、個人の属性情報をもとに各金融機関が独自のルールに従って決定するためです。

医師や弁護士などの専門職、上場企業の役員などは、より有利な条件で融資を受けられる傾向にあります。一方で、既存の住宅ローンや自動車ローンなどの借入れがある場合は、その分だけ新規の融資額が減少します。

【関連リンク】
不動産投資ローンとは?住宅ローンとの違いやメリット、金利、金融機関(銀行融資)の特徴を解説

金融機関の審査で見られるポイント

不動産投資の融資審査で金融機関が確認するポイントは、大きく分けて個人の属性と物件の評価です。まず個人の属性面では、以下のような項目がチェックされます。

  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 年収
  • 既存の借入状況
  • 返済の遅延や滞納の有無

物件面では、以下のような項目から購入予定物件の収益性と担保価値を判断されます。

  • 立地条件
  • 築年数
  • 想定される家賃収入 など

物件の担保価値が融資額に見合っているか、万が一の際に回収可能かという点も重要です。こうした多角的な審査を経て、最終的な融資条件が決定されるのです。

不動産投資で年収2,000万円の人に適した物件の種類

 

年収2,000万円の方は、投資目的や経験に応じて、以下のような物件タイプから選択できます。

  • 区分マンション
  • 一棟アパート・マンション
  • 戸建て
  • 海外不動産投資

初めて不動産投資に取り組む方には、管理の手間が少なく少額から始められる区分マンションが適しています。区分マンションは、マンションの一室を購入して賃貸に出すスタイルで、数千万円から投資をスタート可能です。

管理会社に委託すれば、入居者募集から家賃の回収、建物の維持管理まで任せられるため、本業が忙しい方でも無理なく運営できます。

一方で、ある程度の投資規模を求める方や、すでに不動産投資の経験がある方には、一棟アパートや一棟マンションも選択肢となります。一棟物件は投資額が大きくなりますが、土地と建物を丸ごと所有できるため、資産価値の安定性の高さがメリットです。

戸建て賃貸は、ファミリー層をターゲットにでき、入居期間が長くなる傾向があるため、安定した収益を見込めます。海外不動産投資は、為替差益や高い利回りを狙える可能性がある一方、現地の法律や税制、管理の難しさなどのリスクもあります。

どの物件タイプを選ぶにしても、重要なのは立地条件と賃貸需要の安定性です。都心部や主要駅の近くにある物件は、空室リスクが低く、長期的な収益が見込めます。人口減少が進む地方エリアよりも、人口流入が続いている都市部の物件を選ぶことが、リスクを抑えるポイントです。

年収2,000万円の人が不動産投資を行う際の5つのポイント

 

年収2,000万円の方が不動産投資を行う際のポイントは、以下の5つです。

  1. 節税の仕組みを理解する
  2. 法人化を検討する
  3. リスクを加味して余裕を持った借入れを行う
  4. 保有期間によって売却時の税金が変わることを知っておく
  5. 信頼できる不動産投資会社に相談する

それぞれ詳しく解説します。

1. 節税の仕組みを理解する

不動産投資による節税効果を最大限に活かすためには、その仕組みを正確に理解することが不可欠です。損益通算によって給与所得から不動産所得のマイナスを差し引けることは、高所得者にとって大きなメリットですが、注意するポイントもあります。

減価償却は、年々価値が減る物に対して、その資産が使用できる期間が定められ、その期間(耐用年数)に応じて経費を計上できるルールです。

そのため価値が減らない土地部分には減価償却が適用されず、損益通算の対象外となります。

また所得が赤字の場合には損益通算の対象外となるルールがあるため、税制上のルールを理解せずに投資を始めると、期待していた節税効果が得られない可能性があります。

【関連リンク】
不動産投資で赤字、そんなときの損益通算には制限があります

2. 法人化を検討する

年収2,000万円クラスの高所得者の場合、個人ではなく法人を設立して不動産を保有する選択肢も検討する価値があります。法人化することで、所得の分散や経費計上の幅が広がり、さらなる税制メリットを得られる可能性があるためです。

個人の所得税は累進課税で最高税率が高くなりますが、法人税は一定の税率が適用されます。所得が一定額を超えると、法人税率の方が個人の所得税率よりも低くなるケースがあります。

また、法人名義で物件を保有すれば、不動産から得られる収益は法人の所得として課税され、個人の所得税とは切り離して管理可能です。ただし、役員報酬や配当を受け取る場合には、その分に個人課税が発生します。

法人化が本当にメリットになるかは、投資規模や個人の所得状況によって変わります。税理士などの専門家に具体的なシミュレーションをしてもらい、総合的に判断することが重要です。

【関連リンク】
不動産投資で法人化するメリットは? デメリットや適切なタイミングも解説

3. リスクを加味して余裕を持った借入れを行う

年収2,000万円という属性があっても、融資可能額の上限まで借りることは慎重になるべきです。不動産投資には、空室リスクや金利上昇リスク、本業の収入減少リスクなど、さまざまなリスクが存在するためです。

空室が発生すれば家賃収入が途絶え、ローンの返済を自己資金から支払うことになります。また、変動金利で借りている場合、金利が上昇すれば毎月の返済額も増加します。さらに、本業の収入がなんらかの事情で減少する可能性もゼロではありません。

こうしたリスクに備えるためには、返済額に対して十分な余裕を持った借入計画を立てることが重要です。自己資金として一定額の現預金を手元に残しておくことも大切です。

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4. 保有期間によって売却時の税金が変わることを知っておく

不動産を売却する際には、譲渡所得税という税金がかかります。税率は、以下のように保有期間によって大きく異なります。

保有期間 所得税 住民税 合計
5年以下(短期譲渡所得) 30.63% 9% 39.63%
5年超(長期譲渡所得) 15.315% 5% 20.315%

この税率の違いは非常に大きいため、売却のタイミングを誤ると手取り額が大幅に減少してしまいます。

なお保有期間の判断は、取得した年の1月1日を起点として、その年の1月1日時点で5年を超えているかどうかです。たとえば、2020年12月に購入した物件であれば、2026年1月1日の時点で5年を超えたことになります。

このルールを知らずに売却時期を決めると、思わぬ税負担が発生する可能性があります。そのため購入時から出口戦略を考え、売却のタイミングも計画に入れておくことが大切です。

売却のタイミングだけでなく、売却金額にも注意すべきです。物件の売却価格が1,000万円を超えると、2年後に消費税の課税対象者になる可能性もあります。

【関連リンク】
不動産投資の出口戦略。成功するための4つの手法
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5. 信頼できる不動産投資会社に相談する

不動産投資を成功させるには、信頼できるパートナーの存在が欠かせません。単に物件を紹介するだけではなく、物件選定から購入、管理、出口戦略相談まで、一貫してサポートしてくれる会社を選ぶことが重要です。

本業が忙しい高収入層の方にとって、入居者募集や家賃回収、修繕対応などを自分で行うのは現実的ではありません。管理業務を専門家に任せれば、手間をかけずに安定した運用が可能になります。

さらに、購入後の管理体制やトラブル対応、税務サポートの有無もチェックしておくと安心です。信頼できる会社と組むことで、初めての投資でもリスクを抑え、長期的な成果を期待できます。

年収2,000万円の人が不動産投資を始める際は信頼できるパートナーを見つけよう

年収2,000万円の方にとって、不動産投資は節税や融資面で有利な資産形成の手段です。ただし、成功には正しい知識と戦略が欠かせません。節税の仕組みを理解し、リスクを考慮した借入計画を立てましょう。

そしてなにより重要なのは、信頼できる不動産投資会社の存在です。物件選定から管理まで一貫して支援してくれる会社を選ぶことで、本業に専念しながら安定した運用が可能になります。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

この記事を監修した人

矢口美加子 矢口美加子 宅地建物取引士、整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級

不動産売買や不動産投資、リフォームなど不動産関連の記事を複数の大手メディアに寄稿。記名記事の実績は310以上。モットーは「初心者にもわかりやすい不動産記事の執筆」。家業で不動産投資をしており、マンション・アパート・戸建て賃貸経営で契約管理を担当。オーナー目線の記事を得意とする。

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