お金のプロが選ぶ、おすすめのアクティブ型投資信託はこの3本!
投資信託には、目標とする指標(ベンチマーク)と連動するインデックスファンドと、目標とするベンチマークを上回ることや、ベンチマークを設けずに絶対収益(例:年10%リターンなど)を目指すアクティブファンドがあります。手数料が安いことなどから、インデックスファンドが人気ですが、アクティブファンドの中にも、長期間好成績を挙げ続けている商品があります。今回は、アクティブファンドの特徴・選び方・おすすめアクティブファンドを紹介します。
アクティブファンドの特徴をチェック!
アクティブファンドの特徴を押さえるために、まずはアクティブファンドの成績をチェックしてみましょう。モーニングスターのウェブサイトで10年リターン(年率)の高い順にアクティブファンドをスクリーニング。ベスト5は、次のようになりました(以下数値は2021年8月17日時点)。
2位:野村世界業種別投資シリーズ(半導体) 23.75%
3位:楽天日本株トリプル・ブル 23.41%
4位:日本新興株オープン 23.17%
5位:SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト 22.89%
小型株
運用成績が良いアクティブファンドの多くは、基本的に小型株に投資しています。例えば、DIAM新興市場日本株ファンドは新興市場の株式、日本新興株オープンはジャスダック上場株式に投資しています。
小型株とは、時価総額が少なく、流動性があまり高くない銘柄のことです。今後大きな成長が見込める「お宝銘柄」がある一方、事業がうまくいかずに上場廃止となる銘柄もあります。ファンドの規模を示す純資産総額は200億〜400億円程度がちょうどいいと考えられています。現に1位のDIAM新興市場日本株ファンドは約164億円。ほかの4本も80億〜300億円程度となっています。
テーマ型
アクティブファンドには、「テーマ型」とよばれる商品が多くあります。テーマ型とは、世の中で話題のテーマに関連する銘柄に集中して投資するファンドのことです。
2位の野村世界業種別投資シリーズ(半導体)は、世界各国の半導体関連企業に集中して投資しています。過去にはIT・インターネット、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)、バイオ、シェールガス、SNSなど、さまざまなテーマが取り上げられてきました。最近ではAIやESG(環境・社会・ガバナンスを重視した企業)などが話題になっています。
レバレッジ型
3位の楽天日本株トリプル・ブルのような「レバレッジ型」の商品もあります。レバレッジ型は、先物やオプションといった取引を利用して、指数の値動きの数倍の利益を狙うファンドです。
レバレッジ型には指数の上昇時に儲かる「ブル型」と、指数の下落時に儲かる「ベア型」があります。楽天日本株トリプル・ブルは、国内の株式市場の指数が上昇したときに、3倍上昇するしくみになっています。
運用コストに注意
アクティブファンドの信託報酬は年1%〜3%と、インデックスファンドよりも総じて高いことも忘れてはいけません。
インデックスファンドの中には、信託報酬が年0.1%を切るようなものがある中で、DIAM新興市場日本株ファンドや日本新興株オープンは年1.672%、SBI中小型成長株ファンドも年1.65%となっています。
運用コストが高くても、それを大きく上回る利益が出せればいいのですが、中には運用がうまくいかず、インデックスファンドに勝てないアクティブファンドも多くあるのが実情です。
アクティブファンドを選ぶ6つのポイント
では、アクティブファンドを選ぶときには、何に注目したらいいのでしょうか。6つのポイントを紹介します。
1. 運用コストを控除した運用実績は堅調か
投資信託は、数年〜数十年という中長期で成長する性質の金融商品です。ですから、最低でも3年以上、できればより長い期間での運用実績を確認しましょう。格付会社や証券会社などが公表する「ファンド大賞」では、運用実績が優秀な商品が表彰されますので、商品選びの参考にできます。
2. 同ジャンルで運用効率が良いか
各ファンドが効率の良い運用をしているかを知る指標にシャープレシオがあります。シャープレシオが高いほど、リスクの割に高いリターンを得られている(=運用効率が良い)ことを表します。同ジャンルの商品を比較するときには、シャープレシオの高い方を選びましょう。同程度のリスクをとっている中で、効率良くリターンが得られていることがわかります。
3. 純資産総額は少なくないか、資金流出が続いていないか
インデックスファンドであれば、純資産総額は大きいほどいいのですが、アクティブファンドの場合は上でも紹介した通り、小型株ファンドであれば200億円程度がいいでしょう。ファンドには適正な規模があるということです。
一方で、資金が流出しているファンドは要注意。思うような運用ができなくなるうえ、繰上償還(運用ができず解散する)の可能性があります。順調に資金が流入しているものを選びましょう。
4. 毎月分配型は選ばない
毎月分配型とは、分配金を毎月支払ってくれるタイプの商品です。お小遣いのようで一見嬉しいのですが、利益が出ていないときには元本を取り崩して分配金を支払うファンドがほとんど。長期の資産形成には向かないので、選ばないようにしましょう。
5. レバレッジ型・テーマ型のリスクを理解する
レバレッジ型でブル・ベアを当てることができれば、お金は指数の値動きの数倍のペースで増えます。しかし、思惑が外れた場合には、指数の値動きの数倍のペースで減ることに。上で紹介した楽天日本株トリプル・ブルは、指数上昇時には3倍儲かる一方、指数下落時には3倍損するリスクの高い商品なのです。
また、テーマ型ファンドが新規設定されるのは、往々にして相場がピークになっているとき。テーマの旬が過ぎてしまうと値下がりして、その後は見向きもされないことがあります。現に今や「BRICs」なんてほとんど耳にしませんし、以前流行ったシェールガス関連のテーマ型ファンドも資金流出が相次いでいます。
レバレッジ型やテーマ型はリスクが高く、長期投資に向かないことを押さえておきましょう。
6. 顧客を大事にしている運用会社か
最後に、運用会社が顧客を大切にしているかもチェック。アクティブファンドの成否は、運用会社の担当の手腕によるところが大きいからです。セミナー、ニュースレター、YouTubeの動画配信など、運用会社の情報発信も多岐にわたっています。これらが充実している、顧客との接点を大切にしている運用会社を選びたいものです。
おすすめアクティブファンド3本を紹介!
以上を総合的に踏まえて、おすすめのアクティブファンドを3つ、紹介します。いずれも、長期にわたって大きなリターンをあげています。
スパークス・新・国際優良日本株ファンド
基準価額:45,889円
信託報酬(税込):年1.804%
トータルリターン:10.35%(3年・年率)、14.87%(5年・年率)、17.73%(10年・年率)、416.05%(設定来)
※数値は2021年8月17日時点
国内企業を綿密に調査し、今後グローバルに活躍できると判断した20銘柄程度に厳選して投資するファンド。2008年の設定以来、高い運用成績を挙げ続けています。マネックス証券では、iDeCoを使って購入できます。R&Iファンド大賞2021受賞。
netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(為替ヘッジなし)
基準価額:25,114円
信託報酬(税込):年2.09%
トータルリターン:25.55%(3年・年率)、26.79%(5年・年率)、22.04%(10年・年率)、314.89%(設定来)
※数値は2021年8月17日時点
米国を代表するIT企業、「GAFAM」(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)をはじめ、テクノロジーの発展の恩恵を受ける米国の企業に投資するファンド。右肩上がりで成長し続ける米国株の恩恵を受けられます。R&Iファンド大賞2021受賞。
セゾン資産形成の達人ファンド
基準価額:31,082円
信託報酬(税込):年1.55%
トータルリターン:12.09%(3年・年率)、15.06%(5年・年率)、15.71%(10年・年率)、206.24%(設定来)
※数値は2021年8月17日時点
ファンドに投資する「ファンド・オブ・ファンズ」とよばれるタイプのアクティブファンド。日本を含む世界の株式に幅広く投資します。
投資先は、米国や欧州の株式ファンドが主体になっています。アクティブ型の中では信託報酬が安め。つみたてNISAやiDeCoでも投資できます。R&Iファンド大賞2021、リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2021受賞。
アクティブファンドというだけで敬遠される向きがありますが、中長期で大きなリターンをあげている商品もあることがおわかりいただけたと思います。ぜひ、投資の選択肢に加えてみてください。
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