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公開日: 2025.11.12

不動産投資をポートフォリオに入れる4つのメリット! ポートフォリオを組み込む際に知っておきたいことも解説

監修:
矢口美加子 (宅地建物取引士、整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級)
不動産投資をポートフォリオに入れる4つのメリット! ポートフォリオを組み込む際に知っておきたいことも解説

「不動産投資をポートフォリオに入れるべきか迷っている」
「株式や債券だけでは不安だ」

資産運用を考えるなかで、このような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

不動産投資は、安定した家賃収入を得られるだけでなく、株式や債券とは異なる値動きをするため、ポートフォリオに組み込むことでリスク分散に効果的です。さらに、インフレ対策など、現金や株式にはないメリットも期待できます。

本記事では、不動産投資をポートフォリオに組み込むメリットから具体的なポイント、専門家への相談先まで詳しく解説します。

ポートフォリオとは

 

ポートフォリオとは、株式・債券・不動産など、金融資産実物資産を組み合わせて運用する「資産全体の構成」を指します。「株式50%・債券30%・不動産20%」といった割合で表します。投資の世界では、一つの資産に集中せず、複数の資産に分散して運用する手法が、リスクを抑えるために必要といわれています。

投資にポートフォリオの作成が欠かせない理由

投資においてポートフォリオが欠かせないのは、リスクを分散しながらリターンを最大化できるためです。一つの資産に集中して投資すると、その資産が値下がりした際に損失が一気に拡大するおそれがあります。

たとえば、ある企業の株式だけに全資産を投じていた場合、その企業の業績悪化や市場環境の変化によって株価が暴落すれば、保有資産全体の価値が大きく目減りしてしまいます。一方で、値動きの異なる複数の資産を組み合わせることで、特定の資産が不調でもほかの資産が損失を補い、全体のリスクを抑えることが可能です。

このようにリスク分散をすることにより、精神的な安定も保ちやすくなります。資産価値の変動に一喜一憂することなく、冷静に長期的な視点で資産形成を続けられるでしょう。

不動産投資をポートフォリオに入れる4つのメリット

 

不動産投資をポートフォリオに組み込むことには、以下のようなメリットがあります。

  1. ミドルリスク・ミドルリターンで安定した運用が実現できる
  2. インフレ対策になる
  3. レバレッジ効果の活用により資産形成を加速できる
  4. 節税効果が期待できるケースがある

それぞれ詳しく解説します。

1. ミドルリスク・ミドルリターンで安定した運用が実現できる

不動産投資は、一般的にミドルリスク・ミドルリターンの投資とされています。株式のように短期間で大きく値動きすることは少なく、安定した家賃収入(インカムゲイン)を得やすいのが特徴です。

日本の人口減少や建物の老朽化による価格下落リスクはありますが、適切な物件選びと運用によって十分に抑えられます。極端なリスクを避けつつ、安定収益と資産成長の両立を図りたい投資家に適した選択肢といえるでしょう。

2. インフレ対策になる

インフレが進行すると、今までの金額で購入できるモノやサービスが減るため、現金や預貯金の価値は相対的に目減りします。一方、不動産のような実物資産は物価上昇とともにその価値も上昇する傾向にあります。建築費や土地の価格が上昇すれば、それに伴って既存の不動産の価値も上昇するためです。

さらに、家賃もインフレに合わせて上昇する傾向があるため、家賃収入もインフレに強い特性を持ちます。需要が安定している地域については、物価が上昇すれば賃貸住宅の家賃も上がりやすくなるため、収入面でもインフレの影響を受けにくくなります。これにより、インフレによる資産の実質的な目減りを防ぎ、長期的な資産価値を保つことが可能です。

同時に、金利上昇を伴うインフレ局面では借入金利が上昇するため、ローンの返済負担が増える可能性がある点に注意しましょう。特に変動金利型のローンを利用している場合に影響を受けやすくなります。

3. レバレッジ効果の活用により資産形成を加速できる

レバレッジとは「てこの原理」のことで、自己資金だけでなく金融機関からの融資を利用することで、より大きな規模の不動産を購入・運用できます。これにより、自己資金に対するリターンを最大化し、少ない資金で効率的に資産を増やせる可能性があります。

たとえば、使える自己資金が500万円の場合、株式投資であれば500万円分しか投資に回せません。しかし不動産投資であれば、2,500万円の融資を受け3,000万円の物件を購入してリターンを得ることも可能です。

しかし、レバレッジはリターンだけでなくリスクも増幅させます。空室や金利上昇、予期せぬ修繕費などが発生した場合、実力以上の運用をしていると返済が困難になる可能性もあります。慎重な計画とリスク管理は不可欠です。

【関連リンク】
不動産投資のレバレッジ効果とは? リスクと目安、効果を高めるコツを解説

4. 節税効果が期待できるケースがある

不動産投資で節税できる仕組みとしては「減価償却」と「損益通算」が関係しています。

減価償却とは、建物の購入費用を複数年にわたって確定申告の際に経費として計上できるルールのことです。実際には現金支出がなくても所得を圧縮し、所得税、ひいては住民税を軽減できます。

損益通算は、不動産所得で発生した赤字(減価償却費や諸経費が家賃収入を上回る場合など)を給与所得などのほかの所得と相殺できるルールです。これにより課税所得が減少し、結果として所得税・ひいては住民税の負担を軽減できます。

さらに、不動産は現金で相続するよりも相続税評価額が低くなる傾向があるため、相続税対策としても有効です。特に賃貸物件の場合は、その評価額がさらに下がるため、より大きな節税効果が期待できます。

【関連リンク】
不動産投資は節税にならない? 仕組みと節税効果が高い人を解説

不動産投資をポートフォリオに組み込む際に知っておきたいこと

 

不動産投資をポートフォリオに組み込む際のポイントは、以下のとおりです。

  1. 投資できる金額や目標とする収入を考える
  2. 物件の種類やエリア、築年数などで異なる不動産を組み込む
  3. 不動産投資における出口戦略を考える

それぞれ詳しく解説します。

1. 投資できる金額や目標とする収入を考える

不動産投資によるリターンを「いつ」に見据えるかを最初に設定しておくことが必要です。なぜなら不動産投資は「今すぐ」に使えるお金とはならないからです。

将来的に月10万円の副収入を目指すのか、家賃収入だけで生活できるレベルを目指すのかで、戦略は大きく変わります。

都心のワンルームマンションを複数所有するか、地方の一棟アパートで高利回りを狙うか目標が明確になれば、最適なエリアや物件種類も見えてきます。無理のない範囲で現実的な金額と目標を設定することが、成功への第一歩です。

投資計画を立てる際は、自己資金だけでなく手元に残す生活防衛資金も確保しておくことをおすすめします。予期せぬ空室や修繕費にも対応できる余力を持つことで、安定した運用が可能になります。

【関連リンク】
不動産投資の利回りとは? 指標の捉え方と、計算方法の紹介

2. 物件の種類やエリア、築年数などで異なる不動産を組み込む

複数の不動産をポートフォリオに組み込む際は、以下のように物件の種類・エリア・築年数など、特性の異なる不動産を組み合わせるのがおすすめです。

物件の種類による違い ワンルームマンション 単身者向けで需要が安定し、管理も比較的簡単
一棟アパート 複数戸を所有できるため、収入規模を大きくできる
ファミリー向けマンション 長期入居が期待できる
エリアによる違い 都心物件 需要が安定しているが、物件価格が高く利回りは低め
地方物件 高利回りが期待できる反面、空室リスクや修繕費リスクが高まる傾向にある
築年数による違い 新築物件 入居者が見つかりやすく当面の修繕費も少ないが、物件価格が高く利回りは低め
築古物件 利回りが高い反面、修繕費がかかりやすく、融資条件が厳しくなる場合もある

これらの特性を理解しバランス良く組み合わせることで、市場変動によるリスクなどを分散できます。たとえば、都心の築浅ワンルームで安定収入を確保しつつ、地方の高利回り物件で収益性を高めるといった戦略が考えられます。

3. 不動産投資における出口戦略を考える

不動産投資は長期的な視点で行うものですが、購入前から「いつ、どのように売却するか」という出口戦略を具体的に考えておくことが重要です。明確な出口戦略がないと、売却タイミングを逃したり、想定より低い価格で売却せざるを得なくなったりするリスクがあります。

たとえば「購入から10年後に売却して利益確定」「ローン完済後は家賃収入を得続ける」など、複数のシナリオを想定しておきましょう。

出口戦略には相続・という選択肢もあります。子どもや家族に不動産を引き継ぐことで、家族全体の資産形成に貢献できます。物件の立地や市場動向、自身のライフプランの変化に応じて柔軟に対応できるよう、複数の選択肢を持っておくことが大切です。

【関連リンク】
不動産投資の出口戦略とは? 売却に適したタイミングや成功のポイントも解説

不動産投資をポートフォリオに組み込むか悩んだ際の相談先

 

不動産投資をポートフォリオに組み込むかどうか悩んだ際には、専門家に相談することをおすすめします。具体的な相談先は、以下のとおりです。

  1. ファイナンシャルプランナー
  2. 税理士
  3. 不動産投資会社

それぞれ詳しく解説します。

1. ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(FP)は、保険・年金・税金・教育資金など、人生全体のお金に関する幅広い知識を持つ専門家です。不動産投資を自身のライフプランやほかの金融資産と連携させ、最適なポートフォリオを構築したい場合に相談するといいでしょう。

FPは、不動産投資が長期的な資産形成目標にどう貢献するか、ほかの投資とのバランスをどうとるべきかなど、全体的な視点からアドバイスを提供します。現在の収入や家族構成、将来のライフイベント(子どもの進学・住宅購入・老後資金など)を考慮しながら、適切な投資規模を提案してもらえます。

2. 税理士

不動産投資では、以下のようなさまざまな税金が発生します。

  • 不動産取得税
  • 固定資産税
  • 印紙税
  • 所得税
  • 住民税
  • 譲渡所得税 など

また、減価償却費の計上や経費処理などは計算が難しいため、税務上の専門知識が不可欠です。税理士に相談することで、「どのような経費が計上できるか」「減価償却をどう活用すれば節税効果が高まるか」など、節税対策や適切な確定申告に必要な具体的なアドバイスを受けられます。

特に高所得者ほど、税理士を活用するメリットが大きくなります。所得が高いほど税率も高いため、適切な節税対策による税負担軽減効果が大きく、複雑になりがちな確定申告も正確かつ効率的に行えるからです。

3. 不動産投資会社

不動産投資会社は、物件紹介から購入サポート、賃貸管理、売却支援まで、不動産投資のさまざまなフェーズでサービスを提供しています。市場動向や物件情報に精通しているため、投資目的や予算に合った物件を提案してもらえます。

購入後の入居者の募集や賃貸管理、入居者の対応なども任せられるため、初めて不動産投資を行う方や、遠方・複数の物件を所有する場合に便利です。

ただし、会社によって得意とする物件タイプやエリア、サービス内容が異なるため、複数社を比較検討することが重要です。契約前に口コミや実績、管理体制を確認し、対応の丁寧さや顧客満足度もチェックして、長期的に信頼できるパートナーを選びましょう。

【関連リンク】
不動産投資のおすすめの相談先6選! 会社選びのポイントや相談事例も紹介

不動産投資をポートフォリオに組み込む際は専門家に相談しよう

不動産投資をポートフォリオに組み込むことには、安定した家賃収入・インフレ対策・リスク分散・節税効果など多くのメリットがあります。不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンという特性があるため、長期的な資産形成を目指す方にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。

ただし、成功させるには投資金額や目標の明確化、物件の分散、出口戦略の設定など、事前の綿密な計画が欠かせません。これらの判断には専門的な知識が必要なため、ファイナンシャルプランナー・税理士・不動産投資会社といった専門家への相談をおすすめします。

専門家のアドバイスを受けることで、自身の状況に最適な投資戦略を立て、リスクを抑えながら効率的に資産形成を進められます。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

この記事を監修した人

矢口美加子 矢口美加子 宅地建物取引士、整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級

不動産売買や不動産投資、リフォームなど不動産関連の記事を複数の大手メディアに寄稿。記名記事の実績は310以上。モットーは「初心者にもわかりやすい不動産記事の執筆」。家業で不動産投資をしており、マンション・アパート・戸建て賃貸経営で契約管理を担当。オーナー目線の記事を得意とする。

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