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お金と制度
2020.11.27

夫婦で住宅ローンを申し込むには? 事前に知っておきたいペアローンと連帯債務、所得合算の違いを解説

夫婦で住宅ローンを申し込むには? 事前に知っておきたいペアローンと連帯債務、所得合算の違いを解説

住宅購入は、一生涯の買い物のうち最も高い買い物とされています。現代では共働きの世帯が増加した影響もあり、夫婦の共同名義で住宅購入を検討される方が多くなっております。そして、住宅購入時に悩まれるひとつが住宅ローンです。初めてお金を借りる方も多く、何をどのように選択すればよいのかわからないという方がほとんどです。住宅ローンとは、実際にどのような種類があり、どのように選択すればよいのかを簡潔に触れていきたいと思います。

夫婦で住宅ローンを組むには

夫婦で住宅ローンを組もうとした際に悩まれるのが、まず、どのような借り方で借りたらいいのかということです。夫婦二人での借入れを検討した際、代表的なものとして、ペアローン連帯債務所得合算などがあります。特にペアローンと連帯債務については非常によく似ているため、違いがわからなかったり、悩まれたりする方が多いようです。

夫婦二人での借入れには、ペアローン、連帯債務や所得合算などがあります

ペアローンと連帯債務の違い

ペアローンと連帯債務の大きな違いは、夫婦で1つの住宅ローンを組むか、夫婦それぞれで住宅ローンを組むかになります。

ペアローンの場合、夫婦がそれぞれで住宅ローンを組むイメージになるため、2つの住宅ローンを組むこととなります。そのため、夫婦それぞれの返済能力が審査対象となり、住宅ローン審査が行われます。

一方、連帯債務は夫婦で1つの住宅ローンを組むこととなるため、夫婦の所得を合算したものを返済能力とし、審査が行われます。

基本的には差があまりないように感じますが、それぞれの収入状況等によって、個別で見るよりも夫婦合算で審査した方がいい場合等もあるため、個別の収入状況等によって選ばれるのがよいです。

また、その他の違いとして、細かな印紙代の差等がありますが、これらは住宅ローンを1つで組む連帯債務の方が安く収まります。そのため、一般的には連帯債務の方が必要費用が安く収まることが多いですが、ペアローンを扱う金融機関に対し、連帯債務を扱う金融機関は少ないため、その他の条件を考慮したうえで選択することをお勧めいたします。

所得合算

所得合算としての借り方については、先に述べた2つの借り方と明確な違いがあります。それは、借入れをする債務者が1人だけということになります。

例えば、ご主人様が債務者となれば、奥様を連帯保証人とするケースです。連帯保証人は債務者ではないため、実質ご主人様一人で借入れをしていることとなります。

しかしながら、連帯保証をしている奥様の収入の1/2をご主人様の所得と合算して審査をすることができるため、ご主人様お一人で住宅ローンを組む場合よりも多くの予算を取れます。

注意する点としては、先のペアローンや連帯債務がそれぞれの所得を全額考慮できるのに対し、所得合算は片方の所得の1/2しか考慮できないため、借入予算は少なくなります。

また、債務者が1人ということになるため、住宅ローン控除等の制度や団体信用生命保険等を受けられるのも1人分となります。これらをメリットと取るかデメリットと取るかは世帯ごとのご状況次第になるため、ご自身のご状況を踏まえて選択をされるとよいです。

ペアローンや連帯債務での借入額

ペアローンや連帯債務の借入れ方法を選択した場合に悩まれるのが、それぞれいくらの金額で借入れをすればよいのか、ということになります。お互いが1/2ずつでいいのか、それともご主人様の方を多くする方がいいのか、悩ましいところだと思います。

持ち分割合に注意

この金額割合についてですが、まず前提として考慮するべきなのが、この金額割合≒住宅の持ち分割合になるということです。この金額割合と持ち分割合に差が生じてしまうと贈与扱いになってしまうため、気をつけなければなりません。

この持ち分について問題になるケースとして、相続や離婚時の資産分配当があります。この持ち分について気にされる方については1/2ずつにしておく方がよいです。

持ち分割合に注意

持ち分割合を気にしない場合

持ち分について気にされない方はどのように金額設定をしたらいいのか。これについては明確な答えはないものの、基本的に住宅ローン控除等の制度を効率よく使うことができ、金額的メリットが最大になる割合を選ばれる方が多いです。

ペアローンや連帯債務夫婦それぞれが控除を受けられるため、その控除が最大になる金額がベストといえます。収入状況によって所得税や住民税の金額が決まるため、ご主人様と奥様のご状況に応じて割合を決められるとよいです。

ライフプランの変化にも注意

現在のご状況だけで判断をすると、住宅ローン控除などの10年間にわたり控除を受けられるものについては気をつけなければなりません。ご家庭によっては今後お子様をご希望のご家庭もあるかもしれません。

その場合、10年の間に産休や育休のイベントが発生する可能性があるため、収入が変化する可能性があります。つまり、納める税金にも変化が生じる可能性があることになります。そのため、現在の収入状況だけでなく、ご自身たちが希望する今後のライフプランを考慮したうえで借入れする金額割合を検討することが必要となります。

ライフプランの変化にも注意

住宅ローンの返済方法

借入れ方法や金額の割合が大体決まってくると、返済方法についても決めていかなければなりません。ここでの返済方法とは、元利均等返済と元金均等返済の2通りになります。

元利均等返済と元金均等返済のメリット

元利均等返済とは、元金の返済と利息の支払いを足した毎月の返済額が、最初から最後まで一定になるように計算をされた返済方法になります。

元利均等返済のメリットとしては、最初から最後まで返済額が一定(利率が同条件のもと)のため、返済計画を立てるうえで固定支出として計画も立てやすく、元金均等返済に比べて最初の返済が少ないため、住宅ローンの返済によって家計が圧迫される可能性が低いです。

一方、元金均等返済とは、元金の返済部分が最初から最後まで一定になるように計算をされ、残っている元金に対しての利息が毎月の返済に加算される返済方法になります。

元金均等返済のメリットは、元利均等返済に比べて元金の返済が早く進むため、総支払いが少なく済むことであり、また、毎月の支払いが返済期間が進むほど少なくなっていきます。最初返済は多くなってしまうものの、後から楽になっていく返済方法ともいえます。

元利均等返済と元金均等返済はどちらがいい?

この2つの返済方法については、今後の家計の余裕上に合わせた形で選択をされるといいです。総支払額が少なく済み、後から楽になっていく元金均等返済がぱっと見は良く見えますが、現在の余裕資金を住宅ローンの返済にあてるということにもなります。

現在の余裕資金の使用目的は、ご家庭によってさまざまですが、お子様の教育資金や老後資金など、住宅以外にも準備しなければならない項目は多々あると思います。そのため、それらの準備資金を考慮したうえで、さらに余裕があるかどうかを見極めて住宅ローンの返済方法を選択することが重要となります。

金融機関の選択

住宅ローンを借りる金融機関といえば銀行ですが、銀行にもネット銀行・都市銀行・信託銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合など種類もさまざまです。そのなかで、どのように自分たちに合った銀行を探せばよいのか悩まれる方がほとんどです。

銀行を選択する5つの判断基準

銀行を選択する基準はさまざまだとは思いますが、大きく分けて5つの判断基準があると思っています。

その5つは、以下となります。

  1. 金利
  2. 諸経費
  3. 団体信用生命保険
  4. 申し込みのしやすさ
  5. 借入れ後の使い勝手の良さ

金利

月々の返済額に直結するため、毎月の返済をとにかく安くしていきたいという方にとっては最重要項目となります。

住宅ローンの金利は、どの金融機関も基準としている金利に差はないもの、結果として借入時の金利は金融機関によってさまざまです。それは、金融機関ごとに定めている優遇金利とよばれる特別金利が適用されるケースがあるからになります。

この優遇金利は金融機関ごとに自由設定ができるため、金融機関によって借入金利に差が生じることとなります。ご自身たちが住宅ローンを借りようとした際に、現在はどこの金利が安く設定されているかを確認するとよいでしょう。

諸経費

銀行から住宅ローンを借入れする際に必要とされる保証料や事務手数料になります。保証料や事務手数料については、初期費用として自己資金が必要になるケースもあります。

昨今においては、この初期費用もローンの一部としてしまうケースや毎月の返済に上乗せするケースもあるため、一概ではないですが、基本的には初期費用を抑えたい方にとっては、この諸経費部分の費用も考慮した方がいい部分になります。

団体信用生命保険

保障内容を重視するケースです。団体信用生命保険には、死亡時のみ保障するものをはじめとして、がんの保障や就労不能時の保障等、金融機関によって選択できる保障の幅もさまざまとなります。

現在加入をしている生命保険の内容との兼ね合いも考慮したうえで、住宅ローンの保障も手厚くしていきたい場合はこの団体信用生命保険についても比較していくとよいです。

申し込みのしやすさ

借入れの申し込みをする際、ご自身で手続きをするのには労力がかかります。

少しでも楽に進めたいという方は不動産会社提携の銀行で進めることで楽に手続きができるケースもあるため、紹介先の銀行にて手続きすることもお勧めです。

借入れ後の使い勝手の良さ

今後何十年と付き合うことになる金融機関ですので、近くに店舗やATMがあるのか、入出金の必要があるのか等が使っていく際の使いやすさになります。

使い勝手が悪いケースですと、コンビニATMなどを使用し、無駄に手数料がかかってしまうこともあるため、利便性の良さも重要となります。

自分たちに合った優先順位で

これら5つの判断基準にはなりますが、すべての項目が一番ということは難しいため、優先順位をつけていき、そのなかで条件の良さそうな金融機関を2~3選んで審査を進めていくことがお勧めです。

そして、審査の通ったなかで最も条件の良い金融機関を選定するというのが、借入れ後も後悔のない金融機関選びとなります。

住宅ローンの借入れに正解はない

以上のような流れで住宅ローンを選ばれるのがスムーズに選ぶことのできる方法のひとつとなります。しかしながら、この住宅ローンの借入れについては明確な正解というものがありません。

なぜなら、どの方法にもメリットデメリットは存在し、結局のところ、その方法がそのご家庭に合うのか合わないのかによるからです。ご自身たちの収入支出のご状況だけではなく、今後のライフプランや将来のご希望、また、理想とする返済計画によって選ぶ基準は変わってきます。

そのため、まずはご自身たちの将来設計やご希望を明確にし、その希望に合う住宅ローンはどのようなものなのか、という形で選ばれるとよいと思います。住宅ローンと一言で言っても、金融情報、制度情報、ライフプランについて等考慮するべきポイントは多岐にわたるため、身近なファイナンシャルプランナー等に一度ご相談しながら最適な選択をしていただければと思います。

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※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

木幡祐樹 ファイナンシャルプランナー

独立系ファイナンシャルプランナー。都内信用金庫、外資系保険会社を経験後、日本ファイナンシャルプランニング株式会社に参加。FPコンサルティング事業部事業部長として年間数百人のお金のトータルサポートを行い、理想のライフプランの実現を支援している。

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