1. TOP
  2. RENOSY マガジン
  3. 投資する
  4. インデックス投資における長期投資のマインドとは?コロナショックを乗り切るために大事なこと

作成日: 2020.06.22

インデックス投資における長期投資のマインドとは?コロナショックを乗り切るために大事なこと

インデックス投資における長期投資のマインドとは?コロナショックを乗り切るために大事なこと

今年に入って発生したコロナショックによる株価の乱高下。インデックス投資を行う個人投資家にも、動揺が走ったことと思います。6月半ばまでの相場変動を振り返りつつ、インデックス投資において一番重要な「長期投資」を続けるための、いくつかのマインドをご紹介します。

インデックス投資はコロナショックに耐え、継続あるのみ

以前、何かと手間がかかる不動産投資と組み合わせる副業投資法として、手間いらずで堅実に資産を増やせるインデックス投資を紹介しました。

インデックス投資とは、投資対象の市場全体にはば広く分散投資を行い、市場全体の平均的な成長を獲得する投資手法です。

この投資で一番大事なことは、コツコツと積み立て購入して辛抱強くじっと保有し続けていく、長期投資の姿勢を変えないということです。

コロナショックに直面した個人投資家達

2020年2月下旬から、新型コロナウイルスの感染拡大による経済の減退、また企業業績の悪化を懸念して、世界の株式相場は明確な下落トレンドに入りました。いわゆるコロナショックです。

コロナショックは3月に入ってからその影響を増大させ、例えば米国の代表的な株価指数である「S&P500」は、1カ月足らずの間におよそ30%も下落しました。

このあまりに急激な下落には驚きました。しかしさらにもっと驚いたことは、3月下旬からのこれまた急激な回復ぶりです。

4月、5月の2カ月余りで、「S&P500」はコロナショックの発生直前の水準にかなり近づくところまで上昇しました。

今後は、コロナショックの影響により株式相場の下落が再発する、いわゆる二番底が心配されるところではありますが、この4カ月間、株式相場の急激な下落と上昇というジェットコースターぶりに翻弄された個人投資家はきっと多かったに違いありません。

個人投資家の行動と結果

次にどのような波が来るかわからない中、次のような反応をした人はいるでしょう。

  • 保有するリスク資産が大きな含み損を発生させて、あわてて損切りした人
  • 市場からリスク資産を引き揚げて、相場の動向をじっと観察していた人
  • 相場が上昇し始めたとしても、二番底を心配してなかなか買い戻れない人

そしてコロナショックによる下落と上昇のトレンドの中にあって、以下のような人たちが少なからずいるかもしれません。

  • 確定させなくてもよい損失をわざわざ確定させてしまった人
  • 上昇の始まりの時点でリスク資産(元本保証がない金融資産全般)を保有しておらず上昇の波に乗れなかった人
  • 相場への再入場に躊躇して投資の機会損失を招いている人

コロナショックから学ぶこと

では、今回のコロナショックから個人投資家は何を学ぶべきでしょうか。

ひとつは、この相場で自分は「リスク商品を安い時に買って、高い時に売る」というタイミング投資が可能であったかを振り返ることです。

また、今回は運良く儲けることができた人であっても、今後も同じような株式相場の変動に直面した際に、同じように儲け続けることができるだろうか、と自問自答をすることです。

そもそも投資で好成果をあげることができたとしても、その要因は自分の実力によるものなのか、そしてそれは今後も再現できるのか。

株式投資にパチンコのようなスリルを期待している個人投資家なら別ですが、少なくない個人投資家達は、さまざまな目的を達成するために資産を着実に増やしたいと考えて投資を行っています。

そのような健全な個人投資家にとって、コロナショックのような場合にはどう動けばよかったのか。私の考えをお示ししたいと思います。

4,000万円下落しても動じない姿勢

ここにインデックスファンドで構成された、私のポートフォリオの残高を例示してみます。

私の保有資産は2020年初には2.3億円にまで達していました。それが、3月末には1.9億円と2割近く下落してしまいます。

その後は上昇に転じ、直近の6月12日では2020年2月末の水準にまで回復するに至っています。

つまりは、自分の保有資産がコロナショックによりあっという間に下落に晒されても、慌てることなく市場の回復を待って資産を保有し続けていたら、再びあっという前に元にもどったというわけです。

私は目減りする保有資産を慌てて「狼狽売り」はせず、また、一旦損切りそして再参入という「タイミング投資」を狙うこともしませんでした。

ただ何もせず市場に居座りつづけた結果、コロナショック前と変わらぬ順調な資産形成の列車に乗り続けることができています。

市場にどんな変動が起きても、決して慌てることなくリスク資産を保有し続けるこの長期投資の心構えこそが、資産形成の目標達成に関して必要な投資マインドです。

個人投資家にとって時間は強みとなる

典型的な投資手法として、「集中投資」や「タイミング投資」といった、いわば相手を出し抜いて儲けるやり方があります。この投資手法でもって成功を収めるためには、他の投資家と競っていかねばなりません。

しかしながら競り合う相手の中にはプロの機関投資家も含まれており、個人に比べて彼らは情報の量、質、入手スピードのいずれにおいて勝っています。

そればかりか、動かせる資金量も格段に大きく、そして売買のテクニックもはるかに高度で充実しています。

個人がそのようなプロの投資家と同じ土俵で競い合い、彼らを出し抜くアクティブな投資が果たしてどれだけ実現可能でしょうか。

プロの投資家との比較にて個人が勝っている要素があるとすれば、その一つは「時間」です。

プロの投資家は、決められた期間内で決められた利益目標を達成させる必要があります。

そのために、相場が荒れていようが凪いでいようがさまざまな売りと買い、現物と信用のテクニックを駆使して、投資を行う必要があります。

ときには大きなリスクを取らざるをえなかったり、時間切れでゲームオーバーとなることもあるでしょう。

しかしこうしたプロの投資家に比べれば、個人は投資にじっくりと時間をかけることができます。ですから今回のコロナショックのような短期的な相場変動にも慌てることなく、悠然と構えていればよいのです。これが個人投資家の強みなのです。

さらには、当初自分で定めたリスク商品の資産運用期間についても、成績が芳しくなければもっと相場が上昇するまで運用期間を延長することだって可能です。

一定期間で結果を出さねばならないプロの投資家と異なり、個人はゆっくりじっくりと長期投資を続けることによって、前回の記事でも唱えたとおり「世界経済の長期的な成長とそれに裏打ちされた株式市場の上昇」に乗ったリターンを期待することができます。

積み立て投資は最初の2年が肝心

インデックス投資を実践する個人投資家の多くはサラリーマンであり、毎月の収入から得られた余裕資金をつかって、インデックスファンドを積み立て購入します。

ドルコスト平均法

購入を毎月定額とすることで、ファンドの基準価額が高い時には少ない口数、基準価額が低いときには多い口数を買うことになります。

つまりは、値段が高い時には少ししか買わず、値段が安くなったらたくさん買うという「ドルコスト平均法」を採用するのが一般的に推奨されます。

このドルコスト平均法による積み立て投資は、タイミングを気にせず、毎月コツコツと実行するのですが、個別株投資の経験を持つ方からみれば、毎月の買値が気になることでしょう。

できれば高い月には全く買いたくないので現金をとっておき、うんと安くなった月はここぞとばかりタップリ仕込みたくなるものです。

しかし目にする基準価額は果たして高いのか安いのか、一体どうやって判別をつけるのでしょうか。過去の基準価額と比較することはできますが、未来の予測はできず、判別は難しいのです。

投資元本に占める割合

長期的には、「基準価額が上昇する」のであれば、できるかぎり早いペースで購入を積み重ねる方がベターです。

買値の呪縛から解き放たれるためには、とにかく最初の2年くらいはどんな買値となろうとも我慢して積み立てを重ねることです。

20カ月を過ぎると、次回の積み立て購入が全体の投資元本に占める割合は、5%を下回ります。

すると次の21カ月目に積み立て購入した分の基準額が、たとえそれまでの平均購入価額よりも30%高かったとしても、投資元本全体に対する「割高インパクト」は

30% ÷ 20カ月=1.5%

でしかありません。

これくらいのインパクトであれば、日経平均やドル円の為替1日あたりの変動の方が多い、というケースはいくらでもあります。

こうして積み立て投資は最初の2年までを乗り切れば、あとは「毎月の買値にじたばたしても仕方がない」という境地にたどり着きます。

そこまで到達すればあとはブレることなく機械的に長期投資ができることになります。

暴落と回復を1度経験すればもうベテラン

さらに長期投資を続けていると、今回のコロナショックのようなさまざまな「〇〇ショック」に出くわすことがあります。

〇〇ショックと呼ばれる下落の場合、たいていは保有資産が短期間で10~30%くらい減少します。あるいは評価益だった資産が評価損に転落します。

しかしこういった局面に出くわしたとしても、しばらく待つことによってやがて市場は回復の様相を見せ始めます。

ですからそこで大事なことは、株式相場の下落が起きたとしても、積み立て投資をやめずに継続することです。

基準価額が下落したファンドの買い増しをどんどん進める、いわゆる「ナンピン買い」を続けることによって、口数をより多く購入します。

すると基準価額が反転上昇した際に、安く買った口数分が沢山あるのですから保有資産の損益改善は加速度的に進みます。

私はリーマンショックが起きてから、以降4年余りの間、ほぼ毎月積み立て投資を続けてきました。その間はほぼずっと、せいぜい損益トントンの成績です。

それが2012年末にアベノミクスがスタートするやいなや、4年間ずっと安く購入していた元本およそ5千万円分のファンド群の基準価額が、一斉に上昇トレンドに転じて評価益がグングンと上昇。わずか1年後には+40%まで到達しました。繰り返しますが、年間リターンが+40%です。

相場下落→ファンドを安くたくさん購入→相場反転上昇で、保有資産は一気に回復。

このウイニングサイクルを体験した個人であれば、以降の〇〇ショックにも耐えうることができるでしょう。

市場の回復を信じる

ですから今回のコロナショックについても、私は1ミリも慌てることなく、運用資産をそのまま保持し続けましたし、その行動が正しかったことは冒頭のとおりです。

ただし、この資産保有を安心して続けることができるのは、「投資先を市場全体に分散した場合」に限られるかもしれません。

個別株や特定のテーマを対象とした集中投資の場合は、一旦下がった株価や基準価額が市場全体のように戻る保証はありません。

やはり市場全体に広く分散投資をしているからこそ、市場はいつか必ず回復することを信じて待ち続けることができます。

コロナショックの前の株価が資本主義経済の歴史上の最高水準であったと決めつけるのも早計です。

例えば、リーマンショック以前の「S&P500」の基準価額はおよそ1,500ドルあり、これがリーマンショックで半減しました。

1,500ドルが歴史上最高水準かというとそんなことはなく、現在では1,500ドルどころか3,000ドルが見えそうな水準につけています。

一度、暴落と回復を経験しつつ資産保有を継続することができたとすれば、貴方はもう立派なベテラン長期投資家の仲間入りです。

投資以外にも時間をかけることは山ほどある

将来の株価や為替がどうなるかなんて、プロの投資家だって的中させることはできません。

ましてや素人の個人投資家が将来を予想することなど不可能でしょう。将来を予想して仮にそれが的中したとしても、それが個人の実力の成果なのか単なる運なのかはわかりません。

そのような「出来ない予想」をすることはあきらめる。自分の実力を信用することはあきらめる。

代わりに、信頼するのは「資本社会全体の成長」とそれをある程度反映した「株式市場における平均価額の上昇」です。

インデックス投資は、

  • 自分自身でリスク許容度(耐えることができる評価損失の最大値)を計り設定し、分散投資された市場連動型のファンドを毎月の余裕資金で機械的に買いつづけるだけ
  • たまに、自分で定めたアセットアロケーションをチェックして、アセットクラス別の残高割合を補正するリバランスをするだけ

です。とても手間いらずなのです。

浮いた時間は、サラリーマンであれば、会社で成功を収めるための努力に費やした方がよっぽど報われるのではないでしょうか。

または大切な家族と過ごす時間や、趣味に没頭する時間に割いてもよいでしょう。

はたまた不動産投資に注力する個人投資家であれば、物件探し、客付け、コスト削減努力といった収益改善効果を直接享受することができる行動に時間をかけることが可能であり、はるかに有意義でしょう。

自分の予測力を信じるな、市場を信じよう

繰り返しますが、

  • 個人の長期投資は、時間を味方につけることで成功を導きやすくなります
  • 積み立て投資は2年続ける。それ以降は買値が気にならなくなります
  • 市場の暴落と回復を一度経験すれば、自信がつきます
  • 手間いらずのメリットを活かして、仕事や家族、趣味、その他の投資に注力できます

投資にまわすお金とアセットアロケーションを決めてスタートさせたら初志貫徹。

SNSでみかける、正しい行動なのかどうかもわからない「どこの誰それが何々を売った、何々を買った」といった他人の動きなどに振り回されずに、長期投資を続けられんことをお勧めします。

個人は投資における自分の予測力を頼りにイチかバチかの勝負に打って出るのでなく、たくさんの企業が自社の収益拡充のため企業行動の総和としての「市場全体の価値上昇」を信じて、そこにできるだけたくさんベットする。自分自身ではなく市場を信じることが大事なのです。

次回予告

インデックス投資を続けるマインドについて取り上げた次には、実際にインデックス投資を行うステップについて紹介します。でも次回を待てない人はとりあえず大手ネット証券の口座開設の手続き書類を取り寄せておいてください。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

WATANKO

首都圏のエネルギー関連企業にて経営企画、経理および子会社管理の業務に従事しつつ、半ば家業ともいうべき不動産投資を行うサラリーマン兼業不動産投資家、さらには国際分散投資を実践するインデックス投資家です。 資産運用でスーパーカーを手に入れよう!

Facebook Twitter Instagram LINE Mail magazine LINE