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作成日: 2022.09.09

東京都心の範囲とは? 東京23区の不動産事情も解説

東京都心の範囲とは? 東京23区の不動産事情も解説

東京で物件探しをする際は、「都心」の意味を把握しておく必要があります。都会の中心部であると予想はつきますが、実際のところ、どこからどこまでを指すのでしょうか?「新都心」や「副都心」との違いや、東京23区の不動産事情についても解説します。

都心とはどの範囲を指す?

都心とはどの範囲を指す?

「都心に住んでいる」「都心に店舗を構えた」など、東京で物件の話をすると「都心」という言葉をよく耳にします。では都心とはどの範囲を指すのでしょうか?

一般的には東京の中心地のオフィス街

都心の本来の意味は「大都市の中心部」です。意味から考えれば、大阪や名古屋、福岡などの中心部も都心と言えますが、一般的な認識としては「東京の中心地のオフィス街」を指します。具体的なエリアは、大手町駅・霞ケ関駅・銀座駅・永田町駅・東京駅(丸の内)の近辺です。

都心に明確な定義はなく、使う人によって範囲が異なる点に注意が必要です。不動産業界においては、「都心マンション」というと、23区すべてのマンションを指すケースもあります。

都心3区、都心5区などに分類することも

東京には23の区があり、都心とそのほかのエリアを分類する際に「都心〇区」という表現方法を使います。都心3区・5区・6区に該当する区は以下の通りです。

都心3区 千代田区・中央区・港区
都心5区 千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区
都心6区 千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区・文京区

このほかに、さらに範囲を拡大した都心8区や都心10区という表現もあります。

皇居を中心としてエリアを分類する方法も

東京23区は、皇居(千代田区)を中心に「城東」「城西」「城南」「城北」に分類されます

城東には、中央区・台東区・墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区の6区が含まれます。銀座を含む中央区を除き、情緒あふれる下町が多いのが特徴です。

城西は、新宿区・世田谷区・渋谷区・中野区・杉並区・練馬区の6区を指します。城東と比較すると地価が高く、高級住宅街が多く含まれます。

城南は、港区・品川区・目黒区・大田区の4区です。品川駅がリニアの始発駅になることが決まっており、地価は上昇傾向にあります。富裕層が多く、閑静な高級住宅街というイメージがあるようです。

城北は、文京区・豊島区・北区・荒川区・板橋区・足立区の6区で、城東同様に下町の雰囲気が残ります。

副都心・新都心の範囲

副都心・新都心の範囲

立地に関する用語として覚えておきたいのが「副都心」と「新都心」です。両者の違いや範囲について詳しく見ていきましょう。

副都心とは

副都心とは、都心の機能を分散する役割を持ったエリアです。具体的には、渋谷・新宿・池袋・大崎・上野・浅草・錦糸町・亀戸・臨海地区を指します

都心と郊外の交通接点として発展したことから、アクセスの利便性が高く、百貨店や駅ビル、娯楽街などの商業施設が多いのが特徴です。

三大副都心というと、1958年の首都圏整備計画で副都心に指定された渋谷・新宿・池袋を指す点も覚えておきましょう。また、新宿区・文京区・渋谷区・豊島区は、副都心4区とよばれています。

新都心とは

新都心とは、東京都の隣県に対して用いられる立地用語です。東京都の首都機能を担うために開発された地域を指し、「さいたま新都心」「幕張新都心」「横浜みなとみらい21」が該当します。

さいたま新都心には、国の行政機関が集中する「官庁街区」や、国内最大級の多目的アリーナ「さいたまスーパーアリーナ」があります。

幕張新都心は、海を埋め立ててできた場所で、職・住・学・遊の複合機能を有しているのが特徴です。近代科学技術が生んだ「海上都市」と称されることもあります。

横浜みなとみらい21は、横浜港に面する再開発地域で、国際交流機能や港湾管理機能を集積しています。

東京都心の不動産の特徴

東京都心の不動産の特徴

東京都心で不動産の賃貸・購入を検討している人は、不動産の現在の状況と将来の動向を把握しておく必要があります。一言で都心といっても、エリアごとに特徴が異なります。

都心6区は平均地価が高い

都心には平均地価が高いエリアが集中しています。特に、都心6区である千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区・文京区は、都内でも地価が高く、地価ランキングの上位を独占しています。

国土交通省が公表する「東京圏の市区の住宅地の平均価格等(令和4年地価公示)」によると、上位4位の平均価格は以下の通りです(円/m2)。

  • 千代田区:270万4,300円
  • 港区:207万6,700円
  • 渋谷区:133万4,900円
  • 中央区:133万2,200円

参考:第6表 東京圏の市区の住宅地の平均価格等(PDF)|国土交通省

「山手線内側」は圧倒的なブランド力

東京23区のうち、JR山手線の内側に位置する区は不動産の資産価値が高いエリアとして有名です。「山手線内側」をセールスポイントにする不動産業者も少なくありません。

このエリアは企業や商業施設が多く、ビジネスやエンターテインメントの中心となっています。特に港区の虎ノ門エリアは大規模な再開発が進んでおり、東京を代表するランドマークタワーやハイグレードなオフィスタワーが多いのが特徴です。

東京都の面積に対し、山手線内側のエリアはわずか3%にすぎません。エリアの希少性も価値を上げる要因になっているようです。交通の利便性も高く、需要が途切れることはないと考えてよいでしょう。

単身向けマンションの需要は増えると予想

婚姻率の低下や地方からの単身者の流入に伴い、東京都心の単身者向けマンションの需要は増えると見込まれています。

豊島区においては、全世帯のうち単身世帯は約56%です。30m2未満の集合住宅は約40%に上っており、その割合は23区で最も高い結果となっています。

世帯構成の偏りを是正するため、各自治体ではワンルームマンションの建築及び管理に関する条例、通称「ワンルームマンション規制」を導入しているのが現状です。狭小住戸ばかりが建設されると、地域の構成員に偏りが生じ、地域ぐるみで行う活動に支障が出るおそれがあるでしょう。

豊島区の場合は、一定戸数以上の狭小な住戸を有する集合住宅を建築しようとする建築主に課税する「狭小住戸集合住宅税」を導入しています。

増え続けるワンルームマンションの需要と条例による規制によって、将来的にワンルームマンションの供給不足が生じる可能性があります。

参考:狭小住戸集合住宅税(通称「ワンルームマンション税」)|豊島区公式ホームページ

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東京都心では、テレワークの普及や観光客の減少により、地価が下落しているエリアがある一方で、物件に対する人気が堅調のエリアもあります。

不動産の資産価値は、立地によって異なります。需要と供給によって価格が上下するため、賃貸・購入の際には市場動向や賃料の推移、人口動態などをしっかり調査する必要があるでしょう。

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