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2022.11.21

海外の不動産投資で節税できる? 税制改正の内容や対策

海外の不動産投資で節税できる? 税制改正の内容や対策

海外不動産を所有することで節税効果がある、ということでも海外の不動産投資は盛り上がりを見せていましたが、2020年度の税制改革によって節税効果は限定されることとなりました。今回は、そもそも従来の節税スキームがどのようなものだったのか、そして税制改正に伴う変更内容について解説します。

海外不動産投資に関する税制改正の内容は?

従来の節税スキーム

従来の海外不動産投資による節税スキームとは、海外不動産の取得等に伴い発生する減価償却費を活用したものでした。減価償却とは経年で建物の資産価値が目減りした分を経費として計上できる仕組みで、建物価格により減価償却の額が決まります。土地は減価償却の対象とはなりません。

不動産を賃貸で運用する場合、建物の取得費などの減価償却費を必要経費として算入し、所得が赤字となる場合は、その赤字を給与所得などと損益通算して課税所得を減らすことが可能となっています。海外不動産の場合も、不動産の取得費をベースに減価償却を計算しますが、日本在住者が海外の不動産を買う場合は日本の税制に従って計算することになります。

ここで、日本の税制では耐用年数を超えた中古の固定資産の場合、「簡便法」という計算方法が認められており、中古物件の場合、新築に比べ大幅に短い償却期間を適用させることが可能となっています。

たとえば法定耐用年数である築22年を超えた木造の住宅用建物の場合、耐用年数の1/5、つまり4年(22年×20%=4.4年。端数は切り捨て)を耐用年数として減価償却することができることため、短期間で減価償却をすることで減価償却額を大きく計算することができるのです。

従来はこの大きく計算した減価償却費について、日本での所得と損益通算することが認められており、高額な中古物件を購入し、家賃収入を上回る減価償却費で赤字を発生させることで日本での所得税額や所得税率を抑える流れが活発化しました。

このような節税のスキームが可能であった背景には、日本と海外の不動産市場のギャップがあります。上記の例では築22年超という日本では資産価値の無い建物を購入することになりますが、海外では新築信仰が強い日本とは異なり、中古不動産でもリノベーションして住み続けるという価値観が一般的で、マーケットには中古不動産でも資産性を持ち続けた物件が数多く流通しています。このため、減価償却費を多く計上し節税メリットを享受しつつ、資産性のある不動産を所有する、ということが可能だったのです。

人気を集めたアメリカの中古不動産

この節税手法を用いた投資先として特に人気を集めたのがアメリカの中古不動産です。アメリカは中古不動産がマーケットの大半を占めており、さらに、日本と比べ物件価格に対し建物の占める比率が高いこともあり、節税目的の不動産投資を行うには最適だったのです。

実際、中古物件の場合、日本では土地代がおおむね3/4を占めるのに対し、アメリカでは、建物と土地の価格が逆転し、建物がほぼ3/4を占めます。建物の価値が高く、減価償却額も大きく異なるわけです。

もちろん、減価償却費が計上できても売却時に大きく値下がりしていれば損失にもなりかねませんが、アメリカの場合、値下がりリスクが少ないばかりか、立地を厳選すれば築古の木造物件でもキャピタルゲインを狙うことも可能だったため、富裕層を中心に多くのアメリカ中古不動産への投資が行われました。

税制改正に伴う減価償却費による損益通算の無効化

しかし、2020年度の税制改正により、海外の物件を取得もしくは建築する場合の、損失の取り扱いに制限が加えられました。

税制改正の内容を簡潔にまとめると、令和3年(2021年)以降の確定申告において、海外不動産の減価償却費計上による赤字申告ができなくなった、ということです。

具体的には国外不動産から生じた所得の損失のうち、減価償却費に相当する金額部分は実際に損失が生じていても無かったものとして考えられることになりました。これにより、他の所得(本業の所得など)と損益通算ができないことになり、海外不動産を活用した節税スキームはできなくなりました。

税制改正による影響下での海外不動産投資の対策

税制改正による影響はありながらも、海外不動産投資のメリットが無くなったわけではありません。

法人での不動産投資は従来通りの節税が可能

税制改正はあくまでも個人を対象としているので、法人で海外不動産を所有する場合は、従来通り減価償却費を計上することが可能です。減価償却を計上することで当該年度の法人税について減らすことは認められており、引き続き海外不動産投資のメリットを享受することができるのです。

ただし法人の場合、減価償却費の計上は税金の繰り延べにすぎない点に注意をする必要があります。減価償却をしてその年度では節税となっても、不動産を売却する際には減価償却をした価格を簿価として、売却価格との差分に対し譲渡所得税が発生するため、利益額が大きく計上され納税額も大きくなります。

つまり単年度では法人税の節税効果はあるものの、長い目で見ると法人税の繰り延べでしかないといえます。減価償却費を計上し終わったタイミングで物件を買い替え続ければ、継続して税金を繰り延べ続けることもできますが、売却時に納税額を支払う必要があることに変わりはありません。

まとめ

海外不動産投資を通じた節税は、法人では継続して可能なものの、個人にとっては難しくなりました。今後の海外不動産投資においては、家賃収入や物件の売却益という不動産投資の本質的な利益を狙っていくことが大事になります。

やはり投資対象国のことをよく調べ、十分に理解してから投資することが肝要となるでしょう。自分自身で調べることも大事ですし、現地で有望なエリアやマーケットのトレンド等、自分で調べることが難しいような情報についてはその国の事情や投資に詳しい税理士に相談をしたり、海外の不動産投資に強い会社に相談をしたりするようにしましょう。

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※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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