楽しみながらお金の知識が身に付く! お金のプロが選ぶ、小学校5年生から中学生におすすめのマネー本3選
学校や家庭で習う機会があまりないお金の知識。とはいえ、お金の知識は将来を生きるうえでとても大切なので、ぜひ早いうちから身に付けてほしいものです。
そこで今回は、お金の知識が身に付くおすすめのマネー本を3冊、ご紹介します。小学校5年生から中学生を想定していますが、大人が読んでも読み応えのある本を選んでみました。ぜひ親子で読んでみてくださいね。
子供に教える「経済学」世界一やさしい経済の授業
今の社会で、経済にまったく関わらずに生きるのはまず不可能です。洋服を揃えるにも、日々のごはんを用意するにも、住むところを整えるにも、お金が必要です。お金を使っている以上、私たちは経済に関わっています。
しかし、そんな身近な経済のことを、果たしてどのくらい知っているでしょうか。「経済ってなに?」「なんで税金を払わなければいけないの?」など、経済に関することを聞かれて、自信を持って答えられる人は、おそらく少ないのではないかと思います。
『子供に教える「経済学」』(木暮太一著/青春出版社)では、経済について子供が素朴に感じる疑問に答える形で、「なんでそうなっているのか」「経済の世界ではどう考えているのか」といった原則をやさしく解説しています。
例えば、「秋葉原って、なんで電気屋さんばっかりなの?」。たしかに秋葉原には電気街があり、大手の家電量販店から個人が切り盛りしていそうな専門店まで、電気屋がたくさんあります。これだけ同じような電気屋がひしめき合っていたら、お客さんが分散してしまって、なかなか儲からなくなってしまうように感じます。
しかし、だからといってライバルの少ないところにお店を開いても、失敗してしまいます。そもそも来てくれるお客さんが減ってしまうからです。電気屋に限らず、お店は多少の値下げ競争を覚悟してでも、お客さんがたくさん来てくれそうなところに出店するのです。これは経済学でいう「ゲーム理論」という考え方の基本的なポイント。本書ではカフェを出店するという例え話を用いて、図解でわかりやすく示しています。
そのほかにも、ものの値段や給料の決まり方、会社・税金・年金などの仕組み、食料自給率問題や環境問題といった世の中の問題にいたるまで、経済を通じての見方や考え方を学ぶことができます。
教科書や学校では、会社や税金、あるいは世の中の問題がせいぜい「ある」ということしか学べません。もしかしたら、あまり深く扱わずに流されてしまうこともあるでしょう。しかし、本書を読んでいれば、日々の経済に関するニュースがわかるようになりますし、自分の頭で考えられるようになるでしょう。なにより、一つひとつの質問がどれも身近なので、「ぼくも(わたしも)これ、不思議だったんだよなぁ」と思うことがあるはず。きっと誰もが知的な興味をそそられる一冊です。
漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
お金持ちになりたくない! という人はほとんどいないでしょう。古来、人は「どうやったらお金持ちになれるのか」と悩み続けてきました。
『漫画 バビロン大富豪の教え』(ジョージ・S・クレイソン原作/文響社)は、1926年にアメリカで出版され、今なお多くの人に読まれている『The Richest Man In Babylon』(バビロンいちの大金持ち)を翻訳・脚本・漫画化した本です。
かつて現在のイラク周辺に栄えたバビロニア王国では、資源が乏しいことから交易が盛んで、数学や金融が発達していました。銀行の起源が誕生したのもこのバビロニア王国なのだそうです。その首都バビロンに住む武器職人の息子バンシルが、バビロンで一番の大富豪アルカドに、大富豪になる方法を教えてもらう……というストーリーとなっています。
大富豪アルカドが最初にバンシルに教えたのは、「お金持ちとは、お金の増やし方を知っている者」だということ。お金は、使うだけではなくなってしまう。だからお金持ちは、お金を増やせなくてはいけないというわけです。そして、「収入の10分の1を貯金せよ」と説きます。
これはまさに現代の「先取り貯蓄」です。先取り貯蓄とは、毎月の給与が振り込まれたら、それを使う前に貯蓄分を取り分けて貯めることです。
お金は「余ったら貯めよう」という「あとから貯蓄」では貯まりません。人間の意志は弱いので、余ったら貯めようと思っていると「今月は臨時出費があったからノーカウントで」「来月倍貯めればいいや」などとなりがちです。そして、その通りにできなくて、お金が貯まらなくなってしまうのです。ですから、みなさんもぜひ先取り貯蓄をするべきです。
大富豪アルカドは貯蓄のほかにも、バンシルにさまざまなことを教えます。浪費を防ぐこと、運用をすること、リスクを回避すること、住むところを選ぶこと、そして行動すること。これらは「黄金に愛される七つ道具」として示されます。また、この七つ道具をさらに進化させた「五つの黄金法則」は、昔のバビロニア王国ではもちろん、今の日本でも通用します。お金持ちを目指すうえで、とても大切な考え方です。
途中に多少の解説は入りますが、全編漫画なので、小学生でもあっという間に読めるはずです。もしかしたら、七つ道具や五つの黄金法則を素直に実践するのは子どもの方かもしれません。今でも通じる不変の金銭感覚を養うことができる一冊です。
お父さんが教える 13歳からの金融入門
日本では、学校でも家庭でも、お金や投資に関することを習わずに大人になる人がほとんどです。しかも、お金の話をする習慣がないうえに、「お金の話はタブー」「お金の話は汚い」などといって、避けている向きすらあります。大人になって、初めてその仕組みを知って驚いたり困ったりするのも、ある意味、無理はありません。
『13歳からの金融入門』(デヴィット・ビアンキ/日本経済新聞出版社)はもともと、著者が13歳になる息子にお金と投資の基本について教えるために書かれた本。金融に関する100のトピックを、やさしく語りかけるような口調で(ときにジョークを交えながら)説明しています。
日本では、大手銀行の普通預金の金利が0.001%(2021年3月22日時点)。100万円を1年間預けてようやく10円(税引き後は8円)増える計算です。しかし、一方で物価や税金、社会保険料が値上がりし、給料はなかなか増えないことを考慮すると、今後お金を守り増やしていくためには、預金だけでは力不足なのです。そこで投資の力を借りたいところ……なのですが、肝心の投資の知識がなければ、投資しようにもできないでしょう。
本書では、お金の種類や支払いの方法といったお金の基本からはじまり、株式投資、ファンド、債券など、主だった投資商品の特徴を紹介しています。オプションやビットコイン、さらには「PER(株価収益率)とは?」「VC(ベンチャーキャピタル)とは?」といった、少し踏み込んだ内容にも触れているうえ、企業分析の方法やローン・資産・税金などの話題も網羅。投資だけでなく経済、金融の話題を幅広く取り上げ、解説しています。
投資について内容が深いところまで展開されているので難しく感じるところもあるとは思いますが、その分本書を読んでおくだけで、投資や金融についての一通りの知識が身に付きます。そして、これからお金を増やしていくために、どうしたらいいのかも、自分で考えて実行できるようになるでしょう。タイトルに「13歳からの」とありますが、大人が読んでもきっと学ぶところがある一冊です。
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